駿府河原
「これを甲賀卍谷へ」
「これを伊賀鍔隠れへ」
そう言い二人は刃と将監に巻物をわたすと将監は走りだす
「孫の恋愛にほだされ、祝言をと思っておったやさきにこれとは、しょせん星がちごうたか」
「儂らの時もそうであったのう。儂も若かりりしときはお主を恋慕うておったぞ、お幻」
「今さら言っても栓無きことじゃろうて」
「しかし、良いのか刃よ、将監は言ってしもうたぞ?」
「くそったれが!!」
二人が刃を見ると刃の目からは涙がこぼれていた
「動きにきづけなんだ!」
「これもまた定めよ」
「ふざけるな!お前らが別たれ!何故あいつらまで別たれなければならんのだ!!あと、少しだったのに!あと、少し!」
「刃よ、これが忍の定めじゃ。お主がようわかっておるじゃろ」
弾正の言葉に刃は膝をつく
「なぁ、伊賀と甲賀で国取りをしようぜ!もう、毒は回ってるんだ!この期なら伊賀と甲賀で!」
「我らもとより、忠義をたてたみじゃ」
「諦めい」
「お前達が言えば皆耳を貸す!力じゃだめなんだよ!皆を!これからの安寧には皆が慕う上が必要なんだ!それは俺じゃねぇ!弾正とお幻か弦之介と朧のどちらかでなければならぬのだ!頼む俺の手をとってくれ。もう、嫌なんだ。明るい明日を望む若者が骸となり絆が刃へと別たれるのは!もう、たくさんだ」
刃はそういい泣きながら二人に手を差しのべる
「「すまぬの、これも忍と産まれた定めよ」」
刃は力なく腕をおろす
「して、弾正よ、お主甲賀十人衆はよく知るまい」
お幻はニヤリと笑うがすぐに体を硬直させ苦しむ
「ぎ!がああああ」
お幻の喉に針が刺さっていた
「十人?九人の間違いであろう?」
弾正は懐から巻物を出すと指を噛みきる
「刃、お主の巻物はいただいた。情にほだされるから腕がなまるのじゃ」
弾正はお幻の名前を巻物、忍別帖から血で消す
「さらばじゃお幻」
弾正はもう一本お幻に針を吹きとどめをさす
「忍法争いとはこういうものじゃと、わかっておったろうに」
お幻の目を閉じさせる弾正はどこか寂しそうであった。そして弾正は立つと口から針を出し刃に針を向ける
「かはぁーーーーーー!!!」
グサッ!
「おっ・・・・・お・・・幻」
お幻は弾正のが放った針で弾正の心臓を貫く
「かっかっかっ」
川に倒れる弾正
お幻はその口から血を取り忍別帖から弾正の名を消すと空へとほおる
足首に飾りを着けた鷹がもちさっていくのを見てお幻は弾正の胸の上でこときれる
「だん・・・・・じょう」
二人は川下へと流れている。二人はどこか笑っているようにも見えるほど穏やかな表情であった
「認めるか」
刃は顔を上げると元々死んでいた目はもはや光を吸い込むほどに濁っていた
「なんだ!それは!何故愛しあったものが殺しあう!死んで一緒になれると思うなよ!馬鹿どもが!」
そして返り血で眼帯はまるで狂とかかれているが如く
「狂った世の中でまともに生きようとおもったのが悪かったよ!さぁ!狂おうじゃねぇか!!!どこまでも!!ひーひっひっひっひっひっ!!はぁ、疲れた」
刃は指を鳴らすとお幻と弾正の遺体は消える
「さて、帰るか。くひ」
刃は走り出す
刃が走る。夜を徹して。
刃の忍法には常識ならざる速度で移動するすべもある
「あれは」
刃の目には将監と戦う伊賀衆がめに入る、いるのは蜘蛛の巣にかかる念鬼、小四郎、夜叉丸、蠟斎と巣から逃れている蛍火
「鎌鼬」ひゅるるるるる
将監が近付こうとした瞬間に将監と伊賀衆の間を鎌鼬が切り裂いていく
ざっ!
夜の森のなか深紅の双眸が闇すら飲み込まんと怪しく光る
「将監、伊賀と甲賀の和睦。どう思う」
「はっ!虫酸がはしるは!伊賀の臆病者が!」
将監の言葉に
「はっ!気が合うのう!こちらも甲賀との和睦など吐き気がしていたところであったわ!」
蠟斎が返す言葉で言う
「あぁ、そうかよ。なら流させてやるよ。血をな」ひゅ
「かっかっかっ!死ね伊賀むっ!」バシュッ!!
「・・・・・・」ひゅるるるるる
刃はゆっくりと後ろを向く
「お主は地虫十兵衛」
いつ、渡されたか。地虫は忍別帖を加えると一気に逃げる
「追うぞ!」
「「「おう!」」」
念鬼の声で蛍火以外が行こうとするが
「待て夜叉丸。お前は残れ」
「刃様、いかがなされた」
夜叉丸は振り替えるが蛍火がわって入る
「刃様、ご無事で何よりにございまする」
「後にしろ蛍火」
刃は蛍火をのける。今までにない行いだ
「刃様!?」
蛍火を無視し夜叉丸の正面に立つと
「今回の忍法勝負、忍別帖に夜叉丸、お前の名前はない。それはお幻に時代を担う者を一人外させたからだ。だからあえて伝えておく」
「はっ!」
「夜叉丸よ、忍法勝負が終わったら、俺は伊賀を抜ける。お前が俺の右腕となれ」
「なっ!?」
夜叉丸は驚きの余り固まる、里抜けは即ち伊賀を敵に回すことを意味する。それを自身に告げるということは断ればころされ、頷いても殺される可能性をはらんでいる。
そして何より長きに渡り里を支えた忍からの言葉と信じたくなかったのだ
「夜叉丸、始めに徳川でもおとすか?くっくっくっ」
いかれている。現在徳川を敵に回すということは国対一人か二人程度を意味する。それも誰かに聞かれたならば即咎人である。まさしく狂人の言であると夜叉丸の頭は警告をならす
「夜叉丸よ、共に行かぬか?」
「何故、私でございますか」
「俺は甲賀との和睦を望み。徳川に潰されたなら次に潰すのはどこだろうなぁ。俺はお前の能力を気に入っている。それに女だと任務に出すのに躊躇してしまうからなぁ。はっはっはっ」
「・・・・・私に伊賀を裏切れと?」
「いや、俺は新しく伊賀と甲賀の忍びを混ぜ新たな忍びを作りたい、そうだな棟梁は弦之介と朧の子にしたいのう。名は最後の狂った定めにしたいからのう、狂賀そう狂賀衆としよう。狂賀衆伊賀流なんとか、っていいと思わない?」
「・・・・・甲賀と組めと」
「もう、たくさんなんだよ。何故愛する者が殺しあわなければならぬ。何故過去の怨みつらみを並べる。くだらん!見よこの幻術を!」
刃は夜叉丸に、敵対のままのビジョンと、平安の世ビジョンを見せる
「しかし、私は忍!」
「夜叉、共に来い」
優しく、しかし夜叉丸の思考を呑み込むように刃の声が通る
忍の心と刃と過ごした夜叉丸としての心が争う
「我らで最後にするのだ。血を流すのは」
「御意」
刃は笑う夜叉丸は伊賀でも攻撃力はかなり高い一国落とすのに夜叉丸の力は楽をするためにほしかったのだ
「夜叉丸、これより、忍法勝負の死体をここに書いてある場所に回収せよ」
「はっ!」
「いけ」
夜叉丸は早速将監の遺体を回収して走り去る
「刃様、ご無事でなにより。何故始めにに蛍火でわないのでしょう!蛍火なら刃様のいかれるならどこまでもっ!」
刃は蛍火に口づけをし黙らせる
「あたり前だ。お前の居場所は俺の側だ」
蛍火の腰に手を回し抱き寄せる
「じ、刃様!言っていただかねばわからのうございます。」
「なら、言わずとも解るよう。体に刻んでやる」
刃は蛍火の着物を剥ぎ取る
「きゃ!お待ちを!せめて水浴びをっ!」
「今なら引き返せるぞ。選べ、俺か里か」
「・・・・・」
蛍火は無言で刃に体を預ける
「さぁ、刻み込め!蛍火!俺の隣に居続けろ!」
「あんっ!はい!・・・・・はい!んっ!蛍火は刃様にどこまでも!!あんっ!どこまでもついていきまする!!!」
「んっ!」
「ああんっ!」
「刃様!お慕いしております!」
「あんっ!」
森の中に蛍火の声が響きわたる