バジリスク~狂賀忍法帖~   作:淫欲童子

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愛する者よ決め候へ

夜があける前に刃は寝ている蛍火を背負いながら走る

 

「む?」

 

刃が走っていると川の近くで伊賀者に囲まれるお胡夷を見つける

 

ざっ!

 

「くっ!新たな伊賀者か。お主は賀神であったな」

 

「小四郎、蛍火を」

 

刃は小四郎に蛍火を預けると

 

「やぁ、お胡夷殿。何故伊賀へ?」

 

「なに、弦之介様が心配でのう」

 

刃は鼻をひくつかせる

 

(血の匂い、一人や二人ではない。こいつら甲賀にいきやがったな?)

 

「ならば、お胡夷殿、この刃が案内しよう。他の者では不安でおろう。」

 

「甲賀に帰って確認してまいる!」

 

お胡夷は逃げ出すが念鬼が追う。

 

「逃がさぬは」

 

「お主らはあとからこい」

 

刃も続き

 

念鬼は髪の毛を伸ばしとらえようとするがお胡夷はクナイを投げる

 

「ぬうっ!」

 

念鬼は木から滑る

 

「やったか!」

 

「かあっ!」

 

念鬼は髪の毛でクナイをとっており杖をなげる

 

パシッ!

 

「ぬう!何をされる!刃殿!」

 

「まぁ、落ち着け念鬼」

 

それとと言うと

 

「お胡夷殿もだ。」

 

お胡夷の足首には糸がつけられているのにお胡夷も気付く

 

「よもや、片足で俺から逃げられると思うか?」

 

「ぬう」

 

「なに、弦之介のところに連れていく」

 

「弦之介様は無事じゃろうな」

 

「知らぬ、だが知る術はある。とあることから手を引くと約定されよ。さすればお主を生かして甲賀に帰そう。弦之介の安否も確認させよう」

 

「あい、わかった。何から手を引けというのじゃ」

 

「それは、『御免!』忍ぽっ!」

 

「なっ!?」

 

刃が言葉を言う前に背後から貫かれる

 

「お主ら同じ伊賀者同士で」

 

「はっ!」

 

「うぐっ!」

 

お胡夷は頭を殴られ気を失う

 

「て、天膳様!何故刃様を!」

 

「黙れ小四郎!案ずるな刃殿ならば暫くすれば戻る。それより不可解なことは刃殿が忍法争いを使い何かをたくらんでいること、このままでは弦之介を取り逃がしかねん。」

 

「そうじゃのう、刃にいたってはここに捨て置き先に屋敷の弦之介を片付けるとしよう」

 

伊賀衆はお胡夷を担ぐと走り出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暫くして、左衛門と刑部が刃を発見する

 

「これは」

 

「くくく、都合が良いでわないか」

 

「しかし、何が起こっているのじゃ!」

 

「それも、こやつになり聞けばよかろう」

 

刑部は刃の頭を泥へと押し付ける

 

「さあ、左衛門」

 

「おう」

 

左衛門は瞬く間に刃の姿に変装する

 

「しかし、いつみても凄いものよのう」

 

「ふっ」

 

軽く笑うと刑部は消え、左衛門は走り出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐっ」

 

程なくして刃も起き走り出す

 

「天膳の野郎。死体はないし恐らく捉えたかなら屋敷で敵をおいておくならあそこか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

伊賀お幻屋敷

 

 

「はぁ、はぁ、恐らく捉えたなら塩倉だろうな」

 

がらっ!

 

刃が塩倉をあけるとお胡夷はボロ布一枚で上半身の一部だけが隠れるように縛られていた

 

 

「はぁ、はぁ、お胡夷殿。無事か?」

 

「殺せ!」

 

「はぁ、はぁ、」

 

「伊賀者に辱しめられ生きてはおれぬ。一思いに殺せ」

 

お胡夷は泣きながら言うが

 

「はぁ~、嘘はいらん。情事をしたときの匂いがせん。嘘であろう?」

 

刃が周りを見渡すと干からびて伸びている足が見える

 

「蠟斎をやったか」

 

そう言いお胡夷に近くと縄を引きちぎる

 

「何を」

 

「すまぬな」

 

刃は自身の来ている着流しを脱ぐとお胡夷に掛ける

 

「いつも、辱しめようとしてくるわりには、優しいのう」

 

「合意なくいたしてもつまらん」

 

「のう、伊賀と甲賀で何が起きておる」

 

刃は目を伏せると

 

「聞きたくば条件を飲め」

 

「条件が解らぬゆえ受けられぬがどうじゃ?ワシの体ではその代金とならぬか?」  

 

お胡夷は掛けた着流しを開く

 

「ならば甲賀と伊賀の和睦に力を貸せ」

 

「和睦じゃと?」

 

「なに、戯れ言じゃ」

 

刃は座ると

 

「不戦の約定が解けた。弦之介ならばこちらが害意を持っている以上無事であろう」

 

「なんじゃと!」

 

「なぁ、徳川を滅ぼさないか?」

 

「ふっ、それこそ戯れ言だな」

 

お胡夷はそう言うと

 

「ふっ、縄といてくれた礼じゃ」

 

刃の上に股がると刃に口づけをすると

 

「のう、お主の術はなんなのじゃ?まこと面妖よのう」

 

「俺の術は媚薬だよ」

 

「んはっ!」

 

「体臭や息、分泌物に媚薬が交じり相手を操る」

 

嘘であるが使えるのもまた事実

 

「んあっ!体が」

 

刃が体をお越し上になる

 

「冗談ではない。お主が欲しいのだ、お胡夷」

 

「ああっ!」

 

「さぁ、これから長いぞ」

 

塩倉からは声が響き渡る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

賀神の忍法により永遠に続くかと思う時間のなかでなぶられたお胡夷は一般には見せられない顔と姿をしひっくり返されたカエルのような姿で痙攣している

 

「おほ、おほぉぉ」

 

足音が聞こえてくる

 

「ちっ、結局墜ちなかったか」

 

賀神は地面に溶け込むように消えていく

 

ギーーッ

 

「むおっ!凄い匂いじゃ、蠟斎のやつめ随分楽しんだようじゃのう。むう、しかしこうなっては楽しめそうにないわい」

 

「(念鬼か、あいつはこちら側に来そうにないしいっそのこと)」 

 

賀神が忍びよろうとすると

 

「念鬼殿、これは!?念鬼殿が?」

 

蛍火と陣五郎、そして賀神の姿をした男が現れる

 

「儂が来たときにはこうなっておった。恐らく蠟斎であろう」

 

「なんと、ふっ、しかし、甲賀者め当然の報いじゃ」

 

賀神の姿をした男はお胡夷の姿に座り込むと指を握る

 

「(お胡夷、お胡夷)」

 

「あぁう、あぁ」

 

「(お胡夷、お胡夷)」

 

指を握りながらお胡夷と合図を送りあおうとする

 

「どうした、刃殿。お主も楽しむのか?」

 

ギロッ

 

蛍火の睨みに気が付かず笑っている

 

「蛍火の蛇の毒が抜けていなかっただけだ」

 

「蛍火、また刃殿を毒牙に掛けたのか、今度は何をしたのじゃ?ついに他の女に子でもできたか」

 

賀神の姿をした男は手を振って否定する

 

「念鬼殿」

 

「蛍火!?」

 

蛍火は光を失った目をしながら立っている。手にはクナイが握りしめられている

 

「じ、冗談じゃわい!じゃから落ちつけい!」

 

「・・・・・」クワッ!

 

 

 

「(お胡夷)」

 

「(兄様)」

 

やっとお胡夷の返事がくる

 

「(お胡夷、どうなっておる)」

 

「(兄様、俵の隙間に、忍別帖なる巻物が。十名の名が記され、不戦の約定が溶け十名による忍法争いが始まっております。弾正様、地虫殿、将監殿の名が消えておりもうした。ですが爺を1人殺りました)」

 

「(よくやった、お胡夷)」

 

「(兄様、私を殺してくださりませ。賀神から情報を引き出すため籠絡しようといたしましたが、この様で、ここまで辱しめられ何も引き出すことかなわず。生き恥をさらせぬ)」

 

「(賀神は死んだ)」

 

「(先までおった、兄様奴は生きてます)」

 

「(お胡夷、あいわかった)」

 

「(あぁ、兄様)」

 

賀神の姿をした男、左衛門は刀を抜くとお胡夷に突き刺す

 

「(ちっ、こちらにもってこれれば便利だったが。まぁ、いいか・・・・・しかし、殺した理由がわからんな。不利になるだろうに)」

 

賀神は様子を眺める

 

「何をしておる!刃殿!!」

 

「・・・・・この様では情報は出ん。なら、殺しておくのが安全であろう」

 

「・・・・・まさか刃殿が女子を殺すとはのう」

 

左衛門は立ち上がると忍別帖を回収すると倉から出ようとすると

 

「お待ちくだされ!朧様!」

 

「これは!!お前達がこんな酷いことをしたのかえっ!!」

 

朧は中の惨状を見て声をあらげる、そして

 

「ぐああああああ!!!!!」

 

朧に見られたことにより左衛門の変身がとける

 

「きゃあああああ!!!」

 

蛍火の悲鳴が響き、その後の左衛門は早かった。襲いくる念鬼に蛍火をぶつけ、朧に刀を投げつけるが、天膳が朧を突き飛ばし刀は天膳の肩に刺さり膝をつかせる

 

陣五郎は後ろから掴まれ、朧を追ってきた朱絹のほうへ投げつけられ二人で吹っ飛ぶ。これを行うは霞刑部

 

 

二人は屋敷へと向かい走っていく

 

刃はその後を追っていく

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