痛みを識るもの   作:デスイーター

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小南桐絵①

「凄い」

 

 ランク戦、ラウンド1。

 

 試合組み合わせは那須隊/鈴鳴第一/諏訪隊。

 

 その戦いを見ていた修は、自然とそんな感想が口から出ていた。

 

 エースである七海の動きもさること事ながら、濃霧の森と言う地形条件を活かした戦い方が見事の一言に尽きる。

 

 機動力に優れる七海が突貫し、その攻防で出来た隙を狙撃手の茜が突く。

 

 そして、那須が合流した後の展開はまさに蹂躙であった。

 

 七海という前衛が相手を押し留め、更に那須がバイパーの檻で封殺する。

 

 茜へ差し向けられた笹森という刺客も熊谷がきっちり迎撃し、最後は鈴鳴の二人を変化弾(バイパー)による炸裂弾(メテオラ)起爆で一網打尽。

 

 地形条件を完全に計算に入れた、完璧な戦略。

 

 目の前の事ばかりにしか頭がいかなかった修にとっては、まさに目から鱗とも言える知見を得た気分だった。

 

 迅が見せたかったのは、これなのだろう。

 

 鈴鳴も諏訪隊も、決して弱いチームではない。

 

 それは、事前に見せて貰った試合のログを見れば分かる。

 

 諏訪隊は、散弾銃の両攻撃(フルアタック)による面制圧能力が。

 

 鈴鳴は、エースの村上の地力によるごり押しが。

 

 それぞれ、脅威となる部隊だった。

 

 だが。

 

 那須隊は、地形を利用した戦略でその二部隊の強みを完全に封殺して見せた。

 

 障害物だらけで視界の効かない地形で散弾銃を使い難くした上で、早々に堤を撃破。

 

 残る諏訪を、鈴鳴と食い合わせながら仕留めて行った。

 

 鈴鳴は、村上の距離の外から射撃トリガーを駆使した動きで近接戦に付き合わない、というスタイルを徹底。

 

 更に来馬を狙い続ける事で村上の動きを封じ、最後は罠に嵌めて仕留めた。

 

 二部隊の強みを完全に殺し、自分達の強みを押し付ける。

 

 那須隊が行ったのは、まさにこれだ。

 

 無論MAP選択権を得ていたという要因もあったであろうが、那須隊の戦略は修に新たな知見を開かせた。

 

 即ち、実力で上回らずとも戦略次第でそれは覆す事が出来るのだと。

 

 那須隊が、明確に二部隊より劣っていたとは言わない。

 

 だが、少なくとも村上という攻撃手は単騎でまともにやり合えば相当な脅威となった筈だ。

 

 しかし、那須隊は村上の得意分野(フィールド)である近接戦闘に付き合わず、終始距離を図りながら彼を封殺した。

 

 自分が、あれと同じ事が出来るとは言わない。

 

 けれど。

 

 個人単位ではなく、部隊として動くのなら。

 

 こんな自分にも、やりようはあるのではないか。

 

 修がそう思うには、充分な切っ掛けだったと言える。

 

 どうやってB級になるかという問題は、依然として残っている。

 

 だけど。

 

 一つの光明が見えたのは、確かだった。

 

「でも、凄いな。あの七海って人、チームをきちんと引っ張ってる。隊長じゃないみたいだけど、一度話を聞いてみたいな」

 

 修はこの試合の中でも特に印象に残った七海の姿を映した映像を見て、呟く。

 

 それは、一つの転機。

 

 三雲修という少年が、七海玲一という存在(最初の希望の欠片)に興味を示した、一幕だった。

 

 

 

 

(ROUND2も無事終了か。少しヒヤリとした場面もあったけれど、此処までは未来(みた)通り問題はないみたいだ)

 

 迅は本部の一室でROUND2のログを見ながら、ふぅ、と溜め息を吐いた。

 

 このROUND2も迅が視た未来では、問題なく那須隊が勝利していた。

 

 荒船隊の策によって七海が鉛弾を撃ち込まれるという出来事もあったが、創意工夫でハンデを補い戦闘を続行。

 

 半崎・穂刈の両名は茜の狙撃と熊谷のバッグワーム奇襲で撃破。

 

 荒船は一騎打ちの末、茜が起爆させた炸裂弾(メテオラ)を利用してビルから落として空中戦で勝利。

 

 柿崎隊は奇襲をかけてきた虎太郎を那須が返り討ちにし、照屋は茜と七海の連携で撃破。

 

 最後に残った柿崎は、那須の合成弾で仕留めた。

 

 結果として荒船隊、柿崎隊共に全滅。

 

 ラウンド1に引き続き、那須隊の完全試合(コールドゲーム)となった。

 

 二試合で、合計16ポイントを獲得。

 

 那須隊は、一気にB級上位へと足を踏み入れた。

 

 そう。

 

 地力や戦術レベルが高い部隊がひしめく、B級上位へ。

 

(問題の試合は、次だな。二宮隊と影浦隊、そして東隊。俺が視た通りなら、この試合で那須隊の()が表面化する。彼等にとって、最大の転換点(ターニングポイント)だ)

 

 これまで二試合連続の完全試合を達成した那須隊だが、見る人が見ればその問題点は浮き彫りになる。

 

 特にあからさまだったのは、七海と那須が合流を選ばなかった事。

 

 柿崎を仕留める為に、合成弾という隠し札の一つを切った事である。

 

 那須隊はあの時点で足を失った七海以外、まともなダメージを負っていなかった。

 

 柿崎は完全に那須に翻弄されていたし、反撃の糸口すら見つけられてはいなかった。

 

 一矢報いる為に奇襲に行かせた虎太郎と照屋も、それぞれ緊急脱出済み。

 

 この状況で七海と那須が合流すれば、何の問題もなく柿崎は倒せていた筈なのだ。

 

 故に。

 

 あそこで七海が那須との合流を選ばなかった合理的な理由が、見当たらないのである。

 

 それどころか、那須は合成弾を使用してまで早期の決着を狙った。

 

 試合終了時刻が迫っていたというならまだ分かるが、MAPが広い摩天楼Aであった為残り時間には充分余裕があった。

 

 那須が合成弾を使えるというのは、今まで割れていなかった手札────────隠し札である。

 

 その初見殺し性能は高く、ここぞという時に使うべき代物だ。

 

 しかし。

 

 那須はそれを、時間をかければそのまま倒せた筈の柿崎相手に使用した。

 

 つまり。

 

 那須は、いや────────那須隊は、あそこで決着を急ぐ()()があった事になる。

 

 そして。

 

 迅にはその()()に、心当たりがあった。

 

 あの時、七海は片足を失いスコーピオンでそれを補っていた。

 

 それ自体は、なんらおかしな事ではない。

 

 失った部位をスコーピオンで補完する七海の発想に皆が驚きはしたが、それだけだ。

 

 ランク戦をやっていれば、部位欠損など毎回のようにあるのだから。

 

 しかし。

 

 部位欠損は。

 

 那須隊に────────否。

 

 那須にとっては、別の意味がある。

 

 四年前の、大規模侵攻。

 

 そこで、七海は右腕を瓦礫に潰されて失っている。

 

 そして、那須はそれを直に目撃している。

 

 好いていた少年が腕を失い、血だらけになって倒れている。

 

 幼い少女の心に心的外傷(トラウマ)が刻まれるには、充分過ぎる出来事だろう。

 

 更に言えば、那須はその後の一部始終(玲奈の死)も全て目にしている。

 

 つまり。

 

 七海の身体の部位が欠損する事は。

 

 那須にとっての、トラウマの反射的想起(フラッシュバック)の引き金に成り得るのだ。

 

 足を欠損した七海を目撃した場合、那須がどういう反応を示すか予想がつかない。

 

 それを危惧した誰か────────恐らくはオペレーターあたりが、提案したのだろう。

 

 合成弾を使ってでも、早々に決着を着ける事を。

 

 その目論見自体は、成功しただろう。

 

 那須は部位欠損した七海と出会う事なく、穏やかなまま試合を終える事が出来た。

 

 だが。

 

 その行動の違和感は、目敏い者には丸わかりだ。

 

 特に。

 

 次の対戦相手の一人。

 

 始まりの狙撃手、東春秋。

 

 彼には、全てが見通せたに違いない。

 

 そして。

 

 目に見える弱点を放置するほど、東は甘くはない。

 

 次の試合で、容赦なくそこを突く筈だ。

 

 問題点を物理的に指摘し、改善に繋げる為に。

 

「迅か」

「東さん」

 

 そう、考えていたからだろうか。

 

 迅のいた部屋に、とうの東本人が入って来た。

 

 東は迅が何を見ていたかを悟ると、ふぅ、と息を吐いた。

 

「その様子だと、俺の推測は当たりみたいだな。というか、それを俺に教える為に此処にいたのか?」

「いえ、たまたまですよ。俺はただ、七海の様子を見ていただけですから」

「そうか。それなら、そういう事にしておこう」

 

 深くは聞かず、東はそう言って話を切り上げた。

 

 迅に事情がある事は、東も承知している。

 

 だが、此処で踏み込むのは自分の役割ではない事もまた、理解していた。

 

 故に、最低限。

 

 東は、確認を取る事にした。

 

「なら、次の試合では遠慮なく行かせて貰うとしようか。構わないか?」

「ええ、俺はランク戦に干渉する気はありませんよ。どうぞ、思うようにやって下さい」

「了解した。なら、その通りにやってみよう」

 

 迅から許可を得た東は、そう言って踵を返した。

 

 何の為に此処に来たのかは分からないが、呼び止めるような用はない。

 

 そう。

 

「────────だから、後は小南に任せるとしよう。部外者の役目は、此処までだ」

「────」

「え……?」

 

 用があるのは、東ではない。

 

 東の退室と同時にずい、と部屋に入って来た少女。

 

 青筋を立てて迅を睨み付けている、小南の方だ。

 

 小南は後ろ手でドアを閉め、鍵をかけてこちらに近付いてくる。

 

 絶対に逃がさない。

 

 そんな無言の宣言が、垣間見えていた。

 

「……読み逃したか」

 

 思えば、細かい追及を避ける為にここ暫く小南とは顔を会わせていなかった。

 

 頻繁に会っていなければ、更新される未来の情報を読み逃してしまう可能性はある。

 

 それは分かっていたのだが、小南に危険が訪れる未来はこの時期には全く無かった。

 

 だからこそ、七海同様に会わないようにしていたのだが、それが裏目に出たようだ。

 

 どうやら、東の用とは小南を此処へ案内する事だったらしい。

 

 そういえば、視るまでも無いと考えて東とも最近会ってはいなかった。

 

 今のやり取りの中でも、東がROUND3でどうするかという映像(みらい)ばかりを見て、他の細かい違いしかない細分化された未来(ルート)に関してはあまり注視してはいなかった。

 

 もしくは、それに気付かない程迅の心労が重なっていたかである。

 

 小南は、明らかに怒髪天を突いている。

 

 本気で怒っている、というのは目を見れば分かる。

 

 あれは、あの時と同じだ。

 

 あの時、玲奈の死の直後。

 

 瓦礫の街で迅に怒鳴った時の小南と、同じ眼だった。

 

「話は聞いたわよ。あんた、次の試合で七海をボロ負けさせるつもりでしょ」

「結果としてはね。けれど、これは最善の未来に辿り着く為に必要な工程で────」

「最善、最善、聞き飽きたっての……っ! あんたは、それしか言えないの……っ!?」

「────!」

 

 小南はそう叫び、がっ、と迅の胸倉を掴み上げる。

 

 そして、迅の顔を引き寄せて顔面同士を突き合わせて思いの丈を口にした。

 

「あんた、太刀川の話じゃ前の試合も碌に見ずに帰ったそうじゃない? かと思えば東さんにあんな話して、あんたは七海をどうしたいのよ……っ!?」

「だから、七海は────」

「最善の未来がどうこう、とかじゃない……っ! あんたにとって、七海は何なのっ!? 建前ばっか繕ってないで、本音を言いなさいよ……っ!」

 

 小南は、本気で怒りを露にしていた。

 

 迅が七海を東に落とさせようとしている、その事ではない。

 

 七海への対応が、明らかに誠実さに欠けているからだ。

 

 最善の未来へ辿り着く為、駒としてだけ七海を見ている────────とは、断じて思わない。

 

 迅は、少なくとも小南の知る迅は、そんな人でなしではないからだ。

 

 彼本人に聞けばそう答えるかもしれないが、そんな虚勢で誤魔化されるような関係ではない。

 

 迅の事は、昔からずっと見て来たのだから。

 

 何を考えているかくらいは、分かるのだ。

 

「言えないなら、言ってあげましょうか……っ!? あんたはただ、玲奈お姉ちゃんの面影がある七海と接するのが辛いだけでしょっ!?」

「そんな、事は────」

「あるに決まってんじゃないっ! あんたね、七海を見る時の眼が────────玲奈お姉ちゃんを見ていた時の眼に、そっくりなのよ……っ!」

 

 違う。そんな事は無い。

 

 とは、言えなかった。

 

 気付いていなかった、ワケではなかった。

 

 自覚はあった。

 

 ただ。

 

 それを、認めようとしなかっただけで。

 

「あんたは、七海に玲奈お姉ちゃんの事を重ねて見てるのよ……っ! 玲奈お姉ちゃんの代わりに、七海に生きてて欲しいとか、そんな事思ってんでしょうが……っ! それを最善の未来の為だとか言って、誤魔化してるだけでしょ……っ!」

 

 それが、真実。

 

 迅は、玲奈から託された七海を生かす事で、彼女の死から目を逸らしていた。

 

 四年前のあの時から、心の時計が止まっている七海や那須のように。

 

 迅の心の秒針もまた、玲奈の死から微塵も動いていないのだ。

 

 彼は未だに、玲奈の死を受け入れ切れていない。

 

 だからこそ、七海を生かし、最善の未来を目指す事で。

 

 玲奈の意思と、寄り添い続けていたかった。

 

 そうすれば。

 

 玲奈がまだ、傍にいてくれているように思えるから。

 

「玲奈お姉ちゃんは死んだの、もういないの……っ! いい加減、あんたもそれを認めなさいよ……っ!」

 

 小南はそう叫び、迅を掴む力をより強めた。

 

「あたしは認めたわ。支部長(ボス)だって、忍田さんだって、城戸さんだって、皆がそれを認めてる……っ! 認めてないのはあんただけなのよ、迅……っ!」

 

 大切な人の死を、認めたくない。

 

 なんのことはない。

 

 迅の心にあったのは、そんな想いだった。

 

 玲奈の遺志を受け取り、最善の未来を目指す。

 

 その行動目的自体に、嘘偽りはない。

 

 けれど。

 

 同時に迅は、その目的に依存していた。

 

 玲奈の遺志を、我武者羅に遂行する事で。

 

 その意思を、間近に感じていたかった。

 

 それだけが。

 

 迅の折れそうな心を支えている、歪な支柱だったのだから。

 

 たとえ、神様の如き力を持っていたとしても。

 

 迅は、神などではない。

 

 彼は、人間なのだ。

 

 悲しみ、傷付き、折れそうになる。

 

 ただの、人間なのだから。

 

 小南は、誰よりもそれを知っていた。

 

 旧ボーダー時代から、彼女は。

 

 ずっと、迅の事を見ていたのだから。

 

「弱音を吐きなさいよ、辛いって言いなさいよ……っ! そしたら、きっと────」

「────────ダメだよ。未来視(おれ)は、人らしく在ってはいけないんだから」

「────っ!」

 

 けれど。

 

 それでも。

 

 迅の乾いてしまった心には。

 

 小南の想いは、届かなかった。

 

「俺は、人でなしだ。玲奈の忘れ形見の七海も、未来の為の駒として扱うようなろくでなしだ。そんな俺が、弱音なんて吐いちゃいけない。折れちゃ、いけないんだよ」

「あんたは────!」

 

 そんな奴じゃない、そう叫ぼうとした。

 

 だけど。

 

「────────だって、俺がまともな人間なら。あの時、玲奈を見殺しにしたりする筈、ないじゃないか」

「────!!」

 

 深い。

 

 深い後悔が滲んだその言葉を聞いた瞬間。

 

 小南は、二の句を継げなくなってしまった。

 

 迅を苛む、最大の後悔(つみ)

 

 その苦しみは、葛藤は。

 

 彼本人にしか、分からないのだ。

 

 だから、小南には。

 

 後から玲奈の死を知っただけの、小南には。

 

 今の迅に、何を言って良いのか。

 

 見当が、まるでつかなかったのである。

 

 黙りこくってしまった小南とすれ違い、迅は部屋から出て行く。

 

 もう、話す事はない。

 

 そう、言外に訴えて。

 

「ごめん」

 

 ただ、一言。

 

 そう言い残して、迅は去った。

 

「────何がごめん、よ。馬鹿」

 

 小南は、そう呟き拳を握り締める。

 

 想いは、届かず。

 

 少女の苦悩は、一筋の涙となって流れ落ちた。




 小南桐絵

 ポジション:攻撃手(アタッカー)

 年齢:17歳

 誕生日:7月28日

 身長:157cm

 血液型:B型

 星座:ぺんぎん座

 職業:高校生

 好きなもの 七海玲奈、迅悠一、お菓子、フルーツ、赤いもの

〔FAMILY〕

 祖母、父、母

〔RELATION〕

 迅悠一←大事な仲間。少しは弱音吐きなさいよ。馬鹿なんだから。

 七海玲奈←大好きだったお姉ちゃん。辛いけど、頑張るね。

 七海玲一←お姉ちゃんの弟。家族同然の相手。何かあったら頼りなさいよ。

 木島レイジ←頼れる仲間。料理美味しい。

 烏丸京介←よく騙して来る後輩。もっと敬いなさいよ。

 那須玲←学友。七海の大切な人。絶対七海と幸せになりなさいよ。協力するから。

 志岐小夜子←友人。なんか放っとけないのよね。

 城戸正宗←玉狛(わたしたち)を裏切ったのは許さない。けど、七海の事はありがと。

〔PARAMETR〕

 トリオン:6 

 攻撃:13 

 防御・援護:7 

 機動:10 

 技術:9 

 射程:3 

 指揮:4 

 特殊戦術:3 

 TOTAL 55


 玉狛支部のエース攻撃手(アタッカー)

 迅とは旧ボーダー時代からの付き合いであり、玲奈の事はお姉ちゃんと呼び強く慕っていた。

 情が強く、苦しむ仲間を見捨てられない。

 泣けなかった迅の代わりに、玲奈の葬式では大泣きした。

 暫くは玲奈の面影のある七海と面と向かって話せなかったが、自力で葛藤に決着(ケリ)を付けて普通に接するようになった。

 玲奈の一件から迅が無理をし続けているのは察しているがどうやって止めさせれば良いか分からず、ずっと悩んでいた。

 紆余屈折の末迅が自分ではなく七海に弱音を吐いて心中を吐露した事は結果的に喜んではいるが、何故自分じゃいけなかったのかと複雑な模様。

 その後は迅が変わった事を前向きに捉えつつ、また無理をしないか目を光らせている。

 彼女の想いは、ようやく届いた。
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