痛みを識るもの   作:デスイーター

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七海玲一⑩

 

「風刃を、俺にですか」

「ああ、君が持つのが一番()()へ辿り着ける可能性が高いみたいだからね。受けて貰えるかな?」

 

 それは、大規模侵攻の前。

 

 黒トリガー争奪戦が終わり、迅が風刃を手放した直後の事だった。

 

 無論、争奪戦の事は村上は知らない。

 

 彼が伝えられたのは、()()あって迅が風刃を手放した事。

 

 そして、来る大規模侵攻に置いてそれを持たせる相手として自分が選ばれた事だけだった。

 

 風刃が本部預かりである以上、その使い手の決定権自体は上層部にある。

 

 だが、迅は元の所有者にしてこれまで風刃を使い続けて来た実績がある。

 

 加えて、当然ながら未来視という独自の視点から得られる情報もある。

 

 故に、此処で村上がこの件を受ければそれが通る可能性は高かった。

 

 それだけ、迅悠一という少年のボーダーに置ける影響は大きいのだから。

 

「────────分かりました。受けさせて頂きます」

 

 村上は、しばし迷い────────────────は、しなかった。

 

 最初から分かっていた事のように、躊躇なく。

 

 即断で、風刃の使い手となる事を選択した。

 

「流石だね。やっぱり、君を選んで正解だったよ。もしかして、気付いてたかな?」

「俺の気付きじゃ、ありませんけどね。あの最終試験の前に、七海が言ったんです。試験への部外者の例外的な観戦の許可という通知は、きっとあいつに向けられたものだろうって」

 

 ────────────────迅さんが説明の時に観客として招きたい相手がいるなら相談して欲しいって言ったじゃないですか。あれ、自意識過剰かもしれませんが俺に向かって言ってた気がするんですよね────────────────

 

 それは、A級昇格試験の時。

 

 最終試験である迅との戦いを前に、七海は村上に対してそう言った。

 

 迅が告げた、試験参加者以外の例外的観戦許可。

 

 その説明は恐らく、七海に向けたものだったのだろうと。

 

 即ち、七海が村上を呼ぶ事を期待して行われたものだろうという事を。

 

「俺はあの試合で、風刃の力を目にしました。きっと、それが目的だったんだと思います。俺が、風刃をすぐ使えるようにする為────────────────その、()()の為に」

 

 副作用(サイドエフェクト)、強化睡眠記憶。

 

 それが、村上が持つ能力だ。

 

 一度経験したものを、睡眠を通して100%完璧にフィードバックさせる。

 

 この能力を用いる事で、村上は技術の習得を大幅に過程省略(ショートカット)出来る。

 

 本来、ひたすら繰り返す事でしか身に付かない技術でさえも。

 

 村上にとっては、一度経験すれば覚えられる類のものでしかない。

 

 「他人の努力を盗んでいる」ように思えてこの力を疎ましく思っていた事もある村上ではあるが、荒船や七海といった周囲の者達の影響もあり今では前向きに副作用と向き合う事が出来ている。

 

 故に、この力が頼られているのであれば是非もなかった。

 

 他ならぬ、七海が関わっているのであれば。

 

 やる気にならない、その筈がないのだ。

 

「ああ、君なら俺が直接指導すればすぐに風刃の使い方を覚えられるだろう。この短期間で目標とするレベルに到達出来るのは、君だけだ。そして、そんな君だからこそ未来を変える()()()の一つに成り得るんだ」

 

 それは、迅が視た未来の光景。

 

 か細く、先が見えない程狭い道であっても。

 

 その最中に、確かに風刃を握る村上がいたのだ。

 

 風刃を使う事になる候補は、他にもいた。

 

 三輪や風間、或いは嵐山や木虎。

 

 そういった候補者でも、一定の成果は出ただろう。

 

 だが。

 

 こと今回に限れば、誰よりも適役なのは村上だった。

 

 どういった理由なのかは色々推察は出来るが、恐らくそう難しい事ではない。

 

 何故なら、候補者の中で七海と最も巧く連携出来るのが。

 

 彼の親友である、村上だからだろうから。

 

「そういう事なら、喜んで受けさせて頂きます。俺も、七海の力になりたいですから」

 

 いや、難しい理屈は要らない。

 

 ようやく、直接七海の力になる事が出来る。

 

 その好機を、どうして手放せようか。

 

 あの、不器用だが心優しい親友が。

 

 ようやく、望んだ未来を掴む手前まで来ているのだ。

 

 ならば、その為の力になれるのであれば。

 

 受ける以外の選択肢は、在り得なかった。

 

「むしろ、こちらからお願いします。どうか、俺に風刃を使わせて下さい。七海の奴を、先に進ませる一助となる為────────────────全霊を尽くして、貴方の剣を振るいましょう」

 

 

 

 

「────────」

 

 黒トリガー、風刃。

 

 迅より託されたそれを起動した村上は、その手に持つ風刃本体────────────────そして、そこから伸びる無数の光の帯。

 

 輝く風の刃を見据え、村上はこの剣を受け取る事になった経緯を想起していた。

 

 あの後、城戸司令から呼ばれて風刃を受け取った彼は。

 

 言葉通り迅の指導を受け、風刃の使い方を学んだ。

 

 副作用(サイドエフェクト)がなければ初めて扱う遠距離型の能力に戸惑っただろうが、あの試合を見ていた事が功を奏した。

 

 迅が試験の中で直接風刃の使い方を見せてくれていた為に、遠隔斬撃をどう扱うかについて着想を得られたのは幸いだった。

 

 あの戦いを見る事が出来ていなければ、副作用があったとはいえ想定する水準に達せられたかは分からない。

 

 全ての積み重ね、その繋がりによって村上は風刃を手にこの場にいる。

 

 要は、それだけの話なのだ。

 

『観測情報を共有。弾道をナビゲートします』

「了解」

 

 村上はオペレーターを通じて受け取った七海の観測情報を元に、照準を定める。

 

 迷う時間は無い。

 

 このタイミングで放つ事が出来なければ、全てが無為に帰する。

 

 故に、一秒の遅れもなく。

 

 村上は、風の刃を撃ち放った。

 

 

 

 

「────────!」

 

 遊真によって重石を撃ち込まれたヴィザは、戦場で長年培った直感が警鐘を鳴らすのを感じ取った。

 

 現在、ヴィザは身体に重石を付けられその重量によって拘束されている。

 

 マントの機能によって重石を排除する事は出来るが、それには時間がかかる。

 

「…………っ!?」

 

 故に、ヴィザは手首の回転のみで星の杖を振るい────────────────自身に撃ち込まれていた重石を、直接斬り捨てた。

 

 完全な除去には至ってはいないが、動く事は可能となった。

 

 村上には、迅のような未来視は無い。

 

 故に相手の動きを予測して刃を置く事は出来ず、ヴィザがこの場から退避してしまえば遠隔斬撃は無駄撃ちになる。

 

 恐らく、ヴィザに二度同じ手は通用しないだろう。

 

 此処で逃せば、二度目の遠隔斬撃は初見殺しの優位性を失い防がれるだろう。

 

 他の誰に無理であっても、剣聖(ヴィザ)にはそれが出来てしまう。

 

「「────────メテオラ」」

 

 故に。

 

 それを防ぐ為の一手を、七海()は放っていた。

 

 七海と、()()

 

 二人がかりの、爆撃。

 

 シールドを持たず、狙撃と異なり直接斬り伏せる事も出来ない以上。

 

 サークルブレードを用いた迎撃を、ヴィザは余儀なくされる。

 

「────────予測、確定だね」

 

 

 刹那の隙。

 

 それを、()は見逃さなかった。

 

 小南と共にやって来た、彼は。

 

 地面に手を突き、エスクードを展開。

 

 ヴィザの四方を、玉狛の────────────────旧ボーダーのマークが刻印された壁が、囲む。

 

 そして。

 

「…………!!」

 

 風の刃が、着弾した。

 

 ヴィザを囲む、四方の壁。

 

 その隙間を縫う形で放たれたそれが、ヴィザの身体を斬り裂いた。

 

 星の杖を持つ右腕と急所は咄嗟に守ってはいたが、左腕は斬り飛ばされ両足にも大きな傷を負った。

 

 致命には至らずとも、明確な有効打。

 

 風の刃は、否。

 

 想いの結晶(やいば)は、剣聖に届いた。

 

『今ですっ!』

 

 通信越しに響く、小夜子の声。

 

 それを受け取った七海が、動いた。

 

『弾』印(パウンド)────────二重(ダブル)

 

 遊真が、印を用いて加速台を生成。

 

 七海は、茜をその場に残し。

 

 加速台を踏み込み、跳躍した。

 

 真っ直ぐ、ヴィザの元へと。

 

 勝利を掴む為の刃が、放たれた。

 

「鋭い────────────────ですが、少々素直過ぎますな」

 

 跳躍した七海へと、死神の刃が振り下ろされる。

 

 コンマ一秒たりとも無駄に出来ない状況とはいえ、真っ直ぐ向かって来る敵などヴィザにとっては容易に対処出来る相手でしかない。

 

 サークルブレードが振るわれ、エスクードを薙ぎ払いながら七海の胴を切断しにかかる。

 

 迫り来る、絶死の刃。

 

 剣聖の振るうブレードが、七海(きぼう)を刈り取らんと振るわれる。

 

「────────!」

「行け、七海。構うな」

 

 その刃を。

 

 瓦礫の影から飛び出した荒船が、弧月を用いて受け止める。

 

 七海に振るわれる筈だった刃は、彼の最初の師の手によって防がれた。

 

 彼の道を。

 

 勝利の希望を、絶やさない為に。

 

 振り返る事はない。

 

 必要もない。

 

 荒船が。

 

 掛け替えのない師にして好敵手が。

 

 刹那の時間を、稼いでくれたのだ。

 

 ならば、進む以外に道はない。

 

 望んだ勝利(みらい)を掴む為には。

 

 立ち止まる暇など、一秒たりともないのだから。

 

 進む。

 

 加速を得て、突き進む。

 

 ヴィザの元へと。

 

 未来を阻む大きな壁を。

 

 今こそ突き破る、その為に。

 

「面白い────────受けて、立つとしましょう」

 

 自らを仕留めんと愚直に迫る挑戦者を見据え、ヴィザは不敵な笑みを浮かべる。

 

 これまで、此処まで自分を熱くさせた戦いはなかった。

 

 一国の城ですら落として来た剣聖は、今自分に迫りつつある敗北の予感にむしろ気分を昂揚させていた。

 

 如何に任務とはいえ、ヴィザの本質は武人にして修羅。

 

 その本質は、戦こそを日常とする羅刹そのもの。

 

 故に、こうして自分に挑む強者との戦いは心躍る。

 

 数を頼りにした策であっても、戦場である以上それは必然だ。

 

 戦力で劣る相手には、総力を以て挑みかかる。

 

 正攻法が通じなければ、絡め手を用いる。

 

 それは戦に置ける常識(あたりまえ)であり、ヴィザにとってそれは空気の如く慣れ親しんだものですらあった。

 

 だからこそ、こうして多くの策を使い尽くし自分に迫らんとするその姿には心が湧き立った。

 

 故に、容赦はしない。

 

 自身の全霊を以て、挑戦者を斬り伏せる。

 

 それが、全力を尽くした敵への彼なりの礼儀であり。

 

 戦こそが全てである、ヴィザの流儀でもあった。

 

「────────!」

 

 七海に、更なるサークルブレードが迫る。

 

 星間図の如く展開された無数のブレードは、容赦なく標的を仕留めんと襲い来る。

 

 一度目は、荒船によって止められた。

 

 だが、二度目はどうか。

 

「行って、七海…………っ!」

 

 その答えは、彼女が持って来た。

 

 熊谷友子。

 

 那須隊のチームメイトにして、受け太刀の名手。

 

 ハウンドでの射撃を途中から蔵内にバトンタッチしていた彼女が、スイッチボックスとテレポーターを駆使して此処までやって来た熊谷が。

 

 二度目のサークルブレードを、七海に代わって受け止めていた。

 

 以前のままであれば、無理だっただろう。

 

 だが、数々の戦いを通して成長した彼女なればこそ。

 

 剣聖の一撃を、止めるに至ったのだ。

 

 二宮達による弾幕の斉射は、彼女等が近付く為の目晦ましの為でもあった。

 

 数々の後押しを受けてこの場に至った熊谷は、その役目を果たした。

 

 故に。

 

 七海は自身を守り、送り出して来た熊谷に感謝し。

 

 その証として、振り返らずに先へ進んだ。

 

 熊谷を、信頼しているからこそ。

 

 一瞥もせず、七海は先へ向かう。

 

 未来を手にする為の、最後の壁。

 

 剣聖ヴィザを、打ち倒す為に。

 

 既に、敵までの距離は数メートル程まで縮まっている。

 

 此処を潜り抜ければ、ようやく剣聖に刃が届く。

 

「────────」

 

 だが。

 

 だからこそ、ヴィザは手を緩めなかった。

 

 二撃目よりも速度を増した、サークルブレードの一撃。

 

 それが、頭上から七海へ襲い掛かる。

 

 死角となり易い、上からの攻撃。

 

 剣聖に刃を届かせんとする七海に対する、ヴィザの返礼。

 

 致死の刃が、落ちる。

 

「行きやがれ、七海ッ!」

 

 されど。

 

 その刃は、七海に届く事はなかった。

 

 影浦雅人。

 

 七海の最も慕う兄貴分にして、彼の師が。

 

 七海の黒トリガーの効能によって出力を強化し、強度を高めたスコーピオンによって。

 

 サークルブレードを、受け流す事で。

 

 最早、言葉は要らない。

 

 七海は師の期待と激励を受け取り、進む。

 

 最後の壁を、打ち破る為に。

 

「良い気迫です────────────────ですが、それだけでは私の剣は破れない」

 

 その七海を前にして、ヴィザは。

 

 笑みを崩す事なく、迎撃の為に剣を抜いた。

 

 サークルブレードで迎撃するには、距離が近過ぎる。

 

 されど、問題は無い。

 

 それならば、直接斬って捨てるまでの話。

 

 ヴィザは迎撃の為に剣を振るい、そして。

 

旋空弧月

「────────!」

 

 その剣は、側面より飛んで来た斬撃を受け止める事に使()()()()()

 

 視界に入ったのは、剣を振り抜いた姿勢で立つゴーグルの男。

 

 生駒達人。

 

 彼の代名詞でもある生駒旋空が、今この場で炸裂したのだ。

 

 此処に来て、彼を逃がした犬飼と水上の判断が活きる。

 

 途中で盤面より姿を消し息を顰めていた神速の居合い使いは、迅の采配により再びその剣を振るった。

 

 迅の、彼の友の望む未来へ繋ぐ為に。

 

 生駒旋空は、迷いなく振るわれたのだ。

 

 最早、ヴィザの姿は目と鼻の先。

 

 七海は、その手に漆黒のスコーピオンを携え。

 

 最後の壁(ヴィザ)に、刃を振るう。

 

「惜しかった、ですな」

「…………!」

 

 その、刹那。

 

 ヴィザは後方に刃を振るい、そこに転移していた茜の身体を両断した。

 

 七海に注意を引き付け、トドメの一撃はテレポーターで背後に転移した茜が刺す。

 

 剣聖はその策を読み切り、当然の如く対応したのだ。

 

 テレポーターの効果は、既に目にしている。

 

 ならば、それを警戒するのは当然の事。

 

 派手な陽動を行い、伏兵が本命の一撃を放つ。

 

 そういった策は、戦場にはありふれたものなのだから。

 

 ヴィザの斬撃は、未だ止まってはいない。

 

 このまま剣を振り抜き、七海を迎撃する心づもりだからだ。

 

 七海が、刃を届かせるよりも。

 

 ヴィザの斬撃の方が、僅かに早い。

 

『戦闘体活動限界。緊急脱出(ベイルアウト)

 

 背後で、茜の戦闘体が崩壊し消え失せる。

 

 それを一瞥もせずに、ヴィザは七海へ剣を振るう。

 

 最後の希望は。

 

 七海の刃は、打ち砕かれる。

 

 未来への道が、閉ざされる。

 

「な、に…………っ!?」

 

 否だ。

 

 此処まで来て、そんな事は有り得ない。

 

 道は、既に開かれていたのだから。

 

 ヴィザの腕が、刃が止まる。

 

 そこで、気付く。

 

 剣を振るう、ヴィザの腕。

 

 そこには、地面から伸びる無数のワイヤーが突き立っていた。

 

 ワイヤートリガー、スパイダー。

 

 茜は自身が斬られる事を想定した上で、狙撃ではなくユズルから借り受けたこのトリガーを使用したのだ。

 

 自らを囮とし、七海(ほんめい)の一撃に繋げる為に。

 

 そう、七海は最初から他に誰かに最後の一撃を任せるつもりはなかった。

 

 陽動は茜の方であり、本命は七海本人。

 

 運命を、未来を。

 

 自らの手で、切り開く為に。

 

 茜の後押しで、遂に七海は最後の艱難を突破した。

 

「届け」

 

 両腕を失い無力化されていた三輪は、祈りと期待を込めて告げる。

 

 迅との確執が、全て消えたワケではない。

 

 理解出来た部分も多いとはいえ、彼の事を好きにはなれない。

 

 けれど、この瞬間。

 

 七海の勝利を願う気持ちだけは、彼と同じなのだから。

 

「届け」

 

 迅は、不安を押し殺し激励(エール)を送る。

 

 この時、この瞬間。

 

 七海が、未来を切り開く時を誰よりも望んでいた彼は。

 

 かつて好きだった少女の忘れ形見に、全てを託した。

 

 彼なら出来ると、そう信じて。

 

「届いて…………っ!」

 

 那須はただ、祈る。

 

 己の半身の。

 

 愛する少年の、勝利を。

 

 数多の想いを背に、七海の刃が振るわれる。

 

 そして。

 

「────────見事」

 

 ────────────────刃は、剣聖(ヴィザ)に届いた。

 

 七海の腕から伸びた、黒き刃。

 

 咄嗟に身体を捻り刃を回避しようとしたヴィザの胸を、彼のマンティスが貫いていた。

 

 急所を穿たれたヴィザの身体が、傷口から崩壊していく。

 

「いやはや、玄界(ミデン)の戦士の────────────────いえ」

 

 その最中にあっても、ヴィザは笑みを崩さず。

 

「戦士()の成長は、早いものですな」

 

 自らを打倒した者達に、心からの称賛を送り。

 

 好好爺のように笑いながら、戦闘体を崩壊させた。

 

 風が吹き、七海の頬を撫でる。

 

 剣聖の去った瓦礫の山、その上で。

 

 勝利を手にした七海の肩を、影浦が叩く。

 

 その光景を見て、迅は。

 

 心からの笑みを、浮かべたのだった。

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