痛みを識るもの   作:デスイーター

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 折角なので、「痛みを識るもの」で活躍した七海を中心としたキャラ達について色々語っていきます。

 本当に好き放題語るだけの回なので、興味がある方はどうぞ。

 簡易説明。

 アライメント/某型月的なあれ。私の独断と偏見で振り分けている。

 イメージカラー/キャラを描く時イメージしている色彩。キャラとしての性質。

 イメージ曲/キャラを描く時にイメージしていた曲。歌詞や雰囲気から選んでいる。
 



キャラ語り/七海・那須

 

 『七海玲一』

 

 アライメント:中立・善

 イメージカラー:コバルトブルー

 イメージ曲:『アイネクライネ』

 

 

 ご存じ本作主人公。このキャラは基本的に、「那須隊の新たなエース」として最適な存在になるようチューンナップしてキャラクリエイトを行いました。

 

 まずは性能と役割から決めて、そこから徐々に色んな背景を肉付けしていったのが七海くんです。

 

 那須隊は原作で迅さんが指摘した通り、エースの那須さんが指揮とポイントゲッターをどちらもこなさなければならないというのが重い枷になっていました。

 

 加えて、那須さんは本来は射手という後衛ポジションであり、彼女が切り込むのは本来であれば最終手段です。

 

 にも関わらず原作那須隊にはそうするしか点を取りに行く方法がなく、だからこそ中位で燻っていたのでしょう。

 

 だからこそ、その那須さんの負担をやわらげ更にチームを劇的に強化するキーパーソンは何か、と思案し射程持ちの攻撃手、という解答に辿り着きました。

 

 那須隊は、積極的に攻勢をかける時に必要な駒────────────────即ち機動力のある攻撃手、というものに欠けています。

 

 此処で何故攻撃手が必要かというと、単純にそれが一番那須隊を強化するにあたって手っ取り早いからです。

 

 エースであり隊長の那須さんは、本来は援護を主体にして立ち回るべき役割のポジションです。

 

 某二宮という例外はありますが、射手は基本的にチームのサポーターであり、無暗矢鱈に前に出るべきではありません。

 

 しかし、かといって那須さんの機動力を腐らせておくのはあまりにも惜しい。

 

 原作那須隊では機動力がお世辞にも高いとは言えない熊谷さんしか前衛がおらず、那須さんが積極的に動くにあたり枷となっていました。

 

 草壁ちゃんが言っている通り、「隊の機動力が揃っていない」というのはそれだけで戦術の幅を縮めてしまうのです。

 

 なので、それを解決するには「那須さんと同等以上に動ける前衛」がいれば良い。

 

 そう考えた結果生まれたのが、七海玲一というキャラクターです。

 

 機動力に特化し、那須さんの全力機動にも付いていけるスピードアタッカー。

 

 それだけで、トリガーセットは概ね決まりました。

 

 即ち、遊真のトリガーセットにメテオラを加えた構成です。

 

 スピードアタッカーである以上、重い弧月よりはスコーピオンの方が応用力もあるし色々出来る。

 

 機動力をブーストする為にも、グラスホッパーは必須。

 

 また、遊撃手としての役割を求められるので攪乱に長けるメテオラが必要。

 

 基本的に入れない方が有り得ないシールドとバッグワームを加えれば、これでトリガー枠は埋まりました。

 

 勿論、このままだと単なる遊真亜種になってしまうので、書き分けはちゃんと意識しました。

 

 まず、遊真のような応用技をすぐには使わせない事。

 

 原作で平然でやっているので感覚が麻痺しがちですが、あれは遊真が近界で傭兵として数多くの戦場を巡った中で磨き上げた経験値とそれを活かす閃きの試行錯誤があったからこそ、実現しているものです。

 

 普通の隊員は基本的に本物の戦場を潜り抜けた事はないですし、遊真ほど長期間戦場に入り浸ってもいません。

 

 なので、最初から遊真のような応用技は使わせず、類似技を使うにしても何か切っ掛けを与えて徐々にグレードアップさせる形で使わせました。

 

 最初は切断された腕を思い付きでグラホで飛ばす事から始め、そこから亜種マンティスに繋げたのは七海の師匠にカゲさんと風間さんがいたからです。

 

 原作では遊真は独学でマンティスをコピーしていましたが、七海は事前にカゲさんにマンティスについて色々教えられています。

 

 加えて、風間さんは時々ではあれどもぐら爪(モールクロー)の使い方が巧く、師事を受ける中で効率的な運用法について色々アドバイスも受けていました。

 

 下地無しのぶっつけ本番で出来てしまう遊真と違い、ちゃんとそういった下積みがあったからこそ七海はあの芸当が出来たワケですね。

 

 七海は元々出水の援護を受けた太刀川に何万回も斬られ続けるような修練をこなしていたので、危機に関する機転が恐ろしく磨かれています。

 

 基本的に太刀川達は訓練で容赦など一切しなかったので、斬られ慣れていく内に強制的に閃きと機転が磨かれていったワケです。

 

 こんな風に、敢えて詳しく語っていないだけで七海のやった事はそれまでの積み重ねの延長線上でしかありません。

 

 覚醒だけでは強くなれず、日々の鍛錬と具体的な戦術の模索のみが勝利に直結するワートリらしさは勿論意識していました。

 

 さて、そんな七海を語る上で欠かせないのは副作用(サイドエフェクト)です。

 

 サイドエフェクト、感知痛覚体質。

 

 これは七海のポジションが組み上がった時に、ポンと思い浮かんだものをそのまま採用しました。

 

 元から、「回避系のサイドエフェクトを付けよう」とは考えていましたが、直感でこれが浮かび同時にタイトルも想起出来たので、そのまま即決しました。

 

 こちらの副作用(サイドエフェクト)も類似しているカゲさんの副作用と明確な差異が出来るよう色々考えつつ、あらゆる状況でのサイドエフェクトの使い道と()を繰り返しシミュレートしていきました。

 

 特に、弱点を作る事だけは手を抜きませんでした。

 

 小説を書く時、ただ強いだけの能力だとキャラが不利になったり負けたりする展開を書く時に無理が生じてしまいがちです。

 

 なので、強力な能力にはデメリット、もしくは明確な穴がなければ使い難くなってしまうのです。

 

 多くの作品の主人公の能力にデメリットが付きがちなのは、こういった理由もあるでしょう。

 

 ()()()()の能力ほど、創作者にとって扱い難いものはないのですから。

 

 ですが、かといって応用の出来ない能力もまた連載を続けていく中でネタ切れという悩みに直面します。

 

 そういう意味で、メテオラとスコーピオンは非常に都合の良いトリガーでした。

 

 本作で散々使ったように、置きメテオラは悪用方法が幾らでもあり、試合にバリエーションを付けるにも最適な手段です。

 

 自分でスコーピオンを投擲して起爆する以外にも、相手の攻撃に触れさせる/狙撃で起爆する/射撃で起爆する等々やり方は色々あります。

 

 地形条件や試合の展開等をシミュレートし、状況に応じて最適な起爆を行っていく。

 

 置きメテオラはその存在だけで、ランク戦の執筆に大きな貢献をしてくれました。

 

 また、スコーピオンも応用性という意味ではずば抜けています。

 

 元々応用力に富んだトリガーな上、使い手の発想力次第で幾らでも戦術が広がります。

 

 それにマンティスという手札を加えれば、戦略は無限大です。

 

 幾度も私が様々な展開の試合を書き続けられたのも、この二種のトリガーのお陰であると言っても過言ではないでしょう。

 

 あまりに便利過ぎたので、頼り過ぎたきらいがなくもないですがね。

 

 さて、ついでにイメージカラー諸々についても言及していきましょうか。

 

 七海くんのアライメントは中立・善。

 

 つまり、社会的なルールは必要に応じて守ったり守らなかったりするけど、自分ルールは絶対守るというタイプですね。

 

 これは七海くんが基本的に受け身がちで、対人姿勢も「まずは相手を受け入れる」事から始まる事からこちらにしました。

 

 七海は属性的には無色透明系主人公に近く、器は大きいけどやや積極性には欠けるというタイプです。

 

 ストーリーでもボーダーに入ったのは迅さんの勧めに乗ったからですし、那須隊に入ったのも那須さんに「入って欲しい」と言われたからです。

 

 一方「大切な人を守る為に強くなる」という初志は絶対にブレず、那須との関係性が歪だった頃もこの志だけは決して曲げませんでした。

 

 なので、自分が決めた事は絶対に守る、という強い芯があるので善属性となります。

 

 物語序盤は中庸属性に近かったですが、ROUND3を乗り越えて以降は陰りも消えて明確な善属性ですね。

 

 イメージカラーは大きな器と流動する水のイメージから、コバルトブルー。

 

 海の青、といった感じですね。

 

 また、イメージ曲はアイネクライネです。

 

 歌詞と七海の心境が巧くリンクしていて、これしかない、とも思いましたね。

 

 「消えない悲しみも綻びもあなたといればそれでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか」とか、「何度誓っても何度祈っても惨憺たる夢を見る」とか、もうダイレクトですね。

 

 最後の「あたしの名前を呼んでくれた」「あなたの名前を呼んでいいかな」はストーリーラストの告白シーンにピッタリですね。

 

 そんなこんなで、七海くん語りでした。

 

 

 

 

 『那須玲』

 

 属性:混沌・善

 イメージカラー:アイリス

 イメージ曲:「鎖の少女」

 

 今作ヒロイン、那須玲。

 

 彼女はストーリーのヒロインにするにあたり、過去に悲劇を挿入し性格そのものにテコ入れを行いました。

 

 原作の那須さんは儚げながら仲間思いで、対人能力もさして問題ありません。

 

 ですが、くまちゃんの姿に化けた敵にマジ切れした一幕を見た通り、情が深く激情家の素質があります。

 

 そんな那須さんに、幼少期に最悪の形でトラウマを叩き込んで病みと依存癖を発生させたのが今作の那須さんです。

 

 過去が違うのですから、当然原作の那須さんとは色々異なっています。

 

 まず、身内に対する情の深さは変わらないどころか一層グレードアップしており、対照的に身内以外への対応は無頓着というか、無関心のレベルです。

 

 木虎が作中想起していたエピソードを見るだけでも、その無自覚なコミュ障ぶりが分かると思います。

 

 ですが、あの過去を経ているのですから性格が違っていてもなんら不思議ではありません。

 

 少なくとも、そう思われるに相応しい描写はしてきたつもりです。

 

 原作に登場するキャラの性格を変えるのであれば、明確な「切っ掛け」と「過程」をきちんと説明しないといけません。

 

 迅さんの未来視の例を見るまでもなく、人というのは些細な切っ掛けで変わるものです。

 

 彼女の場合は幼少期に「自分の所為で死にそうになった幼馴染を助ける為に、その幼馴染の姉が目の前で死んでしまった」という最大級のトラウマが叩き込まれた為、ああなるのも無理はないと言える「過程」を経ています。

 

 キャラの性格が変わるのは、何かしら理由がある。

 

 それがない性格改編は、キャラの乗っ取り・改悪と言われても仕方ありません。

 

 此処は創作者として手は抜けないところですので、最大限留意したつもりです。

 

 ちなみになんでこんな苦難を強いたかというと、性癖(しゅみ)です。

 

 愛が重い女の子が大好きなので、更に愛が重くなるように仕組んだ次第です。

 

 基本的に私のヒロインの理想像というのは「愛の為ならあらゆるものを蹴飛ばしてのける女傑」なのですが、それは以前書いたBALDR SKYの長編で思う存分書いたので、今度は「依存癖があり情緒不安定で愛が重いメンヘラ一歩手前少女」というジャンルに挑戦してみました。

 

 結果として色んな意味で満足出来たので、私的に万々歳です。

 

 小夜子との絡みを書くのが本当に楽しくて、やっぱり私は女の子同士が仲良く修羅場ってるシーンが大好きなんだなあと改めて思いました。

 

 物語序盤の那須さんはメンヘラ一歩手前どころか紛う事なきメンヘラでしたが、ROUND3以後の幕間を以てちゃんと立派なヤンデレへとクラスチェンジしています。

 

 ヤンデレと言ってもヤンデレが暴走するトリガーである「想い人を誰かに盗られる」という状況は彼女の場合まず有り得ないので、暴走の危険がない安全なヤンデレです。

 

 相手が一線を超えなければ何もしない、古式ゆかしい萌え属性としてのヤンデレなのでヒロインの資格はちゃんと保持しています。

 

 無差別に被害を撒き散らすのはヤンデレではなくメンヘラの分類なので、そこはしっかり区切っておくのです。

 

 ヒロインになれるのがヤンデレ、ラスボスになれるのがメンヘラ、と覚えればOKです。

 

 実際バルド長編ではそうしましたしね。

 

 さて、そんな彼女のアライメントは混沌・善。

 

 社会のルールは知ったこっちゃないけど自分ルールは守る、というタイプですね。

 

 これ、那須さんの場合ROUND3の契機が訪れるまでは普通に混沌・悪属性でした。

 

 当時の那須さんは現実逃避に全力を注いでいて、自分のルールすら曖昧な状態でした。

 

 何を守ればいいのか、何を破れば良いのか分からない。

 

 ただ、「その場凌ぎ」と「現状維持」だけに心を割いて、後は知らんぷり。

 

 それが、その時期までの那須さんでした。

 

 ですが、小夜ちゃんとのキャットファイトを経て吹っ切れた事で自分の中の芯が定まり、善属性になったワケですね。

 

 そして今作の那須さんのイメージカラーはアイリス。

 

 灰色に近い薄めの紫、ですね。

 

 彼女の儚さを象徴する灰色と、情深さを象徴する紫。

 

 その中間を取った形ですね。

 

 隊服も紫系統なので、イメージカラーはこれだろうと思っています。

 

 イメージ曲は鎖の少女。

 

 雁字搦めだった彼女の想いと、儚さを象徴するような曲なのでこれだろうと思いました。

 

 「ココロを鎖で縛られた あやつり人形」「歩むべき人生(みち)を決められた 束縛人形」「アナタはわたしの操り師(あくま)」「ずっと見えない鎖(いと)で動かすの」なんかの歌詞は、まさに七海への罪悪感と葛藤、独占欲と恋慕がホントもうグチャグチャに絡まり合った感じを表現しててドンピシャでしたね。

 

 最後の「わたしの未来を奪うなんてそんなの許さないから」「もう何もかも嫌になる前に鎖の鍵を解いて」は、雁字搦めの歪んだ関係から脱却し、未来へ進む事を決めた幕間以降の彼女を象徴しています。

 

 そういう意味で、本当にピッタリな曲だと思っています。

 

 那須さんオンリーのシーンを書く時とか、よくこの曲を鳴らしていましたしね。

 

 さて、長くなりましたが第一回キャラ語りはこれにて閉幕。

 

 次は他のキャラに言及していきます。

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