痛みを識るもの   作:デスイーター

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クロス企画を終えて/徒然語り

 

 

 おまけ回まで含めて全20話となったクロスランク戦は、これにて終了となります。

 

 改めまして、キャラの使用許可を下さった星月さん、丸米さんの両名には感謝を。

 

 毎回監修もして下さって、本当にありがとうございました。

 

 さて、では今回のクロスランク戦を描く事となった経緯からまずはお話しようと思います。

 

 私はとある創作者のコミュニティというか集まりに所属していまして、そこで星月さんや丸米さんと普段から関わる機会がありました。

 

 いつもワートリ談義等色々な話をしていく中で、以前に「各作品の主人公チーム同士で戦ったらどうなるのか」というディスカッションをした事があったのです。

 

 その時はまだ星月さんも丸米さんもコミュニティに参加する前でしたが、他のワートリ二次創作者の方々と実際に戦ったらどうなるかをシミュレートして語り合うのは楽しかったです。

 

 実はその時から「お互いの作品のチーム同士の戦いを実際に書いてみたいな」という欲求は燻っておりまして、機会があれば是非やりたいと思っていました。

 

 しかし当時はまだ本作「痛みを識るもの」が連載中であった為、連載に集中しきちんと完結させる為にも本編の更新を最優先させていました。

 

 ですが、先日今作が完結へと至り、そちらへ向けていた労力を別の事に使う事が可能となりました。

 

 良い機会だと思ってお二人に相談してみたのですが、お二方共に快く承諾して下さりました。

 

 こうして、このクロスランク戦を描く事になったワケです。

 

 クロスランク戦の内容自体は全て私が書き上げたものですが、一話書き上げる度にお二方に下書きを見せて違和感等ないかチェックして頂き、そうして書き溜めたものを順次投稿するという形にしておりました。

 

 私は書き溜めというものを初めてやりましたが、好きなタイミングで投稿出来るしストックが増えれば余裕も出来るのでこういう形式も悪くはないかなと思いました。

 

 でもまあ、今後連載をする時は基本的に今まで通り、その場で書いてその場で投稿するスタイルに戻ると思います。

 

 今回は別の方のキャラを使わせて頂くという都合上監修は必須でしたのでこのような形になりましたが、私がやり易い方は矢張りそちらですので。

 

 創作者としてはまだまだ精進中の私ですが、更新速度と継続力だけは中々のものだと自負していますので、その利点を活かす為にはやっぱりリアルタイム投稿が一番、という事情もあります。

 

 さて、では肝心のクロスランク戦の内容についてお話しましょう。

 

 最後まで読んで頂いた方は分かると思いますが、今回のクロスランク戦の舞台は夢を介した謎時空でのお話になります。

 

 掲示板形式の総評の方でも少し触れましたが、今回の参加者は突然のランク戦への参加に違和感を抱かないよう記憶を調整された状態で試合に臨んでいます。

 

 今回の企画の目的はあくまでもお互いの作品のキャラ同士で実際にランク戦をする事そのものにありますので、本格的に設定を練り込んだクロスオーバーを書きたかったワケではないので、こういう形式となりました。

 

 それに伴ってランク戦にも関わらず実況なしという状態になりましたが、これは各々の作品での交友関係があるので、それを加味した解説実況という完全な()()()の視点を描くのは少々厳しい、と考えてオミットした結果です。

 

 ランク戦といえば実況解説はなくてはならないものですが、流石にそこまでやるとキャパオーバーだと判断したので泣く泣くカットとなりました。

 

 ちなみにそれぞれの作品の主人公チームは自作「痛みを識るもの」の那須隊は、本編終了後。

 

 星月さん作「REGAIN COLORS」の紅月隊は、黒鳥争奪戦前後。

 

 丸米さん作「彼方のボーダーライン」の弓場隊は、B級ランク戦終了直後あたりの時間軸から参加した事になっています。

 

 どの作品のチームもある程度完成系が見えるor完成系に近い仕上がりとなっているのがそのあたりのタイミングなので、こうなりました。

 

 うちの那須隊はA級、紅月隊はA級経験者と実力的にはかなり高い部隊なので、それに肉薄するには弓場隊もランク戦を戦い抜いたタイミングがベストだと判断しました。

 

 三作品の中で唯一私の作品だけ完結してるので、うちの那須隊は本編を潜り抜けた完成系に至っている部隊でもあります。

 

 完璧とまでは言いませんが、現在の那須隊が実現できるチームとしての完成度は既に極限まで高まっていたと言える状態です。

 

 それを加味して、なるだけ公平な試合になるようにマッチメイクしたつもりです。

 

 MAPが市街地Bなのも、その一環ですね。

 

 高低差のある複雑な地形だと那須隊有利になりますし、閉所の複雑な戦場だと弓場隊有利となります。

 

 紅月隊は割とどんなMAPでも適応して来るでしょうが、他の二部隊は地形の影響をかなり受けるチームですので公平を期してスタンダードな市街地Bとなりました。

 

 市街地Aの決戦はうちの最終ROUNDでやったし、今回はBの方でという判断もありましたが。

 

 ランク戦の内容については、加山くんの扱いが割と難しかったかもしれません。

 

 作中で散々説明している通り、加山くんは放置すれば盤面に干渉しまくってワンサイドゲームが成立しかねない危険な駒です。

 

 ですが、だからこそ集中的に狙われる対象でもありました。

 

 エスクードにスパイダー、極めつけにダミービーコンと見事に悪さしかしないトリガー構成なのも相俟って、どう考えてもヘイトを稼ぎまくる展開しか見えませんでした。

 

 七海からしても好き放題される前に封殺すべし、という全会一致の判断で炙り出しに行ったのも至極当然な流れだと思います。

 

 まあ自分がランク戦で狙われ易い駒である事は加山くん自身自覚していてそれを利用して自分を囮にする作戦なんかもあちらの作中では使っていますが、今回は色々と条件が悪過ぎたという側面もあります。

 

 開始直後に那須隊に大まかな位置を特定された上に、狙撃を気にせず動ける七海が悠々と爆撃を敢行して来たのですから加山くん側としてはたまったものではなかったでしょう。

 

 ランク戦を書く時はいつも各チームの性能(スペック)やデータ、思考傾向なんかを頭に叩き込んで脳内で戦闘シミュレーションを展開してそこから出力してるのですが、どう計測しても七海の初手が爆撃以外有り得ないのでああなりました。

 

 加山くんの地形戦術はボーダーラインを見ていて楽しそうだなと思っていて暴れさせるつもりだったんですが、実際に好き放題しちゃうと弓場隊の蹂躙になってしまうのが誰の目にも明らかだったので、こういう形に。

 

 でも、加山くんらしい心理戦はきちんと展開出来たのでそのあたりは満足です。

 

 私の中の加山くん入りの弓場隊のイメージが「エースと新たな戦術を手にして進化した王子隊」だったので、なるべく作戦面で彼らしさを出そうと頑張りました。

 

 満点とまではいきませんが、それなりに描けたとは思っています。

 

 ライ君の場合は実は私は原作ゲームはやった事ないのですが、コードギアス自体は大好きな作品です。

 

 なので星月さんと相談しつつそちらの世界の事にも随所で言及して、ライくんがオリキャラではなくゲームとはいえ歴としたギアス世界出身のキャラである事を強調しています。

 

 まあ、私がルル関連に言及したかった、ってのもありますが。

 

 もしもライくんがR2終了時までの情報を持ってるならルルが何度も使った地形戦術からの経験で「悪いけど────────────────地形戦術(それ)には、慣れていてね。僕の大切な友人の、十八番でもあったからね」なんて台詞を言わせて加山くんに痛打を与える展開も考えていましたが、そうではないらしいのでこちらも没に。

 

 代替案も考えていたのですが、シミュレートの結果結局没案になってしまい残念でした。

 

 ちなみに隠密せずにイーグレットで点を取る展開はシミュレートの結果でありますが、一応事前に有り得る展開としてイーグレット使用は考えてはいました。

 

 何せこの試合では七海が爆撃を連打する機会が幾度も見られると予想出来ていた為、その爆煙に乗じて行動を起こすならイーグレットが最適であると考えたからです。

 

 イーグレットは数多くの狙撃手が標準セットしている事からも分かる通り、最も使い易くスタンダードな狙撃トリガーです。

 

 射程特化と言いつつも威力も充分にあって、「一撃目を成功させる」という狙撃手の至上命題を達成するにも最適なトリガーと言えるでしょう。

 

 うちの茜ちゃんは諸事情でライトニング特化型転移狙撃手となりましたが、次回作「香取隊の狙撃手」ではイーグレットをメインウェポンにする予定なのでその練習の一環でもありました。

 

 次回作主人公の木岐坂樹里ちゃんは狙撃トリガーと射撃トリガーの混合型の千佳ちゃんタイプの構成にしてあるので、狙撃も射撃トリガーも両方使うライくんを描写するのは良い勉強になりました。

 

 まあ、「狙撃手として動きはしないが────────狙撃トリガーを抜いているとは、言っていない」という展開がとても好きなので、趣味に走ったとも言えますが。

 

 ちなみに私の中のライくんのイメージは、「狙撃手の入った単騎式太刀川隊」でした。

 

 太刀川の突破力と出水の妨害力を併せ持ち、尚且つ精密狙撃のサポートを受ける剣の達人。

 

 それが、私がライくんに抱いていたイメージでした。

 

 真っ向勝負で太刀川さんに勝てるかはさておいて、とにかく「一騎当千」を体現するキャラであると思っています。

 

 当初はライくんが無双して独り勝ちになるというパターンも考慮していたのですが、シミュレートしてみた結果なんだかんだ加山くんが苦しい状況でも散々動いて状況を動かして、最終的に同点で試合終了となりました。

 

 「加山くんが三人の中で一番先に落ちる」という展開は決めていましたが、同時に「少なくともただで落ちるキャラではない」という考えもあったので、ああいう結果に。

 

 敵の力を利用する事を一切躊躇しない、加山くんらしい立ち回りだったと考えています。

 

 那須隊は今回、倒せた相手が一人しかおらず生存点でようやく同点、という結果になりましたが、これは彼等が弱いのではなく成長の方向性の違いも関係しています。

 

 紅月隊は単独での突破力がずば抜けて高いのでそこまで意識して相手を選ぶ事はしませんが、加山くんの場合は「取れる点を取る」事をとにかく徹底していて、「最終的に落ちても良いからポイントを奪取して相手になるべく得点させない」方針を最後までブレさせませんでした。

 

 一方、那須隊は作中での成長はとにかく「格上の相手を打ち倒す」事に特化していて、多少失点があっても最終的に生き残って相手を打倒出来ればそれで良い、というコンセプトの部隊となりました。

 

 ぶっちゃけると、加山くんが相手を倒す事での点を優先していたのに対し那須隊は生存点を取る事を最優先に動いていました。

 

 誰を倒しても一点ですが、生存点の二点はこれまで少しでも多くの点を取りつつ格上殺しを経験しておきたかった那須隊としては、これを逃がす手はなかったワケです。

 

 七海自身、これまでの経緯もあって「勝って生き残る」事に関しては人一倍敏感なので、得点のチャンスを得る事よりも「最後に残ったライをどう打ち倒すか」に焦点を置いて行動していました。

 

 大規模侵攻に向けて成長させていった部隊なので、()()で力が発揮出来るように調整した結果とも言えます。

 

 極論、那須隊は格上殺し(ジャイアントキリング)を行った上で生き残れるなら多少の失点には目を瞑ります。

 

 その方針の違いが、この結果を生んだと言っても過言ではないでしょう。

 

 長々と語りましたが、今回の企画はとても楽しくやれて満足しています。

 

 基本的に私含め一部のワートリ二次創作者は「ひたすらランク戦だけ書いてたい」という欲求があるので、それを素直に発散した結果がこちらとなります。

 

 ランク戦を書く事を「難易度が高い」と敬遠する方もいらっしゃるでしょうが、まずは一回書いてみてトライ&エラーでコツを掴んでいけばどうにかなります。

 

 ワートリの戦闘はとてもロジカルなので、パズルを組み上げるように盤面が構築されていくのが面白くて仕方ありません。

 

 一度嵌まると抜け出せない中毒性が、ランク戦にはあります。

 

 興味を持った方は、是非とも自分なりのランク戦執筆にチャレンジしてみて下さい。

 

 さて、それではこの辺で。

 

 コラボ先のお二方からもコメントを頂いておりますので、そちらを掲載して終了と致します。

 

 改めて、今回の企画は心より楽しめました。

 

 今後とも変わらず執筆を続けていくので、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 ・『REGAIN COLORS』作者/星月さんより

 

 皆さんこんにちは。ご紹介に預かりました星月です。ハーメルンではREGAIN COLORSなどを執筆しています。デスイーターさん(以降デスさんと呼称)からコミュニティ内で声をかけていただき、この度のクロスオーバーランク戦に参加させていただきました。まずは20話と長い話を書ききったデスさんに、そしてここまで読んでいただいた皆さんに感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 

コミュニティ内では私は新参の方であり、またデスさんや丸米さんの作品と比べると時系列が進んでいない事、二作品がオリ主作品であるのに対し自作のRCがクロスオーバー作品であるなど毛色が違うために最初は大丈夫かなと不安もあったのですが、デスさんが見事な手腕で綺麗にまとめてくれました。

私達も投稿前の段階で一足先に下書きを読んでいましたが、実際に投稿されて、そして皆さんの感想が来ているのを見てより実感がわき嬉しく思いました。 

 

今回の物語は三作品の主人公たちが所属する部隊同士のランク戦。特殊な設定、初の試みと難しいバトルでしたがそれぞれの部隊の強み、キャラの特色が出たという印象です。やはり皆ランク戦は気合を入れて書いているのでこうして新たな交流から展開が生まれていくのは楽しかったです。

特にデスさんは痛みだけでなく私や丸米さんの作品、原作を深く読み込んでいる、と感じた方が多かったのではないでしょうか。私の作品で言えば紅月旋空の使い分け、イーグレット単体での得点、バイパーの使い方など本編を彷彿させるような戦いぶりは見ていて爽快でした。キャラ同士の掛け合いも再現度が高かったと思います。ライと瑠花、鳩原の会話はもちろん終わった後の彼らの会話もこれぞクロス作品って感じでしたね。

 

他の方とのクロス作品は私にとって初めての事だったのですが、とても楽しませていただきました。

まだ自作は大規模侵攻編が始まっていませんが、この経験を活かし展開につなげたいと思います。

改めてこの企画に誘っていただいたデスさん、共に参加した丸米さん、そして読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました! 今後もデスさんや丸米さんたちと共に執筆活動に励んでいきます! これからもよろしくお願いします!

 

 

 

 

 ・『彼方のボーダーライン』作者/丸米さんより

 

 クロスランク戦のお話を頂いた時、嬉しい反面「本当にこいつでいいのか?」と思っていたのが正直なところです。

 加山というキャラの、私からの率直な感想といたしまして。クソ面倒くさい戦法を使う、クソ面倒くさい性格の、クソ面倒くさい経歴持ちという面倒三重苦に苛まれ生れ落ちた忌み子です。

 

 「他のキャラに被らないように......被らないように.....」という私の天邪鬼な心から生れ落ちたコイツは、エスクードとダミービーコンというあまりにもヒキが弱いトリガーをバラまきながら、逃げ回ってハウンドを撃ちまわるというせせこましさの極致にあるような戦い方をするキャラクターになりました。

 

 解りやすいカッコよさなど微塵もなく、そのくせ執筆労力は半端ではなく。バトルを書くたびに「何でこんな奴にしてしまったんだ....何で....こんなの嫌だ......攻撃手書きたい.....技名叫びながら弧月ぶん回したい.....クソが....」と呟き先を進めると「何でランク戦するたびにダミービーコンの説明しないといけないの....気持ち悪っ....なんだよダミービーコンって.....」とまた思考が巡る。

 

 その上経歴も重いわ。性格もなんか面倒くさいわ。書きやすさの対極にあるような造形をしています。誰がこんな子にしたんでしょうね。棒かなんかで頭をぶん殴ってやりたい。

 

 と。生みの私でさえも「めんどくせぇ~。カー、ペッ!」と毒づきたくなるようなコイツをわざわざチョイスし、他の作品とクロスし、あまつさえランク戦というバトルの場に用いるという話を聞いた瞬間。上記の通りマジでこいつでいいの?と思ったところです。こんなのを書いて頂くという事象の前に、私の心は申し訳なさで五体投地しっぱなしでした。

 

 そうこうしているうちに出来上がったものを読んでみると。もうほんとに文句のない出来栄えでございまして。私ではない別の方から見た加山はこんな風に読み取られているんだなぁ....とかなり新鮮な感覚もありつつ。ダミービーコンという書くだけで戦術的見地の説明を強いられるトリガーの描写に加え、更に心理戦の描写も一切手を抜かず書かれていて。序盤の内に取っていたけど次第に書かなくなった戦術だったりトリガーだったりも採用して頂いたりと。いやもう本当に作者冥利に尽きます。

 

 散々ディスってしまいましたが。二次創作上の代物とはいえ、加山は一応私が考えたキャラです。そのキャラが私ではない別の誰かが、どう捉えどう物語に運用するのかを見る事が出来て本当に嬉しかったです。

 今回のクロスランク戦を書いてくださったデスイーター様。そして読んでくださった読者の皆様。本当にありがとうございました。





 追加報告。

 「厨二なボーダー隊員」作者龍流さんより許可が頂けましたので、「クロスランク戦Stage EX/×厨二なボーダー隊員」を開催致しますのでお楽しみに。
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