痛みを識るもの   作:デスイーター

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七海と影浦

「お邪魔します」

「おう、来たな七海。早く座れや」

 

 ガラガラという音と共に、入口の扉が開けられ七海が店内に足を踏み入れる。

 

 そんな七海の姿を見るなり長身の目つきの鋭い少年、影浦雅人(かげうらまさと)は笑みを浮かべて店内の席を指さしていた。

 

 ────此処はお好み焼き屋『かげうら』。

 

 その名の通り、この影浦の実家である。

 

「カゲ、俺等まで呼んで貰ってすまないな」

「飯食いに来たぜ、カゲ」

 

 七海に続いて店に入って来たのは、二人の背の高い少年だった。

 

 眠たげな眼の少年の名は、村上鋼(むらかみこう)

 

 NO4攻撃手(アタッカー)の称号を持ち、優れた剣の腕を持つ実力者である。

 

 その後ろから来た帽子を被ったスマートな体躯の少年は、荒船哲次(あらふねてつじ)

 

 村上の師匠筋に当たり、攻撃手から狙撃手への異例の転向をした事で知られる『荒船隊』の隊長である。

 

 そして、彼等を出迎えた影浦は、B級のチームの中でもNO2の順位を誇る『影浦隊』の隊長だ。

 

 とある罰則規定により大幅にソロポイントを減らされてはいるものの、その実力自体は疑いようがない。

 

 七海と同じようにサイドエフェクトを持ち、そして七海にサイドエフェクトを活用した回避方法の基礎を教えた()()()()()()にあたる人物である。

 

 

 

 

 ────影浦雅人が七海と初めて出会ったのは、個人ランク戦のブースだった。

 

 気紛れにランク戦に興じる為ブースを訪れた影浦は、偶然七海の試合結果を目撃したのだ。

 

 試合の相手は、影浦も良く知る攻撃手、荒船哲次。

 

 当時は純粋な攻撃手だった荒船と七海のその時の戦績は、4:6。

 

 惜しくも負け越していたが、見慣れない名前である事からB級に上がってそう間もない相手だろう。

 

 だと言うのにマスタークラスの攻撃手である荒船相手にこの戦績ならば、充分に将来有望と言えた。

 

「……あいつ、まさか……」

 

 …………だが、それより気になったのは試合の中で見せた七海の()()()()だった。

 

 七海は背後から迫る荒船の太刀をまるで見えているかのように()()()()()()()()()()()()()し、反撃に繋げていた。

 

 動きこそまだぎこちないが、その()()()()()には既視感があった。

 

 影浦はそれを確かめる為、ランク戦を終えた荒船と談笑していた七海に声をかけた。

 

「おいお前、ちょっと来い」

「はい、なんですか……?」

「ランク戦。相手しろ」

 

 あまりにも一方的な影浦の言葉に七海は目を白黒させていたが、その様子を見ていた荒船は苦笑しながらポン、と七海の肩を叩いた。

 

「行って来い。こんなナリだが悪い奴じゃないし、得るものはきっとある筈だ」

「は、はい」

「……チッ、行くぞ」

 

 フォローされたのが気まずかったのか、影浦はそっぽを向きながらスタスタとブースに入って行った。

 

 七海もそれを追いかけるようにブースに入り、影浦との個人ランク戦を開始した。

 

 

 

 

「オラオラ、どうしたぁ……っ!?」

 

 影浦のブレードトリガー、『スコーピオン』が七海に迫る。

 

 七海はそれを紙一重で回避────ではなく、バックステップで影浦から距離を取る。

 

 片手(サブトリガー)が空いているスコーピオンの使い手相手に、迂闊な接近は命取り。

 

 それを、良く分かっている動きだった。

 

 ブレードトリガー、スコーピオンは一度出したら出しっぱなしである弧月とは違い、身体の何処からでも()()()事が出来る。

 

 更に刀身の形も自由に変形出来、弧月と比べると応用力が非常に高い。

 

 その反面扱いには癖があり、一朝一夕では使いこなす事は出来ない。

 

 そして耐久力にも難があり、弧月とまともに打ち合えば不利は否めない。

 

 しかし、ブレードトリガーの中では最も軽く、その応用性からスピードアタッカーに特に好まれている優秀なトリガーだった。

 

 影浦もまた、その取扱いに関してはボーダーでトップクラスであるという自覚はある。

 

 だから、()()()()()()今の七海の回避行動に違和感はない。

 

 …………そう、本当に七海が()()()()()()()であればの話だが。

 

「オラ……ッ!」

「え……っ!?」

 

 影浦は、バックステップで逃げた七海に向かって突貫した。

 

 その行動に、七海は瞠目した。

 

 当然である。

 

 現在、七海は片手にスコーピオンを握っているとはいえ、もう片方の手はフリーなままだ。

 

 これまでの戦いで、影浦がスコーピオンの取り扱いに関して自分以上────いや、以前に戦ったどの相手よりも習熟しているのは承知している。

 

 だから、分からなかった。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()()という、影浦の行動の理由が。

 

 だが、身体に染み付いた反射行動は迎撃を選択する。

 

 七海は右腕に構えたスコーピオンを振り下ろし、影浦はそれを右腕のスコーピオンで受け止める。

 

 しかし、七海の攻撃はまだ終わっていない。

 

 無防備に突っ込んで来た影浦を刺し返すべく、足からスコーピオンを出して攻撃し────。

 

「────甘ぇよ」

 

「な……っ!?」

 

 ────同じように影浦が足から出したスコーピオンによって、七海のスコーピオンは受け止められた。

 

 七海は、瞠目した。

 

 完全な不意打ちであるスコーピオンが、受け止められた事に。

 

 七海はサイドエフェクト、『感知痛覚体質』によって自身が攻撃を受ける範囲を察知出来る。

 

 しかし、今影浦が足から出したスコーピオンに、七海は反応出来なかった。

 

 それはつまり、影浦は最初から七海のスコーピオンを受け止める為()()にスコーピオンを展開したという事だ。

 

 有り得ない。

 

 影浦の行動は、()()()()()()()()()()()()()()()し、尚且つ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()理屈に合わない。

 

「ハッ、隙だらけだぞ」

「……っ!?」

 

 だが、相手は待ってくれない。

 

 思考の空白から間一髪で脱した七海は慌ててバックステップで距離を取り、影浦から離れる。

 

 しかし、その行動は些か遅過ぎた。

 

 影浦はその長い腕を目一杯伸ばし、腕先からスコーピオンを展開。

 

 七海はそれを回避せんが為、再び地を蹴り移動しようとし────。

 

「────だから言ってんだろ、甘ぇよ」

 

「が……っ!?」

 

 ────()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()によって、七海は胸を穿たれた。

 

 サイドエフェクトで感知は出来たが、その展開速度は速過ぎた。

 

 まだ回避技術が成長途中であった七海は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に、その攻撃を受けてしまった。

 

『戦闘体活動限界。『緊急脱出』』

 

 後は、当然の流れ。

 

 無機質な機械音声を聴きながら、七海の意識は現実へと弾き出された。

 

 

 

 

「やっぱテメェ、俺と同じで()()()んだろ。サイドエフェクトってやつをよ」

 

 ブースから出るなり、影浦は確信を持ってそう告げた。

 

 そう、それこそが影浦が七海をランク戦に誘った理由。

 

 七海の回避のやり方は、まだ未熟ながらも『感情受信体質』というサイドエフェクトを持つ影浦のそれと似通っていたからだ。

 

 そこから、影浦は七海が自分と似たようなサイドエフェクトを持っているのではないかと考えた。

 

 そして実際に戦い、その考えに確信を持ったワケである。

 

「…………気付いて、いたんですね。それに、()()()()()って事は……」

「ああ、俺も持ってんだよ。『感情受信体質』っつうクソサイドエフェクトをな」

 

 ────『感情受信体質』。

 

 影浦が持つサイドエフェクトであり、その性質と()()()()は七海のそれと酷似していた。

 

 影浦は自分に向けられた感情を、その()()()()()から正確に判別出来る。

 

 その感じ方は()()()()程不快に感じ、受け取る感情の中には()()即ち────()()()()が含まれる。

 

 つまり影浦は、七海と同じく()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 先程の不意打ちを正確に受け止められたのは、そこに七海からの攻撃が来ると()()()()()()()である。

 

 更に言えば、影浦は七海のサイドエフェクトが自分と同じく攻撃を感知出来る類のものであると考えていた為、不意打ちを受け止める為に使ったスコーピオンは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 結果、七海は不意打ちを受け止められた事に動転し、影浦の追撃を避け切れずに倒されてしまったワケである。

 

「…………そうでしたか。影浦先輩だけ話して貰ったのでは不公平ですよね。実は俺も、『感知痛覚体質』ってサイドエフェクトを持ってて……」

 

 それを聞いて納得した七海は、相手にだけサイドエフェクトの事を話させては悪いだろうと、自分のサイドエフェクトについて事細かに話した。

 

 影浦はその話を黙って聞いていたが、全てを聴き終わると盛大に溜め息を吐いた。

 

「…………成る程、テメェの『副作用』の事は分かったぜ。ったく、やっぱ()()()()よなテメェ」

「え……? 勿体、ない……?」

 

 七海は、突然の影浦の言葉に目を白黒させた。

 

 自分のサイドエフェクトについて知った相手は、那須隊の面々は例外として、大抵「ずるい」「羨ましい」などの感想を持つのが常だった。

 

 しかし、影浦はそのどれでもなく、よりにもよって()()()()と口にした。

 

 意味が分からずキョトンとする七海相手に、影浦は盛大に溜め息を吐いた。

 

「…………あのな、ちったぁ考えてみろよ。テメェはいつ何処に攻撃が来るか、サイドエフェクトで正確に感知出来んだろが。だったら、相手の懐に入り込んでも()()()()()()()()()分かってんだからスコーピオン持ち相手でも行けんだろ」

「あ……っ!」

 

 そう、影浦が()()()()と言ったのは、七海が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()事についてだったのである。

 

 七海はそのサイドエフェクトにより、何処に攻撃が来るかを正確に感知できる。

 

 その精密さはかなりのものであり、紙一重の回避を可能にしている原動力でもある。

 

 そして、その真価は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という所にある。

 

 普通であれば、片手の空いたスコーピオン使い相手に距離を取るのは正しい。

 

 だが、七海の場合は違う。

 

 たとえ片手の空いているスコーピオン使い相手だろうが、何処に攻撃が来るかを感知出来る以上懐に入るにあたってのリスクは極論度外視出来る。

 

 無論、相応の回避技術は必要だろうが、確かにそれは七海のサイドエフェクトを十全に活かしきる活用方法と言えた。

 

 影浦は自分が七海のそれと酷似したサイドエフェクトを持っていたが故にその事にいち早く気が付き、ついついお節介で口に出してしまったのだ。

 

 影浦雅人は常日頃から他人の数十倍の負の感情を感じ取っている為気が短く、誤解され易い性格をしている。

 

 しかしその実裏表がなく素直であり、中々に面倒見が良い一面もある。

 

 こんな()()()をしたのも、そんな彼の性根に由来するものだろう。

 

「…………あー、クソッ、アドバイスなんて柄じゃねぇっつーのに…………ったく、何やってんだ俺ぁ」

 

 自分が何を口走ったのかに改めて気付いた影浦は、ばつが悪そうな顔でそっぽを向いた。

 

 そんな影浦を見ていた七海は、がしっ、と影浦の腕を掴む。

 

 その行動に()()()()()()()()()()()()影浦は改めて七海を見下ろすと、七海は真剣な表情で影浦を見上げていた。

 

「お願いします……っ! 俺に、サイドエフェクトを使った回避のやり方を教えて下さい……っ!」

 

 ────それが、転機。

 

 最初は面食らって申し出を断った影浦も、七海の熱意に根負けし、彼にサイドエフェクトを使った回避技術の基礎を叩き込む事になったのだった。

 

 

 

 

「ははっ、あの時の影浦は傑作だったなあ。七海に縋りつかれて困り果てている時の顔なんか、今でも思い出せるぜ」

「…………チッ……」

 

 当時、その場に居合わせていた荒船はその時の事を思い返し、軽快な笑い声をあげた。

 

 影浦はそんな荒船を睨みつけるが、影浦の性根を知る荒船にとっては別段怖くもなんともない。

 

 このくらいであれば逆鱗に触れる事はないだろうという、これまでの付き合いの中で培った判断の上で軽口を言っているのである。

 

「でも、意外だったよ。カゲが誰かを弟子に取る、なんてな」

「…………最初にこいつをブースに誘って、不用意な事を言ったのは俺だかんな。それに、鋼ならわかんだろ?」

 

 影浦の言葉に村上は一瞬目を見開き、そしてこくりと頷いた。

 

「…………ああ、サイドエフェクト持ちの本当の苦労は、同じサイドエフェクト持ちにしか分からないからな」

「…………チッ、いちいち言うなっての」

 

 そう、それが影浦が七海の弟子入りを許した根本的な理由。

 

 サイドエフェクトは確かに便利な能力ではあるが、良い事ばかりではない。

 

 たとえば影浦の場合は四六時中他人の感情が肌に突き刺さる所為で常にストレスを溜め込んでいるいるような状態であり、人の多い場所では碌に落ち着く事も出来ない。

 

 今の短気な性格も、そのサイドエフェクトが原因とも言える。

 

 七海の場合はデメリットなど無いように見えるが、回避技術も碌にない頃は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という状況が幾度もあった筈であり、幼少期はさぞ落ち着かない毎日を送っていた事だろう。

 

 何せ、虫に刺される時や注射の時等も、逐一その状況をサイドエフェクトが伝えて来るのだ。

 

 痛みが来る場所が分かるというのは、何もいい事ばかりではない。

 

 日常生活において、擦り傷や虫刺されが出来るのはある意味当たり前だ。

 

 それすら逐一反応していたのでは、中々に気が休まらない。

 

 今は無痛症を患っている為サイドエフェクトを便利に感じる事も多いが、それまでの苦労がなかった事にはならない。

 

 影浦は、その事を良く分かっている。

 

 自分のそれよりも付き合い易いサイドエフェクトだろうが、それでも自分と重ね合わせて共感した部分があるのは否定出来ない。

 

 だからこそ、影浦は七海の弟子入りを認めてしまったのだ。

 

 だが、それだけではない。

 

 鍛えれば自分が楽しめる良い遊び相手になるという期待も、少なからずあった。

 

 そして今、七海は太刀川達の指導もあり見違える程に強くなっている。

 

 『メテオラ』を使った必殺の戦法まで確立している有り様であり、影浦から見ても充分()()()()()()に育っていた。

 

「オラ、焼けたぞ七海。食え食え」

「はい、頂きます」

 

 影浦が焼いたお好み焼きを七海の皿に乗せ、ほかほかのお好み焼きを口に運ぶ。

 

 そして、七海の口の中に()()()()()()()()()()()()

 

 無痛症故に普通であれば味覚も感じられない七海だが、今七海は()()()()()()()()()を使っている。

 

 これは七海が少しでも痛覚────触覚を感じ取れるよう技術開発部が開発したものであり、ある程度の痛みや触覚、そして()()()()()を感じ取る事が出来る。

 

 感じ取る事が出来る味覚は非常に薄く、普通の料理を食べても精々「甘い」か「酸っぱい」等が辛うじて分かる程度で、味をきちんと感じ取る事は出来なかった。

 

 那須がトリオン体で健康体の身体を手に入れた前例があるだけに、何故七海だけこんな中途半端な結果になるのかと『ボーダー』本部開発室長鬼怒田本吉(きぬたほんきち)を初めとした開発部一同は首を傾げていたが、少しでも成果があったのなら喜ぶべき事だと七海は受け入れた。

 

 影浦はそんな七海の状態を理解している為に、七海の為に焼いたお好み焼きは()()()()()()()()()を施している。

 

 使用した調味料の量も通常の非ではなく、普通であればまず食べられるような味付けではない。

 

 そして当然、身体にも悪い。

 

 しかし、影浦が出来る事と言ったらこれしかないのだ。

 

 七海の無痛症とそれに伴う苦労を知った影浦は、飲食店の息子として出来る事がないか試行錯誤した。

 

 そして、薄くだが味が分かるという事ならば、思い切り濃い味付けならばどうにか味を感じ取る事が出来るだろうという結論に達したのだ。

 

 勿論、この事は七海に伝えてある。

 

 あまり身体に良い方法とは言えない為、回数を絞って七海に事前に話を通した上でこの「七海専用お好み焼き」を提供していた。

 

 七海は影浦の気遣いに感謝し、滅多に口に出来ない()()()()()()を食べていた。

 

 その事情は荒船や村上も知るところである為、珍しく顔を綻ばせてお好み焼きを頬張る七海とそれを上機嫌で見ている影浦を微笑まし気に見守っていた。

 

 影浦としては本当はこんな形ではなく、頻繁に七海を店に誘いたいのだが、今の状態ではそれは無理がある。

 

 那須と同じように、影浦もまた、七海の無痛症の治療を一身に願う一人でもあるのだ。

 

 開発部にも一度殴り込み(お願い)をしに行ったのだが、芳しい成果は得られなかった。

 

 …………勿論、諦めたワケではない。

 

 何かチャンスがあれば、積極的にそれを掴みに行くつもりだった。

 

 ちなみに、この影浦の思惑は影浦隊の面々にはとうの昔にバレており、全員が全面協力をするつもりでいた。

 

 影浦も薄々それには勘付いているが、口に出すのも癪であった為気付かない振りをしていた。

 

 まあ、それを影浦隊の面々が察しているかどうかは、言わぬが花であろう。

 

「オラ、もっと食え。今日は奢りだかんな、遠慮すんな」

「はい、ありがとうございます。カゲさん」

 

 影浦は、楽し気な様子で七海にお好み焼きを振る舞っている。

 

 これが、日常。

 

 七海が守りたいと願う、光景の一つだった。




 カバー裏風紹介

 【影浦雅人】

 七海の師匠筋にして兄貴分にあたる大型犬系攻撃手(アタッカー)
 
 見た目と言動はチンピラのそれだが意外に面倒見が良く性根は悪くない。

 いつもサイドエフェクトの所為でストレスが蓄積しているが、同じようなサイドエフェクトを持った七海には共感と仲間意識を抱いている。

 七海の無痛症の事を知り、七海専用のお好み焼きを作っちゃった世話焼き人。

 七海からは実の兄のように慕われており、呼び方を「カゲさん」にさせたのもなんだかんだ照れ臭かったからである。

 本作でも重要な立ち位置にいるキャラクター。作者も大好き。

 【太刀川慶】

 餅。もじゃ髭。ダンガー。黒コート青春二刀流。

 色々と言われているが、戦闘面に関しては天才としか言いようがないNO1攻撃手(アタッカー)

 半面、戦闘以外は悲惨の一言。

 大学の単位が危うくなったり、「danger」を「ダンガー」と呼ぶ残念さは本作でも健在。

 本作では七海の師匠の一人であり、数えるのも面倒な程の回数、七海を斬り捨てて回避技術を文字通り身体で学ばせた。

 生粋の戦闘狂であり、強くなった七海が本気で自分の前に立つ日を今か今かと心待ちにしている。

 【荒船哲次】

 ビルから飛び降りる系狙撃手。映画好き。

 原作でもやたらビルから飛び降りるスタイリッシュなシーンが強調されており、その【孤月】逆手持ちは厨二心を擽る格好良さ。

 今作では影浦を通じて七海と親しくなり、狙撃の通じない七海をどう倒してやろうかと常日頃から試行錯誤中。

 七海とランク戦で戦える日を心待ちにしている。

 【村上鋼】

 同じく影浦を通じて七海と親しくなった眠たげな眼の強者。

 七海とは個人ランク戦を幾度も行っており、良いライバルだと認識している。

 同じサイドエフェクト持ちとして少なからず七海には親近感を感じており、人柄も好ましく思っている。

 影浦や荒船と同様、無痛症で苦しむ七海の為なら多少の労苦は厭わない。

 勿論来馬隊長も村上伝いに七海の事情は聞いており、彼もまた出来る事があればなんでもする、との事。

 太一(真の悪)については下手に協力させない方がいいかなあ、と思っている。

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