痛みを識るもの   作:デスイーター

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それぞれの想い

「お待たせ、玲一」

「ああ、終わったのか。玲」

 

 七海は会議室の近くの廊下で、会議を終えて部屋から出てきた那須を出迎えた。

 

 今回、忍田本部長からの召集により、隊長陣が集められ緊急の隊長会議が開かれた。

 

 表向きは今回迅が告知した『合同戦闘訓練』の詳細説明だが、その内実は迅の()()()()()()()である事は容易に想像出来る。

 

 事実、今の那須の表情は何処か重い。

 

 矢張り、察していた通り二度目の大規模侵攻がある事は、ほぼ確定であるらしい。

 

 思い詰めるような那須の表情が、何よりもそれを雄弁に物語っていた。

 

 七海は重苦しい表情をする那須の頭にポン、と手を置き、精一杯の笑みを向ける。

 

「…………玲一…………」

「大丈夫。何を説明されたかは、大体分かってる。けど、心配するな。あの時とは、違う。俺もお前も、『近界民(ネイバー)』と戦う為の力はきちんと持っている。もう、無力な俺達じゃない」

 

 それに、と七海は続けた。

 

「俺達は、独りじゃない。『ボーダー』の皆が、心強い仲間がいる。だから、あの時のようにはならないよ。今度こそ、この街を、大切なものを守り抜くんだ」

「……うん。分かった。私も頑張るわ」

 

 七海の言葉に、那須も幾分か落ち着いたのだろう。

 

 表情から険が抜け、柔らかな笑みを浮かべている。

 

「…………あー、お二人さん。そういうのは、往来でやらない方がいいと思うぞ」

「あ……」

「ああ、すみません。荒船さん。お疲れ様です」

 

 そんな折、声をかけられ振り向けば、そこにはなんとも言えない表情をした荒船が立っていた。

 

 那須は今のやり取りを見られていた事に気付いて赤面し、七海は平然と荒船に挨拶を行った。

 

 自分の気持ちを誤魔化し続けていた者と、自覚しながらも蓋をしていた者の、如実な反応の差であった。

 

「ったく、青春してるようで何よりだな全く。それより、今日の試合も凄かったそうじゃねえか。まだログは見てねえが、上位でも完全勝利とは恐れ行ったぜ」

「いえ、荒船さんこそ、四点獲得で調子良いって聞いてますよ」

「そう言われっと、お前らの八得点と比べられてるようで癪だがな。ま、俺等なりにやれる事はやってるつもりだ。次やる事があったら、前みてぇには行かねぇぞ」

 

 そう言って、荒船と七海は笑い合う。

 

 ROUND2では七海の勝利に終わったが、荒船としては次へのステップアップの足掛かりとしては悪くない経験をしたと思っている。

 

 事実、今の荒船隊は上り調子である。

 

 得点差がある上にROUND8までで終わりという縛りがある以上今期上位を狙う事は難しいかもしれないが、それでも悪くない調子だと思っている。

 

 今回は、上位と中位の入れ替わりが頻繁に起きている。

 

 ROUND2で『香取隊』が中位落ちし、ROUND3で上位に戻ったものの、今回のROUND4の結果で『王子隊』共々無得点で中位落ち。

 

 逆に、ROUND3で中位落ちした『東隊』はきっちり上位に戻って来ており、更にこのROUND4で遂に『鈴鳴第一』が上位へと辿り着いた。

 

「次の試合、『東隊』と『鈴鳴第一』だってな。鋼もリベンジに燃えてるし、気合い入れてけよ」

「はい、勿論です」

 

 その『鈴鳴第一』は、次の試合の対戦相手でもある。

 

 ROUND1では完封出来たものの、七海の集団戦での動きを()()()村上のいる『鈴鳴第一』。

 

 そして、ROUND3で惨敗を喫した『東隊』。

 

 どちらも、七海にとって無視出来ない相手である。

 

「────ああ、その言葉を聞けて嬉しいぞ。七海」

「鋼さん……」

 

 ────そして、相手にとってもそれは同じ。

 

 そこには、七海と同じように自分の隊長を迎えに来たのであろう、村上が立っていた。

 

 村上は不敵な笑みを浮かべ、七海に腕を差し出す。

 

「前回はしてやられたが、今回はそうはいかない。きっちり、雪辱は晴らさせて貰うぞ」

「こちらも、負けるつもりはありません。今度も、しっかり仕留めさせて貰います」

 

 七海はそう言って村上と握手を交わし、村上はその様子に満足気な笑みを浮かべると、「じゃあな」と言ってそのまま立ち去った。

 

「あいつも熱くなってるじゃねえか。こりゃ、マジでうかうかしてらんねえな。七海」

「そうですね。元より、鋼さんを侮るなんて事はある筈がありません。全力で、事に当たらせて貰います」

「おう、楽しみにしてっぞ」

 

 そう言って、荒船もその場を後にした。

 

 その後姿を見送った七海が那須の方に振り向くと、その視線の先────廊下の向こうで、仁王立ちする男がいた。

 

 ツーブロックリーゼントというあまり見ない髪型に、ハーフリムの眼鏡。

 

 眼光は鋭く、雰囲気はどう見ても堅気の人間ではない。

 

 だが、七海は知っている。

 

 どう見ても不良系(ヤンキー)そのものといった格好にしか見えない彼は、その実誠実な紳士であり、曲がった事が大嫌いな()であると。

 

 特攻服が抜群に似合いそうな、その彼の名は────。

 

「おう、七海ィ。元気そうじゃねェか」

「はい、ご無沙汰してます。弓場さん」

 

 ────B級上位部隊『弓場隊』隊長、弓場拓磨(ゆばたくま)

 

 数多くの個人戦を繰り返し、その実力を磨き抜いた凄み(ドス)の効いた漢である。

 

 七海とも何度か個人戦でやり合った経験があり、それなりに気に入られている。

 

 同じようにストイックな性格の者同士、気が合うのかもしれない。

 

 言葉よりも行動で、というのは二人の共通した思想であるのだから。

 

「那須も、こうして話すのは初めてだなァ。よろしく頼むぜ」

「…………はい、よろしくお願いします」

「まあ、そう警戒すんな。七海は、個人戦でやり合った戦友(ダチ)なんでな。見かけたんで、ちィと挨拶に来ただけさ」

 

 それに、と弓場は告げる。

 

「次のROUND5、おめェーらの試合の解説すっことになったからよ。良い試合、期待してっからな」

「はい、任せて下さい」

 

 間髪入れずにそう答えた七海に、弓場はニヤリと笑みを浮かべた。

 

「おゥ、良い返事だ。気張れよ七海ィ。俺等と当たるまで、きちっと腕ェ磨いとけや」

「ええ、その時はよろしくお願いします」

 

 七海の返事に満足した弓場は、「またな」と言いつつその場を立ち去った。

 

 考えてみれば、此処は隊長会議が行われた場所のすぐ傍。

 

 荒船や弓場のように、七海を知る人間であれば、こうして声をかけて来てもなんら不思議ではない。

 

「おや、シンドバットじゃないか。今日は完敗だったよ」

「王子さん……」

「それとナースも、こんばんは」

 

 案の定、続けて声をかけてきたのは今日の試合で戦ったばかりの相手、王子だった。

 

 いきなり珍妙な名前で呼ばれた七海と那須だったが、王子のこの奇天烈なネーミングセンスを付ける性格については聞き知っていた。

 

 流石にこうして呼ばれてみると違和感が物凄いが、慣れるしかないのだろう。

 

 七海の眼を見て呼びかけていなければ、「シンドバット」なんてあだ名が自分の事を指しているとは夢にも思わなかったに違いない。

 

 那須も話に聞く以上の変人ぶりに、目を白黒させていた。

 

 戦い、自らの手で落とした相手ではあるが、会話は一切していない。

 

 七海以外の男子には欠片も興味のない那須ではあるが、その那須にとっても王子の奇抜さは記憶に留めざるを得ない代物であった。

 

「今回の試合、見事な采配だった。あの采配は誰がやったものかな? 君か、もしくはセレナーデ(小夜子)か。どちらにしろ、凄まじい差し手であると認めざるを得ないね」

 

 じろりと、探るような目つきの王子に、七海は努めて冷静な声で切り返す。

 

「それに答える義務は、あるでしょうか?」

「ないね。ま、今の反応で分かったよ。多分、今日の試合の采配を振るったのはセレナーデの方だね。君はもう少し、会話術を覚えた方がいいかもだ」

「…………」

 

 図星を突かれ、七海は言葉に詰まる。

 

 七海は確かに機転が利く方だが、コミュニケーション能力はあまり優れているとは言えない。

 

 試合中は余計な会話をする必要はなく、対戦相手と話す意味も時間稼ぎ以外には存在しない為、どうとでも誤魔化しが利く。

 

 だが、こういった戦場の外での駆け引きとなると、流石に王子のような曲者の相手は荷が重い。

 

 だからこそ、試合前は王子と接触していないようにしていたのだから。

 

「今回はしてやられたけど、次の機会があればこうはいかないよ。ベアトリスやヒューラーにも、そう伝えてくれ」

 

 じゃあね、と言いつつ王子は踵を返して歩き去った。

 

 上手く丸め込まれた感じが強く、矢張り曲者だな、と七海は王子への警戒度を引き上げた。

 

 もし、次戦う事があれば、より一層気を引き締めてかからなければならないだろう。

 

 その機会があるかどうかはともかく、七海はそう強く感じていた。

 

「……あ……」

「ん……?」

 

 そして、遭遇はまだ続く。

 

 廊下の曲がり角から出てきた香取が、七海とばっちり目が合った。

 

 傍にはオペレーターの染井もおり、香取は七海の顔を凝視するとつかつかと早足でこちらに近付いて来た。

 

 その様子に那須は険しい顔を見せるが、七海に制止されて引き下がった。

 

「……アンタ、よくも騙してくれたわね。まさか、ポイントを犠牲にしてまで弱い振りをするなんて思ってもみなかったわ」

「個人のポイントが減ろうが、チームランク戦には影響しませんからね。勝利の為に出来る事をやり尽くすのは、当然の事です」

「ムカつく。でも────そんなアンタの言ってる事が正しい、って今まで理解出来てなかった自分が一番ムカつくわ」

 

 へぇ、と七海は思わず感心した。

 

 この試合の前の香取は、お世辞にも好感を持てるとは言い難い人格の持ち主だった。

 

 才能はあるのにすべき努力をせず、ただ燻っているだけの存在。

 

 七海は香取の事を、そう評価していた。

 

 だが、今の香取は違う。

 

 足踏みしかしていなかった今までと違い、明確に前を、上を向いている。

 

 屋上から叩き落した後の事は伝聞の情報でしか知らないが、太刀川が言ったという「良い眼をしていた」という言葉は、事実だったようだ。

 

 今の香取と試合の前の香取は、最早別物だ。

 

 今後は、今回のような単純な策は通用しなくなるだろう。

 

 次に戦う事があれば、一皮剥けた『香取隊』と戦り合う事になる筈だ。

 

「次は、負けないから。覚えてなさいよ」

「ああ、俺達も負けるつもりはない。けど、応援はしている」

「フン、生意気ね。いいわ、次は絶対吠え面かかせてあげるから」

 

 香取は捨てセリフのようにそう言い残すと踵を返し、染井と共に立ち去った。

 

 染井は去り際にぺこりとお辞儀をして、香取に付いていく。

 

 その様子は何処か、自分と那須の関係を想起させた。

 

 恐らく、香取にとっては彼女こそが一番大事な存在であるのだろう。

 

 染井の手袋の下からは、「痛み」の気配がした。

 

 何か事情があるのだろうが、そこに踏み込もうとは思えない。

 

 自分達に自分達の事情があるように、彼女達には彼女達の事情がある。

 

 それぞれに事情があり、その内容は個々人で全く違う。

 

 必要がない限り踏み込むべきではなく、無暗に踏み込む意味はない。

 

 そのあたりは、きちんと弁えていた。

 

「……お前が、七海か」

「貴方は……」

「三輪、三輪秀次だ。A級部隊で隊長をやっている」

 

 ────けれど、何事にも例外はある。

 

 少年は、七海と似た過去を持つ者(三輪秀次)は、じとりとした目で七海を見据えていた。

 

 三輪秀次(みわしゅうじ)

 

 話には、聞いている。

 

 七海と同じく、あの四年前の大規模侵攻で肉親を、姉を失っている事。

 

 そして、『近界民(ネイバー)』を憎悪し、親『近界民』派である玉狛とは、特に迅とは非常に折り合いが悪い事を。

 

 他ならぬ迅から、聞いていた。

 

 聞く所によれば、迅は三輪の姉がトリオン器官を抜かれ致命傷を負った後、姉を抱きかかえる三輪と遭遇したらしい。

 

 だが、三輪の姉がもう手遅れであると視てしまった迅は何も言わずその場を立ち去り、それが三輪の迅に対する負の感情に拍車をかけているらしかった。

 

 何を思って自分に声をかけて来たかは分からないが、無視をするワケにもいかない。

 

 七海は黙って、三輪が要件を切り出すのを待った。

 

「…………前から、気にはなっていた。お前も、俺と同じように…………あの大規模侵攻で、姉を失ったそうだな」

「……ええ、そうですけど。それが何か?」

 

 素っ気ない七海の返答に、三輪はしばし逡巡した後、口を開いた。

 

「お前は、憎くはないのか? 『近界民』が」

「いえ、憎いという感情はありません」

「……っ! 何故だ? 肉親を奪った連中だぞ。そして今も尚、この世界を脅かそうとしている。殺したい、とは思わないのか?」

 

 矢継ぎ早に告げられる問いは、次第に感情が乗っていった。

 

 三輪自身、何故こんな問いをしているかについて明確な答えがあるワケではないのだろう。

 

 だが、自分と似た境遇を持ちながら、『近界民』を憎悪しない七海が理解出来ない。

 

 そんな三輪の感情が、七海にはひしひしと伝わって来ていた。

 

「何故、何故親『近界民』などという世迷い事をほざいている奴と、迅と親しくしていられる……っ!? あんなヘラヘラした奴に、なんで……っ!」

「…………成程、貴方の言いたい事は理解出来ました。それが本音ですね?」

「……っ!」

 

 七海の指摘に、三輪は押し黙る。

 

 色々と言ってはいたが、三輪の問いたいのはただ一つ。

 

 何故、自分と似た境遇の七海が親『近界民』派の『玉狛支部』の迅(自分が許容出来ない相手)と、何の問題もなく付き合えているのか。

 

 それが理解出来ないから、三輪はわざわざ七海に声をかけたのだ。

 

 多分であるが、先ほどの試合で迅が七海達を評価する姿を見て、迅が七海に向ける親愛の情を感じたのだろう。

 

 その事が彼の中で引き金となり、今回の問答に及んだ。

 

 恐らく、事の経緯はこんな所だろう。

 

 正直、不躾な質問をされて良い気分ではなかったが、それでも彼を責める事は出来ない。

 

 自分には守るべき大切な相手(那須の存在)があったが、彼にはきっと、そんな存在はもういなかったのだろうから。

 

 ふと、想像する。

 

 あの大規模侵攻で、もし姉だけではなく那須をも失ってしまった場合。

 

 自分が、彼のようにならなかった保証はない。

 

 むしろ、自分で命を絶ってもなんら不思議ではないだろう。

 

 自分が今まである程度前向きにやって来れたのは、那須という欠け替えのない、大切な存在(心の拠り所)がいたからだ。

 

 それがなければ、きっとこの世界で生きる事に耐えられなかったに違いない。

 

 そう考えると、三輪を悪く思う事など、出来る筈もなかった。

 

「あの時姉が死んでしまったのは、俺が弱かったからです。姉は俺を助ける為に、自らを犠牲にしました。俺には、その献身に報いる義務がある」

 

 七海は自分の右腕を、姉の形見(黒トリガー)に目を向けながら、告げる。

 

 言葉が届くとは、思わないけれど。

 

 それでも、自分の意思を伝える為に。

 

「だから、俺がやるべき事は、近界民を憎む事じゃない。強くなって、大切なものを守る事です。近界民の排除は、その手段に過ぎない。もしも玉狛の思想通り、友好的な近界民と手を結んで平和が訪れるのなら、俺はその未来を歓迎します」

「……っ!? 馬鹿な、近界民の排除がボーダーの責務だぞ……っ!? 連中と手を結ぶなど……っ!」

「それは、()()()()()()()でしょう? 少なくとも旧ボーダーは、今の玉狛と同じ思想を掲げていました」

 

 事実、同盟を結んでいた国はあったようです。と七海は告げ、三輪の反応を待った。

 

 三輪は尚も何か言いたげではあったが、これ以上は意味がないと悟ったのだろう。

 

 そのまま踵を返して、足早に立ち去った。

 

「…………悪いな。気を遣わせた」

「東さん……」

 

 その後姿を暫く見ていた七海だったが、そこに声をかける者がいた。

 

 先日のROUND3で惨敗を喫した忘れもしない相手、東だ。

 

 東は三輪の去った方向を見ながら、ふぅ、と溜め息を吐いた。

 

「あいつの事を、出来れば悪く思わないでくれ。見て分かったと思うが、あいつも一杯一杯なんだ。多めに見てくれると助かる」

「……ええ、それは俺も分かったので大丈夫です。えっと、その……」

「ああ、悪い悪い。前回の試合じゃ我ながら嫌なトコを突いた自覚はあるからな。正直、俺にはあまり良い感情を持ってないんじゃないか?」

 

 東は何処か探るような眼で、七海を見た。

 

 そこに悪意はなく、単に心配しているだけというのが見て取れた。

 

「いえ、あの経験があったから、俺達は前を向く事が出来ました。その事については、感謝しています」

「そうか……」

「ですが、次の試合では負けません。きっちり、やられた分はやり返して見せます」

 

 七海は毅然とした態度で、そう宣言した。

 

 それには、流石に東も面食らったのだろう。

 

 一瞬瞠目した後、薄く笑みを浮かべた。

 

「…………ああ、今回も手を抜くつもりはない。やれると言うなら、やって見せろ」

「はい、必ず」

 

 七海の返答を聞き、東は笑ってその場を後にした。

 

 その後姿を見ながら、七海は改めて決意する。

 

 今度は、負けない。

 

 それは、那須も同じ。

 

 七海と同じように東の後姿を見据えながら、今度こそ、と気を引き締めた。

 

 『合同戦闘訓練』という予定外の事態にはなったが、自分達のやる事に変わりはない。

 

 作戦を練り、勝利する。

 

 『那須隊』の皆で、上を目指し続ける。

 

 そして、今度こそ、大切なものを守り切る。

 

 それが、やるべき事。

 

 自分達の、目的。

 

 それが果たされるまで、足踏みをする事は許されない。

 

 必ず、勝つ。

 

 勝って、強くなる。

 

 強くなって、守り抜く。

 

 二人はそんな想いと共に、最初の狙撃手の後姿を見送った。

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