とある斬破刀の日常♪   作:麗紫 水晶

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更新しました。読んでやってくださいまし。では、後程。



♭♭♭強烈!!桃毛の吐息!?♭♭♭

私は斬破刀……。数多く造られた中の1本である。名前が無いんだなぁこれが。まぁ、その内に付けてくれると期待して、楽しみに待つとしよう。で、またまた私の話を……。聞いてもらえる……かな!?

 いいよね!?お願いします!?よろしくね♪♪ね♪♪

 

私は今、明るい日差しの差し込む船室に、ご主人と添い寝をしている♪心地よい揺れと、気持ちの良いそよ風が、板の間を通って優しく抜けていく………。

なに、贅沢だと!? …………何とでも言ってくれ。ご主人の方からのお誘いなのだ。目の前で、可愛い寝顔を見せられてみろ、すぐにハートマークいっぱいで撃沈してしまう………。

でもまぁ、良いではないか。私にはご主人と居られる楽しみしかないのだ。手足や血も涙も無いんだぞ、太刀だけに……。ありっ!?

そのご主人である、ミラーナ様のところにオトモ達が起こしに来たようだ。

 

「ご主人、朝になりましたニャ。隊長の所に行く準備をして下さいニャ。」

 

「う、う~~ん、わかったぁ、ありがとう~~。」

 

オトモのアイルーもやれやれと、肩をすくめながら船室から出ていった。

私もやれやれと苦笑いのような思いで、可愛い寝顔を見ていると、突然目をバチりと見開き私を凝視してきた!!

当然、私もギョッとする!表には出さないが。って、出せないの間違いだ。すまん。

 

「おはよ!!よく眠れた!?♪♪」

 

no~~~!!あなたの寝顔に悩殺されて、一睡も出来ませんでした~~~!これは凄く嬉しい犯罪で~~~す!!あなた、罪深い人~~~!!

と、思っても。小さい雷で、お辞儀の返事をする私だ。分かっておくれ、この気持ち………。

彼女はニコッと微笑むと、ベッドから起き上がり、私を持ってテーブルに立て掛け、椅子に腰掛けた。

そして再度私に問い掛けて来たのだ。

 

「ね、今回のクエストが終わったら、素材集めを手伝って欲しいの。後のクエストは強いモンスター達が沢山いる。あなたをレベルアップして、切れ味や攻撃力を上げたいの。いいかなぁ♪♪」

 

無論だ!嫌なはずもない。私に断る権利もないし、強くなれるのは彼女を守る上でも必要不可欠………。ただ…あの溶鉱炉に入れられるのだけは苦手だ………。

この気持ちが分かるかね!?とろける程に熱いんだぞう!想像しただけで恐ろしい……。

しかし、ミラーナ様の為にここは我慢!私に試練が襲いかかって来ているのだ!これをクリアしなければ私に次はない。

私にとっての死活問題だけに、雷をゆっくりとお辞儀させる。やらねば、彼女と一緒に居られなくなる。なんとしても離れないようにしなくては………。

ミラーナ様は、そんな私の気持ちを察してくれたのか、ニッコリ微笑んでくれた。

 

「良かった!約束だからね♪♪」

 

とウィンクされてしまう。私にはこの笑顔から逃れる術はない。あなたの笑顔は犯罪だ!どれだけ私を誘惑すれば気が済むのだろうか。あなたに付いていきますぅ♪♪…………。

はっ………し、失礼。

私は彼女の装備を改めて見た。あの戦闘のあと、素材から作ってもらった、EXフィリア装備………。見事に綺麗な白基調の背中に竜のはねの飾りのついた、綺麗な防具を身につけていた。相変わらず似合うな………、褒めようにも喋ることも出来なければ、握りこぶしに親指を立ててグッドポーズも出来ない………。そこが凄くもどかしい!思いを伝えられないのは切ないものだ。

 

ミラーナ様は、私を背中に装備し自室である船室から出た。まずは、隊長の所に向かう。

 

隊長も待ち望んでいたようだ。彼女を見るや、安堵と喜びが混じったような顔をしている。余程の事らしい。その顔を見ていれば私でも分かった。

 

「ありがとうございます、ハンターさん♪実は遺群嶺と呼ばれる山脈よりも標高の高い山があって、この龍識船によって調査が出来るようになりました。龍暦員の先遣隊が勇んで向かったのですが、ババコンガに阻まれて、身動き出来なくなってしまいました。あなたにそのババコンガを退けてもらいたいのです。よろしくお願いします!」

 

な、なんと。ババコンガの討伐とは。とは言うものの、会うのは初めてだが……。

 

「分かりました。向かいます!」

 

「ありがとう!よろしく頼みます!」

 

隊長も喜んでいる。龍識船からの初の初陣が、ババコンガと言うモンスターだが、場所も初めての場所でもあるし、危険はいっぱいだろうがミラーナ様の腕試しにはもってこいと言ったところか。

 

早速、オトモ達を連れ、猫飯屋でしっかりと食事♪受付嬢のところへ。

すると、間が悪かったか、風で資料を飛ばされて、両手を上げるも届く事叶わず、ガックリと上半身を床に着くかのような勢いで、お辞儀をしている!

「あ、……あの………!?」

 

と、ミラーナ様が話しかけた瞬間に起き上がり、私達の方を見て驚いたようだ。慌てて、身なりを整えて気付いたように話し掛けてきた。

 

「あ、隊長さんから依頼を受けてます♪受注されますよね!?」

 

「は、はい。お願いします。」

 

「承りました。私も受付嬢デビュー仕立てで、至らないこともありますがよろしくお願いします♪」

 

ほう。なにやら明るい感じで、良さそうな子じゃないか。ミラーナ様とも気が合いそうだ。

 

「それじゃ行ってきます。」

 

「行ってらっしゃ~い!無事に戻って来てくださいね~!」

 

と右手を大きく左右に振って、見送ってくれた。

船首に立ち、小型の飛行船に乗り込み、遺群嶺へと私達は出発したのだった………。

 

♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭♭

 

 

遺群嶺………。その標高高きそびえ立つ、その山は、なかなか人々が来る事は叶わず、龍識船によって調査が進み、遺跡が発見されて初めて先住民族が住んでいたとされる場所である。その山の一角にベースキャンプが設けられ、飛行船を横付けに停泊させられる場所であった。

そこに降り立った、ミラーナ様は、チェストの中と、持ち物を確認し、私を柄ごと手に持ち私に面と向かってにこやかに微笑んで頷いてくる。私も雷でお辞儀を返す。

「よし、行こう!」

 

と、ベースキャンプを出る。造られた石の階段を登り、最初のエリアへ。

 

そこはなだらかな傾斜のある広い草原のような場所……。所々に岩の隆起している部分もある。奥の方は勿論山がそびえている。アブトノスが草を食べに来ていた。

 

ざくっとババコンガの特徴は聞いていた。桃色の体毛で覆われた牙獣種で、お腹がポッコリとしていて両腕の爪3本ずつは長い。尻尾は細長く、その先で色んな物を掴む事が出来るらしい。体躯はラージャン程の筋肉質でもなく、大きいとは言わないが、似ているそうな………。

後、特殊攻撃が多彩だそうだ。何だか逆に面倒くさそうな奴だ。確かに通せんぼされそうな感がある。まぁ、それでこの依頼が来たのだと思うが。

と、思っている内にミラーナ様が動いていた。隣のエリア6へ移動する。

そこは岩場に囲まれ、2つのエリアへと繋がる場所でもあった。大きく岩の段差があり、ごつごつしている。何頭かのケルビが餌を求めてやって来ている脇を、ゆっくりと四つん這いのような体制で歩いているモンスターを見つけた。

 

「いた………。しっ!………。」

 

私やオトモ達にそう告げると、気付いていないそのモンスターに背後から忍び足で近付いていく。

゛桃毛獣゛とも呼ばれている、ババコンガに気配を悟られないように急接近する!ポシェットからペイントボールを取り出しババコンガに投げつけた!

一気にボールが破裂して、ババコンガの身体に印を染み込ませる。もちろん、ぶつけられたババコンガも気付くわけで………。

 

「ゴアァァァ!!」

 

咆哮をあげたと思うや、いきなりその場でジャンピングし、目一杯に身体を広げ、ボディプレスを敢行してくる!咄嗟にミラーナ様も私を構えて納刀キャンセルでダメージをかわす!再度私を抜いて反撃に転じる!

私も雷を纏わせ、斬り込む都度雷のダメージを上乗せしていく!

ババコンガが起き上がり、自身のお腹をポンッとたたきブレスを放射してきた!ミラーナ様も何とかかわしたものの、黄色いブレスは麻痺属性があり、オトモの1匹が喰らってしまい、その場で倒れ込んでいた。

麻痺ブレスか!?私も警戒するも、実際に動いているのはミラーナ様だ。更に続けてお腹を叩いて、今度はファイヤーブレス!?

アチチチチ………。何て奴だ!桃毛の風上にも置けん奴だ!

っと、ミ、ミラーナ様!?大丈夫ですか!?ミラーナ様が今のブレスを喰らってしまった!!守れなかった私が不甲斐ない!!

私は申し訳なさで顔を覗き込むと、キツそうな顔をしつつも、目はまだ死んではいなかった!まだ動けそうだと安心する。

 

当のババコンガはこっちを無視して、尻尾で採ったキノコを食べている。

ヌウゥ………。許せん!ミラーナ様をこんなにしておきながら、無視するか!!私は雷を立ててミラーナ様を見る。するとミラーナ様も私を構えつつ、私の方を見た。私はミラーナ様を見たまま雷をゆっくりお辞儀させる。ミラーナ様も頷き返してきた。

私は刀身に雷を纏わせ、ミラーナ様もババコンガに向かって行く!ババコンガの真後ろで、1歩下がり、私を後ろに構えて地面を蹴り、一気に前に出て居合い斬りのように私を横に払っていく!!

 

「桜花気刃斬!!」

 

ミラーナ様を軸に2回転させて横からババコンガを凪ぎ払う!私自身も力がみなぎる!

ひっくり返ってもんどりうつババコンガ。その隙を逃さず斬り付けていく!結構なダメージを与えていたと思っていたが、まだ体力が残っていたようだ。起き上がって両腕を振り回し、長い爪でミラーナ様を攻撃してくる!だが、一度走ってその場から少し離れると、腕を振り回しながら地面にひっくり返る。ミラーナ様も私も、オトモ達も反撃する!しかし、あと一息で………と思っていた時、想定外が起こってしまった!いきなりお尻を上げてブルブルと振り、お尻に力を入れてきたのだ!

 

「ブフォ………!!」

 

結構な響きと共に、強臭な放屁を放ってきたのだ!!全員周りに転がる!まともにガスを浴びて、あまりの臭いにアイテムが使えない!?しかもなんと言う事だ!ミラーナ様も消臭玉までは用意していなかった!逆にババコンガがそのチャンスを逃すまいと攻撃を仕掛けてくる!私もその攻撃をかわしつつも、少しずつだがミラーナ様の体力を奪われていた。離れて間を取ろうにも、ババコンガの執拗な攻撃が隙を与えてくれない!

一際腕を振り上げ3本の長爪を広げ、降り降ろしたその時、

 

「今ニャ!ご主人避けるニャ!!」

 

後ろからオトモの叫び声が!!咄嗟に横に飛び退く!

 

「ガッ………!?」

 

ナイスだ!オトモが痺れ罠を仕掛けてくれたのだ!その場で固まってブルブルと奮えている!これを逃せばこちらが殺られる!

ミラーナ様と私の雷とで頷きあって、渾身の一撃を!!

 

「はァァァァァァ!!」(おォォォォォ!!)

 

私は力を開放して雷を全開に!ミラーナ様は、練気を開放し、斜め下から上に私を一閃する!!!

 

「ガァァァァ……………。」

 

腕を振り回しながら上体を上げ、そのまま地面へと崩れ落ちたのだった…。

危ないところだった。回復する事が出来なかった為に、ミラーナ様の体力がギリギリに追い詰められていたのだ。オトモ達の機転に、感謝だ♪

 

「や、ヤバかったぁ………。」

 

ハァハァと息を切らしながら、その場に座り込んでしまうミラーナ様。私は雷を手に添えてあげる事しか出来ない。一緒にやった~~~!!と叫びたいが、生憎と口はない。

たが、ミラーナ様は、私をぎゅうっとキツく抱き締めてきた!

 

なっ………、ちょっ、ちょっと、ミラーナ様!?ど、どうしました!?

 

「良かった…………。また、助けられたね♪♪」

 

えぇっ!?い、いや、私にはミラーナ様が、無事で一安心しているが、私がミラーナ様を助けたなどとは、とんでもない!

実際に守れなかったとも感じているのに、どこまで人が良いのだこの方は………。まぁ、こんな優しい方だからずっと一緒に居たいと思うのだが………。

 

一先ず、ババコンガを運んでもらう合図を送る。流石に臭いも消えて、アイテムで体力等を回復し、揃って最初のエリアへと移動した。そのエリアへと入ってきた時、前方に巨大な生物が…………。

 

全身が銀色の体躯で、4本の四肢があり、顔も細面の細マッチョな体型に鋭さがある翼で、2ヶ所ずつ赤い龍気を放出しようとしていた。尻尾ももちろんある。こっちに気付いているのかいないのか、顔を上に上げて背伸びするような体制で、翼から龍気を一気に放出し、ロケットのように急上昇で飛んでいってしまった………。

私達は暫くその場に固まっていた………。こんな古龍の情報は聞いたことがない。あまりのショックに、龍識船に戻るまで無言だった…。

 

「いやぁ、無事で何よりです!その古龍はバルファルクと言って、数百年に一度現れると言われていて、天災、災厄をもたらすと言われています。゛天彗龍゛とも呼ばれています。その古龍調査の任も出ました!なので、そのために、船も強化しつつ、追跡したいと思います。これからもよろしくお願いします♪」

 

なんと!?最早情報が届いているとは………。ミラーナ様も驚きを隠せない。だが、この後もあの古龍とは付き合う事になりそうだ。ミラーナ様も改めて頷いていた。

 

自室の船室に戻ってきた。私は大丈夫ではあるが、ミラーナ様は、限界のようだ。当然疲れは溜まっているだろう。ベッドへと直行だ。あ、ちょっと待って!?なんで私まで!?ミラーナ様!?

 

「今日はもう寝よ♪心配だから一緒に寝る!ダメ!?」

 

あ、あの、ちょっと、その可愛い哀願はずるいですぞ!絶対断れないモードでしょ、それ!はぁ……、やはり私はこのお方には勝てない♪私は雷をお辞儀させ、ウインクでペロッと舌を出す、小悪魔さんに、苦笑いしつつ、まんざらでもない私がそこにいた。次のクエストが待っているだろう。ミラーナ様も私もすぐに寝息を立てているのだった………。(あ、ちなみに私は寝息はしないがね………。そのぐらい分かるって?ごもっとも………。)

 

 

 

 

 

 




読了ありがとうございます。次話はどうなりますやら………。
では次話にて、お会い出来ることを切に願って…………紅龍騎神でした。
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