夢を見ていた。
目に入ったのはたくさんの人が殺し合っている戦場だった。いや、人ではなかった。悪魔、天使、堕天使、それらが殺し合っていた。内臓が飛び散る光景、頭が吹っ飛ぶ光景、グロテスクな光景が広がっている。自分はその光景をただ見ていた。
場面が変わる。
そこは、金持ちが住んでいそうな豪邸の前だ。そこには、六人の人影があった。
「行くのかい?」
「ああ、しばらく帰って来れない」
紅髪の美男子が大きな荷物を背負っている黒髪の男に尋ねる。何故か黒髪の男の顔が見えないが、体格を見て男だと思った。どうやら何処か旅に出るようだ。
「私も・・・」
「それはダメだ。フィアはこいつら
銀髪の美少女が一緒に行きたがるが、男はそれを拒否する。
「さてと、そろそろ行くわ。魔王の仕事頑張れよ。特にセラ」
「分かっているよ〜だ」
黒髪の美人が元気良く答える。男は二人の女性の頭を撫でる。
「絶対帰ってきてね」
さっきまで元気だった黒髪の美少女は涙目で男を見る。銀髪の美少女も表情が暗い。
「・・・・」
男は何も言わず、苦笑しながら頭から手を離す。
「んじゃ、いってくる」
男は五人に背を向け歩き出した。
「・・・みんなに会えて良かった」
男は小さな声でそう呟くが、五人には聞こえていないだろう。男はその後も呟いた。
ーーーーーバイバイと。
「また、この夢か・・・」
一人の男子高校生が目をあけ呟いた。黒髪で中背中肉、顔は整っており、誰もが認めるイケメンだ。
少年はこの夢を何回も見ている。
「やっぱり俺の前世の出来事なのかね〜」
少年には、普通の人が持っていない前世の記憶があった。夢の中で殺し合っていた種族が分かったのはその記憶のおかげだ。顔が見えない黒髪の男がこの少年の前世の姿になる。
(前世は悪魔で、次代魔王の友達か・・・)
周りの人にこのこと言ったら即入院だなと少年は内心苦笑する。
(しかし、夢の続きは記憶にないな)
戦争のこと、友達と別れて旅に出た事は覚えているが、旅の内容は全く覚えてないのだ。
(それにこの世界の本なんかで似ている世界があったような・・・・なんかモヤモヤするな〜)
少年は腕を組み思い出そうと必死になるが、偶然目に入った時計を見て、冷や汗を流す。
「遅刻だ〜〜〜!!」
少年は急いで着替える。ちなみに親は二人とも海外にいるため、男の子は一人暮らしだ。着替え終えたら
クラクションの音が聞こえ、横を見ると大型車が目の前にあった。
(死んだな・・・)
少年はスローモーションに動く車を見て、冷静に判断した。
その日、一人の男の子がこの世を去った。
「ん〜」
少年が目を開けると、そこはお花畑だった。どうやら死後の世界に無事着いたようだ。
「死んでしまったのか・・・まあ、仕方ない。自業自得だしな」
少年はショックを受けていたようだがすぐに立ち直った。
「三途の川って何処かな〜?」
あたり一面はお花が広がっており、三途の川が全然見えない。というより、360°見渡しても地平線が見える。
「三途の川を見つけることが最初の試練の訳だな」
「そんな訳あるか!!」
「おわっ!!」
少年の言葉にツッコミを入れながら白ヒゲお爺さんが男の子の目の前に現れた。男の子はびっくりして尻餅を着いた。
「誰?」
「儂は神様と呼ばれるものじゃ」
「神様?」
「そうじゃ。お主をここに連れてきたのは儂じゃ」
少年は姿勢を正して頭を下げる。
「神に出会えたこと光栄であります。しかし何故私をここへ?」
「普通に喋って構わん。今回お前をここに連れてきたのはお主を転生させるためじゃ」
・・・・・
その言葉を聞き少年はしばらく黙っていた。
(転生か~。神様に出会ったときに予想はしていたけどまさか本当に出来るなんてな~)
予想をしていた少年だったがやはり少し驚いていたようだ。
「転生か・・・何故?」
「お主を元の世界に返すためじゃ」
「元の世界って?」
「お主が一番分かっておるだろう?」
「・・・もしかして俺の前世か?」
「正確には前世の前世じゃな」
「どうして俺なんだ?」
「前世の記憶を持つ者は珍しいからじゃ。それにお主のように
「拒否権は?」
「勿論ない!!」
神様の即答に少年はため息をつくが死ぬよりはましかと思い転生することにした。
「早速、準備を始める。まずは特典を六つ選ぶんじゃ」
「特典もつけてくれるのか?」
「うむ、儂は優しいからの」
「それなら」
1、頭脳を天才クラスにする
2、鍛えれば鍛えるほど身体能力up(気などの使用も可能になる)
3、REBORNの沢田綱吉の力と装備一式(零地点突破では、魔力なども死ぬ気の炎に変換して吸収できる)
4、fortisimmoの芳野零二の力(回復能力が欲しいだけなので、サクラはなし)
5、魔力はその世界のトップクラスの十倍(つまり、ほぼ無限)
6、神の力
「神の力か。儂の力ではなくて、別の神の力でいいか?」
「おう!!。出来れば修行に付き合ってくれる神様がいい」
どんな技か分かっていても、技を出す方法が分からない。だから、技を出す方法を教えてくれる神様が欲しい。
「分かった。転生ライフは0歳からスタートじゃ。力は年を取ればそのうち使えるようになる1,2,5は生まれた時にそうなっておる」
「分かった」
本当は、赤ちゃんからスタートするのは嫌だったが文句は言えないと思い、少年は頷く。
「それとお主、面白い体質を持っておるな」
「・・・ああ」
暗い表情をする少年。彼には心当たりがあった。少年は年上の異性に異常なほどモテるのだ。ノーマルの男なら誰でも羨む体質だが少年はこの体質があまり好きではない。この体質(女落の体質)に気づいた時は嬉しかったが、修羅場やおばさん方からの熱い視線、そして母親からの誘惑(父親が海外に持っていったので最近はない)、それらの出来事により少年はこの体質は『不幸体質』だと思い始めた。今は伊達メガネを使ってこの体質を抑えているがあまり効果がない。好意を持たれてない人には効果があるが、好意を持たれたらメガネでも抑えることが出来ないのだ。
「お主がいう『女落の体質』は神をもメロメロにしてしまう凄い力なのだ。何とかしてやりたいが儂でもどうにもならん。すまんの〜。」
「そうか・・・分かった頑張ってみる」
「うむ。最後に分かっておると思うが、転生先は『ハイスクールD×D』の世界じゃ」
「・・・えー!!」
少年はようやく理解した。自分の前世の前世は原作を読んだことがある二次元の世界であると。
「そういえば言い忘れておった、転生するとき前世の記憶の所々が抜け落ちるかもしれんが、頑張ってくれ」
神様がそう言った瞬間、少年は真下に出来た穴に吸い込まれた。
「えっ?ちょっ待っギャー!!」
少年はそのまま暗闇の中に落ちていった。
感想待ってます。