月日がたち年が明けた。
子供たちが待ちに待ったお正月である。子供たちがお正月が好きな理由はほぼ百パーお年玉がもらえるからだろう。大人は人が来て大忙しなので好きな人はあまりいないだろう。俺は見た目は子供、頭脳は大人の五歳児なので微妙な感じである。
「大きくなったわね零二君」
嬉しそうに俺を抱えているのは俺の祖母だ。母さんの親でもあり、母さんのような若さは無いが見た目もそっくりである。
「孫はいいものだな~」
婆ちゃんに抱えられてる俺を目を細めて見ているのは祖父だ。黒髪を短く切りそろえており、中背中肉で、スッゲ~男前だ。
「婆ちゃん、恥ずかしいからそろそろ離して~」
「いいじゃない。もう♪このまま連れ帰りたいわ~」
母さんと婆ちゃんは見た目だけでは無くて性格も似ているようだ。
その光景を見ていた父さんに目を向けるがすぐに目を逸らされてしまう。父さんは貿易関係の仕事をしているようであまり帰ってこない。とゆうか一年に二回帰るかどうかだ。しかし年末年始には必ず帰ってくる。見た目は身体は中背中肉、顔は普通のフツメンだ。
「あら~ダメよお母さん。れ~ちゃんは私の大切な人ですもの」
母さんが婆ちゃんを笑顔で止めるが目が笑ってない。大切な人って家族としてだよね?
「いいじゃない。零二君がいたら子作りもむずかしいでしょう?」
婆ちゃんは本気で俺を連れ帰りたいようだ。しかし、確かに俺がいては父さんとイチャイチャしにくいだろう。
「余計なお世話です。わたしにはれ~ちゃんだけで十分です」
「あら、でも零二君は弟、妹が欲しいと思っているんじゃない?・・・零二君、弟、妹が欲しくない?」
弟と妹か・・・前世でも一人っ子だったので正直欲しいとは思うが。
「僕はどっちでもいいよ。母さんたちがいてくれるだけで幸せだし」
今の生活に満足しているので一人っ子でも別に構わない。ちなみに一人称はこの年頃に相応しい『俺』ではなくて『僕』だ。まあ、心の中とかでは『俺』になっているんだけど。
「れ~ちゃん・・・」
母さんは何故か涙を流している。というかここにいる俺以外の全員が涙を流していた。
「いい子だな」
「はい」
爺ちゃんと父さんはそう言うが、俺は大人の対応をしただけである。
「あ~ますます持って帰りたくなったわ」
「ダメよ!!」
母さんは婆ちゃんから俺を引き離そうとしているが婆ちゃんは俺を放してくれない。
(はあ~。でもこんな日常も悪くないよな~)
年をとってこうゆう時間の大切さがよく分かった。後どのくらいこんな楽しい時間を過ごせるか分からないけど、一分一秒後悔が無いように過ごそう。
「いいじゃない!!」
「ダメです!!」
「イタイイタイ!!」
その後父さんと爺ちゃんが母さんたちを止めるまで俺はいたい思いをした。
しばらく家でのんびりしていたが、婆ちゃんたちからある物を貰ったので俺は商店街に向かっている。そのある物とは
(へへへ♪お年玉ゲットだぜ!!)
それも五百円玉が二枚、つまり千円だ。五歳児にとってみれば結構な大金である。
(なんに使おうかな~)
精神年齢は大人なのにあまりの嬉しさにニヤニヤしていた。実はお金を貰ったのは今回が初だ。この世界に転生してやっと自分の金が手に入った。といっても母さんたちも三、四歳ぐらいになったら小遣いをあげるつもりだったようだが俺が何も言わないのでお金を渡しそびれたようだ。
(しかし、いざ考えてみると俺って何か欲しいものってあったっけ?)
本は家にいっぱいあるし、おもちゃは要らないし、ゲームは買えないし、う~ん困ったな~。
『あの子可愛くない?』
『本当だ、ギュッと抱きしめたいな~』
『カッコよくもない?』
『『うんうん』』
俺の方を見て話をする女子高生たち。はあ~やはり俺の体質は年上なら関係ないのか。
(あっ!!欲しいものあったわ)
千円でも買えるし、それにしよう。
「ね~ボク。ちょっといい?」
「はい?」
いざお店に向かおうと思っていたときさっき俺のほうを見て話をしていた女子高生の一人が声を掛けてきた。
「写真とっていい?」
あ~そういうことか。可愛くてカッコいい(母さんたちがそう言っていた)俺の写真を撮りたいわけか。まあよくある事なのであまり気にしてない。
「・・・構いませんが」
「「「やった~」」」
その後女子高生たちだけではなくて道行く人たちも俺の写真を撮っていた(年上の女性だけ)。その時どっかの事務所からスカウトが来たが面倒なので断った。
とまあ色々なことがあったが無事お店に到着した。俺が向かったのは百円ショップだ。そう百円でいろんな物が買えるパラダイスだ。俺は中に入りある物を取る。
(パララパッパラ~伊達メガネ~)
俺が取ったのは度が入っていない伊達メガネだ。前世では大変お世話になった、俺にとっては無くてはならないものである。
(これでこの体質も多少は抑えられるだろう)
俺はメガネをを買うと早速メガネをつける。
(よし、買うものも買ったし帰るとするか)
俺は帰路についた。