「旅行に行きましょう」
「はっ?」
母さんがそう言ったのは僕が六歳になったばかりの時だ。
「旅行に行きましょうよ」
「え~と、何故?」
いきなり言い出したもんだから理由が分からない。
「お父さんが仕事の関係で海外に行くことになったのよ。それで、もしよかったら一緒に来ないかだって」
なるほど、家の父さんは家族旅行に行きたいと言っていたので、仕事ついでに観光するつもりだろう。
「僕は構わないよ」
海外に行ったことなんて前世でもなかったので是非行ってみたい。
「分かったお父さんに伝えておくわ」
「うん、イッセーと約束があるからイッセーの家に行ってくる」
僕は友人にこのことを伝えるために走ってイッセーの家に向かった。ヴァイスたちはお留守番だ。
「いいな~」
イッセーが羨ましそうに僕を見る。今さっき旅行について話したからだ。
「イリナも海外に引っ越してしまったし、俺一人がここに残るのか~」
イッセーの表情が暗くなる。イリナは先月家の用事で海外に引っ越してしまった。つまり、僕が海外に行くとイッセーはボッチになってしまうのだ。幼稚園に行ってないので僕ぐらいしか遊び相手がいないのだ。心苦しいがもう決まってしまったのでイッセーには我慢してもらいたい。
「そう言うな、お土産買ってきてやるから」
「本当か!!楽しみにしている」
これで少しは元気になったかな。
それから数日して、僕たち沢田家(ヴァイス+シバ)は海外へと出発した。
「迷子の~迷子の~零二君~あなたのお家はどこですか~」
「零二さま・・・」
「零二君・・・」
「そんな目で僕を見ないで~」
今の状況を簡単に説明すると・・・・・・迷子になりました。
無事到着⇒ホテルに荷物を置く⇒母さんたちと街に出かける⇒人が多くて親を見失う⇒適当に歩いていると路地裏についた⇒更に歩くと人気の無いところについた
ということだ。現在の装備は服、ズボン、伊達メガネ、猫(ヴァイス)、犬(シバ)だ。金、携帯、食べ物などは持ってない。ちなみにメガネは体質を抑える役目の他にもあるが、それはまた後ほど説明しよう。
「まあ、歩けばなんとかなるだろう」
「それしか無さそうですね」
迷子になってしまったけど、探検気分でなかなか楽しいし。
ヴァイスたちを肩に乗せ、しばらく歩いていていると人がたくさんいるところに着いた。次はここに住んでいる人のオススメスポットを聞こう。下手に歩くよりもそういうところに行けば母さんたちに会える確実が上がると思ったからだ。ちなみに日常会話ぐらいならどの国の言葉も喋れる。特典さまさまだ。
「すいませ~ん」
僕はたまたま前を通ったお爺さんに声をかける。
「んっ?」
よかった、無視されてないということは言葉が通じているってことだろう。顔を見ると眼帯をしていた。おしゃれか何かか?
「呼び止めてすみません。観光しているのですが、どこかオススメなところとかご存知ですか?」
「そうじゃの~・・・よしお主付いて来い(何か不思議な感じがする小僧だ)」
そう言うとお爺さんは歩き出した。日本語を話していることに驚いていたが僕は慌ててお爺さんに付いていった。一体どこに連れて行かれるんだろう?
『零二様この人、神ですよ』
『えっ!!マジで!!」
頭の中でヴァイスの声が響く。契約神とはこうゆう風に会話をすることも可能なのだ。
『どうします?』
『まあ、悪い人ではなさそうだし着いていこう』
『分かりました』
さあ、神のオススメスポットに向かおうか。
「あの~お爺さん・・・」
「んっ?どうしたのじゃ?」
案内されて約三十分。僕たちはまだ歩いていた。それも森の中をだ。
「まだですか?」
「もう少しじゃ」
大丈夫だよな?このまま地獄とかに行かないよな?
ドッカーン!!
「「っ!?」」
森の中を更に歩いていると大きな爆発音が聞こえた。前方を見てみると煙が上がっていた。
「何があったんですか?」
「分からん。が、急ぐぞ」
僕たちは煙が上がっているところに急いで向かった。
次回から、ヒロインたちを出していこうと思います