Fate/Subsequent   作:マッポーゲニア

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お久しぶりです。 マッポーゲニアです。
Fate/Subsequent 第3話と相成りました。
投稿期間が空いてしまいました。すみません。
前回と比べて文の見せ方と言った感じのものを変えてみました。
いかがでしょうか
それでは、第3話、ご覧下さい


第3話 フーカ・イン・マジックランド

夜。それは反省の時間。自らの未熟さを呪い、明日に活かすための時間。そう普段は...

今日は違う。

 

1つ、2つ、3つとピースが揃うこの感覚はインストールの進捗画面を見るに等しいくらいに精神の高揚が収まらない。しかし後一歩で止まるという歯痒さもそれに近い。

 

何日も、待ち続けた。刹那、瞬き一つするその瞬間でさえ其れに煩わずにいることは無かった。

ついに揃ったのだ、7つのピースが...その時が訪れたのだ...!

 

「......全騎......全騎揃ったァッ!」

 

アサシン!ランサー!ライダー!バーサーカー!キャスター!アーチャー!そして!そしてそしてそしてそして!セイバァァッ!!!!

霊器盤を食い入るように見つめる。やはり7つッ!7騎全て捉えているッ!

確認した!もう少なくとも50回は確認した!

 

「これにて幕は開いたぞォッ!あとは祈るだけだ!そう、祈るだけ...」

 

そう、ただ一つ、腹立たしい点がある。

祈らなければならないのだ。

『前々回まで』の失敗は俺の責任だ......不完全だった複製!不出来な改良!そしてそれらが引き起こすエラー!

 

これらの原因は俺にある。俺によって引き起こされた事故、起こるべくして起こった想定外ッ!、必然のアクシデント!そう!!『前々回まで』は、だ!!!

 

だが

 

『前回』は違う!コピーの粗が見つかるたびそれを直した!改良による不具合が起これば取り除いた!

 

そうやって全ての失敗をカバーしたのが『前回』だ!確実に成功するはずだったのだ!!否、『はず』ではない!!あんなことが起きなければ確実に成功していた!!!

 

計画を突き詰め全てを完璧に整えた上で実行した『前回』!そんな俺の期待と努力を嘲笑うかのように起こった『不確定事項』!!複数の運や気まぐれが絡み合った末にはじき出された『失敗』!!!

 

「今度こそ...今度こそだッ!!」

 

そう今度こそ──

 

ん?誰かいないか?とりあえずふりむく。

 

「...なんだ、お前か。ずいぶんと早いな」

 

居たのはアサシンのマスター。用件はわかってる。注文の『品』を取りに来たんだろう。

 

「えぇ...時間ピッタリのはずですが。」

 

そんなバカな。手首に目をやる。10時。なるほど、時間通りだ。察した。

 

「そうか、すまない。...ほんとにコイツだけでいいのか?」

 

注文された『品』をだしながら、話を進める。

 

「あぁ、これがあれば大丈夫だ。......注文通りの品、確かに受け取った。聖杯戦争が始まり次第働かせてもらいます。依頼通りに」

「それはありがたい。じゃあ今すぐ働いてくれ。ついさっきセイバーが召喚されたんでね」

 

そう、ついに召喚されたのだ。思わず笑みがこぼれてしまった。

 

「...なるほど。おめでとうございます。では、早速──」

「ああ待てもう1つ。」

 

はい?と言いたそうな顔をよそ目に続ける。

 

「聖杯戦争が始まってしまった以上表立っての協力はできない。仮に命の危機だろうと決して助けはしない。...わかっているな?」

 

彼は一言で返事をすますとブツを持って退室した。

その向こうは何故か、暗かったような明るかったような気がした。

 

~~~~~

 

状況 が 全く 読み込めない。

 

「うっし。パスは繋がったみてえだな」

 

訳の分からない出方をした訳の分からない大きい人が、訳の分からないことを言ってる。

とにかく、大きい。あとは髪がモサモサしてたり、どこか昔の人の格好をしているくらい

目は鋭く、顔は少し怖い。

 

「そう、パスは繋がった、が、」

 

そう言って彼は後ろを振り向くと

 

「あの、シマに勝手に入っている虫二匹を祓えばいいんだよなぁ...!」

 

男が剣で指した先は澪尾。まさか、この人澪尾を殺すっていうの?

 

「楓花...そうだったんだね。」

「!?」

 

澪尾がすごい怖い顔してこちらを見る。

 

「強引に連れて行って、それで場を整えてこちらを殺す...」

 

殺すって...

 

「いやちょっと待っ...」

「祓ってやらァッ!」

 

私がセリフを言い終える前に、男は澪尾の首を狙う。

しかし、その太刀筋は澪尾の首をはねるかわりに金属音を響かせて止まった。

 

「状況を見てお話で済むかと傍観を決め込んでいたのですが、いの一番で突撃とは、いやはや。あなた、バーサーカーでは?」

 

サーカスにいるような格好をしたお兄さんが突如『なんもない所』から顕れて、男の剣を杖で受けていた。

両者とも、距離が近すぎるのか一旦ある程度の間隔を置いた。

 

「ほう、そのナリっちゃあ...テメーはキャスターだな。」

「ご名答にございます。少しは話が通じる分、バーサーカーの線は薄れた、と言いましょうか。」

 

一連の会話といい、連続するありえない現象といい、今の私にとって一番大切なのは「説明」であった。

 

「おい!醜女ェ!さっさと指示を出せ!」

 

急に大声を出してきた。こっちのセリフだよ 私は何をすればいいの?

 

奥には澪尾の顔が見える。怖いけど、怒っているような顔ではない。それよりもっと、もう3段階踏み込んだような顔をしている。

 

白い剣と黒の杖の応酬。人の目では追う事ができない。それだけで人の業では無いことがわかった。

 

「早く!指示を寄越しやがれ!醜女ェ!」

 

男の怒号はどんどん大きくなる。

 

「おやぁ?仲間割れにございますか。」

「ちっ―」

 

目の前で手品師風の人と戦っていた男は、急にこちらに踵を返し、私を抱え、窓へ向かい、

 

「歯ァ食いしばれよ、醜女」

 

ベランダから飛び降りた。

刹那の出来事であった。

 

「え」

 

これ 私 死ぬ?

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

地面が迫る。ものすごい勢い。私は目をぎゅうっと目を瞑る

どおっ、と音がした

目はちゃんと見えたので大丈夫っぽい 意識も普通に──

 

「っしゃ行くぞォ!」

 

と確認をする前に益荒男はどこかへ走った。しかも速い。自動車くらいにスピード出ているんじゃないかっていうほど

 

ふとして、森のようなところに入ったところで毛むくじゃら男は立ち止まり、木のところで私を下ろした。

 

「いてっ」

 

しかも乱暴に

 

「ここまで来れば、余裕はあるか」

 

男は木にもたれ、ため息をつく

 

そういえばここまで一切の説明無しだ。まずこいつの名前を聞かないと

 

「あっ!あの!」

「?」

「あんたの名前って何?」

「あぁ...?俺か...俺は...いや、『セイバー』って呼んでくれ」

 

セイバー...日本人、少なくともアジアの人間とは思えない名前である。

 

「『セイバー』...?バカにしてるの?最強じゃないよ全然。あんたの名前じゃないでしょ。」

「はーん...『名前』と聞くあたり、お前本当に何も知らなさそうだな。」

 

セイバーが妙なことを言い出す。

 

「...まぁそうだよ。私全然知らない。さっきの円くてブワァーってするやつとか、なんか手品師みたいなお兄さんとか、なんで澪尾が人殺しみたいな顔してたのか」

 

今までの不安がどっと流れたのか、大きな声で早口になる。

 

「端的に言うぜ。お前、『とんでもなくやべー事』に巻き込まれたみてえだな。」

 

やはりそうか、理解はできなかったが、感覚で分かっていた。

で、知りたいのはその後だ。WhatもWhyもHowも何もかも。

 

「...まぁ、わかったけど、もうちょっと詳しく教えてくれない?」

「まぁ、そうだな、あのさっきの胡散臭えやつがあと少なくとも―」

 

するとセイバーは急に剣を抜き、後ろに飛び込んだ。それを目で追うよりも先に鋭い音が響く。

 

「俺を含めて7人はいるな。」

 

振り向くと、さっきのお兄さんが。そして澪尾もいる。

 

「いやはや...結構イケると思っていたんですが。」

「キャスター、止まらないで。ここで一気に仕留めるよ。」

 

澪尾やばいよ。最強なほどの殺意。

 

「ねぇ澪尾?その...無理やり連れていったことは謝るよ。ごめん。だから一旦止まろ?」

 

澪尾は睨んだまま無視してキャスター?っていう人に指示を送る。

 

「キャスター、セイバーのマスターを無力化して。セイバーとの交戦はできるだけ避けて」

 

するとキャスターの視線は私の方に向く。それを阻むかのようにセイバーはキャスターの方にがっついた。

 

立て続けに繰り出されるキャスターの連撃を、セイバーは剣1本で全部凌いでいる。

 

「醜女ェ...!早く指示を寄越せ!」

「わ、私を守って...!」

 

私は咄嗟にこういう指示しかできなかった。そしてなんとか澪尾の方へ向か─

 

 

           えっ

 

 

誰かに突かれたのだ。脇腹を抉られたように何かで突かれただけ。一瞬の出来事だけど、私にはそれが感覚的にわかった

だけどそのあとは吹っ飛ばされて、木の方にぶつかった。完全に事態を把握したのはその時だった

 

「──かはっ」

どん と衝撃が体中全体につたわる。

どうしよう、体が重い。

そして、そこにはまた違う人の声が、

 

「あァ?生きてやがったか。」

 

顔と毛深さはまんま猿のそれで、手には赤い棒、頭には金色の飾りのようなものが巻かれている。

 

「そ...孫悟空!?」

 

私は思わずその言葉を口にしてしまった。

横腹の痛みよりも、居るはずの無いモノが存在しているのだ。

 

「ご存知じゃねぇかァ!!いかにもォ!オレサマが斉天大聖にして花果山の猿王、ランサー、『孫悟空』様よォ!」

 

孫悟空は威勢のいい口上を言って見得を切った。

 

「これ、孫、無闇に真名を名乗るのでない。 モタモタしとらんかったら、あの小姐の息の根を止めれただろうに。」

 

初老くらいの、白髪がやや混じったおじいさんが孫悟空(?)のところへ歩み寄る。

 

「こんくらいは多めに見てくれよ。さっきアサシン捻ったろ?」

「!?」

 

孫悟空のセリフに、澪尾は驚愕したようだった。

 

「......キャスター、退却。」

「えぇ!御意にございます!」

 

澪尾とキャスターは森からさぁっと消えていった。

 

「オレらも行くぞ!」

 

セイバーはそう言うと、私を肩に載っけて豪快な速さで森から抜けた。

 

「おい醜女、さっさとお前の拠点を教えろ。」

「―あぁ、......うん」

 

あたりはすっかり夜。月は半分よりちょっと欠け気味。

あんなに派手に突かれた脇腹は痛かった。痛かったけど、何だか少し切なさが勝っていた。




いかがでしたでしょうか、第3話 フーカ・イン・マジックランド
この後、主人公の覡 楓花はどうなってしまうのか。澪尾との関係やら今後の動向やら、それについては第4話で記そうかなと思っております。
では、感想や評価など頂けましたら幸いです。
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