一身上の都合により、執筆よりも優先度の高いことが立て込んでておりました
さて、第四話ですが、今回はいろいろな陣営の内部事情です。
第三話でトラブルが起きてしまった楓花と澪尾ですが、それぞれどのような選択をするのでしょうか。
それでは、第四話どうぞ。
「―そのミオってやつが、キャスターのマスターで、お前のダチなんだな?」
「うん。だからその、仲直りしたいなぁって・・・」
セイバーは私の部屋の中でくつろぎながら訊いていた。
私とセイバーは、キャスター、「孫悟空」ことランサーとか言うヤツらと戦って・・・防御一辺倒だったけど機を見て撤退した。
今は私の家の中でとりあえず作戦会議、というか尋問を行っている。もちろん私が尋ねられる側だ。
「んで、あれだ。お前の名前、まだ聞いてねえよな。」
一瞬はっとなったが、なんだか「はいそうですか」と教えるのも癪に障る。
「それよりセイバーの本当の名前を教えてよ。あるんでしょ?本当の名前。」
「いいやこっちから先だ。お前の名前を知っておかねえとこの先ずっと醜女呼ばわりするぞ。」
間髪入れずに返された。シコメっていう単語の意味がわからなかったけど、なにか蔑称っぽい感じだと思ったので渋々名乗ることにする。
「・・・楓花。覡 楓花」
「よし、じゃあ話を続けるぞ楓花。」
「はい」
改めてセイバーがこっちを向いて胡座をかいた。
「すまんが、俺の本当の名前は教えられねぇ。」
急に約束を反故にしやがった
「なんで?」
彼はすぐに返す
「隠す方が強いからにきまってんだろ。」
謎が謎を呼ぶ
「なんで?」
また彼は返す
「・・・・・・じゃあ、順を追って話すぜ。」
・・・セイバーの目はより真剣になった
「お前が巻き込まれた...のか参加したのかは現時点わかんねえが、今お前は『聖杯戦争』っつうかなりやべえ催しの中にいる。それはわかるか?」
急にわからない単語が飛んできた
「えっ・・・・・・なにそれ、知らない」
「・・・」
セイバーは一瞬、絶句した。けど
「・・・分かった。『まず』の場所が違ったみてぇだな」
セイバーは改めてこちらを向く
「まず、聖杯戦争についてだが、戦争と言っても国同士のでっかい争いじゃねえ。7人の魔術師が聖杯ってのを奪い合うタチの悪ぃ喧嘩だ。さっきも言ったが、お前はそれに
「うん」
セイバーは続ける。
「でだ。どこのだれが考えたが知らねえが、
「へ、へぇ~・・・」
私は、あほみたいな顔になっていながら頷いているだろう。このおじさんの話していることが、あまりにも嘘っぽすぎるし壮大すぎる。
だけど、私は「召喚される」光景をその目で見たのだ。そして現にそれが目の前にいる。
「頭の整理はついたか?」
「うん。続けて」
「まあ、俺はこうやって召喚されたわけだが、さっき言った、サーヴァントを戦わせる魔術師のことを『マスター』って言ってな、それがお前だ。」
「なるほど・・・なる・・・ほど?」
「まぁ・・・そうなるよな。」
セイバーはため息をつきながら私の右手を掴んだ
「わっ」
「お前の手の甲を見ろ。」
気が付けば赤いタトゥーのようなものが。自分でもこんなの書いた覚えはない
「これは令呪って言って、お前のサーヴァントに三回だけ命令をすることができる。まあ簡単に言や、これが、
愚問はしなかった。その言葉の重みというか、主従関係ってヤツが切れたらどうなるかっていうのを、私の勘で分かったような気がした。多分相当ヤバイになるんだろう。
とりあえずこのオジサンが私の家来みたいな人であるということと、
「大体のことは分かったか?」
セイバーは念を押すように聞いた
「うん」
「よし。じゃあ次の話だ。」
「ここから先は、楓花。お前自身の問題だ。」
急に部屋の空気が変わった。
「選べ。」
急な質問である。
「選べ...って何を?」
鋭い目をしたセイバーは続ける。
「俺だって外道じゃねえ。何も知らなかったお前を聖杯戦争から無理矢理引きずりおろして切捨御免たぁ、筋が通らねえ話だ。」
「楓花。聖杯戦争に参加するか。マスターの座を降りて俺と契約を切るか、どっちかを選べ。」
厳かで、強い眼差しでこちらをにらむ。
これは分岐点だ。多分、この後の私の決断によっては私は死ぬかもしれない。
と、迷っているうちに、澪尾のことを思い出した。
「・・・質問、いいかな。」
「おう」
「もし、私が参加したら、澪尾はどうしてくると思う?」
「あぁ、さっき話したアイツか。」
表情を変えず。セイバーは告げた。
「わかんねえが・・・お前のことを殺しに来るんじゃねえか?お前とソイツはダチなんだろ?でも俺が召喚されてた時は・・・ミオだったか?まあたまげてやがったぜ。」
私ははっとした
「今まで仲良ししてきたやつがいきなりだまし討ちまがいのことするんだぜ。人によっちゃあ考えることもあるかもしれんが・・・俺だったらすぐ殺してるな。」
確かに。と私は思った。まだ悩む。私はもう一つ質問をした。
「・・・じゃあ、私が参加しなかったら・・・どうなるかな」
少し間をおいて、セイバーは告げた。
「多分、お前の目の前から姿を消すだろうな。おそらく、二度と会えねえぜ。」
私はその言葉でまたハッとなった。
彼は続ける
「正直、俺ァどっちでもいいぜ。ほかのマスターに頭一つ下げりゃ済む話だからよ。だから、これはお前の選択だ。」
澪尾はどう思ってるんだろ。怒ってるのかな。それとも、私のことなんかどうでもよくて、今は勝利のためにサーヴァントと作戦を立てているのかもしれない。
でも・・・
―決めた。
「私、戦うよ。澪尾と絶対に、仲直りするもん。」
「それに・・・」
今考えれば、わたしは澪尾に対していろんなことをした
だから
「謝らなきゃ。」
わたしはセイバーの前で誓った。
「―いいよ、セイバー。今日から、私は貴方の、マスターになる・・・!」
こうして、私と澪尾との物語は始まって行ったのである
~~~~~~~~~~
ありえない。予想外だ。
・・・認識の範囲内だけど
海谷での魔術師の家は、私、宍戸と街のはずれにある
ここら一帯で力のある魔術師の家なんて麻霧くらいしか聞いたことがないし、他の魔術師が引っ越してきた。なんて事はココ最近聞いていないし(そもそも魔術師という存在自体世間に知られていないのだけど)
ありえないのだ。なんで、なんで、どうして、
―
「よろしいですか?マスター。」
急にキャスターの声が聞こえた
「うわぁっ!?」
正直かなり心臓にクる。人が考えてる時に、死角から出てくるのだ。怖い。
「・・・びっくりしたぁ。」
安堵のため息 そしてイライラがこみ上げるけど面倒くさいので其れは引っ込める。
胡散臭い葦のような男は話を切り出す
「話、よろしいです?」
「何?」
「
すさまじい単刀直入ぶりである。
「・・・まあ、そうだったよ。正直今はわかんない」
キャスターは何か気づいたようだった
「その様子ですと、あなたの『友人』が魔術師であったことに気づかなかったってヤツですか」
私はこくりと首を縦に振る。
「いやはや!それはまあさぞ辛きにございますね!」
このキャスター、どうやら口ぶりにかなり癖があるらしい。すこし癪に障る
「前から思ってたんだけどさ、そのしゃべり方どーにかなんないの」
「私のしゃべり方、にございますか?」
そうすると彼はいかにも申し訳なさそうな顔をした
「いやはや!・・・こればかりはどうしようもありません故、正直言うとこれは
知るかよ
「・・・わかった、じゃあそれはいいよ。」
次はキャスターが話を吹っかけてきた
「で、どうされるんですか?ご友人は。」
「もう敵だよ。倒すし、必要になったらもう殺す。」
「はぁ、左様にございますか」
「そうだよ。」
口調もあってか、悠長なキャスターにさらにイライラする。
「私、少し思う所がございまして、」
「何」
「彼女、本当に裏切ったんでしょうかね。」
「はぁ?」
と同時に、私の知らない何かがこみ上げてきた。
「何故って?普通の魔術師であれば、あんなところで召喚致します? 友人がいらっしゃる、発見されやすい、ほぼアウェイである場所。私だったら致しませんよ?現にマスターが私をお呼びなさった場所も、自宅の工房ではなかったじゃないですか。 いやまぁ!私魔術師ではないのでそんなこと微塵も分かりはしませんがね!えぇ!」
「キャスター。」
「戯言にございます。此度の戦といえど、いやはや、ユーモアのユの字くらいは理解してくれる主の下に呼ばれたと思っていたのですが・・・」
私はキャスターに必要以上に反応してしまった。
詐欺師なのかサーカス師なのかわからない男の顔は青ざめている。
気が付くとひょろひょろした胡散臭い男は張り付いたように壁に立ってた。
私は相当感情的になって詰め寄ったらしい。
「は、はは。これはこれは・・・。大変失礼いたしました・・・」
顔をひきつらせながら
「そうだ!マスター、コーヒーなんてどうです?話もひと段落ついたところにございますし、ええ!私が淹れますとも。なにより召喚されてやりたいことリストの中に『おいしいコーヒーを淹れる。』とありました故に。せっかくにございます。ささ、リラックスいたしましょう?台所はあちらにございますよね?」
いやはや、という言葉を連呼しながら彼は一目散に
はぁ、と私はため息をついた。
でも、これである程度吹っ切れた、というものだ
最も、あっちが、あのサーヴァントを手放さなかったらの話だけど。
その時は―
「いい度胸じゃん。ぶっ潰してあげるよ」
~~~~~~~~~~
召喚されたときはかなり驚いた。
が、一目でわかった。英霊とは、僕たち人間とは違う、まさに幻想の具現化であるのだと。
―成功してから、僕はこのサーヴァントとはまず会話をした。
最初はたどたどしかったものの、時間がたってしまえば僕とすんなり喋ることができた。
次に行ったことは観察だ。僕はライダーに、「待機」を命じた。下手に動くよりも、戦況を見てから動いたほうが賢明だ。
幸いにもライダーは静かな性格だった故か、ちゃんと聞いてくれた。
―観察と会話の結果、ライダーは神性を持っているらしい。
それに、携えた兵装、ライダー特有の機動力。
僕が得た確信は一つ。この聖杯戦争は僕の勝利で確定した。ということだ。
しかし、油断をしてはいけない。まだ動くべき時ではない。
潰しあって減っていったところを、確実に狙う。
そう、僕とライダーなら、きっと
「失礼します。」
ノックの音がしたので、僕はノートを閉じた。
「どうした?」
ぼくはふと窓を見た。どうやらもう夜らしい。
彼女はドアを開けた。
「コーヒーを届けに参りました。」
「気が利くじゃないか。あぁいや、やはり紅茶にしてくれ。僕はもう寝たいのでね。」
はい、と彼女は言うと代わりにすぐ紅茶を差し出した。
「そう言うと思っておりました。」
「ますます気が利くね!いやぁ、気分がいいね!此度の聖杯戦争は勝利同然だし、いいところにあつい飲み物が来る。そもそも、聖杯戦争が開催されたのも僕にとってジャストミートだったんだ。いやぁ、かなりついてるね。」
「ええ、」
白いカップに赤く透明な液体が注がれていく。その時間さえ優雅に感じられるほどに僕は悦に浸っていた。
「それにしても。あのクソジジイの間抜けッ面、本当に最高だった。あれは芸術だね。岡本太郎がいっただろ?『芸術は爆発だ。』って、僕にしてみれば、あの一瞬こそ爆発でそれでこそ美しい芸術だった。」僕は紅茶をあっという間に喉に突っ込んだ。
「せいせいしたよ!もう僕を邪魔する奴はいないし、それに、ライダーなら全部
「・・・失礼しました。」
用が終わったのか、彼女は部屋から出て行った。
僕は周到だ。この海谷一帯に、使い魔をばらまいておいた。
どうやら今夜、3騎が遭遇して戦闘。その戦闘の前にも1騎の反応が薄くなるのが観測できた。瀕死になったか、退去したかのどちらかだろう
もう少しだ。馬鹿どもはさっさとやられて、僕とライダーの踏み台になる準備をしてくれ。
今宵は気分がいい。
僕は笑った。この勝利を喜ぶために、敗者たちの前座を馬鹿にするために。
部屋中いっぱいに、大きく嗤った。
この聖杯戦争、麻霧斗真が聖杯をいただこう。
いかがでしたでしょうか。Fate/Subsequent第四話
最後までご一読いただき、誠にありがとうございます。
次回の内容は未定でございます。読んでからのお楽しみということで、
それでは、第五話にてお会いしましょう