気付きました。本来今回のタイトルとなります。
と言いますか、今回のタイトルが章タイトルと
なりますが、やり方不明でした。
そして自己解決しました。
ご迷惑おかけして申し訳ありません。
本編よろしくお願いします
「ああ、でも勘違いするなよ? 比企谷みたいに彼女は腐っていない。ちゃんと改善する意思がある」
ちょっと?
開幕そうそう俺批判やめてもらえません?
「あの、平塚先生! その話は………!」
「なんだ? 職員室で言っていただろう?」
「確かに友人が欲しいとは言いましたが、そんないきなり………!」
そして狼狽える白羽。悲壮感すら漂っている。
反応を見るに、信頼して平塚先生にだけ話していた悩みを突然暴露された形になるのだろうか。
いや、デリカシー皆無かこの人。そんなだから結婚できな
「おい比企谷、何を考えている?」
「な、何でしゅか? 俺は今、世界平和にちゅいて考えていましぇたよ?」
恐っ、こっわ、超恐いマジ恐い。
何が恐いって、眼力と、俺の方へ踏み込もうと椅子から浮かしかけている腰と、捻り込むように脇に構えた拳がすこぶる恐い。
「そうか、心優しい生徒を持って教師冥利に尽きるよ」
先生はニッコリ笑顔で構えを解き、座りなおす。
九死に一生を得た。俺はそれを体感した。
緊張と恐怖で一気に吹き出た汗を拭う俺を他所に、平塚先生が、さて、と話を戻す
「なに白羽、恥ずかしがることはない。この二人は君と同じタイプではないが、同じ環境にいる。きっと力になってくれるとも」
力になってくれる、ねぇ。
友人が欲しい。
彼女は確かにそう言った。
それに対して俺が思うことはただ一つ。
──餅は、餅屋へどうぞ。
平塚先生に目をやる。
どう考えても連れてくる先を間違えている。
俺も雪ノ下もぼっち側の人間で、ここは一種のサナトリウムと化している。
端的に言えば、それがわかれば苦労していないのだ。
「いや無理でしょう。他人とか必要ないですし」
「そうね。他人も貴方を必要としていないものね」
「はっ! あまり俺を舐めるなよ? メチャクチャ必要とされてるっつーの。中学の頃、同じクラスの奴から掃除当番代わってくれって頼まれたりな。だが俺は奴らを必要としていないから、自分の当番の日もちゃんと自分で掃除してる!」
「いいように使われてるだけじゃない………」
なんせ俺の当番の日、頼んできた奴即行部活行ったからな。これで俺も帰ると何故か俺が掃除サボったことになるんだぜ? で、翌日のホームルームの時間にでも吊し上げられる。ソースは小学生時代の俺。野球部の城山マジ許さん。
「そういうお前はどうなんだよ」
「そうね、まずどこからが友達と呼べるのか、定義してもらっても──」
「ね?」
雪ノ下が友達いない奴の常套句を言いかけているが、スルーして平塚先生に向き直る。雪ノ下が不満げに睨んでくるが、ひとまず置いておく。超恐いけど。
「俺の時は精神面の矯正ってことで、まあ納得はできませんが理解できるとして。白羽の場合、友達作りたいとは思ってるんでしょう? 正直、方法なんてわかりませんよ。三人寄っても知恵は浮かばないと思いますよ」
「では、それ以上で寄るしかないな」
「は?」
平塚先生が席を立ち、前へ出る。
「白羽、奉仕部に入りたまえ」
「えっ!?」
と、平塚先生は事も無げに言う。
そして白羽はアワアワしてる。可愛いな。ちょっと癒しに感じてきた。
てかいや何言ってんのこの人。
「ここは奉仕部。悩みを抱えた生徒が来る場所だ。自身が基準の進路等の悩みは私達教師が解決すべきものだ。勉学において、教え、導くのが私の仕事だからな」
だが、とそこで区切る。
「ここに相談に来る生徒は、きっと他の誰かとの関わりによって悩み抱えている。友人か、家族か、恋人か。人との繋がり方は色々あるだろう。それを聞いて、手助けすることで、人との関わり方を知っていくといいさ」
人との関わり方を知っていく──。
それは無意味だ、と反射的に否定したくなった。
俺は知っている。たとえ求めたとしても、繋がることを拒絶されることで傷つくことになると。アイツ等にとって、すでに確立されているグループ以外は異物で、勇気を出して話しかけても徒労に終わることを、俺は知っている。
「まだ諦めない方がいい。見限らない方がいい。以前ダメだったからと言って、今回もダメだとは限らないんだ」
その言葉が出なかったのは、平塚先生の目が、話しかけていたはずの白羽ではなく、俺、次いで雪ノ下にも向いていたから。君達にも言っているんだよ、と、そう言われている気がした。
つい、俺は首ごと目をそらす。見ると雪ノ下は首を逸らしてこそないが、考え込むように目線は下がっていた。
それを受け入れることは、正直できそうにない。
俺はこれまでの人生で、散々他人に期待し、思い違いをし、失敗してきている。その間違いを二度としないよう、自分を戒めることで、この高校生活は至って平穏に過ごせていると言っていい。今さら奉仕活動を命じられたくらいで、この価値観を変えることはできない。
雪ノ下もこれまでは出る杭よろしく、優秀過ぎる故に周りからやっかみを受けてきたそうだ。それで自分以外の周りを、世界ごと変えると豪語するのはどうかと思うが。本当に思うが。
「まあそれも結局、本人の意思次第だが」
と、平塚先生は改めて視線を白羽に向ける。
「で、でも私は図書委員に………」
「あれは当番制だろう。君の当番の日は?」
「か、火曜日か木曜日です。週によって変わります」
「なら、それ以外の日に部活動に励むといい。そもそも委員と部活、両方に所属している生徒はたくさんいるしな」
どうするね、と白羽に問い、口を閉ざす。
おそらく、平塚先生ができるのはここまでなのだろう。最後の、いや、最初の一歩目は自分で踏み出さなければならないと、そう言われている。
白羽の、まるで寒さを堪えるように胸元で握り締めていた右手が、さらにぎゅっと握り込まれる。
意を決したように。
「私は、その、昔から友達ができたことが無いんです。このままじゃいけないと思って、高校生になって図書委員に立候補したんですが、変わらなくて………」
白羽蘇芳に会ってまだ三十分も経っていない。
それでも、揺れる瞳から、震える唇から、握り締め過ぎて白くなった拳から、伝わってくる。
「でも、私は、変わりたい、です」
その言葉を口にするのに、かなり勇気を必要としていることを。
比企谷八幡は、変わらないことを良しとした。
雪ノ下雪乃は、周りを変えると決心した。
それを選んだと今は胸を張って言えるが、俺と雪ノ下はその選択をすることで、自身が変わることを一度諦めている。
「だから」
彼女はどうなるだろうか。
「私を、奉仕部に入れて下さい………!」
その言葉を素直に口にできる白羽に、
俺は言葉にできない何かを感じていた。
突発性ざっくりキャラ紹介
比企谷 八幡 (ひきがや はちまん)
腐った魚のような濁った目とアホ毛が
チャームポイントの、いわゆる「ぼっち」。
あらゆる物事を斜めに見る「高二病」発症中。
甘党。趣味は読書とアニメなどサブカルチャー。
苦手なものは数学、トマト、虫。
白羽 蘇芳 (しらはね すおう)
無口で臆病な小心者。
しかしあまりの美人さんに話しかけられず、
周りからはクールと思われている。
料理が得意。趣味は読書と映画鑑賞。
虫が苦手。
……やっぱ似てるなこの子ら。
つい二次創作ってしまったじゃないか。
その内まとめるやも?です。