人の辿り着く場所は同じだ(別の鬼滅×落第騎士コラボを読みながら)
もう消えたけど、なんかランキングを見てたらあったので初投稿です
※ちょっとお気に入りとか増えすぎじゃない?大丈夫?1000超えてびっくりだよありがとうございます(2000超える前に書けてよかった…)
これからものんびりだけどエタらず更新するので感想とかもよろしくお願いします。
あと連載に変えました
先週の鬼滅感想
ラスボスを倒したと思ったら、その肉塊からシスターの顔が浮かんできて善逸が涙するシーンはもらい泣きするかと思うくらい心に来ました。
今週?じっくり読みたいのでまだ読んで無いです
―――それはまだ彼が『若葉の家』にいた頃のお話
私は師匠に誘われて弟子入りして以降、定期的に『若葉の家』に訪れるようになった師匠に指導を受けていた。
ある時、師匠に言われた。
師匠曰く、どうやら私が鬼ごっこの時に行っている呼吸は師匠が今まで見てきたどの流派にもないようなものだったらしい。
後で彼に聞いてみたら、どうやら彼は私の体に合った呼吸の仕方を教えただけらしい。
そのことを師匠に言うと、名前を付けるべきだと言われた。
師匠曰く、私専用のこの呼吸は他人が真似しても効果が半減、むしろ身体機能を害する恐れもあるらしい。
しかし私がその呼吸を浅く使えば多少疲れはするものの、身体機能が高まる。深く行った場合も同様だが、効果は魔力で強化した時のそれと同等かそれ以上だった。試しに1度やってみた時にはその日のご飯を作ることができずに彼に頼りきりの一日になったほどだ。
そのことを師匠に伝え、とてもではないが斬った張ったの世界においてあの呼吸はさすがにダメではないのだろうかと言った。
しかし師匠は笑いながら言った。
それならなおさらだそれほどのものなら名前くらい付けなくちゃもったいない。
さすがに師匠にそこまで言われて困った私はたまたま見物していた彼にどうするか聞いてみた。
彼はしたいようにすればいいとだけ答えた。
それを端から聞いていた師匠が言った。
刀華ちゃんがお前に聞いたんだからお前が名付けてやれ、そのくらいの甲斐性を見せろ。と
それを聞いて彼が、なら《雷の呼吸》という名前はどうだろうと言った。
なんでそういう名前なのだと師匠は彼に尋ねた。
彼は刀華に合っていると思ったから、と言ってくれた。
それを聞いた師匠は笑いながらこの名前でいいのか私に尋ねてきた。
もちろん私は快く了承した。
そしたら師匠はなら次はお前の呼吸に名前を付けなくちゃなと『若葉の家』の子たちが悪さをする時と似たような笑顔で言った。
彼はそれが本命かと言わんばかりに不機嫌になり、別にどうでもいいですと提案を断った。
しかし嫌がる彼に、刀華ちゃんには名付けたのに自分では嫌か?と師匠はうまくいったと言わんばかりの顔をしながら言う。
師匠がこちらを振り返り、ならお前が刀華ちゃんの呼吸を名付けたように、刀華ちゃんにお前の呼吸を名付けてもらおうと言った。
なら、お日様のようにそこにいて私を見守っててくれるから《日の呼吸》はどう?
師匠はいいセンスだと褒め、彼はならそれでいいと言ってくれた。
そんなこともあったなぁ…と思い出に浸っていた。
「……!」
「…華!!」
「刀華!!!」
そんなうたくんの必至な叫びで意識が戻った。
そうだ、私は今七星剣武祭の準決勝の真っ最中だった…
ならあれは走馬灯?初めて見たな。よりにもよってなんで今、あのときの事を思い出したのだろう?
そんなことを呑気に考えていたら目の前に槍が残像を残しながらこちらに襲い掛かる。
まだ覚醒しきってな脳をフル回転させ迫りくる槍を紙一重で何とかよける。
「なんや?てっきりもう仕舞いかと思っとったわ。その状態でよくもまぁ躱せたもんやな《雷切》」
余裕の表れだろう。彼はそう言いながら肩に槍型の
「《ほうき星》を喰らって脇腹抉られたっちゅうのにまだやるんかいな。すごいな自分」
………《ほうき星》?……ダメだ、彼が何を話しているのかだんだん聞き取りにくくなってきた…いまいち考えがまとまらない。
今の状況を整理しなくちゃ…そう思いながら自分の思考を加速させる。
ここは七星剣武祭の会場で今はその準決勝。
相手は今大会の優勝候補筆頭と言われる武曲学園出身で《浪速の星》と言われる諸星雄大、
そのせいで私は遠距離からの魔力を用いた攻撃が行えず、かといって近距離に持ち込もうにも彼が持つ槍から放たれる高速の突き《三連星》に阻まれ中々彼の懐に入れなかった。
なんとか彼の槍を躱し、自身の
かろうじて直撃は避けたものの私は脇腹を抉られ、走馬灯を見るほどに追い詰められた。
よし、現状はわかった。
なら次は打開策だ。と言いたいところだが、もう一撃を放つくらいの体力しか残っていない。
しかし、ただ我武者羅に攻撃を放っただけでは、彼の槍によってあっさりやられてしまうだろう。
………そういえば、まだやってないことがあった…あれを試してみよう。ダメだったらもうその時だ。
*****
『さぁ七星剣武祭準決勝もいよいよ大詰め!先程の攻防にて東堂選手は諸星選手の攻撃を受けながらも、なんとか致命傷を避けた模様です!しかし、どうやら脇腹にダメージを負った様子が見られます。先程から東堂選手は、諸星選手の攻撃を回避する以外、動きを見せません!これは作戦なのか!?それとも試合を諦めたのでしょうか!?』
実況が試合の様子を伝えてくる。
あえて余裕を見せながら軽く煽ってみたものの、《雷切》は微動だにしない。
顔色が悪く、あの出血量から見て意識が段々と薄れてきているはずだ…ブラフかとも思ったが、先程の鈍った動きから見てもかなり体力が持っていかれているのが分かる。
やはり、見立て通り《雷切》は次の一撃を出せばもう終わりとみてまず間違いないだろう。
余裕を見せてはいたが、こちらも奴を捉えるために体力をかなり削られている。
できるならさっさと済ませたいところだが…
などと思っていたら、突然さっきまで項垂れていた《雷切》が構えをとった。
先程までとは雰囲気が変わり、何か異様な雰囲気を纏っている彼女の姿がそこにはあった…
…何か思いついたのだろうか?
先程までとは構えが違う…これは《雷切》の体勢?いやそれにしては姿勢が低すぎる…
そこには、今にもこちらに向かって突っ込んでくるような前傾姿勢をとる彼女の姿があった。
…なんだあの構えは?クラウチングスタートみたいだな。なんてことを思いもしたが、やはり不可解だ。
あえて低い姿勢になることで槍を突いたときに地面埋まるのを狙っているのか?それで鈍った隙にアレを迎撃で撃つという駄目元のワンチャン狙いか?それとも他に何か策があるのか?その立っているのもやっとの状態で?
…ここは一旦距離をとって時間を稼ぐべきか?
「…ちゃうやろ、それは逃げや」
瀕死の相手が持てる力の全てを出し尽くそうとしてるのに俺がそれに付き合わずにやり過ごす?時間を稼いで相手が倒れるのを待つ?
そんな情けない姿を妹に…小梅に見せられるわけがない!
それに何より…そんな戦いが楽しいわけがない!!
心は決まった。
こちらも全力を以って相手の全てを正面から打ち破る!
そう考えていると“シィィィィ”という聞き覚えのない音が聞こえてきた。
それは目の前の《雷切》の口元から聞こえてくる…
段々と《雷切》が残っている力をその一撃に込めていってるのが分かる。
所詮、半死人だと油断しているとこちらの喉元に喰らい付いてる。
そういうやつだ、この女は…ならば容赦はしない殺す気でやらなければ、やられるのはこちらだ。
《雷切》があの体勢をとったまま、こちらに向けて飛び出してきた。
今までの《雷切》と比べると思ったほどの速さを感じないことに違和感を覚えつつも
「これで仕舞いや!!《雷切》!!!」
《虎喰》を発動しながら全力で《虎王》を相手の急所目掛け突く。
どんな策があろうともこれに対抗する手段はもうないことはわかっている。そもそも持っていたら、既に使っているような場面など、腐る程ある。
だが、油断はしない。本来ならば、《ほうき星》を当てるための餌として加減している《三連星》…全力で使えば《流星群》とすら呼ばれそうなそれを全てこの一撃に込めて放つ。
「雷の呼吸 鳴雷神」
……?…おかしい?なぜだ?
間違いなくこの一撃は自分の全てを込めた今までで最速の一撃だったはずだ。間違いなく《雷切》の姿を捉えたはずなのに…
なぜ俺が倒れている…?
そんななぜばかりが頭を埋め尽くしながら、俺の意識は途絶えた…
*****
観客や実況もわけがわからなかった。
彼らは対峙していた二人の一挙手一投足を見逃してはならんぬとばかりに固唾を飲んで見守っていた。
しかし、突然雷が落ちたような轟音と光が会場を包み込んだ。目を開けた彼らを待っていたのは、固有霊装が粉々に砕け倒れ伏した諸星雄大の姿とその後ろにて、固有霊装を振り抜いた状態の東堂刀華の姿だった。
しばらく呆然としていた彼らだったが、刀華が自らの霊装を落とした音を聞いて、いち早く我を取り戻した審判が慌てつつも倒れ伏したままピクリとも動かない諸星へと駆け寄り様子を見る。そして確認を終えた審判が試合終了の宣言をすると人々はようやく理解した。この戦いは東堂刀華の勝利で終わったのだと…
その後すぐ、諸星雄大と東堂刀華は試合中の怪我に加え、両腕が大火傷、両足が複雑骨折という重症を負っていることが確認されたため、至急iPS再生槽にて怪我の治療をすることとなった。
*****
………夢を見た。
いつものように彼がオカリナを吹いている。
「本当によりくんは何でもできて凄いよね」
「刀華、お前は毎度のように俺のことを凄いと言うが、お前が思うほど俺は凄い人間じゃない」
「なんで?いつも私を助けてくれるしこの前だって教えてもらった呼吸を使っても追いかけても、全然触れもしなかったし、師匠との立ち合いも私はすぐ終わるのに院長先生が声を掛けるまでずっと向かい合うくらい長引いてたじゃない」
「あれはただの技術の一つだ。俺でなくても出来るし、教えられる人もいるし、南郷さんと立ち合える人は他にもいる…」
「でも師匠は褒めてたよ?それに私はよりくんから教わったんだよ?それを凄いって言っちゃダメなの?」
私がそう言うと、彼は悲しそうな顔をして言った。
「刀華、お前の気持ちは嬉しい。だが、あんな
後から考えてみると、彼が自分のことについてこんなに喋っているのは後にも先にもこの時だけだったかもしれない…
しかし当時、私が思っていたことはそんなことじゃなかった。
あぁ、そんなことを言わないでほしい。そんな悲しいことを言わないでほしい…あなたはあんなに強いのに…あんなに優しいのに…と
目が覚めると、私はベッドの上にいた。
周りにはうたくんやカナちゃんたち生徒会のみんなが私を心配そうな様子でこちらを見ていた。
その後、カナちゃんから私が勝ったことを知らされ、なんとか動けるようになった私は決勝戦へ出場。
準決勝にて呼吸と伐刀絶技との組み合わせの技のコツを掴んだことと今までそれを見せていなかったことも加わり、決勝戦の相手である《天眼》城ヶ崎白夜を危なげなく倒し、晴れて七星剣武祭に優勝することができた。
そして《七星剣王》の称号と準決勝の戦いで見せた技から《神雷》とも呼ばれるようになった。
だが、まだ夢を叶えたとは言えない。しかし、そのための大きな1歩を踏み出せたことについては彼もきっとどこかで喜んでくれるだろう…
《完》
東堂刀華さんの戦いはこれからだ!(別に終わりません)
諸星君すまない…君の妹さん別に1年の時に七星剣王になっても声でないから負けさせてもよくない?って考えてしまったんだ…本当にすまない。諸星ファンごめんなさい
城ヶ崎君、君の伐刀絶技は凄かった!!
城ヶ崎君のファンもごめんなさい(だって原作でまともに戦闘描写されてなかったし…)。
にしてもあれですねwiki見てると能力が進化したら鬼滅の刃の血鬼術みたいなこと出来そうなのがちらほらありますよね。絢辻さんは桃先輩みたいなクソ技に出来そうですし、珠雫ちゃんは加減なしの童磨みたいなクソムーブ出来そうですし…妄想捗りますよね、出すかはともかく。
というか結局諸星君の暴喰って魔力を無効化するの?喰い殺すの?破壊するの?なのか読んでてわけわからなくなった。地味に解釈が分かれるからどれかに統一してほしかった…
~鳴雷神~
霹靂一閃の雷切を使用したバージョン。
以前から雷の呼吸をどう戦いに組み込もうかと色々試行錯誤していたが、なにぶん使うと体力がかなり持ってかれるという点と抜き足の時の呼吸と合わないという理由で使う機会がなかった刀華が一か八かその場で出した技。
霹靂一閃の雷切バージョンとは言ったが、のちに建御雷と名付けられる技の要素も含まれているため、実際はもっと速い。
あと霹靂一閃は納刀するため連続で使用できるが、これは抜刀したままになってしまうため連続使用はできないという違いがある。
どちらかと言えば火雷神のほうが似てるなって書きながら思ったりなかったり…ていうかやっぱり火雷神だわこれ。すまん、やっぱり火雷神の刀華バージョン(仮)ということにしておいて(どんだけノリと勢いで書いているか伝わったら幸いである)。
……あと、書いていて地味に思ったのは善逸が狙うのって首ばっかだから脳内で刀華と微妙に組み合わせづらかった。