極東に位置する開拓された大陸、その町の歩道にて不思議な格好をした少年が何処だ、ここは…と一言呟くと共に呆気に取られたよな表情のまま固まった。
黒い髪と赤い瞳に整った顔立ち、その身に纏うのは頭についた狐の面に青い羽織、そして極めつけは腰に携えた刀。無論通り過ぎる人々は少年を奇妙な物でも見るかのような目で見ては通り過ぎていく。しかし、少年にとってそんなことはどうでもよく、なぜ自分がこんなところにいるのかと言うことが今もっとも重要なことである。
少年の名前は
何故自分はこんなところに?と困惑していた時、前から一人の少女が眉を潜めこちらに近づいてくる。少女は白い軍服に頭からは耳を生やし、片手には刀を持っていた。佐之助はふと風の噂で聞いた不思議な力を扱う鬼の存在を思い出しもしや目の前の少女がそうなのか?と考えたが今は日中、太陽もしっかり出ているためそれないと即座に可能性を否定した。ならばこちらにやってくる少女は何者なのだろうか、あの頭から出ている獣の耳は本物なのだろうか、と考えながら佐之助は少女が来るのを黙って待った。
「おい君、その腰に携えた刀は本物か?」
「え、あぁ本物だけど……」
何故か怒ったように佐之助を問い詰める少女。佐之助はなんだなんだと思いながらでも嘘はよくないのでと本物だけどと言った。すると少女はおもむろに佐之助の腕をつかみ来いと言われる。佐之助はこれを好都合と見て状況把握のためいろいろ聞きたいことも知りたいこともあったためそのまま連行されるように少女に連れていかれた。
最中、佐之助は回りを見回す。町並みや景色と見たこともない建物が立ち並び、海から僅かに香る塩の匂い、どれもこれも覚えのないものばかりで自分はいったいどこに来てしまったんだと佐之助は不安でたまらなかった。
しばらくして裏路地のような場所に連れてこられた佐之助は自分のことを高雄と名乗る少女にここはどこなんだ?と問いかける。高雄は依然怒った様子でそんなことよりと佐之助の腰に携えた刀を睨みなぜ刀など持っている?と寧ろ佐之助を問い詰める。
「何故って鬼殺隊の入団試験を受けるためだけど」
「鬼殺隊?なんだそれは、拙者達にそんな部隊存在しないぞ」
「え、それじゃあ……」
高雄の服装は明らかに白い軍服、鬼殺隊の制服ではない。中に着ている可能性も捨てきれないがそんな嘘をついたところで意味などないため無いといっていいだろう。付け加えて言うならば鬼殺隊自体公認された組織じゃないため知名度もあまりない、寧ろ帯刀で捕まってもおかしくないくらいだ、更にいえばここはどうみても試験の場ではない。しかし高雄の格好は明らかに警官ではなく軍人の物だ。
「それじゃああんたは何者なんだ?そっちこそなんで刀なんて持っているんだ?」
「なんでもなにも拙者がKAN-SENだからに決まっているだろう」
「艦船?」
佐之助が高雄に何者かと聞いてみるも高雄は自分がKAN-SENだといい、佐之助は艦船?と首をかしげた。佐之助は幼い頃から長い間海で生活していたため何度か艦船は目にしたことがあったが高雄はどこからどう見ても人間の女性、艦船なんていう風には見えない。と高雄をじっとみながら佐之助が考え込んでいると高雄はおい!と張った声を上げ考え込む佐之助をハッとさせる。
「いまは拙者のことなどどうでもよい。問題は君のような少年が何故刀などと言う危ない刃物を持ち歩いているかだ」
怒れる高雄を見てあーこれは面倒そうだと踏んだ佐之助はもう素直に質問されたことに答えていくことにした。そうしてしばらくして……
「にわかには信じられない話だな」
「まぁ、ですよねぇ……」
幾度か質問で自分の事を言うものがあったので佐之助はそのままここに来るまでの経緯を全部話してしまおうと考え高雄に全て打ち明けたのだが案の定やはり信じられることはなかった、そう思った時だった
「だがお前は日本から来たのだな?」
「え?あーえ?」
「何故困惑する、と言うか困惑したいのは拙者なのだが」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!その言い方だとまるでここが日本じゃないみたいじゃねぇか!」
とうとう迫り来る情報量に頭の処理速度を越えパンクした佐之助はさまざまな感情が入り交り叫ぶ。それに対し高雄は静かに告げた。
「ここは日本ではない、ましてや日本やアメリカといった国々など存在せぬ。ここはヤオヨロズノカミガミを信仰する国家
重桜の大陸だ」