人外に愛されすぎる者   作:ドゥナシオン

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交友関係は大事に




「お~いクロコダイン、そっちの子たちは大丈夫か?」

「・・・・ルイ―シャよ、モンスターの俺が言うのもそのなんなんだがな・・もう少しい女性らしい言葉遣いは出来ないか?」

「何いまさら言ってるの?そんな事よりも森の子たちは大丈夫なのか?」

 

会ってもう一年以上たってるのにクロコダインが今更言葉遣いチェックしてきた。訳分らん。

そんな事よりもこの森の子たちがまかり間違ってネイル村だのロモス王国だのに行った日にはモンスター達の討伐が始まる。

 

それだけは阻止もんだがこの森には結界張れる環境がないのが痛い。

アルキード国の様に地下水脈作戦と使うことが出来ない。ここはもう獣王クロコダインの支配力がハドラーの邪気を上回ることを信じるしかない。

 

そんなわけでクロコダインも魔改造化した。

 

強くなればそれだけ王としての資質が上がって支配力が強くなる。痺れるブレスの威力は元の五倍に跳ね上げて、ヒント与えて獣王痛恨撃も原作中盤の獣王激烈掌を一緒に編み出して会得済み。

 

これで将来ハドラーではなくバーンの下に奔った時はどうするかって?

そんなの簡単、私が首切り落とす。今のクロコダインにも勝ってるし。

 

「ほらどうしたんですか?貴方獣王でしょう。」

 

二日に一遍全移動でロモスの魔の森にきてはこうしてクロコダインを鍛えてる。

これでハドラーが勧誘に来ても追い払えれるだろうなくらいに考えて。

 

「そういえば魔族の男が来て地上制覇に手を貸せとか言ってきたぞ。」

 

まじかい!もう来てたんかい!!

 

その魔族の男の特徴を詳しく聞いたところ、黒いローブを頭から被っていたが水色の肌にくすんだ金髪、なにより少々小物感で濁っていたがダークルビーの双眸が印象的だったって、間違いなくハドラーだ。

 

「地上制覇の話に興味でも持ったのか?」

 

肉適当に焼いて昼飯にしながら世間話するみたいにルイ―シャは探りを入れる。

このクロコダインにそんな馬鹿げた欲がないのは百も承知で。

 

「馬鹿らしいの一言で帰ってもらったぞ。」

「ずいぶんなバッサリ切りで、相手納得して帰って行ったのか?」

「まぁ少しばかり腕に物を言わせる羽目になったがな。」

「・・・相手は生きてここ出て行ったんだろうな?」

「当たり前だろう、俺が-弱い者-を殺す輩に見えているのかお前には。」

「いいや、悪かった。」

 

現在のハドラーは今のクロコダインからすれば弱いのか・・もしかしなくともハドラーの件ってクロコダインがその時に殺してたら終わってたのか?

そうなったらなったで面倒だ。

主にバルトスが育てるはずだったヒュンケルやら勇者として覚醒するはずのアバンやら後にロカとレイラの子として生まれるマァムやら、勇者にあこがれて家出する予定のポップやらが全部おじゃんになる。

 

主要メンバーもさることながら、サイドではマトリフとか老師とかがアバンと出会わずお互い赤の他人のままだと具合が悪く、マトリフにはメドローアは・・・最悪ハルバルドに開発させるからいいとしてもバーン大戦時にこっち陣営に絡んできてほしいから是非アバンと会って仲間になって後々私と縁を結んでほしい。

 

魔法なくともあの鬼謀の頭脳は何かと役に立つはずだ、使わせてもらおう。

 

それを抜きにしても-勇者アバン-には誕生してもらわないと本気で困る。

人間には分かり易い希望が必要だ。

世界を救ったという実績のあるアバンにはバーン大戦の旗印になってもらう。その下でアルキード国が動いて・・・・・癪だがあの戦い馬鹿に戦ってもらう。

 

本当に嫌だ、あの神様気取りの男を当てにしなければならない状況だなんて。

会って偉そう言った瞬間に神獣モンスター達と一緒にぶっ飛ばして調教しよう。

ソアラをやるかどうかはそこからだ。

あの男を強化していけば上手くいけば-ダイ-は必要なく、ソアラが本気で愛していると言って来たら普通に入り婿にしても良いし、間違ってもソアラの子を戦いに出すなんてへまはしない。

 

世界全体強くすればいいだけだ。

 

そんなわけでサクッとリンガイア王に会いに来た。

ここ最近海のモンスター達に悩まされているオーザム王もご一緒に。

 

自分で言ってなんだがちょっと待て、なんで他国の、それも交流もほぼない二か国のお悩み相談私が受けるんだ?

言っちゃなんだがアルキード国はこの二か国とは新書の遣り取りしたのが私の王太子のお祝い一通でそのあとは何もなかったはずだ。

なのに私をご指名してきて父様も困惑してたぞ。

 

「そのなルイ―シャや、この二か国に行って何かしたかの?」

「王太子殿下、本当の事を言ってくだされなければ私どもも対処できませぬぞ。」

 

私がリンガイアとオーザムに何かしたのか父様と宰相の二人がかりで困り顔をしながら話しを聞きだそうと説得しようと頑張ってくれたが残念。私本当にこの二か国にはかかわってない。

 

片や魔王軍が出来そうな、もしかしたらもう建設中の鬼岩城があるかもしれないギルドメイン山脈のあるリンガイアなんて近づきたくもない。

もう一つの方だって死の大地近いのに冗談じゃない。

あそこは私が生まれる十年前に突如として瘴気が覆う死の大地になった。

という事はもうバーンがあの中に鎮座ましてる訳で行きたくもない。

 

「なんでそう言っても信じてくれないんだろうか不思議だよ。」

「主様・・日頃の行いの反省を是非してください。そうすれば分かります。」

 

酷いぞモーモン、見た目とっても可愛いのにいう事が辛辣で倍のダメージくったぞ!

 

見た目ホルスタイン牛のぶちが可愛いのに口の悪さがカーバンクル並みに辛辣なのは可愛い奴は中身可愛くないのだろうか?

 

モフモフしてて寝心地とってもいいし、今も私の腕からチウチウと血を飲みながらうっとりとしているのが可愛いのに勿体ない。

 

「主様の血は極上で~すよ~。」

「はいはい、寝ましょうね。」

 

結局二か国からの私に来てほしい書状の中身がよく分からんのでこちらから何事かの使者をたてて返書貰ってきたところなんだか納得いった。

 

近頃モンスター討伐をしている魔法騎士団のトップは私名義だ。

二国も海のモンスターに悩まされているのでアドバイスが欲しいとか。

 

成程納得。

 

「受けるかルイ―シャ。」

「隣国に恩売ってきますので行ってきます。」

 

正義だなんだでなくメリット考えて両王との会談に行くことにした。

リンガイア王だけならばともかく、オーザム王がいたのには少しばかり驚いた。

物騒になったご時世に王が海渡ってきたんだから驚くなという方がどうかしている。

船旅途中で件の海モンスター達に襲われていたらどうすんだ?ガメゴンロードとかすごいの出てこなくともマーマンやシーサーペント・オオガニとか色々いるだろうに。

 

まぁ王自らが自国守るのに動いてますをアピールした方が国全体の士気が上がるっちゃ上がるし、モンスター達の活動もまだ激化していないからやれた曲芸か。

 

 

そんな私の読みが甘かった

 

「大変です!海より多数のモンスター達が押し寄せてきました!!」

 

数は多くそれも動きがどう見ても統率をされており、上陸してきた先頭にトドマンがいるってまじかい。




さて誰が来た

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