「ルイーシャよ!あれは流石に駄目だぞ!!
元いたところに捨ててきなさい!」
「お言葉ですが王よ、あれを捨てたら世間に被害が出ます。」
「ならば殺処分、いや、処刑に!」
「あれは役に立ちそうなので勿体ないです。」
「ハルバルド!何故王太子をお止めせなんだ!!」
「お言葉ですが宰相閣下、それは無理なのはあなた様もよくご存知でしょう。」
「それでも、主人が間違った時にお止めするのが我らの務めぞ!」
「しかしあれは役に立ちそうですよ。」
リンガイアから帰ってきたら私とハルバルドは別室でそれぞれ怒られてる。
私は父様に、ハルバルドは宰相に。
リンガイアの戦は意外と早く終わってさっさか帰ってきた。
相手結構強かったが魔法騎士団とハルバルドを保険に連れて行ったのが当たってよかったよ。
海の海産物、もとい海のモンスターは大半は水中からの触手やら氷の息吹やら闘気弾の遠距離支援で、トドマンの道を塞ぐ障害物破壊目的。
「人間どもよ!我等海のモンスター達の恐ろしさを知れ!!」
吠えあげてるあいつボラホーンだ。
でかいから目立って一発で分かるわ。
『何か彼者達から恨まれる覚えわ?」
クラーゴンとか十体引き連れまで陸地に殴り込みかけてくるってどう考えても尋常じゃないだろ。
それだけの恨み買ったのか?
「「無い!!」」
リンガイア王もオーザム王もこの件に関しては本当に覚えがない。
何故海のモンスター達が来襲してきたのかは自分たちこそが聞きたいくらいだ。
あっそ
まぁ理由なんでもいいけどどうしようかな?
この時期ならそろそろ各国の主要都市に大魔王印の悪魔の目玉うろついてそうだし、そんな中で目立ちたく無い。
ハルバルド以下魔法騎士団をこき使おう。
「だから甲冑さっさと寄越せ。」
「だぁー!!もう!何をどうすりゃそうなる!?頭沸いてんのかよ王太子様!」
「あのトドマン欲しい。」
「はぁ!?」
「なんとしても捕獲したい。逃がすのも殺すのも駄目で生け捕るためにフルボッコにするから周りのモンスター達はお前らでどうにかしろ。」
「お前は黙って守られてろ!王太子だろうがよ!!」
リンガイアも決して無能ではなく騎士団、魔法師団が撃って出ているが、相手はいかんせんボラホーン。
あの戦い馬鹿男の配下するだけあって人間じゃてんで手に負えてない。
メラゾーマを防ぐ凍てつく息とか反則だろ。
「お前勝てるのか?」
「・・・」
「それが答えだ。分かったらさっさと甲冑着せろ阿呆が。」
聞いてやったらハルバルドの奴黙っちゃったよ。そこは虚勢でも勝てると言ってこそ男だろ?
「・・作戦は?」
「現場での指揮系統トップ権は両王からもぎ取った。お前達好き勝手してこい。」
ハルバルドはなまじな指示は邪魔だろ。
「イエス、マイロード。」
渋々言って漸く出陣か。
甲冑着てれば目玉ならバレんだろう。
さてと、ボラホーン捕獲に行ってくるか。
捕獲作戦ゴー