人外に愛されすぎる者   作:ドゥナシオン

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いや参ったな、パプニカの国王に挨拶がてら地底魔上の偵察に来たら銀髪の・・少年よりも幼い幼児を地底魔上の入り口からかなり離れた付近で拾ってしまったよ。

 

銀髪のたてがみに、それも目の色が紫の地底魔場近くにいてもおかしくない子と言えば唯一人しかいないよな・・本当に参ったな。

 

親善大使は表向きの用事で、裏ではこっそりハドラーの勢力偵察に意気込んでパプニカくんだりまで来てみれば早速厄介ごとに巻き込まれるとはついていない。

 

え?厄介ごといやなら大人しく親善だけやっておけ?

それでは大戦まで碌な情報えられずにいいように進められて被害甚大になったら困るだろう。

若いうちの苦労は買ってでもするもんだと昔の人達も言っているから問題ない。

 

パプニカ王宮には式神を私にして影武者で置いてきているからそちらは問題ない。

今日は護衛の騎士達は私とは普段交流の少ない者達ぞろいにしたからばれる心配はないし、供の侍女もそんなメンバーにしたから影武者と気づかれず、今頃はパプニカ王と王妃に囲まれて昼食会の辺りをのんびりとやっている頃だろう。

 

問題なのはこの幼児・・・ヒュンケルであってるよな。

森の中をふめふめ泣きながら彷徨っているところを偶然保護したのは良いんだがさてどうしたものか。

 

1-連れ帰って育てて今から正義の味方にする。

2-放っておいてこのまま地底魔上の偵察にGO

3-・・・不本意だが親の名前連呼しながら正面突破。

 

・・・・熟考の末矢張り3だな。

 

私だとてこのくらいの年にいきなり親元から話されて滅茶苦茶腹を立ててぐれていた。

自分がされて嫌な事はすべきではない。

2に関しては論外だ。こんな子を放っておくなど心情的に無理だ。

3なら手っ取り早く、中に入る大義名分を得て堂々といける上に親元に返せるという一石二鳥、ハドラーの反応から中身分析も見れて三鳥か・・・厄介ごとではなく美味しい案件だなこれは。

とはいえ泣き止ませて名前聞かないと色々と画策している計画が破綻してしまう。

保護して10分近く抱き上げてあやしているが一向に泣き止まないとは軟弱な。

 

「いい加減に泣き止め少年、名前と親の名前言えるか?」

「うっひ・・・さまよう鎧ってしゃべれるの?」

 

そうだった。

今はお忍びで目玉に見つかってもいいようにリンガイアで身に着けた甲冑を着込んでいる姿だった。

どおりで変顔で泣き止まそうとしても駄目なわけだ。甲冑で見えなくでは意味なかろう。

 

とか思っているルイ―シャは考えているだろうがここで残念なお知らせが一つある。

ルイ―シャが真剣に泣き止まそうと真剣な顔で変顔をして見せられても、面白要素は零でゴーゴンヘッド並みの不気味さと威圧しかなく、更なるバクなきとなっただろうが知らぬは何とやらであろう。

 

 

とにもかくにも穏やかに根気強く、生来のひねた性格の中にある子供保護の精神を発揮にして粘り強く聞いた結果名前と保護者名は収穫できたので、これで大手を振って地底魔上に行けるとルンルン気分でヒュンケルを抱っこしたまま進もうとしたが、ヒュンケルが暴れ出した。

 

じたばたともがき、帰りたくないと駄々をこねる。

「何故帰りたくない、バルトスとやらに叱られたのか?」

「違う!父さんは大好きだ!!」

「好きなら帰るぞ。」

「嫌だ!!!帰りたくない。」

 

どうにも埒が明かない、何度聞いてもバルトスは好きだが帰りたくないと言っては逃げようとする理由が分からん・・・家出したい年頃でもあるまいに。

 

「・・・だから・・」

「ん?」

「俺が人間だから!父さんの邪魔になるって!!だから俺は帰っちゃ駄目なんだ!!!」

・・・・・どこの屑だ?こんな子供にど屑なことを言ったやつは。

 

 

「報告!!侵入してきたさまよう鎧の勢いは止まらずにとうとう四階層まで入り込まれました。」

「報告!!侵入者は依然バルトス様のご子息殿を抱えたままモンスター達を足蹴にしながらも罠をかわしてこちらに向かってきます!!

六階層のハドラー様の間につくまであと20分とかからないかと!!!」

 

一体何事だ!

敵・・それも大軍勢が攻めてきたのならばいざ知らず、ふざけた口上を述べていきなり地底魔上に押し入ってきたさまようう鎧にここまで俺様の居城を踏み荒らすなぞ許さん!!

 

「これからこの城に押し入る!!邪魔する者は容赦せんから怪我したくない奴は黙って通せ!!」

 

こんな時魔法を駆使して侵入者を撃退させられるだろう配下の鬼面道士ブラスは魔王軍強化特訓のために人が寄り付かんデルムリン島に行かせて強化特訓中でおらず、頼りになるガンガディアは人間どもの軍勢の偵察に出したばかりで数日は戻らん!!

キギロのフィールドはそもそも森などなので論外か。

バルトスを出したいところだが拾って育てているとかいう小僧が侵入者の手にいるとあっては手加減しそうで役に立たん・・・頭痛くなってくる。

 

かくなる上は俺様の手で自ら・・

 

バッカン!!

 

「あ~くたびれた、ようやくここの主らしきものを発見。お前がこの城の主か?」

 

・・・ちょっと待て!侵入者がここに辿りつく迄にはまだ時間があったはずだぞ!!

報告受けて五分しか経っていないのになぜもうここにいる。

 

ハドラーが鼻水を滴らせそうな勢いで驚くが、ルイ―シャが早く辿りつけた理由を知ったらそれでは済まないだろう。

いちいち階段を下りるのが面倒になったルイ―シャは、モンスター達の眼前で結果を破壊して下に降りると言う強硬手段に打って出た。

それも左手でヒュンケルを抱えたままなので右手に強化術を付与しての片腕一本でやってのけたので目撃したモンスター達はドン引いて追跡を諦めて遠い目になった。

 

やばい奴にはかかわりたくない

 

結果時間短縮と追撃なしのコンボで魔王の度肝を抜く挨拶タイムと相成った。

 

いきなり扉蹴り飛ばして他人様の部屋に押し入って不遜な物言いをしてくるするさまよう鎧なぞいたっけか?

 

現実逃避したくなったハドラーは泣いてもいい

 

 




地底魔上は今作中では六階層にしました。
ネットや漫画でも詳しい内部構造が作者では見つけられずに間違ってた時はご容赦ください。
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