ニーナ「ねぇしらみつ。もっとスピード上がらない?」
しらみつ「今はテスト段階ですから容赦してください。最初からフルパワーですと機体が壊れてしまいますから」
くぃーん「しらみつ。感度を上げろ、目標がモザイクになっている」
しらみつ「それも改善されますから少し我慢してください」
レジーナ「しらみつサン!羽根が脆いデース!」
しらみつ「それも調整中です」
ジーパン「おい、しらみつ」
しらみつ「誤差調整中です」
MEXさん「しらみつさん」
アシュリー「しらみつー!」
ドラゴ「しらみつ」
あやはる「あ、あのぅ…。しらみつさん」
しらみつ「調整中です!!」
バタンと大きな音を立てて閉じられた格納庫のドア。地組の面々は締め出されてしまった
ニーナ「もしかして怒らせちゃった…?」
まお「あれだけ質問責めしたらそうにもなるだろ」
やれやれという顔でいっこんぞめと共にやって来たまおが咎める。いっこんぞめも呆れ顔だ
いっこんぞめ「ああなったらしばらくはほっといた方がいいよ?みんなも多人数にあれこれ同時に言われたらごちゃごちゃになるだろう?」
ドラゴ「まぁたしかに…。悪いことしちまったな…」
くぃーん「ふん。そもそも助手も取らず一人でやるからこうなるんだ」
ジーパン「それがしらみつなりのやり方なんだろ。追い出されちゃ仕方ねぇ、昼寝でもするか」
それぞれが思い思いにはけていく。いっこんぞめはそれを見送るとまおと共に格納庫のドアの前に立ってノックした
いっこんぞめ「しらみつ?アタシだけど、入れてくんない?」
しらみつ「いっこんぞめさん?どうぞ」
呆気なく開くドア。しらみつは背を向けてパソコンと向き合っている
まお「しらみつ。すまんな」
しらみつ「いえ、これが仕事ですから」
まお「毒組がほぼオーダー無しだったのは聞いている。そのぶん手間をとらせてしまった」
しらみつ「毒組の皆さんもオーダーは多かったですよ」
いっこんぞめ「強がんなくていいって、たまには息抜きしないかい?アタシとデートでも」
しらみつ「お気持ちは受け取らせてもらいます。ですが早く製造しなければマリフォンスによる巨大鎧機の被害を抑制できません」
まお「(頑固だな)」
いっこんぞめ「(厄介拗らせちまってるよ)」
まお「(仕方あるまい…)しらみつよ、隊長命令だ。地組の進化水晶機の調整を一時中止しろ」
しらみつ「なっ…!何を言い出すんですか!?」
まお「まぁ落ち着け、我が命ずるは調整を止めろだ。とどのつまり皆の望むようにしてやればいい。リミッターを全部外せ、その上で新たな任務を与える。その任務とは…」
一週間後…。
ドラゴ「あれからしらみつの奴ずっと格納庫か?」
ニーナ「みたいだね…。やっぱり謝りに行った方が良いって、格納庫で過労死してたら洒落になんないよ」
ドラゴ「色んな意味でブラック企業なのは今に始まったことじゃないが流石にそれは笑えないな…。よし、みんなを集めてしらみつに謝りに行こうぜ」
そう思い立った矢先、全体放送でまおの声が聞こえてきた
まお《召集命令、地組全員は直ちに格納庫へ》
ドラゴ「おいおい、なんだ?変にタイミングがおかしいじゃねぇか」
ニーナ「まぁいいじゃん。行こうよ」
ニーナ「何?真っ暗じゃん」
まお「来たか。全員揃って到着とは流石だな」
ジーパン「あ?どうしたその言い方」
まお「今回貴様たちはチャレンジャーなのだよ。悪の大魔王と悪の科学者Dr.ホワイトフラッシュに挑戦するというな!」
まおの後ろにある機体がライトアップされる。それは各々の専用機だった
ニーナ「まーた変な思いつきでしょ」
レジーナ「まおサン…。ベンテンは面白くないデスヨ…」
シュトラ「天丼ね」
まお「さぁ乗り込め!そこで貴様らの望んだ力を存分に試すがいい!!」
フハハハと笑いながら床にフェードアウトしていくまお。全員いつもの事かと呆れながらも切り替えて機体へ乗り込む
アシュリー「あっ…あれ?何この数値!?」
MEXさん「これは…!皆さん気をつけてください!リミッターが外れてます!」
くぃーん「大声で叫ぶな!!こっちは感知MAXだ!!」
シュトラ「くぃーんも叫ばないで、私はくぃーんの機体の倍の感知度だよ」
くぃーん「なんだと!」
珍しく咎めあうくぃーんとシュトラ。まだ発進すらしていない
あやはる「皆さん。ともかく行きましょう!」
メアリー「待って!あやはる!」
そして珍しく足取りが揃わずバラバラに発進する地組、それぞれが機体に乗って発進した通路の先にあったのは地下のコロシアムだった
ジーパン「んだよ?実戦テストでもやろうってのか?」
まお《まさにその通り。貴様らの機体には先日しらみつにぶつけたオーダーそのままの調整が施されている。その調整機体でとある機体のテストをしてもらう》
ドラゴ「良いのかよ?ぶっ壊れたらどうすんだ」
まお《無論ベノから許可は降りている。ただし気を付けろよ、リミッターが存在しないからな、各々の行動には気を付けた方が身のためだぞ。ふふふ…》
床が開き四機の機体が現れる。だが形が進化水晶機と全く違う。それぞれがポケモンのような形になっている
ぼたん「なんだ…?」
ドラゴ「でけぇ…!しかもラプラスやジーランスに似てるような似てないような…」
まお《これぞ新規開発した特機。その名もディアロイド!!》
あやはる「ディア…ロイド…?」
まお《見ての通り進化水晶機とはまた別の作りでな。パイロットはこやつらだ》
コックピットのカバーが開き中に居たのは…。まなこが所持しているポケモンたち、なまあし、ひんじゃく、さらしくび、ばんごはんだった
ドラゴ「なっ、なんだぁ?あいつら」
あやはる「お姉ちゃんのポケモンたち!?どうして!?」
まなこ《悪いね、あやはる》
あやはる「お姉ちゃん!?」
まなこ《近くを通りかかったものだからね、お願いされちゃったんだよ》
まお《お願いしたのだよ、妹の成長と仕事振りを見せるチャンスだと言ってな》
あやはる「なら…!頑張らなきゃ…!!」
まなこ《頑張ってね、もちろんなまあしたちも》
なまあし「うん!みんな行こお!」
三人「おー!」
ジーパン「あんなのに負けるか?」
ぼたん「油断してはいけない。忘れたのか?俺たちは大きなハンデを背負っている」
ニーナ「だね…!しかも相手の機体はこっちより大きい。油断したら踏み潰されちゃうよ」
まお《では開戦だ!始めろ!》
なまあし「デッドドラゴン!へんしーん!」
ひんじゃく「ライトニングプレデター!へーんしん!」
さらしくび「アブソリュートクリスタル!へんっしん!」
ばんごはん「バイスジョー!へんしん!!」
四機がそれぞれ人形に変形!一気に襲いかかる!
MEXさん「来ますよ!各自散開して迎撃!」
全「了解!!」
ニーナ「きゃあっ!?」
レジーナ「ぶべっ!?」
勢い強く壁にニーナの機体ベノリベンジャーが、天井にレジーナの機体骸(むくろ)が激突。二人が突如そうなったことで心配した他の機体が足を止めた結果ディアロイドに何体か凪払われてしまった
ドラゴ「くっ!おい!みんな大丈夫か!?」
くぃーん「叫ぶな!!」
シュトラ「うるさいよ」
まお「まったく、この程度の事で仲間割れを起こしてどうする」
いっこんぞめ「かなり追い込まれてるね。人間VS怪獣って感じかな」
まなこ「あれあやはるは大丈夫なの?」
しらみつ「安心してください。リミッターを外していても進化水晶機は頑丈です」
まなこ「それならいいけど…。所でそれぞれ何のリミッター外したの?」
しらみつ「MEXさんがキャタピラの取り回しと二連砲の回転ギミックの切り替え速度。アシュリーさんとメアリーさんが鉄糸の射出速度と放電するVの強さ。くぃーんさんが感知範囲。ドラゴさんが機体の重さ。ニーナさんが機体の速度と軽量化。ジーパンさんが脚部チェーンソーの回転速度。ぼたんさんは脚部強化と腕部に備え付けられているニードルアームの強化。レジーナさんはバックパックの羽根の強度と軽量化。シュトラさんが感知範囲と感知レベル。あやはるさんが…。あぁ、そうでした。あやはるさんは唯一何もオーダーしていませんでした」
まなこ「謙虚な子なのか言い出せなかったかだね」
しらみつ「すいません。あやはるさんを回収しますね」
まなこ「ううん。やらせてあげて。あやはるならやりたがると思うし」
しらみつ「まおさん」
まお「我も同じ意見だ。そもそもあやはるも進化水晶機になれさせなければならん。いつまでも守られるだけではあやはるも不服であろう」
しらみつ「わかりました」
ドラゴ「くそっ!しらみつ…!ここまで重くしろなんて言ってねぇぞ!!」
くぃーん「どけ!ぶっ飛ばしてやる!!」
ドラゴ「おいバカ!いくら進化水晶機が頑丈でもサイコノヴァを打つやつがいるか!誰か止めろ!」
くぃーん「誰が撃つか!サイコグロウ!!」
念力の粒子を浴びせて力を込めるとディアロイドたちが浮かび上がる。しかし今のくぃーんの機体、超新星には重ささえもダイレクトに伝わっている。くぃーんは潰れてたまるかと力を込めて四機まとめてサイコキネシスで投げ飛ばす!
くぃーん「はあぁぁぁっ!!」
ドラゴ「よし!続きたいが機体が重すぎる…!」
MEXさん「ドラゴさん!レジーナさん!あなた達の力を合わせて!黒鉄(くろがね)で骸を相手に投げてください!」
ドラゴ「そうか!動かないのは機体だ!キャタピラによる旋回程度なら!」
レジーナ「ワタシの骸の羽根もオーダー通りメチャ頑丈デスヨ!やっちゃってくだサイ!!」
ドラゴ「おっしゃぁぁ!!いっけぇ!!」
黒鉄の腕に乗った骸を旋回行動で勢いをつけて投げ飛ばす!同じ楯武を投げているとは思えない強さで投げられた骸の翼はライトニングプレデターを直撃した
ドラゴ「よっしゃあ!」
アシュリー「メアリー!動き止めるよ!」
メアリー「いつものだね!了解!」
ひんじゃく「そう何度もやられないよ!雷光爪裂!!(らいこうそうれつ)」
切り刻まれる鉄糸。その姿は形を変えて最初に見せた姿になっていた
ばんごはん「やっぱりこっちの方が動かしやすいかも~」
さらしくび「それじゃあ一発!アブソリュートカノン!!」
爆発を起こす冷凍光線で形勢逆転してしまう地組。怯まずMEXさんの抜砲(ばっほう)とジーパンの名無鎖(ななしのくさり)が攻める!
ジーパン「チェーンカウル!」
腕に隠された鎖でバイスジョーを捕まえると脚部のチェーンソーを展開!それを直撃させるためにニードロップを仕掛ける!
MEXさん「マリンバースト!!」
背中にある二門の大砲から放たれる砲撃をデッドドラゴンへ浴びせる!尻尾による凪払いを別の砲台からの放水で飛翔してかわすと両腕のシールドを合わせて体当たりを仕掛けた!
ジーパン「食らえ!」
ばんごはん「それじゃあお言葉に甘えて~!」
ジーパン「なっ!?」
バイスジョーの顎で回転を止められるチェーンソー。名前の通りの万力顎で噛みつかれて脱出ができない!
なまあし「こっちも迎撃だよ!」
背中のトゲがミサイルとして抜砲を撃墜!地上に落とされて尻尾による一撃で大破寸前まで追い込まれる
ばんごはん「かみくだいちゃえ!バイスジョー!」
バキバキと砕かれ脚部とチェーンソーを繋ぐ部位が爆発して飛ばされる名無鎖。しかしバイスジョーは続けて名無鎖へ襲いかかる!
ジーパン「くそっ!動け!」
ばんごはん「これでとどめっ!」
あやはる「させません!」
顎の間に糸を放って槍で撃退させたのはあやはるのランスロットだった。この中では唯一何もオーダーをしていない調整中の機体だ
あやはる「いくらお姉ちゃんのポケモンでもこれ以上はやらせない!!」
ひんじゃく「まなこごめーん!」
すばやい動きでライトニングプレデターがランスロットに強襲!しかしそれよりも早くニーナのベノリベンジャーが蹴り飛ばして撃退!続いて地面を凍らせて滑ってきたアブソリュートクリスタルをぼたんの猪鹿蝶(いのしかちょう)が殴りかかり格闘で撃退した!
ニーナ「大丈夫!?あやはる!」
ぼたん「俺達はチームだ…。一人で突っ込みすぎるな」
あやはる「ありがとうございます。皆さん!いつものように力を合わせましょう!そうすればリミッターの壁なんて乗り越えられます!」
ジーパン「言うは易く行うは難しって知ってっか?いつつ…」
MEXさん「それでもやらなければ行けません。私達は地組なんです。どの組よりも強く、有らねばいけません。力も、絆も」
シュトラ「…。くぃーん。ごめん」
くぃーん「いや、私も言い過ぎたかもしれん。いくぞ」
まお「仲直りしてしまったぞ。どうする?」
しらみつ「秘策があるので大丈夫です。まなこさん、例のアレをやります」
まなこ「やっちゃうのかー…。あんまり気は進まないけども。妹があそこまでガッツ見せてくれたら姉の私もやるきゃないよね。いくよ!四重合身!!フォースアーップ!!」
なまあし「合体だよ!みんな!」
三人「おー!」
その瞬間。四機を神々しい光が包んだ!
ジーパン「こなくそ!あだっ!?」
まお《ジーパンよ。己が愚行を恥じるがよい!いいか!合体!変身!そして名乗り時に攻撃するなど笑止千万!!マナー違反にも程がある!》
ジーパン「わけわかんねぇこと言いやがって…!」
まお《何を言うか。シャーヴァルの時を思い出せ、あの時30数人ほどで長々と名乗ってもシャーヴァルは待っていてくれたではないか》
ドラゴ(確かに…)
その頃。光の中では合体が始まっていた。まずデッドドラゴンの前半身が胴体と分離!ライトニングプレデターの背中に装着されてそのまま尻尾がデッドドラゴンの残った後半身と合体!続いてアブソリュートクリスタルがその繋ぎ目を覆うように合体!首が固定されて砲身になった!そしてにバイスジョーの頭が変形してライトニングプレデターの頭部に兜のように被さり、下半身がライトニングプレデターの胸部を守るパーツとして、上半身がライトニングプレデターの腕部に手甲のように合体することで四機が合体を果たした!
まなこ「フォースアイズ!アルティメットカオスドラゴン!!」
大きく咆哮をあげて君臨するは四つ足にして腕を持つケンタウロスのような見た目の四つ目のドラゴンだった。
まなこ《この究極合体を倒せるかな!?いくよ!アブソリュートカノン!!》
あやはる「お姉ちゃん!?」
まお「完全にそのテンションになっているな」
いっこんぞめ「本当は自分もやりたいんでしょ」
まお「そうでもあるが」
まなこ《軽く踏み潰しちゃえ!マグマスタンプ!!》
踏みつけで抉れる地面。まさかの合体に地組の面々は完全に勝機を失いかけている
あやはる「どうすれば…!このままじゃ…」
まなこ《次はサンダーブレス!!》
あやはる「お姉ちゃんの指示…。合体…。あっ!シュトラさん!お願いしたいことが!」
シュトラ「…?」
まなこ《よおし!トドメいくよ!みんな!》
あやはる「シュトラさん!お願いします!」
シュトラ「任せて…!コンタクトロケーション…!!」
なまあし「トドメだよ!」
三人「おー!」
なまあし「せーの!」
その瞬間。念波が四人を襲った!その念波によって全員がシュトラの念じた操作をし、まったく異なる動きをしてフォースアイズはスッ転んでしまった!
四人「うわーっ!?」
まなこ《なにが起こったの!?みんな大丈夫…!?》
あやはる「やった!やっぱりお姉ちゃんが指示してみんながそれに合わせて動かしてたんですよ!」
まお《なるほど、シュトラの能力で意識を操って転ばせたか。あやはるもなかなかやるものだ》
あやはる「まおさん!お姉ちゃん!しらみつさん!この子たちはもう動けません!サレンダーしてください!」
フォースアイズの頭部、ライトニングプレデターのコックピットにパルチザンを突き付けてそう言い放つあやはる。間違いなく今回の立役者だ
MEXさん「しらみつさん、申し訳ありませんでした。私達しらみつさんの事をあまりにも考えない発言ばかりしてしまって…」
しらみつ「いえ、もういいんです。私にも責任はありますから。それに今回のリミッターを外したデータを元に皆さんに適度な調整もできそうですから」
あやはる「あの…。私の機体はどうなるんでしょう?」
しらみつ「安心してください。あやはるさんからはわからない所に調整を生かせそうですから」
まなこ「みんな、お疲れ様」
四人をボールに戻すとまなこに向かってあやはるが駆け寄ってきた
あやはる「お姉ちゃん!!」
まなこ「あやはる。やったじゃんか」
あやはる「あの…。ポケモンたちは大丈夫…?」
まなこ「大丈夫だよ、四人とも頑張ってくれたし。あやはるの成長も見れて私は満足だよ」
あやはる「私もお姉ちゃんに見てもらって嬉しいな、えへへ…」
まお「姉妹水入らずを邪魔して悪い。ここより上でゆっくりと話すといい。まなこも今日はジム巡りの足取りを休めて泊まって行くといい。積もる話しもあるだろう」
まなこ「そうさせてもらうよ。行こうか、あやはる」
あやはる「うん!」
次回予告
いっこんぞめ「やぁやぁごきげんよう。いっこんぞめだよ。次回はなんと新しいメンバーが決まるんだって、どんなメンツが入ってくるのか…って学生に傭兵に殺し屋とお姫様?人の事は言えないけど今回も濃いメンバーだね。次回、†MULTIPLE AIGIS†第七話。義刃(やいば)と焔霊(ほのお)と鋼拳(こぶし)と古城(こじょう)と。気になる投稿日はなんとこの後すぐだよ」
お疲れ様でした。ロボットではない、兵器です