ベノ「これより花星館(はなほしかん)卒業実技を始める。てゐ国歌劇団の新しい仲間を我々は歓迎する。だがそれもこの試験をクリア出来たものに限る。諸君らは選ばれた者たちだ、この千載一遇のチャンスをモノに出来ることを願っている」
ここは花星館。てゐ劇が管理している学園であらゆる分野でてゐ劇に入隊できるメンバーを育成し、それぞれの組に配属させるための場所だ。今そこでは数年に一度のチャンス、てゐ劇トップである毒、地、兎、鍼へ入隊できる試験が行われようとしていた。これは卒業試験も兼ねており、勝てば入隊できるが負ければ留年。さらに運良く来年にこの試験があろうとももう一度受けられる等という甘いものはなく、まさしく千載一遇。卒業を賭けて成績上位者数名が集っていた
まお「試験内容は我々と戦い、勝利すれば貴様らは晴れててゐ国歌劇団トップの組に配属される。これは現在の予定では今年度のみ、さらに一人という狭き門だ。無論二名いた場合、両者が目に止まる活躍をせん限りその二名ともが採用されることはない。もっとも貴様ら学童どもが簡単に勝てると思わないことだ。ここまでで質問はあるか?」
???「失礼ながら」
まお「貴様、名を名乗れ」
おとめ(オノノクス♀️★)「はっ。花星館三年Aクラス。黒重乙女(くろえ おとめ)です」
まお「質問内容は」
おとめ「はい。武器の使用が認められるならその範囲を教えていただきたいと思います」
まお「おっと記載忘れであったな、好きなものを使うといい。こちらも実戦で使用している武器を使う。真剣だろうがバターナイフだろうが我々を倒せる自信があるなら使うといい。ただし、一品モノであろうと破壊されても文句は言えぬぞ」
おとめ「ありがとうございます」
まお「他に質問が無いようならば始めるとしよう。今回の卒業実技の相手を紹介する。貴様らの大好きな鬼教官、シャーヴァルだ」
一斉に試験者達の顔が歪む。彼等に武術を叩き込んだのは他でもなくシャーヴァルだ
シャーヴァル「…。卒業祝いだ、情け容赦をかけてやるが授業の時ほど甘くないぞ」
その手に握られているのは木刀。しかも持っているのは普段刀を持たない左手だ
シャーヴァル「落ちたい奴からでも受かりたい奴からでもいい。かかってこい」
五分後。二十人いた試験者は残り一人に。それ以外は叩きのめされて延びてしまっていた
シャーヴァル「推薦抜粋と言ってもこの程度か。我ながら教育者としては失格だな」
自ら育ててきた生徒を叩き落としてシャーヴァルは複雑だった。育て方がなってなかったという反省とこの程度であるなら採用せずに叩きのめして落とすのがせめてもの優しさと割りきっていた。そしていよいよ最後の一人がシャーヴァルの前に立つ
シャーヴァル「黒重か。お前は成績も態度も優秀そのもの。今回の奴等の中でも群を抜いての首席。一目は置いているがこれも落とす試験だ。悪く思うな」
おとめ「師。申し訳ありませんが折り入ってお願いがあります」
シャーヴァル「なんだ」
おとめ「木刀を捨てて右手で刀を持ってください。お願いします」
ベノ「ほぉ…」
まお「ふっ…」
シャーヴァル「自分の言ってることがわかっているのか?」
おとめ「はい。これは師方が実際に戦闘する対面を模した試験です。ならば師が持ち慣れない木刀で、さらにいつもと逆の手で扱うなどという手加減をなさる必要はありません」
シャーヴァル「訂正がある。俺は刀に関しては両腕で扱える。左利きだが右でも扱えるように矯正したが時々こうして慣らさなければ鈍るためだ、それともう一つ。命の保証が出来なくなるからこその木刀だ。これが真剣ならば全員殺している」
おとめ「それでもお願いします。私はてゐ国歌劇団で世の不義を討つために学びを得てきました。ここで勝てねば私はそれまでです」
その眼差しをしばらく見つめるとシャーヴァルは木刀を投げ捨て、刀を抜いて右手に持った
シャーヴァル「この刀は凪雲京(なぐもみやこ)。一凪ぎでどんな曇り空も切り裂き晴らし京を照らすと言われている刀だ。これなら文句はないだろう」
おとめ「ありがとうございます。では…!」
手に持つ刀を鞘から抜くとその鞘を置いておとめは刀を構える。シャーヴァルはその刀を見ていた
シャーヴァル「その特徴的な刃紋…。なるほど、地獄鳳蝶(じごくあげは)か」
おとめ「ご存知でしたか」
シャーヴァル「あぁ、あらゆる物を切れるが花だけが切れない刀だろう」
おとめ「では尋常に…!」
シャーヴァル(抜刀術か。詰め寄るか…?それとも…)
おとめ「…」
シャーヴァル「そうか、なら行かせてもらおう」
一発だけ斬撃を飛ばすと鞘の紐を凪雲京の柄にくくりつけて擬似的な薙刀のように扱いリーチを取る。一方のおとめは居合い抜きで斬撃こそはね飛ばしたがまさかのあわせ技に防戦一方だ
シャーヴァル「どうした。その程度の腕では地獄鳳蝶が泣くぞ」
地獄鳳蝶を蹴りあげると引き抜く力のみでくくりつけた凪雲京の鞘を飛ばして落ちてきた地獄鳳蝶を手に両手で刀を持った
シャーヴァル「本気、と言ったな。悪いことは言わん、生徒に恐怖を植え付けたくはない。大人しく諦めろ」
おとめ「お断りします。まだ私には一番大切なものが残っています」
シャーヴァル「それを聞こう」
おとめ「闘志と意地と諦めない心です」
スッと手を上げると試験会場の天井が割れて瓦礫と共に何かが落ちてきた。それをおとめが握ると周囲の瓦礫が吹き飛びシャーヴァルもそれに怯む
シャーヴァル「なんだ…?」
おとめ「これこそ私が磨いてきた物です。師も経験が少ないとお見受けします」
風を切る音をさせながらおとめが握る何かが迫る。シャーヴァルはそれが何かわかった瞬間迎え撃つより先にそれを避けた
おとめ「はあぁぁぁっ!!」
真空が生まれるブゥンという音。振り下ろされたその一撃は床を砕いてシャーヴァルを襲った
シャーヴァル「大斧か…!確かに戦闘回数は少ないな…!」
おとめ「ちぇあっ!!」
横凪払いの風でさえ刀で返せず逆に武器を弾き飛ばされるシャーヴァル。ばつ悪くなんと刀は二本とも5メートルほど上の壁に突き刺さってしまった
シャーヴァル「直撃すればただではすまないか…!」
大きく跳躍して影角を抜刀。剣先を手に変えて凪雲京を回収すると落下しながら左手に凪雲京を持ち右手に持った影角の刀身を刀に変えて振り下ろす!
おとめ「一刀千断戦斧 鉄(いっとうせんだんせんぶ くろがね)奥義!!」
おとめはその大斧、鉄を持ち直すと上を、シャーヴァルをただ瞳に映す!
おとめ「戦艦壱砕撃(せんかんいっさいげき)!!」
シャーヴァルの振り下ろした影角と凪雲京、おとめの鉄の一撃がぶつかり合う!衝撃で観戦しているベノとまおまで吹き飛ばして試験会場の窓が全壊。外にある木々までもが根こそぎ塀まで飛ばされ、もはや建物がもってるのが不思議なぐらいだった
おとめ「でやぁぁぁぁっ!!!」
渾身の力と気合いを込めて振り抜こうとするおとめ。シャーヴァルは耐久による押し負けを察して凪雲京を素早く手放し両手で影角に力を込める!一気に刀身が膨大に輝き火花が散る鍔迫り合いの末、シャーヴァルの足が地に付き、影角を振り切った
シャーヴァル「まさかな…」
ドオォン!!と真横で轟く音。それはおとめが片手で振り切った鉄が地面を破壊してえぐった衝撃音だった。宙を舞って影角の刀身の半分が遅れて床に刺さる。シャーヴァルの持っていた影角の刀身は…半分欠けていた
シャーヴァル「…合格だ」
おとめ「はぁ…はぁっ。ぜぇ…。ありがとう…ござい…ます…。げほっ…!」
シャーヴァル「片手で影角を折るものがいるとはな。感心したぞ」
ベノ「おい!シャーヴァル!どうなった!?」
シャーヴァル「合格者だ。卒業賞状を」
おとめ「師!その…。刀を折ってしまって申し訳ありません!!」
シャーヴァル「気にするな、こいつの刀身は存在しない。このように俺の加減で伸びるし形も変える」
地獄鳳蝶を刀身で回収すると手渡してそれをおとめに返してその場を去ろうとすると「あのっ!」と呼び止められる
シャーヴァル「なんだ」
おとめ「今までのご指導ありがとうございました!そして改めてよろしくお願いします!!」
シャーヴァル「あぁ。どの組に配属されるにしろ楽しみにしておけ」
おとめ「はいっ!!」
「撃て!撃ち続けろ!!相手は丸腰だぞ!!」
「くそぉぉぉ!なぜ当たらないんだ!?」
そこはとある戦場。今そこにたった一人だけで武器も持たず、徒手空拳で傭兵部隊を蹂躙している人物がいた
???「これで全員…?」
アデア「そのようです。お疲れ様でした」
???「腕を確かめるために傭兵師団を皆殺しにしろなど…。一方的にスカウトしておいて中々大きいことを願うのだな」
死に損ない這いずる傭兵の頭を掴むと優しくもう片方の掌で背中を触る。そして青白い波動を体内に放つとビクンと身体が跳ねて目や口から血を流して傭兵は絶命した
???「他愛ない」
アデア「お見事でした。明凛(めいりん)さん」
めいりん(ルカリオ♀️★)「この程度ならてゐ国歌劇団の面々なら大体はできると見受けるが。なぜ私の力が必要なのだ?」
アデア「この世の理を乱そうとする悪が今その力を強めています。それに対抗するために力を求めているのです。ここ近年で奇妙な傭兵を殺しませんでしたか?例えば…。蘇ったり妙にしぶとかったり身体能力が異常な傭兵です」
めいりん「…。覚えがある」
アデア「奴らを放っておけば悪化します。いつか終わる戦争も永遠に続き、奴等の儲けとなりまたその金で戦争を起こす。めいりんさん。あなたも戦争を終わらせたくて戦い続けているのでしょう?」
めいりん「そのとおりだ、私は戦争で全てを失った。父も、母も、友達も、産まれてくるはずだった弟か妹も」
アデア「その悲しみを別の誰かにさせないためにも私達も戦っています。改めて力を貸してはいただけませんか?」
めいりん「…。良いだろう、当然条件は飲まれるのだろうな?」
アデア「えぇ、もう叶っている頃でしょう。あなたの家族のお墓を作ってほしいという願いは」
めいりん「遅すぎた埋葬だが許してくれるだろうか…」
アデア「気持ちさえこもっていればその魂は永遠ですよ。それでは行きましょう」
一週間後…
ベノ「本当にやれやれって感じだな」
まお「すまんな、我々ではテコでも動かんのだ」
ベノ「構わねぇよ、どうせんなことになるだろうって思ってたからよ」
そこはボロボロになった古城だった。自然に溢れ、活気ある街の外れにポツンと建っていたその古城の奥にそれはいた
ベノ「案の定だな…。スゥー…アルハァ!!いつまで寝てやがる!!」
城を揺るがすその怒声。隣にいるまお達三人は耳を塞いでいた
???「んーん…。うるさいな…誰だよ?」
ベノ「よぉ」
???「おー、紫悪魔」
ベノ「その呼び方はやめろ。ったく俺の仲間に呼ばせに行かせりゃずっと爆睡決めやがって」
???「眠いのは仕方ないでしょうよ。それよか何の用?」
ベノ「お前をスカウトしに来た」
???「あっそ」
ベノ「寝るな住所不定無職」
???「住所はここだし職もありますー」
ベノ「あって無いようなもんだろ。それとも死ぬまでここにいるつもりか?」
???「それもいいかもしれないね」
ベノ「相変わらずめんどくせぇ奴…」
???「知ってて来たんだろう?なら私を起きさせてみなよ」
まお「こやつはなんなのだ…?」
シャーヴァル「いや、俺も知らん」
ベノ「こいつはゴア・アルハ。この古城、アズールキングダムの主にして元お姫様だ」
ゴア・アルハ(カビゴン★♀️)「どうもー。壊したご本人に紹介されましたゴア・アルハでーす」
アデア「壊したって…。何かあったんですか?」
ベノ「…。昔のことでよ、針組結成前。復讐のために力をつける旅をしてた時だ、色々省くが俺が初めて放った破滅の十字架、そのフルパワーを初めてくらったのがこの城だ」
シャーヴァル「フルパワーでやったわりには原型があるんだな」
ベノ「昔だからな。今フルパワーでやりゃあ跡形も無くなるだろうよ。それをくらって唯一生きてたのがアルハだ」
アデア「えっ…!?破滅の十字架が直撃したのに生きてたんですか!?」
アルハ「起きたらみーんな消えてて城はボロボロ、唯一生きてた私を口封じに殺そうとしたのもベノだよ。まぁ返り討ちに会ったんだけどね」
ベノ「確かに完膚なきまでに負けたがそれは過去の話だ。寝てばかりのお前にいつまでも負けを引っ張る俺じゃねぇ」
アルハ「寝言は私の夢の中で言いなよ。手も足も出なかったくせにさ」
ベノ「なろぉ…」
シャーヴァル「落ち着け」
ベノ「チッ、今日はやり合いに来たんじゃねぇ。さっきも言ったようにお前をスカウトしに来たんだ」
アルハ「興味ないって言ったら?」
ベノ「ここでリベンジしてやってもいいんだぜ?」
まお「(ベノめ…。何年も昔とはいえ負けたのが相当悔しかったようだな…)」
アルハ「変わんないなぁ。そのケンカっ早い所」
ベノ「てめぇがすっとろいんだよ」
まお「お互いに挑発はよせ、ネゴシエーションにはるばる来たというのに」
ベノ「一発ぶん殴らねぇとわからねぇ奴もいるってことだ!」
あくびをしながら殴りかかるベノを片手で止めて投げ返すゴア・アルハ。実力の差が如実に出る
アルハ「無駄だからやめた方が良いって忠告、まだ守れないのかい?」
ベノ「てめえこそ殴られた所がわかんねぇたぁ鈍さに磨きがかかってるな!」
額から流れる少量の血、アルハは袖でそれを拭き取ると目を瞑る。すると頭の傷がふさがりそれと同時にアルハは目を覚ました
アデア「再生能力…?」
ベノ「あいつは寝入りと目覚めが極端に早い。そのせいでほんのちょっとでも攻めを欠けばどんな傷だろうがどんな状態だろうが治っちまう」
まお「そのターンに目覚めるねむる。か…、恐ろしいものだ」
ベノ「こいつの存在を知ってる奴は俺以外にいねぇ。だが二つ名をつけるとすれば…。眠る古城。ってところか…」
アルハ「どうする?まだやる?」
ベノ「言ったろ、てめえを引き入れるために来たってよ」
アルハ「別に私はここで不自由が無いんだよね」
ベノ「風呂は行水、衣服はボロ、ベッドや枕もあの継ぎ接ぎでかよ。洗濯してねぇだろ」
アルハ「川でやってるよ」
ベノ「アルハ。取引きしねぇか?」
アルハ「取引き?何が?」
ベノ「お前は知らねぇだろ。最高級のマットレスにベッドに枕とパジャマ。気持ちよく寝れる環境って奴を」
アルハ「む…」
ベノ「お前のこの環境を見るに昔から変わってねぇよな?それじゃあお前がここに引きこもってる間に新開発新発売されてるものを知らねぇんじゃねぇか?」
アルハ「正解だよ。なんせ誰かさんがぶっ潰したここが家でありお墓だからね」
ベノ「今さら許してくれなんて言わねぇよ。だがな、俺に唯一できる罪滅ぼしがあるならそれはお前を外に連れ出せることぐらいだ。認める、俺がお前を過去の怨念に縛り付けたんだ」
アルハ「遅いっつの。責任取ってよ?半端なもんだったら帰らせてもらう」
ベノ「上等。二度と帰りたくないって思わせてやるよ」
ベノ「とりあえずベッドか?サイズは」
アルハ「キングに決まってるでしょうに」
???「こんにちはぁ」
シャーヴァル「…!ベノ」
ベノ「あぁ、ったくまたてめえか!」
???「そんなぁ。ただお友達になりたいだけですのに」
ベノ「お友達ってのは愛ゆえに殺したりしねぇよ!」
まお「ほう、こいつが噂の最近付け回して来てる奴か」
アデア「たしか…ネクロマスター。ヤンデレラですね…!」
ヤンデレラ(シャンデラ♀️★)「知ってもらえているのですねぇ。就職活動が捗りますわ」
ベノ「不採用叩きつけられても諦めねぇその豪胆さは認めてやる。だがな、こっちもてめぇの倫理観で仲間殺されても困るんだよ!」
ヤンデレラ「そんなことしませんわよぉ。だって私が今一番殺したいのは…。ジンティアの皆様ですもの」
アルハ「変な知り合いがいるんだねぇ」
ベノ「もれなくお前もあっち側(変な知り合い)だぜ」
アルハ「うっそだぁ。ところで?この同僚さんは何者?」
ベノ「勝手に決めんな。こいつはヤンデレラ、裏世界じゃネクロマスターって名前で通っててな。自分が好きになった奴をぶっ殺して自分に取り込むヤバすぎる殺し屋だ。死体が見つかってりゃ余罪で懸賞金が数倍になるなんてことも言われてやがる」
アルハ「そんなヤバいのがなんで就活してくるの」
ベノ「俺達と敵対してる組織にジンティアってのがいる。こいつ何処から仕入れたか知らねぇが自分の殺しの仕事を邪魔するジンティアを潰すために敵の敵である俺達に味方するって付け回して来やがるんだ」
アルハ「仲間にしてやればいいじゃないか」
ベノ「わりぃがロジックが違いすぎる。こいつが裏切らないためのストッパーがいねぇんだよ」
アルハ「ふーん」
ヤンデレラ「本当にあなた方には手を出しませんのに…。信じてくださいな、クヒッ…!」
首をコキッとならしながら不気味に傾けるヤンデレラ。なぜ信じてもらえないのかアルハが考えた時にベノがその答えを言ってくれた
ベノ「殺しに染まっちまってるんだよ。そのせいで平気で裏切りやがる。前科持ちな以上そう易々と容認できねぇ」
ヤンデレラが危険すぎる所はクライアント殺しをやってしまっていること。あの裏世界で知らないものがいないデストロメアことルヴィロームさえもクライアント殺しはしない。そのうえでシャーヴァルというお目付け役までつけてようやく入隊しているのだ
まお「ならば、我が地組で引き取ろうか?」
ベノ「まお!てめぇ何言ってやがる!」
まお「なにも考えなしという訳ではない。我の地組にはまだ裏世界に精通するものが居ない。それに…。我の炎に逆らえるものならば試してみるといい。その身体の一片たりとも残さぬほどに尽く燃やしてやろう」
ヤンデレラ「あらまぁ…。そんなこと言われてしまっては仕方ありません。ですが…」
アデア「えっ…」
ヤンデレラ「私こちらの方に興味がありますの」
シャーヴァル「お前に選択権は無い。地組や兎組を危険に晒すくらいなら俺の所で見てやる」
ベノ「いいのかよ。最悪のパターンになるぜ?」
シャーヴァル「お互いに睨みあって監視しあえばいい。仲間の誰かを殺したのなら…。全員で息の根を止めてやればいい」
ヤンデレラ「本当に信用されてないのですねぇ」
ベノ「裏世界でのクライアント殺しや裏切りがどれだけの重罪と足枷になるか知ってて殺ったやつがなに言ってやがる」
ヤンデレラ「では信用されるためにベノホーンさんにはこれをお預かりしていただきましょう」
体に纏っている黒い金具のようなものを半分エネルギーの玉に込めるとそれをヤンデレラはベノへ渡した
ベノ「これはなんだ?」
ヤンデレラ「これは私の力の一端。もし粗相をしたと感じたならそれを破壊なさってください。半身みたいなものなので無くなると死にますから」
ベノ「…わかったよ。ここまでやられちゃ断りきれねぇしよ」
ヤンデレラ「採用していただいて嬉しいですわぁ。精一杯働かせていただきます。お望みならばロハでも構いませんよぉ」
ベノ「ふざけんな。うちの福利厚生舐めんなよ、てめぇが嫌と言っても生活に必要な部屋や家具全部揃わせて給料で扇子作らせてやる」
ヤンデレラ「んっふふ…。よろしいのですかぁ?」
ベノ「仲間になるなら受け入れろ。嫌なら裏切れ、女だろうが俺直々にぶっ殺す」
ヤンデレラ「それでは改めてよろしくお願いいたしますね。皆様と同期のあなたも…。クヒッ…」
アルハ「オリジナル笑顔でどうも。ネクロマスターさん」
ヤンデレラ「ヤンデレラで構いせんわぁ」
アルハ「本名?」
ヤンデレラ「そう受け取っていただいて構いませんわぁ。そちらのお名前はなんでしょうかぁ?」
アルハ「ゴア・アルハ。アルハでいい」
ヤンデレラ「アルハさんですねぇ。かわいいお名前…」
アルハ「そっちもシンデレラみたいな名前じゃないか。好きだな、そういうの」
ベノ「仲良くなるのは構わねぇがてめぇらそれぞれ別の組だからな」
アルハ「そうそう。それなんだけどさ、私はあんたのところだろ?でヤンデレラがそこのとこでいいのかい?」
ベノ「そうなるな。この二人、まおとアデアの所にもそれぞれ新入りが入る。そのうち顔合わせするだろうが変な刺激すんなよ」
アルハ「はいはい。それじゃあ行きますか」
ヤンデレラ「クヒッ…。これでジンティアの皆さんをたくさん愛して…たくさん殺せる…!」
めいりん「…。また会いに来る。そこで見守っていて…みんな」
おとめ「…。さらば、花星館…!」
春風桜舞う季節に四つの新たな仲間が加わった。それぞれの思いや形は違えども…
エフィル「えっと…これマイクとか大丈夫か?ごほん…。エフィルだ。聞いてくれ、私にも後輩というものができるらしい。どんな奴であれ優しく私が先輩として教えてやらねばな!さてそれでは次回!†MULTIPLE AIGIS†第八話!波動の拳闘士!ゆっくり待っててね!」
お疲れ様でした。年に数回の辛い季節ですが頑張って歩いて行きます