LEGEND CARD   作:MёY

3 / 5
前回のデュエルの続き~終了まで。
TURN1~3までの様な感じで今後は流れていきます。

デュエルの描写は正直不得手なのでアドバイスいただければありがたいです


TURN3

未弥 LP6300 手札:5枚 場:幼鳥シムルグ 伏せ1

教師 LP5450 手札:1枚 場:E-HERO マリシャス・デビル 伏せ無し

 

「私のターン、ドロー。 手札より、魔法カード貪欲な壺を発動します。 墓地のモンスター5体をデッキに戻し、2枚ドローできます」

「墓地回収と手札増強か」

 

未弥の墓地に存在するモンスターはデブリ・ドラゴン、ハンター・アウル、アームド・ドラゴン Lv5と先ほど破壊されたLV10、そして罠カード「ディバイン・ウインド」の効果で墓地に送られたガーディアン・エアトスの計5枚。

つまり、自分の墓地に存在するモンスターすべてをデッキに戻してドローする事ができるということだ。

デュエルディスクの墓地から流れるように吐き出された墓地のモンスターを慣れた手付きでデッキへ戻してシャッフルすると、その後にカードを2枚ドローした。

 

「手札よりドラグニティ―ブラックスピアを召喚し、私の場の幼鳥シムルグとチューニングします」

「チューニング…まさかシンクロ召喚か!?」

 

――聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる。

 

「シンクロ召喚! 降誕せよ、エンシェント・フェアリー・ドラゴン!」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン

☆7 2100/3000 光・ドラゴン

シンクロ

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚できる。

この効果を発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。

また、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

フィールド上のフィールド魔法カードを全て破壊し、自分は1000ライフポイント回復する。

その後、デッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える事ができる。

 

未弥の場に姿を現したのは青く細長い体と妖精の羽のような大きな翼を持った神秘的なモンスター。

その名に反してあまりドラゴンのような見た目ではないものの、他のドラゴンとは違った神秘的な力を感じる。

 

「そして、シンクロ素材として墓地に送られた幼鳥シムルグの二つ目の効果発動。 墓地に送られた時『シムルグトークン』を2体守備表示で特殊召喚します」

「なるほど、無限コストや壁以外にもそういう効果があったとはな」

 

幼鳥シムルグは、墓地に送られた時に自身を手札に戻すかトークンを生成する効果を選択して矯正発動するモンスター。

今回未弥が選んだのはトークンを生成する効果だった。

その効果を発動した未弥の場には、自身の分身とも言える鳥の羽が2枚存在していた。

自身と引き換えに壁となる羽を残す。この羽こそがトークン。

 

「このターンはバトルフェイズをスキップし、カードを1枚セットしてターンエンドです」

 

未弥 LP6300 手札:5枚 場:エンシェント・フェアリー・ドラゴン(攻撃/Atk2100) シムルグトークン×2(守備/Def1000) 伏せ1枚

 

一度に3体のモンスターを展開したが、マリシャス・デビルの攻撃力には及ばない為にバトルは行わずそのまま未弥はターンを終了した。

 

「俺のターン、ドロー。 マリシャス・デビル、エンシェント・フェアリー・ドラゴンにエッジストリーム!」

 

マリシャス・デビルの自慢の爪がエンシェント・フェアリー・ドラゴンを貫くべく、一気に放たれる。

失速することなく目標に向かう爪――その標的であるエンシェント・フェアリー・ドラゴンを貫いた。

――かに思えるが。

 

「この瞬間、リバースカード、バスター・モードを発動します!」

「何っ!?」

 

バスタ・モード

通常罠

自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして発動できる。

リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる「/バスター」と名のついたモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

「エンシェント・フェアリー・ドラゴンをリリースして、デッキからエンシェント・フェアリー・ドラゴン/バスターを特殊召喚します」

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴン/バスター

☆9 2600/3500 光・ドラゴン

このカードは通常召喚できない。「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚できる。

このカードは特殊召喚に成功した時守備表示になる。

このカードは守備表示のまま攻撃を行うことができる。その場合守備力を攻撃力として扱う。

1ターンに一度、自分の手札又は墓地からこのカードの攻撃力以下の攻撃力を持ったモンスターを

特殊召喚できる。この効果を発動したターン、このカードは攻撃宣言できない。

又、1ターンに一度、相手フィールド上のカードを一枚破壊することができる。破壊した場合、自分

は1000ポイント回復する。

このカードが破壊された時、自分の墓地から「エンシェント・フェアリー・ドラゴン」を1体特殊

召喚する。

 

爪は確かにエンシェント・フェアリー・ドラゴンを貫いたはずだった。

――が、その場に存在していたのは武装したエンシェント・フェアリー・ドラゴンだった。

その体に纏った鎧は爪を弾き、傷一つ付いていない。

 

「守備3500!? なんだそのモンスターは」

「これがエンシェント・フェアリー・ドラゴンの真の姿です。 言うなれば最強の守護神と言ったところでしょうか」

 

最強の守護神――その強固な守備力はまさにそう呼ぶにふさわしい。

強固な鎧を纏って武装した姿こそ、エンシェント・フェアリー・ドラゴンの真の姿。

 

「攻撃力と守備力は互角…! ならば戦闘を巻き戻してトークンを攻撃する! エッジ・ストリーム」

 

シムルグトークン:破壊 残り1

 

本来の攻撃対象である場を離れ、マリシャス・デビルは攻撃対象を失った。

この場合、新たに攻撃対象を選び直す必要がある。これを戦闘の巻き戻しという。

 

――標的を変えた爪は、未弥の場に漂う貧弱な羽を貫き破壊した。

 

「カードを1枚セットしてターンエンドだ」

 

教師 LP5450 手札:1枚 場:E-HERO マリシャス・デビル 伏せ1

 

未弥の場のエンシェント・フェアリー・ドラゴンを破壊しにかかったが、それを起点に新たなモンスターを呼び出した。

結果的にはモンスターの数を減らすことはできたものの、守備力3500を誇るモンスターは場に残ってしまい、逆転の起点には至らずにそのターンが終わる。

 

「私のターンです、ドロー。 トランスフォーム・スフィアを召喚します」

 

トランスフォーム・スフィア

☆3 100/100 風・鳥獣

1ターンに1度、相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。

手札を1枚捨て、選択した相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに1体のみ装備する。

このカードの攻撃力は、このカードの効果で装備したモンスターの攻撃力分アップする。

このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。

エンドフェイズ時、このカードの効果で装備したモンスターを相手フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。

 

「さらに、場のトランスフォーム・スフィアとシムルグトークンに墓地の幼鳥シムルグをゲームから除外し、手札からThe アトモスフィアを特殊召喚します」

 

The アトモスフィア

☆8 1000/800 風・鳥獣

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上に存在するモンスター2体と自分の墓地のモンスター1体をゲームから除外した場合に特殊召喚する事ができる。

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに1体のみ装備する事ができる。

このカードの攻撃力・守備力はこのカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値分アップする。

 

未弥の場に腹部に球体を抱えた鳥型モンスターが現れる。

 

「3体のモンスターを除外して攻撃力1000のモンスターを特殊召喚?」

「The アトモスフィアは、1ターンに1度相手の表側表示モンスターを吸収してその攻撃力と守備力を得ることができます」

「…まさか!?」

「そのまさかです。 The アトモスフィアの効果により、マリシャス・デビルを装備します」

 

The アトモスフィア Atk1000⇒4500

 

教師のフィールドに存在していたマリシャス・デビルは、アトモスフィアの持つ球体へと取り込まれ、そのままアトモスフィアの装備カードとなった。

マリシャス・デビルを吸収したアトモスフィアの体は緑色のオーラを纏い、自身の攻撃力をあげる。

「そして、エンシェント・フェアリー・ドラゴン/バスターの効果により、そのリバースカードを破壊し、私は1000ライフ回復します」

 

 

エンシェント・フェアリー・ドラゴンから放たれた光のブレスが、相手のリバースカードを消し去り、その光は未弥に加護を与えた。

 

未弥 LP6300⇒7300

 

「これで攻撃を防ぐ物は無くなりました。 The アトモスフィアでダイレクトアタック!テンペスト・サンクションズ!」

 

教師 LP5450⇒950

 

「これで最後です。エンシェント・フェアリー・ドラゴン/バスター、サンシャイン・バスター!」

「うわあああ!?」

 

教師 LP950⇒0

 

アトモスフィアの攻撃とエンシェント・フェアリー・ドラゴンの攻撃を遮るものはない。

2体のモンスターの攻撃力を考えればライフを削り取るのには十分な攻撃だった。

攻撃によってコート内には大きく砂塵が舞い上がり、その威力の高さを伺わせる。

 

――その砂塵が晴れた時、未弥の勝ちは決まった。

 

「君の勝ちだ。本選でも頑張って」

「ありがとうございます」

 

勝利。つまり、この瞬間に未弥は本選出場権利を得たということになる。

本選への参加証を教師より受け取り、正式に本選出場が決まった。

この時、未弥は少し安堵の表情を浮かべていた。

 

「しかし、君は中々面白いデッキを使うな」

「そうですか?」

 

相手となった教師の目には未弥のデッキは面白いと写ったらしい。

未弥のデッキは風属性のドラゴン族及び鳥獣族を中心に構築されているのだが、それはアームド・ドラゴンだったりアトモスフィアだったりと纏まりがない。

さらに、これらのサポートカードに加えてデュエル中にも発動したバスター・モードなど事故の素になりかねないカードが投入されているのだ。

それ故、爆発力は高いが安定感はまるでないというロマンあるデッキ。

だが、その爆発力の高さこそが未弥のデッキの強みでもある。

 

「あぁ。レベルモンスターに/バスター、しかも最後のアトモスフィアとか少し詰め込みすぎている」

「よく言われます」

 

思わず苦笑。

対戦相手からデッキ構築について色々と突っ込まれるのはもはや日常茶飯事。

確かに詰め込みすぎているのは事実だし、未弥もそれは把握している。

どんなにごちゃ付いたデッキであっても未弥にとっては最も使いやすいデッキなのだ。

誰にどう言われようとも、自分が良いのならそれで全て解決する。

 

しばしのやりとりの後、未弥は軽く頭を下げてその場を去った。

デュエルも終わったことだし、いつまでも長居している訳にもいかない。

別行動している妃奈柚とも合流しないといけないのだから。

 

――さて、ここで未弥と別れた後の妃奈柚に視点を移してみることにしよう。

 

「この辺りから中に入れそうね」

 

未弥と別れ別行動を取る妃奈柚は、暫く敷地内を探索した後に裏口のような場所から内部への侵入を試みる。

正面から強行突破するのなら未弥について行けば良い。

だが、同じ入口から入って片方がウロウロしていたらそれもそれで怪しい。ということで裏口からの侵入を目指すというわけだ。

 

通常、裏口というのは関係者でなければ入れないことが多い。

それでも、そう言った事を生業とする妃奈柚にとってはそんなことは大した障害ではない。

 

「関係者以外立ち入り禁止…ね、ご丁寧に鍵まで掛けてるわ。ま、鍵は開ければいいだけだけど」

 

扉の前で何やらゴソゴソとポケットを弄り何かを探す。

鍵は開ければ良い、と言う泥棒のようなセリフ。

最も、何かの情報を得るために侵入を試みる訳だから泥棒にも似ているかもしれないが。

 

「さて、じゃあレッツピッキングと行きますか」

 

ポケットから取り出した器具を手に、扉の前でそう呟く。

合鍵がないならピッキングするだけ。こういう仕事をしているのだからそれくらいの技術はある。

よほど複雑な鍵でなければ器具を使ってピッキングするなど容易。

一般的な鍵の構造であれば、熟練した者を以てしておよそ十数秒で開けることも出来ると言われている。

 

鍵に器具を差し込んでカチャカチャ音を立てながらもそのロックを解除する。

手に持った一方の器具で鍵のピックを押さえながら、もう一方の器具を差して回転。

この作業を行うことで、鍵などなくても一瞬で開錠することができる。

テレビなどでは針金一本で鍵を開けているのだが、構造上それは中々に難しく、所謂テンションキーというものを押し上げて回転させなければ開錠は出来ないのだ。

 

――数秒の作業の後、その鍵はあっけなく開錠した。

 

「アカデミアの裏口だけど、校舎に繋がってる訳ではないのね。ちょっと探ってみないとね」

 

ピッキング器具をポケットにしまいながら、その扉を開けて歩を進める。

アカデミアの裏口だが、その中身は校舎とは似ても似つかない倉庫の様な場所。

恐らくはどこかにアカデミアに続く扉があるはずだが、今回の狙いはそれではない。

今回の狙いはあくまでも情報収集。

否が応にも、この倉庫のような場所ならば何かあるのではないかと勘ぐってしまう。

 

「中は結構広いのね。それでこそ探りがいがあるわ」

 

辺りをキョロキョロと見渡しながらゆっくりとその倉庫の中を歩く。

さすがは天下のデュエルアカデミアとでも言うべきか、その中は広いらしい。

広さ故かまるで人の気配がなく、本当に管理されてるのかすらも怪しくなるほど。

その静寂は、妃奈柚の足音が寂しく響き、それすらもうるさく感じる位のものだ。

 

暫く倉庫の中を歩いてもまるで人の気配がない。

人どころか物がある気配もなく、本当にここが倉庫なのかも怪しくなってくる。

 

気配の感じない倉庫を探っていた時だった。

カチっと何かを踏んだような音と感触があった。

 

「…は? 何この音」

 

おそらく床にセットされていたスイッチだろう。

下は見て歩いていなかっただけに、この隠しスイッチには妃奈柚も気付かなかった。

想定外の出来事に妃奈柚はその場に立ち尽くす。

想定外の出来事が起きた時は下手に行動を起こすべきではないのが正解だというが、この場合は果たしてどうか。

 

スイッチを踏んだ音が倉庫内に響き渡り、数分後、何者かが走ってくるような足音が聞こえてくる。

 

「なるほど。不審者見つけるためのスイッチってことね」

 

そうぼそりと呟き、その場で走る体制を整える。

足音から察するに一人や二人ではなく多人数。

妃奈柚にとっては明らかに不利な状況だが、それでもこの多人数の警備を掻い潜らないといけない。

相手はここの地形を把握している以上、ここの中で逃げ回っても捕まるだけ。

恐らくは単純な脚力でも妃奈柚に勝ち目はない。

――ならば。

 

「見つかったら立ち去るのみってね」

 

妃奈柚が走り出した方向は、先ほど自分が入ってきた入口。

倉庫内を逃げ回るのではなく倉庫から出て、あわよくばまいてしまおうという事だろう。

逃げ場所が限られる上によくわからない場所よりは外の方が巻きやすい。

妃奈柚の頭脳が瞬時にそれを判断した。

 

幸いまだ追っ手は遠い。

距離を詰められる前にこの倉庫から脱出する。

足は速くなくても距離があれば少しは時間くらいは稼げるだろう、と駆け出した。

 

「いたぞ、あっちだ!」

 

追っ手の一人が妃奈柚の存在に気づき、指を指しながら仲間にそれを知らせる。

その指指す方向に、複数の追っ手が一度に走り出し、又一部の人間はさらに応援を求めていた。

人数が増えれば増えるだけ逃げる場所が少なくなる。

あまり人数が増えるのは妃奈柚にとっては不味い。

 

妃奈柚は追っ手が追いつく前に何とか外に逃げることはできた。

が、妃奈柚とプロの追っ手では走力は圧倒的。

気づけば差を詰められて、背後だけでなく正面、左右からも追っ手が迫る。

囲まれては走って逃げることは出来ない。

――それでも妃奈柚は諦めない。

 

「前後左右、完全に包囲されたわね…。なら――」

 

周りを囲まれても走ることを止めずに正面の追って集団に突っ込んでいく。

周りの追っ手は一斉に走り、妃奈柚の確保に入ろうとした。

妃奈柚が向かって走っていった正面の追っ手軍団が、その身柄を確保しようと腕を伸ばす。

しかし、その伸ばした腕はターゲットを捉えることはできなかった。

次の瞬間にはその追っ手集団は足をつまづいたかのように崩れ落ちてしまった。

 

「足を崩せばどんなに強くても陥落するものよ。支えがなくては立てないからね」

 

何故追っ手達はいきなり崩れ落ちたのか。

それは、伸ばされた腕を交わした時にスピードを落とさずに足を狙ってスライディングをしたから。

どんなに力が強くても、体を支える足を崩されると一瞬で陥落するのだ。

それを見越して妃奈柚は思い切り突っ込み、勢いを殺さないように滑り込んだだけのこと。

脚力で勝てないなら脚力を一時的に封じてやればいい。

 

「さて、見つかっちゃったし未弥の所行こうかしら」

 

服を軽く叩いて汚れを落とすと同時に、その場から走り出す。

追っ手から逃げる為に外に出たので未弥のいるアカデミアまではそう遠くない。

妃奈柚の脚力でもアカデミアで未弥と合流出来るくらいの時間稼ぎ位にはなる。

合流したらその後はその時に考えれば良い。

 

妃奈柚は走る。

共に行動を共にしてきた友人と合流するために。

走ってる数分の時間は妃奈柚にとっては非常に長い時間だっただろう。

走り続けたその先に合流すべき友人――未弥の姿があった。

 

「未弥!」

「妃奈!? もう用事は済んだんですか?」

「それは良いから。 早くここから逃げるわよ」

 

追われるのは慣れているはずの妃奈柚だが、その口調はどこか焦っているようにも感じられる。

自分一人で行動しているのであれば追っ手位は簡単にまけるかもしれない。

しかし、今日は別行動していたとはいえ未弥と一緒。それが妃奈柚を微妙に焦らせたか。

普段決闘者として活動する未弥は妃奈柚の様に追っ手に追われた経験は無い訳だから妃奈柚が焦る気持ちもわかる。

 

――だが、その焦りが妃奈柚を狂わせた。

 

「残念だが、そう簡単に逃がすわけにはいかんのだ」

「――っ」

 

未弥の元へと急ぐあまり、周りの事が見えていなかった。

忍び込んだ倉庫から来た追っ手はなんとかまいた。それまでは良かったが、その追っ手組が未弥の待つアカデミア側に連絡を入れられるとは誤算。

否、普段通りならそこまで頭が回ったはず。

追われた経験の無い未弥の存在が妃奈柚の思考を狂わせ、未弥と合流する事しか考えていなかった。

そこを相手に上手く利用されたという事。

 

妃奈柚はアカデミアに戻るまでに追っ手を良く振りきった。

追っ手をまくまではいつも通りの判断力を見せたが、アカデミア校内で捕まってしまえばいくら妃奈柚と言えども万事休す。

気づけば周りも複数の追っ手に囲まれ逃げ道は封じられてしまっている。

こうなっては逃げられず、おとなしくその身柄を未弥と共に拘束されることになる。

 

「これからお前達をこのアカデミアにある地下牢獄へと連行する」

「妃奈、どういう事ですかこれは」

「あっちの連携が一枚上手だったわね。 ごめん未弥」

 

突然の出来事に戸惑いを隠せない未弥と、不覚を取られ不満そうな妃奈柚。

屈強な男共に連れられて地下牢獄へと連行される。

未弥にとってみれば青天の霹靂だっただろう。デュエルを終えて妃奈柚との合流を果たした先にいきなり連行ではそう言わざるをえまい。

理由も碌に説明されていないので状況把握は出来ていないようだが、おとなしく連行される。

 

地下牢獄へと連行された少女二人は脱出できるだろうか。

 

―Go to Next TURN―




―今日の最強カード―

エンシェント・フェアリー・ドラゴン/バスター
☆9 2600/3500 光・ドラゴン
このカードは通常召喚できない。「バスター・モード」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードは特殊召喚に成功した時守備表示になる。
このカードは守備表示のまま攻撃を行うことができる。その場合守備力を攻撃力として扱う。
1ターンに一度、自分の手札又は墓地からこのカードの攻撃力以下の攻撃力を持ったモンスターを
特殊召喚できる。この効果を発動したターン、このカードは攻撃宣言できない。
又、1ターンに一度、相手フィールド上のカードを一枚破壊することができる。破壊した場合、自分
は1000ポイント回復する。
このカードが破壊された時、自分の墓地から「エンシェント・フェアリー・ドラゴン」を1体特殊
召喚する。

未弥「バスター・モードの効果によって進化を遂げたエンシェント・フェアリー・ドラゴンの真の姿です」
妃奈柚「自分の攻撃力よりも低い攻撃力のモンスターを展開出来てカードも破壊しつつライフゲイン。ただ、特殊召喚効果を使うとこのカードは攻撃宣言できないけどね」
未弥「守備表示のまま守備力の数値で攻撃できるので実質攻守3500のモンスターとも取れますね。破壊されても/バスター共通の効果で戦線を維持できます」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。