二年くらいでぽっくり逝くTS少女   作:am56x

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第六話:再開

 翌朝、朝から仕事があるのだというローリーを起こすべくレイドはローリーに貸した客室を訪れていた。彼女がノックをした程度では起きないことをすっかり身に覚えさせられたレイドはノックを申し訳程度にした後に部屋へと入る。貸した当初は殺風景だった客室は、いつの間にか増えた私物で乱雑に散らかりすっかりローリーの私室同然に扱われていた。

 

「ローリー、起き給え。朝だよ」

「んむむう……もうちょっと寝かせてぇ……」

 

 ベッドで気持ちよく横になっているローリーをゆさゆさと揺らすも、やはりというべきか起きる気配がない。それどころか抱き枕の代わりとしてその身を拘束されかけたレイドは慌てて距離を取る。

 

 しばらくレイドはじっとローリーの寝顔を眺める。可愛げのある整った顔立ちがむにゃむにゃと惰眠を貪ってふにゃけ、乱れた亜麻色の髪があちこちにピンと跳ねてしまっている。そっと跳ねた髪を抑えつけるように撫でると人肌の温もりが感じられ、レイドはさっきまで一人だったことを忘れられるようでホッと顔を緩める。

 

「リイナ、優しい顔してる」

 

 そう長い時間撫でていた訳ではないが、レイドの気付かないうちに目を覚ましたらしいローリーが嬉しそうに髪を撫でるレイドの手にそっと自らの手を重ねる。

 

「そうかな」

 

 気恥ずかしさを覚え目線を逸らすレイドを見て微笑むローリーは、白い髪を露わにしているレイドの両頬に手を添えて目と目を合わせてからにんまりと笑い朝の挨拶をする。

 

「えへぇ、おはよう」

「おはよう、朝ごはんにしようじゃないか」

「んー、お腹空いたーっ!」

 

 どぎまぎと顔を赤らめて声音の調子を狂わせたレイドがくるりと背を向け出口へ歩き出すのをローリーは愛おしそうに眺め、そしてベッドから降りてその背を追った。

 

 料理の出来ないレイドと出来ないこともないがずぼらであまりしたがらないローリーの二人の朝食は自然と冷たいパンとハム、それに果物を齧る程度になる。王都にいた頃は温かい朝食が食べられたのだがと内心不満を抱いていたレイドの不満はここ十日ほどほぼ毎日共に朝を迎えているローリーのおかげで、簡単ながら温かなスープが飲めるようになり解消されていた。

 

「んー、いい味だよローリー」

「そう? ありがとう」

 

 微妙な顔つきをしてパンを咀嚼していたレイドが満足げにスープを掬って飲むさまをローリーはニコニコと見つめながら自分自身もハムと卵、それに玉ねぎで作ったごく簡単なスープを口に運ぶ。一人で食べる朝食は冷たかろうとどうでもよかったが、レイドと共にとる食事は出来るだけ美味しく取りたかった。

 

 食事を取りおえると、レイドはいつものように栗色のウィッグを被った。鏡を前に髪をいじるレイドを横目にローリーもまた寝ている間に乱れた長い亜麻色の髪に櫛を入れ整えていく。幸い、ローリーの髪質は軽く櫛を入れれば簡単に髪を整えられるので寝癖に苦労したことはなかった。

 

「白い髪、私は綺麗だと思うけどなー」

「そう言ってくれるのはありがたいが、私はあまり……ね」

「そっかー」

 

 レイドはローリーにあまり自身の事情を話していなかった。何処で嘘がばれるかも分からなかったし、手遅れな気もするがあまり深入りしては離別の時に後悔すると思っていた。

ローリーはそれに何も文句を言うことはなかった。

 

「今日は家庭教師かい」

 

 ローリーはロ・ムーの町では貴重な高等魔術学校出の準エリート魔術師だった。そのため魔術師が入用の場面では引っ張りだこのようで、町の重役の子供が夏休みの間に魔術の勉強を教えるのも仕事の一つだった。

 

「そーよー。物覚え悪くてやんなるの。私が教えるの下手なのかなー?」

 

 親御さんの金払いはいいし、理不尽なことも言ってこない。教える子も真面目ではあるんだけれどとローリーは愚痴る。悪感情の発露とローリーも自覚する発言の数々をレイドは嫌な顔一つせずに聞いてくれることがローリーは嬉しかった。

 

「ふふ、頑張ってきたまえ」

「ありがとっ。いってきまーす!」

「いってらっしゃい、ローリー」

 

 綺麗にウインクを決めてローリーはローブを羽織って仕事に出かけていった。朝から夕まで働くローリーと違い、レイドは結界の整備を数時間するだけだ。だからといって暇な訳ではなく、一人で暮らすには広過ぎる家の掃除に手を掛けていた。料理は出来なくとも、いくらかの家事は手伝わされたり留学中に覚えたりで出来ない訳ではない。ましてやこの家はレイドの私有物ではなく、クーリュリア女王からの借りものだとレイドは思っていた。最大で二年、滞在させてもらう間に汚して返す訳にはいかないと雑巾片手にあちこち拭き回っていった。

 

 体力はないので休んでは動き、休んでは動くのを繰り返す。元来真面目な気質なレイドはゆっくりとだが家の整備を着実にこなしていた。

 

 ある程度のところで家事に見切りをつけたレイドは遅まきながら結界の整備に向かう。もはやルーチンとして確立されたため、家事よりもよほど気楽に仕事をレイドはこなす。ひんやりとした空気を内包した結界塔から出ると、時刻は未だお昼を過ぎたばかりだった。初夏が過ぎ去ろうとしていた。正午過ぎの昼真っ盛りの暖かな空気が冷えた体を優しく包み、じんわりと体に熱が戻っていく感覚をレイドは心地よく目を細めて受け止めた。ロ・ムーの町は相変わらずのどかで温かく、何処かゆっくりと時が進んでいくように思われた。

 

「やあ、リイナ。結界の調子はどうかな」

「任せてください。しっかり万全の調子ですよ」

「そうかいそうかい、ならばよろしい。ところで今、帰りかな」

「ええ。一旦昼ご飯にでもしようかと」

 

 近くを通りかかった騎馬警官と軽く会話をこなす。治安維持に不可欠な結界の維持を担当するにあたって、警官とはちょくちょく世間話をするようになっていた。

 

「よかったら乗ってくかな? 君くらいなら乗せてあげられるよ」

「はは、そこまで私は病弱ではありませんよ」

「そうかい? ちゃんと寄り道せずに帰るんだよ?」

「ははは……気を付けます」

 

 どうにもレイドは町の人間からは病弱な子供のように扱われているようだった。美しくそれでいて小柄な子供にしか見えない見た目も相まって周囲の人間に庇護欲を湧き上がらせていた。特に時折見せる陰鬱な表情は、まるでこの世から消えてしまいそうで放っておけない雰囲気をしていた。

 

 燦々と天上から太陽の光が青空の下から降り注ぐ。今日はそよ風が吹いている。時折吹く風が木々を揺らして、木の葉が揺れて涼やかに音を鳴らす。ロ・ムーの町はそよ風がよく吹く町だ。海が近いからだろうか。いずれにせよ、夏が迫ろうとする道行く人々にとってはありがたい風だった。

 

 レイドは周りに構われながら菓子やらなにやら持たされて一旦家路に付く。町から少しばかり外れたレイドの住む家の周りは木々が林を形成していた。そのため、いつも町の賑やかさとは無縁だった。木漏れ日が差し込む天然のアーケードを通り抜け家に戻ると、家の前に一人の女性が立っていた。胴部をベルトで締めたワンピースに身を包む、肩甲骨にかかるまで伸ばされた金髪の女性だ。その後姿に、レイドは凄まじい既視感を覚えた。

 

 間違えるはずがない。ルチアだった。波打つ鮮やかな長い金の髪、ワンピース越しに垣間見える見慣れた体のフォルム、母の形見として常に嵌めていたのを覚えている無垢の金指輪、大学時代に誕生日だからとレイド自身が手ずから作成した魔術を効率的に行使するために贈った紅色に光を反射するイヤリング、ルチアが長旅にと買い込んでいた革張りの鞄……露わになった手の指一本の形状に至るまでレイドの記憶は覚えていた。

 

 声をかけたい。再び触れ合いたい。そういった感情が一気に噴き上がるが、いまさらどんな顔をして会えばいいのか。そう思うと勇気は萎み、上げかけた腕は降りる。

 

 レイドが迷い、ぐずぐずしているとルチアは振り返ってこちらに微笑みかけて来る。もうそれだけでレイドは涙腺が崩壊寸前になってしまった。

 

「あなたがここの家主さん?」

 

 こちらに目線を合わせようと屈んで優しく微笑むルチアに泣き顔を見せまいと無駄な抵抗をするレイドは思い切り顔を地面に俯かせる。

 

「……レイドって人を知らないですか?」

「わ、るいが……知らない名だ」

 

 声を震わせ弱弱しく平常を装うレイド。だが、レイドがルチアを隅々まで記憶に残しているのと同様にルチアもまたレイドをよく覚えていた。姿かたちを変えてもなおその人由来の習性が消え去る訳ではなく、そして例えそれすら隠しても、あるいは忘れていたとしても今のレイドを追い求めてレイドの精神の気配だけで遥々数百キロ正確にやってきたルチアに正体が露見しないはずもなかった。

 

「嘘、相変わらず下手くそですねレイド」

 

 そう言ってルチアは人差し指を伸ばし、ぺしぺしと指の横腹で俯いたレイドのウィッグを叩いて来る。その様はそう怒るでもないレイドの不手際を責めるルチアの所作に他ならず、ついにレイドは耐え切れず涙を石畳に零した。

 

「入れてくれますか? 何があったのか、私に教えてくれますか?」

「……入り、給え」

 

 家に入り、往来からの視線が遮られると途端にルチアはレイドの頭を掴んでウィッグを取り去る。偽りの栗毛は取り去られ、白いボブカットの髪が露わになった。

 

「あっ!」

「よかった、です。怪我を隠している訳ではないみたいですね」

 

 俯き顔を見られまいとしていたレイドもいきなりの挙動に驚き、顔を上げて取られたウィッグを呆然と見つめる。ボロボロと涙を零していたのだが、虚を突かれ涙も止まってしまった。

 

 動きを止め、ウルウルと紅の瞳で見上げて来る小さくなったレイドの涙をルチアは指で掬う。レイドの体液。口に含むとしょっぱかった。その行動も理解しがたいものでレイドの動きを停止させる。

 

 そしてルチアと目が合ってしまう。目と目で次々に意思が相互に伝わり、伝えられていく。レイドはルチアが自身の死を信じられずにここまで追ってきた執念を感じ取り、あまりの妄執に白旗を上げてしまった。

 

 ルチアの唐突な暴挙の連続に悲しみが薄れ、レイドはつい昔ながらの調子に戻ってしまった。レイドの口の端に笑みが薄く浮かぶ。

 

「……唐突に過ぎないかい? 本人の了承は取るべきだろう」

「取っちゃ駄目な、そういう感じはしなかったから」

 

 平然とそうのたまうルチアは昔からそうだった。レイドが本気で怒るような真似は決してするようなことがなかった。揶揄いの範疇をしっかり弁え、一線を越えないような配慮は欠かさなかった。ルチアが一瞬顔を背けながらも間に合わずに見せてしまった悪戯に成功した小悪魔の笑みをレイドは見逃すことはなかった。

 

「案内するよ。この新居も意外と居心地がよいものだよ」

「レイド以外の人の匂いがします。女の人……」

「ああ」

 

 肯定の返事を返したことをレイドは後悔した。さっきまでの優し気だったルチアの瞳に凄まじき怒気が浮かんだからだ。だが、それは一瞬のことですぐさま消える。再び微笑をたたえた可愛らしい美女の姿に戻ったルチアに、レイドは今のは勘違いだったろうかと首を傾げながらリビングへ案内した。

 

 クルクルとルチアの手で回っていたウィッグはテーブルの片隅に置かれ、興味深げにあちこちを見渡すルチアをソファに座らせる。

 

「王都から真っ直ぐ来たのかい? 遠かっただろう」

「三日かかりました」

 

 疲れていたのだろう。腰をソファに落ち着けたルチアはぐったりと背中まで体重をかけてソファに埋もれる。何か飲み物でも用意してやろうとレイドがリビングの隣にあるキッチンへ姿を消そうとすると、猛烈な勢いでルチアが立ち上がりこちらに迫ってきた。

 

「な……どうした?」

「お願いです。私の前から姿を消さないで下さい。お願い、します……」

 

 さっきまで取り乱していたのは一方的にレイドだったが、ここにきて鬼気迫る気配でレイドの肩を押さえるルチアの顔は恐怖に染まっていた。その顔はレイドには見覚えがあった。両親を失ったルチアが浮かべていた表情だった。

 

「すまない。キッチンにもテーブルはあるんだ。そっちで飲み物でも飲もうか」

「……はい」

 

 広々として、日光もたっぷりと浴びられる明るいキッチンには四人掛けのテーブルがあった。ソファのように柔らかくはない白塗りの木椅子にルチアを座らせ、レイドは冷蔵庫からオレンジを切って入れた冷たい水を取り出す。ガラス容器の中で、揺ら揺らと水に入ったオレンジが揺れる。

 

 二人でコップを傾け、少しの間沈黙が場を支配する。仄かにオレンジの甘味と酸味が口の中に広がった。

 

「荷物を持って歩いて疲れたろう」

 

 気遣う素振りを見せるレイドだが、レイド本人も結界塔からここまでの道のりでよろよろだった。ようやくありつけた水分をありがたいと一気に飲み干していく。

 

「そうですね……これ、誰に作ってもらいました?」

 

 ルチアも温かな陽気の中、旅行鞄を持って歩き回り軽く汗ばんでいた。だから飲み物はありがたく頂いたが、レイドがこのような気の利いた飲み物を用意しないことを理解していた。何より、オレンジの切断面がそれなりに料理を嗜んだ人間の者だった。さらにキッチンの高さからして右手に包丁の類を持った身長百五十センチ前後の人物が切ったものだとアタリを付けた。

 

「ゆ、友人がちょくちょく立ち寄ってね」

 

 微笑みを絶やさないルチアから何故か底知れぬ威圧感を受けたレイドの声は少し震える。おかしい、何故言い訳染みた口調になっているんだと自問しながらも冷や汗が顔を伝った。

 

「それは、後で聞きます。それより……今までの事情、聞かせてくれますか?」

「そうだな。一から、話していこうか」

 

 ぽつり、ぽつりとレイドは今までの出来事を話していく。だが、どうしても永くはない命について述べることが憚られた。一度家族を一気に失って感情を失ったルチア、明るさを失って破れかぶれになった過去のルチアが思い返される。そんな幼馴染の姿をもう一度見たくなかった。

 

「レイド。魂と肉体の交換術の副作用はどうしました?」

 

 レイドが王立魔術研究員であるように、ルチアも研究所の一研究員だった。専攻分野が異なるとはいえ、互いに魔術の極みに立つ存在であり、その概要を知らないはずがなかった。

 

「そ、れは……魔王の肉体が打ち消したようだ」

「嘘つき」

 

 咄嗟に付いた嘘はあっさりと看破されてしまう。意図して目線を合わせようとしたレイドの表情の強張りを、幼馴染のルチアが見抜けないはずがない。

 

「言って、下さい。本当はどれくらい生きられるんですか?」

「……二年。もって、二年だ」

「そうですか」

 

 二人して声を震わせて、どうにか言葉を紡ぎ続ける。テーブルの上で組んでいた手が震え、それを必死に抑えようとするレイド。目を瞑り、ぎゅっと体を強張らせるルチア。重たく暗い絶望的な空気が纏わりつく。

 

「何で、あなたが……」

 

 レイドは生きている。それだけを支えに気を張っていたルチアの緊張の糸が切れた。意識が遠くなり、ふらふらと背もたれに身を預けるルチアに慌ててレイドが駆け寄った。

 

「ルチア! 大丈夫か!」

「ね、レイド。私は嫌です。いなくならないでください」

 

 互いに震える身を抱きしめ合う。小さくなったレイドは椅子に座るルチアと顔の高さがそう変わらない。おでことおでこ、鼻と鼻が触れ合って互いに息が重なる。ルチアの瞳から零れる涙がレイドの頬に流れて落ちる。

 

「……こんな姿に、なってもかい」

 

 生まれてからずっと共にあった男の体。それを失い、レイドは諦めていた。二年足らずの寿命だとしても、それは大切な肉体が先んじてあの世に旅立ったのを追うだけだと考えていた。

 

 レイドは今の体を好んでいなかった。愛すべき王国を蹂躙し、尊い命を多数奪った魔王の肉体に愛着など抱けなかった。どれほど見た目がよくてもそれが何だというのだろう。殺人鬼が美人だとして、それが罪の贖罪になりえはしないのだ。

 

「レイドは、レイドです」

 

 だが、ルチアがそう言ってくれるのなら。幼馴染であり一生涯共にありたいと思える他でもないルチアが、今のレイドを肯定してくれるというのなら。どんなにレイドが否定してもただ一人、ルチアが肯定してくれるというのなら。思索の果てに生まれた姿かたちのあやふやなアイデアがレイドの頭でふと、形を結んだ。

 

「……一つ、手立てがある。可能性とも言えない僅かな思い付きだが」

「生き延びられる?」

 

 ルチアの縋るような目に、レイドは小さく頷きを返す。

 

「だったら、して下さい!」

「徒労に終わる可能性の方が高いよ」

「それでも、です!」

「資金もかなりかかる」

「う……だと、してもどうにかしてかき集めます!」

「ルチア。君は私を受け入れてくれるのかい? 今の、私を」

 

 ルチアは躊躇うことなく頷いた。ルチアの瞳がレイドを拒絶せず真っ直ぐにレイドを受け入れた。

 

 ルチアのおかげで、今ようやくレイドは生への執着を確固として抱いた。彼女の為なら、生き延びたいと思えた。

 

「正直、私は怖かった。体を失って別の姿になって……受け入れられるのか」

「今のレイドも素敵ですよ。とっても可愛らしいですっ! 大事なのは、中身ですよ中身っ! レイドが中にいるからその見た目も映えるのですっ!」

 

 鼻息荒く肯定の言葉をつらつらと述べ始めるルチアのおかげで、レイドの顔から不安が消える。最後に、レイドは鼻先にいるルチアへ問いかける。

 

「こんな私を肯定してくれるかい」

「私、レイドのことが大好きですよっ! 今のあなたも間違いなく素敵ですっ!」

 

 ルチアが迫り、唇を重ねる。すぐに離れてしまったが、照れて顔を真っ赤にしたルチアはようやく眩いばかりの笑顔を目の前で見せてくれた。

 

「ありがとう、ルチア」

 

 レイドもまた突然の接吻に顔に血が上るのを感じたが、それ以上に自らを受け入れてくれた喜びの方が優った。天使のような美少女の顔でふわりと浮かべたレイドの笑顔はルチアを魅了し、感極まったルチアは再びレイドと唇を重ねた。二度目は長く、そして暖かみのある愛情に満ちた口づけだった。

 

 




プロット上の最終回です。レイド君は生きることへの希望を見出し、最後の戦いを始めます。俺たちの戦いはこれからだエンドですね。綺麗な終わり方じゃないか?

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