ディスティニーコネクト   作:神軍師ユース

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本当に好きなゲームなんですが、知名度はかなり低いみたいなので、小説版を非公式ながら執筆することとなりました。

これで、シェリーたちの冒険譚を知っていただけたらな、と思います。


1999年12月31日

1999年、12月31日、クロックニー。

この日のクロックニーは町を救ったとされる魂の英雄「ソウルマン」を讃えるお祭り「ソウルマン・フェス」が開催されていた。

 

クロックニーの南東部にあるブロッサム地区のはずれにある、一軒家…。

 

そこに住むシェリー=オールデイズは、お気に入りのピンクのドライヤーで長い金髪をセットし、いつものようにポニーテールに結い上げていた。

「よし!」

シェリーは部屋から駆け出した。

 

「ママ!準備できたよ!」

「あら、かわいい。上手にセットできたわね」

「うん!誕生日にパパとママからもらったお気に入りのドライヤーを使ってるもん!」

シェリーのママ、アリア=オールデイズは娘に小包とお小遣いを手渡した。

 

「シェリー、お使いよろしくね。これはカフェ・ブロッサムのおばあちゃんへの差し入れよ。はい、お小遣い。無駄遣いしないでね。」

「ありがとう、ママ!行ってきまーす!」

 

シェリーは小包を受け取ってお小遣いを愛用するお財布に入れると元気よく、2回から階段で駆け降りた。1階の薄型テレビの電源は入っている。

このテレビはもちろん、クロックニーの電化製品やおもちゃなどは全て「ゴッド&ゴーレム社」の作った歯車で作られている。

 

物を大切にする文化のあるクロックニーでは、修理代行の工房業も栄えていた。

 

シェリーはテレビの前に立ち止まる。昔上映されていた映画がテレビで放送されている。

「まーた、この映画やってるんだ。たいして面白くはないけど、主役の男の子かっこいいのよねー。あとヒロインの女の子もかわいいし…」

その映画は崩壊した未来の世界で戦う子供の物語である。

 

シェリーはこの後、思いがけない形でその主役の少年と出逢うことになる。

そんなことを知らないシェリーはその映画を観ていた。

 

金髪碧眼のその美少年は近未来的な剣を持って、ストロボカメラのような敵2体と戦っていた。

華麗な剣さばきで、あっという間に2体を撃破した。

 

「この映画のオチって何だろう…まあ、いいや!」

シェリーは家を出て、お祭りに向かっていった。

 

カフェ・ブロッサムの近くまで来ると、青いセーターを着て眼鏡をかけたオレンジ色の髪の少年が立っていた。

この少年は、ペグレオ=バクファーレン。工房「バクファーレン・コレクタブルズ」の主人ダンプティ=バクファーレンの次男で、幼馴染みのシェリーによく振り回されている。

「あ、シェリー!」

「あら、ペグレオじゃない」

「女の子が一人でお祭りなんて、ちょっと危ないだろ?だから、迎えに来たんだ」

「そうねぇ…」

シェリーは考え込む。そして、こう言った。

 

「一人でお祭りもちょっと退屈そうだし…そうだ、ペグレオ!一緒に行こう!」

シェリーはペグレオを連れて、母方の祖母が店主の喫茶店「カフェ・ブロッサム」に向かた。

 

「いらっしゃい、よく来たね」

「おばあちゃん!これママから差し入れよ」

「ありがとう、シェリー。おばあちゃん、バリバリ働けそうだよ!年末年始は稼ぎ時だからね!」

シェリーの祖母、リンダ=ブロッサム。彼女もシェリーと仲が良い。

リンダも懐かしいブラウン管で同じ映画を観ていた。

 

「おばあちゃんもこの映画観てるの?」

「そうだよ。たいして面白くないけど、主役の男の子とヒロインの女の子だけかわいいからねぇ」

その時、テレビに砂嵐が生じた。

「また?おばあちゃんのテレビ、調子悪くない?」

「まだまだ使えるよ」

「買い替えたりしないの?」

「バカ言っちゃいけないよ。物は大事に使わなきゃ。バチが当たるよ。」

シェリーはそんなたわいもない話を祖母とした。

「爆発現場には危ないから行っちゃだめだよ」

 

シェリーはそれを聞いて、待っていてくれたペグレオのもとに行った。

「ペグレオ!行くわよ!」

「行くって、どこにさ?」

「5ヶ月前に爆発した跡地によ!」

「えっ!?言っちゃダメだって、シェリーのおばあちゃんに言われてたじゃないか!危ないことに巻き込まれちゃったら、どうするんだよ!」

シェリーはペグレオと、街の外れの爆発跡地に向かっていった。

 

「うーん…ここからじゃよく見えないわね…」

シェリーはバリケードの中に入る。

「ダメだって!」

ペグレオは驚いて止めたが、無駄だった。

「シェリー、後ろ!」

「え?」

驚いて振り返ると、テレビ型の怪物がいた。

シェリーは逃げようとする。でも足が動かない。

もう駄目だと目をつぶった瞬間、金属音が響いた。

シェリーは恐る恐る目を開けると、少年が背を向けて立っていた。

手には剣を持っている。容姿も服装にしろ、映画に登場した少年に瓜二つだ。

 

「はぁあっ!」

金髪碧眼の少年はあっさりと、テレビ型の怪物を倒した。

「あの…助けてくれてありがとう」

「…バカじゃないのか?」

少年の言葉にシェリーの目が点になった。

「何よ!」

「シェ、シェリー!その言い方はないだろ!」

ペグレオにそう言われたが、シェリーは助けてくれた金髪碧眼の少年をにらみ続けている。

 

「子供は早く家に帰れ。忠告してやる。一歩も家から出るんじゃないぞ、今夜だけは…な。」

少年はそう言い残すと、去っていった。

その後、シェリーはボロボロの銃を拾って、お土産として服のポケットにしまった。

 

「シェリー、遅いから心配したのよ」

「あ、そうだった…」

「あ、シェリーのお母さん、こんばんは!今日もきれいですね」

「あら、シェリーを送ってきてくれたの?」

「はい!女の子が一人で暗い夜道を歩くのは危ないから、男が守ってあげないと」

「うふふ、ペグレオくんはジェントルマンね」

そんなたわいもない話を少しして、ペグレオは帰った。

 

 

……

 

「パパ、遅いね…」

「…そうね」

ママの作ってくれたごちそうもすっかり冷めてしまった。

ママはそんなさみしそうなシェリーを元気づけるために少しでも、明るい声で言った。

「花火、見に行こっか。せっかく新しい年を迎えるのに、しょんぼりしてたらもったいないわ」

シェリーは少し考えてから、うなずいた。

「うん!」

確かに、ママの言う通りだ。せっかく2000年を迎えるのに、しょんぼりしてたらもったいない。

 

シェリーとママは、クロックニーの中央広場へと出かけて行った。




いかがでしたか?
「ディスティニーコネクト」の小説版第1章です。
かなり読み応えのある内容なので、お楽しみいただけたらな、と思います。
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