クロックニー創立日記、アダムスキー=オールデイズが書いた日記をシェリーは読んだ。
アダムスキーを始祖に持つオールデイズの血族に、女神の暴走を止めてほしかったのだ。
戦いを挑んだシェリー達だが、ディスデス・ギアの猛攻により倒れてしまう。
シェリーは彼女の攻撃を、己の身を投げ出して守る。
アイザック、ペグレオ達が見たものは…。
…
……
「…」
アイザック、ペグレオ、トゥルース、アリア、オルタナ、ウェンディは真っ白い光の中で目覚めた。
「ここは…?」
アイザックは辺りを見渡す。辺りにはペグレオ、トゥルース、アリア、オルタナ、ウェンディの5人以外、何も見えない。
アイザック、ペグレオ、トゥルース、アリア、オルタナ、ウェンディの先程までの傷も回復されていた。
後は……。
「シェリー…大丈夫かい?」
ペグレオはシェリーの上体を起こさせる。しかし、シェリーは動かない。傷だらけでポニーテールが解け、長い金髪が腰のあたりまで届いている。
「シェリー!しっかりしてよ!」
シェリーは目を閉じたままで、息をしていない。
「私は…君を守れなかった……」
アイザックが後悔の言葉を口にする。トゥルースは怒りだした。
「アイザック!シェリーを守れなかったのか!?」
「…すまない」
ウェンディは泣きだした。
こんな状況でもウェンディを少しでも安心させようと、アリアは泣くウェンディを抱きしめる。
「シェリーが死んじゃったら…ウェンディたち……どうなっちゃうの?」
「…」
「ねぇ…どうなっちゃうの?」
「わかんない…!わたしにも、わかんないよ……!」
ウェンディを落ち着かせようと抱きしめたアリアだが、自分ももらい泣きしてしまう。
結局は、アリアも泣いてしまった。
「間に合わなかっただと…ふざけんじゃねぇよ!」
トゥルースはアイザックに怒鳴る。トゥルースの目にも涙がこぼれていた。
どうも、普通の精神状態じゃない。横でアリアとウェンディが抱き合って泣いているのだ。それを見ようともしない。
「…黙れ。お前、真っ先に倒れてただろう」
「何だとテメェ!もういっぺん言ってみろ!」
オルタナに、トゥルースは掴みかかる。
「ああ何度でも言うさ!お前だって何もできなかったのに、アイザックばっかり責めるなと言ってるんだ!」
「この野郎…!」
トゥルースがオルタナに殴りかかろうとした。その時だ。
「うるさあああああああああいっ!!」
ペグレオが怒鳴った。その時に、トゥルースの手は止まり、アリアとウェンディは驚いて泣き止んだ。
「いままで一緒にがんばってきた仲間じゃないかよ…これからのことを悲観して泣いたり、責任の押し付け合いをしてケンカしたりするのはやめてくれよ…」
その時、声がした。クロックニー・クロックだ。
クロックニー・クロックのセリフを要約しよう。
追い詰められたシェリーは、自分の魂を燃やして仲間を回復させた。
彼女は自分が持てる以上の実力を発揮したのだ。
この真っ白な空間は決して作画ミス…というわけではなく、シェリーが作り出した絶対安全空間である。
シェリーを復活させるには、「英魂の儀」を行う必要がある。しかし、英魂の儀は必ず成功するとは限らない。
しかし、時間停止によって守られた猶予の時間もあとわずかだ。
英魂の儀をするには、
「シェリー…今度はぼくたちが助ける番だよ」
その時だ。
オルタナとウェンディ兄妹の体が光り始めた。
「お前ら…どうしたんだ!?体がチカチカしてるぞ!」
トゥルースは驚いた表情で言う。
シェリーがもしここで死んでしまったら、この兄妹は生まれなかったことになってしまう。
オルタナは言った。
「今、運命が揺らいでいる…どうなるかはわからない……オレ達兄妹が消えたなら、シェリーの死は確定したことになるだろう」
デパートの外に出たペグレオたちは早速出発していった。
「少女は私が抱きかかえて行く。街を巡り、少女の魂を集めよう」
ペグレオは魂に触れた。
「決まってるじゃない…!この街を守れるのは、あたし達しかいないのよ…!」
シェリーはドライヤー銃の銃口を、女神「ディスデス・ギア」に向けた。
「みんな…頼んだよ……!」
ペグレオ達はそれで、シェリーが何をしようとしているのか察した。自分の命と引き換えに、街を守ろうとしているのだ。
「え…待って……」
「よせ…やめろ……!」
ウェンディとオルタナは、シェリーを止めようとした。しかし、体が思うように動かない。
アリアは力の限り叫ぶ。
「アイザックーーーー!シェリーちゃんを止めてーーーーーーっ!」
「う…うおおおおおおおお!」
アイザックはシェリーの前に立ちはだかろうとしたとき、爆発した。
「あの時シェリーが助けてくれなかったら…ぼく達はどうなっていたんだろう…待っててね。助けるから」
トゥルースは魂に触れた。
シェリー、アイザック、ペグレオは、トゥルース、ダンプティと警備を突破して、クロックニーの何でも売っている老舗デパート「セイブ・ザ・クイーン」に侵入した。
トゥルースはこう言った。
「お前らの合流を待って、オレらが先に行く。慎重に行くぞ!」
「クソっ、あの時はこんなことになるとは思ってもいなかったぜ…戻って来いよ!この街を…クロックニーを救うんだろう!」
オルタナは魂に触れた。
「シェリー、後ろ!」
「え?」
驚いて振り返ると、テレビ型の怪物がいた。
シェリーは逃げようとする。でも足が動かない。
もう駄目だと目をつぶった瞬間、金属音が響いた。
シェリーは恐る恐る目を開けると、少年が背を向けて立っていた。
「オレは帰れないつもりで来たんだ…街を救えるならオレは消えたってかまわない…!でも、ウェンディやアンタが消えてどうするんだ!」
アリアとウェンディは魂に触れた。
「あの、これ…お腹、空いてるんでしょ?」
「これをわたし達に?」
「カフェ・ブロッサムのチェリーパイよ。おいしいと思うわ」
シェリーがこう言ったのと同時に、母親はバスケットの中身を開ける。
「お母さん、これ食べていい?」
「もちろん、おいしいわよ」
母親はウェンディにもバスケットの中身のチェリーパイを手渡すと、母娘はチェリーパイを食べ始めた。母親の方は、感動で涙が溢れていた。
「あなたは優しかった…でも、ここで死んでしまったらどうなるのよ!?」
「あのチェリーパイおいしかった…だから、ウェンディ、あなたには消えてほしくない!」
アイザックは魂に触れた。
黄色い大型の歯車式機械があったのだ。
その機械の心臓部が光りだし、起動されたかと思うと、突然しゃべり始めたのだ。
「私の名はアイザック。さぁ、握手だ、少女よ。」
「え…?」
シェリーは驚いて後ずさる。
「私は君のパパの大親友だ。」
こうしてシェリーは、アイザックと名乗る奇妙なメカと行動することになった。
「私は君を守るために、生まれてきたんだ。そう、君を守る」
教会地区へと向かっていった。英魂の儀を行うために。
「シェリー…君がいないと楽しくないんだよ…」
ペグレオがぽつりとつぶやく。泣くウェンディを兄のオルタナが優しく抱きかかえている。
ペグレオはその後も話し続ける。
シェリーの周りに白い光が集まった。傷も治っていっている。
シェリーは復活したのだ。
見るとそこには、仲間たちの姿があった。ペグレオ、トゥルース、アリア、オルタナとウェンディ兄妹、そしてアイザック。
驚いた表情で、シェリーを見る。途端に、喜びがあふれる。
「シェリー…」
「ペグレオ…なに、ボロ雑巾みたいな顔してるの…?」
シェリーは笑顔で言った。
「うわああああん!シェリー!」
ペグレオはシェリーに抱き着いた。
ウェンディも嬉しそうにシェリーに駆け寄っている。
「テメェのスカした顔もよく見えるぜ」
トゥルースはオルタナに言う。オルタナはそっぽを向いた。
だが…笑顔ではある。
「よっしゃあ!あの歯車をボコボコにしてやろうぜ!」
「うん…やるしかないね!」
シェリー、ペグレオ、ウェンディの3人を見ているトゥルースとアリアに、オルタナは忠告する。
「…慌てるな。最初の失態を忘れたわけじゃないだろうな。しっかり準備をしてから行くんだぞ」
「わかったよ!」
「…そうするね」
アイザックは、シェリーに近づいて言う。
「私は君を危険な目に合わせないと言っていた…私は君に守られ、君を失い、今までにない気持ちを味わった。この気持ちは忘れない。もう一度だけ、君を守らせてくれ」
「いいわ。頼りにしているわよ」
「髪…ほどけちゃったね」
ペグレオはシェリーの金髪を見て言う。
「でも、時間がないぞ」
オルタナは言う。確かに、与えられた時間は残りわずかだ。アリアは言った。
「だから急いでるの…シェリーちゃんの家に戻っていい?シェリーちゃんの髪を直したいと思ってるの」
「…!」
トゥルースは驚いた。アリアがそんなところに気が付くなんて。
シェリーの部屋。机の前の椅子に座ったシェリーは、アリアに髪をとかしてもらっていた。
「人の髪の毛を束ねるなんて…やったことないけど」
シェリーは誕生日にお気に入りのドライヤーをもらってからは、自分で髪をポニーテールにしていた。
「アリアの手つき…優しいね。なんか、小さい頃にママにしてもらってたのを思い出すわ」
「いつもこの位置で束ねているの?」
「うん」
「動かないでね」
アリアはブラシを置くと、持っていたヘアバンドでシェリーの髪をポニーテールにする。アリアはあの絶対安全空間にてシェリーが髪を束ねていたヘアバンドを回収していたのだ。
アイザック、ペグレオ、トゥルース、オルタナ、ウェンディがシェリーの部屋の前で待っていた。
「みんな、お待たせ!」
シェリーが部屋の扉を開けた。後ろにはアリアがいる。
「早くいかなきゃ…この街を守るためにね」
アリアが言うと、アイザックが言った。
「君は少女の髪を束ねるのが上手だな」
「アリアがいなかったら…シェリーの髪を直せなかったぜ!」
ほめるトゥルースに、アリアは顔を赤らめる。
「シェリーのその髪型…好きだよ」
ペグレオが言った。シェリーはうなずく。
「みんな、行くわよ!」
とうとうクライマックスに突入しました!
トゥルース「えらい、ケンカのシーンはしょられてるな…」
オルタナ「アリアとウェンディが抱き合って泣くシーンを入れたかったんだろう…」
アリア「最初はわたしとウェンディちゃんの魂に触れるシーンは、それぞれ別にあったんだよ」
ウェンディ「どうして二人で一緒になったの?」
トゥルース「作者が小説の本文から探したけど、アリアがシェリーに密接にかかわってる部分がなかったからだと思うぜ?」
オルタナ「まぁ…実際のゲームでは、アリアとウェンディは一緒に行動していないもんな…」
ペグレオ「ぼく、あそこでシェリーに色々良いこと言ったのに、全部省略されてる…」
トゥルース「アリアがシェリーの髪を直したんだって!?すげぇな!」
アリア「えへへ…」
※オルタナは本小説では2人兄妹の「兄」として表現されますが、実際のゲームでは一人っ子です。