ディスデス・ギアとの最終決戦に挑んだシェリー達。
アイザックで破滅を防いだのだ。
そして、アイザックは…壊れてしまった。
2000年4月…。
春休みも残りわずか。シェリーとペグレオはもうすぐ4年生になるのだ。
今日はトゥルースとアリアが過去に、オルタナとウェンディが未来に帰る日だ。
チートシタイン博士の家の前にはトゥルース、アリア、オルタナ、ウェンディ、チートシタイン博士がいた。
「ようやくできたぞ!オルタナのヤツを参考に開発した、未来に戻る片道2人用小型タイムマシンだ!」
「博士、ありがとう!」
ウェンディがお礼を言うと、セットになっている小型タイムマシンを兄に渡した。
「ウェンディ、父さんに会えるんだぞ」
「うん…」
ウェンディも嬉しそうだが、内心複雑だった。別れの時が近づいているからだ。
「そして、こっちが過去に戻る片道2人用小型タイムマシンだ!」
「ありがとよ、チートのおっさん!」
「ありがとうございます!チートおじさま!」
「二人とも、やめろ、その呼び方!博士と呼ばんか!」
礼を言うトゥルースとアリアにチートシタイン博士が注意するが、アリアはあることに気づく。
「…2人用って、カップルみたいだね」
「はぁ!?いきなり何言ってんだよ!」
「何か…ドキドキするね」
盛り上がるトゥルースとアリアにオルタナは言う。
「お前らなぁ…博士はこの3ヶ月間ほぼ休まずに、オレ達のために作ってくれたんだぞ」
「はいはい…せーの」
トゥルースとアリアは声をそろえて言う。
「「博士、ありがとうございまーす!」」
「うむ!わかればいい!」
ソウルマンに扮したシェリーのパパが、シェリーのママとともに現れる。
「トゥルース!アリア!待たせたね!」
「うおお!ソウルマン先生!マジかっけー!」
「君も大人になったらできるよ!」
「マジっすか!?超楽しみー!」
トゥルースは目を輝かせてソウルマンの方を見ている。シェリーのママは、アリアに言った。
「あらあら、あなたとトゥルースくんお似合いね」
「え…そうですか?」
「あなたならきっと、いい奥さんになれるわよ」
「ありがとうございます!」
アリアも、シェリーのママとの会話が弾んでいる。それを見て、チートシタイン博士は言う。
「…おい、もしかしてヤツらはまだ自分たちが、ソウルマンとその妻が未来の自分たちだと気づいていないのか?」
「アハハ…そうみたい」
ウェンディが苦笑しながら言う。
「では、シェリーが未来の自分たちの娘だということも全然気づいていないということか?」
チートシタイン博士の質問に、オルタナが補足する。
「ええ。夢中になると周りが見えなくなるタイプらしいんで。特にアイツは」
「なるほどなぁ…確かにアイツはそういうところがあるな……」
「まぁ、いいんじゃないですかね…アイツらが余計なことを知って、歴史に変な影響があるよりは」
「そうだな。平和なバカ2人で良かった」
「やばっ!もうみんな集まってる!ペグレオ!あんたのせいなんだからねー!」
シェリーとペグレオは駆け上がる。
「アイザックを直そうとしてたら、時間がたつのも忘れて…直すというよりは、新しく作るって言うのかな…そうしたら、シェリーも喜ぶかなって」
その言葉に、シェリーは照れる。
「あんた…それ、狙って言ってるわけ?べ、別にアンタのこと、かっこいいって思ってないからね!」
ペグレオは、チートシタイン博士に向き直る。
「え…博士、小型タイムマシンができたって本当ですか?」
「ああ!さっきできたばかりだ」
「え…?じゃあ、4人とも帰っちゃうの?」
ウェンディはうなずく。
「うん…」
シェリーはオルタナに言う。
「最初に会ったとき、アンタのこと嫌な奴だったことは忘れないからね!」
笑顔で言うシェリーに、ペグレオが慌てて言う。
「シェ、シェリー!別れの時に言わなくてもいいじゃないか!」
「うるっさいわね!本当のことだもん!」
「いくら本当のことだからって、言って良いときと、悪い時があるよ!…シェリーはすぐ怒るけど、怒らない方が可愛いよ!」
「…あんた、何言ってんの?」
トゥルースとアリアがシェリー達に近づく。そして、トゥルースがひやかす。
「おいおいおいおい!今、こっちの方で面白いことを聞いたぞ!テメェら、付き合ってんのか!」
シェリーは赤面する。
「つ、つつつ付き合ってないわよ!なんでこんなヤツと!?」
「シェリーは本当は優しいんだから~!」
ペグレオが言ったときに、アリアはトゥルースに抱き着く。
「じゃあ、わたしたちも付き合ってるってことでいい?」
「おわっ!?」
トゥルースは赤面してアリアを見る。
「おい、ダンプティに茶化されるぞ!それでもいいのか!?」
「うん…トゥルースくんのこと、好きだから」
「アリア…」
「あんた達、いつの間にそんなに仲良くなってたの!?」
シェリーは驚いて、トゥルースとアリアを見る。その時だった。
「フッ…アハハハハハ」
「えっ…?」
シェリー、ペグレオ、トゥルース、アリアはオルタナを見る。
「お兄ちゃん…どうしたの?」
ウェンディは笑う兄に問う。ペグレオは喜んだ。
「オルタナが笑ってくれた…すっごい嬉しいよ!…オルタナはウェンディの前でしか笑わなかったし、ぼくやシェリーには冷たかったから、嫌われてるのかなーって…」
「全然嫌いじゃないよ」
オルタナは言う。
「むしろ…好きだからどうしていいかわからなくて、素っ気なくなってしまったんだ」
ペグレオは聞く。
「じゃあ、ウェンディも好きなん…だよね?」
「当り前だ。ウェンディはオレの家族だからな」
ウェンディは涙ぐんでいる。
「ウェンディ、帰るぞ」
「…」
「困らせないでくれ。父さんにも会えるんだぞ」
「うん…」
ウェンディはまだ8歳だ。この6人の中では一番幼い。
「ウェンディちゃん…」
アリアはウェンディを抱きしめた。
「うん…ありがとう」
ウェンディはアリアと抱き合った後、オルタナに近づく。
「2人とも、元気でな。体に気を付けて」
「オルタナとウェンディもね」
ペグレオは言った。
「「ありがとう」」
礼を言う2人に、シェリーも言う。
「未来の…お姉さんにもよろしく」
「みんな…じゃーなっ!」
「バイバーイ!」
オルタナとウェンディは、2030年に帰っていった。
「さてと…次は、オレたちの番だな」
トゥルースとアリアはシェリーとペグレオに向き直る。
「みんなと過ごしたこの3ヶ月…とっても楽しかったよ!」
「ソウルマン先生!30年前に戻ったら、アンタみたいになれるように頑張りますから!」
「わたしも、トゥルースくんをサポートしたいと思います」
ソウルマン…シェリーのパパは言う。
「言い心がけだ!その魂を胸にがんばってくれ!」
シェリーのママはそれを見て、微笑んでいる。
「「はい!」」
トゥルースとアリアは言う。
「シェリーにペグレオ、楽しかったぜ!またな!」
「いつまでも…仲良くね。わたしたちもがんばるから。またね」
トゥルースとアリアは、1970年に帰っていった。
「これで…みんな、離れ離れになっちゃったね」
ペグレオがぽつりと言う。
シェリーのパパとママは言う。
「そんなことはないさ」
「わたし達は離れ離れになっちゃったけど…ずっとつながっているようなものでしょ?」
「うん、そうかもね」
シェリーはパパに向き直る。
「ねぇ、パパ。」
「何だい?」
パパとママはシェリーの方を向く。
「わたしたちが戦った女神のこと。女神は人々に裏切られた気持ちになったから、街を壊そうとしたんだよね」
「そうだね…そうかもしれないね。女神は人間の女性らしい…一途な一面もあったようだね…だけど、街のみんなでもっと女神を愛してあげたらよかったね」
ペグレオが帰ろうとする。
「ちょっとペグレオ!今の話、聞いた!?」
シェリーが怒鳴った。
「シェリーはお父さんやお母さんと一緒に帰るんだよね?」
ペグレオが聞くと、シェリーは右手を出す。
「…ん」
「え?」
「……ん!」
「どういうことさ?」
「手ェつないでって言ってんの!あんた、本っ当に鈍感ね!」
「えー!?」
「送ってくれるって言ったんだから…家までちゃんとエスコートしてよね!」
シェリーとペグレオは手をつないで帰っていった。
その後ろ姿をパパとママ、チートシタイン博士はいつまでも見送っていた。
★
2030年、クロックニー。
オルタナとウェンディは、2人用の片道小型タイムマシンで戻ってきた。
「ここって…?」
ウェンディが辺りを見渡す。
「ここって…クロックニーだ。でも、どうして…」
オルタナ自身、驚いていた。2000年のクロックニーと何ら変化もない。
クロックニーは滅びたはずだった。しかし、歴史が変わったのだ。
オルタナはセイブ・ザ・クイーンの方向に歩き出した。後ろにはウェンディもいる。
大通りには、たくさんの人が歩き、話をしていた。追いかけっこをする子供たちの姿もあった。
セイブ・ザ・クイーンを兄妹は見ていた。
「…オルタナ、ウェンディ」
聞き覚えのある女性の声がした。
オルタナとウェンディが振り返ると、そこには自分たちの母親が立っていた。
金髪をシニヨン状にまとめ、緑のニットを着ている。しかし、眼鏡はかけていない。
「母さん!」
「お母さん!」
母親は子供たちが駆け寄ると、子供たちを抱きしめた。
次にウェンディが、その次にオルタナが母親を抱きしめる。
母子3人で抱き合っている様子を、一人の眼鏡をかけた男性は見ていた。
彼は微笑みを浮かべ、妻と子供たちの方に向かって歩いて行った。
~完~
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
これの基になったゲームはBGMも素晴らしいですし、キャラクターも魅力的です。
買えなくても、ぜひ動画で見てください!
過去組の二人が平和なバカで良かったです。…特にトゥルース
この後は、製作秘話なども書いていきたいと思っています。
どのように脚色したのかも、書いていきたいと思っています。