2030年のクロックニーにて、ジャンク・ベニーを倒したシェリー達。
そこで、オルタナとその母親から聞かされた真実。
なんと、オルタナとウェンディは兄妹だったのだ。
クロックニーの破滅の生き残りが強いられた過酷な生活。
そんな未来を変えたかったのだ。
ウェンディも仲間になって、2000年1月1日に戻っていったのだ。
★この話は、幕間です。キャラクターのバックグラウンドを知りたい方のみお読みください。
2000年1月1日、シェリーの家…。
「お兄ちゃん、ウェンディね、チェリーパイを初めて食べたの!すっごいおいしかったよ!」
妹がはしゃぎながら言う。オルタナはあの会話の後、空のバスケットを回収していた。
「…」
オルタナのお腹の虫が鳴る。オルタナは、1999年12月31日のクロックニーに来て以来、一度も何も口にしていない。それでも、ウェンディを心配させないように、わざと明るい声で聞く。
「どれだけ食べたんだ?」
「チェリーパイ2個あったんだけど…お母さんは2,3切れだけ食べて、後は全部、ウェンディが食べちゃったの!」
「そうか。それはよかったな」
笑うオルタナ。自分が空腹であることを隠しているように。
実は、オルタナはバスケットのチェリーパイを食べ損ねていたのだ。母と妹がおいしくいただいたので、良かったが。
「オルタナ…お腹空いてるはずなのに、無理してる…そうだ!」
シェリーはママにお腹を空かせている少年の話をしていた。
ママはあっさり快諾し、オルタナにごちそうを食べさせてあげることにした。
「温めなおしただけなんだけど…」
「いただきます!」
オルタナはガツガツと食べ始めた。それだけお腹が空いていたのだろう。
ウェンディは横にいるアリアに話し始めた。
「お兄ちゃんもいつもお腹を空かせていたの。でも、お兄ちゃんはね…おいしい部分を全部ウェンディに食べさせてくれたの」
オルタナが2030年にいた頃…。
「この食べ物は全部あなたたち兄妹が食べなさい」
「母さん…いいのか?」
「ウェンディたち、食べちゃうよ?」
「ええ、遠慮しなくていいのよ。あなたたちは育ちざかりなんだから」
小さく「いただきます」と言う。でも、母親の耳には聞こえていた。
オルタナは食べ物のおいしい部分を、妹の皿の上にのせる。
「お兄ちゃん、これ、食べていいの?」
「ああ。オレは我慢できる」
母親が子供たちに、兄が妹に、食べ物を譲る食卓が当たり前だったウェンディは驚いて目を見開いていた。
もし、ここで泣けば、兄を心配させる。それでも、嬉しさで涙が込み上げていた。
「オルタナ、まだ食べるの!?」
「お腹空かせてたもんね…」
「食欲半端ねぇよ!」
シェリーとペグレオとトゥルースは驚く。
「よほどの空腹だったそうだな。腹が減っては戦はできぬ、とも言う」
アイザックも補足する。
少し離れたところで、アリアはウェンディと共にそれを見つめていた。
アリアは、物心の付く前に父親を亡くし、カフェ・ブロッサムを経営する母リンダによって女手一つで育てられた。
また、一人っ子でもあったアリアは、妹に憧れていた。そのため、父親との思い出がほとんどないウェンディとはすぐに意気投合した。
「ごちそうさま!」
オルタナは立ち上がる。
「おいしかった?」
シェリーのママはニコニコ顔で尋ねる。オルタナは心からの感想を言う。
「ああ、こんなうまいものを食べたのは初めてだ」
「よかったわ」
喜ぶシェリーのママに、アリアが元気よく言う。
「あ、わたしも手伝います!」
「ありがとう」
洗い物を済ませた。シェリーのママは助かったわ、と言っていた。
そして、シェリー、アイザック、ペグレオ、トゥルース、アリア、オルタナ、ウェンディはシェリーの家から出た。
原作にはないシーンを盛り込みました。
オルタナ&ウェンディ兄妹と、アリアに関してです。
なんか泣けてくる話ですね…。