東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP9 ハイキュー3期 ヒカリアレ


太陽神

 ニューヨーク時間午前11時15分。

アヌビスは肘掛けを指でコツコツと叩いて苛立ちを見せていた。

 

「何をグズグズやっておる。余に恥をかかせる気かあいつらは!」

 

他のメンバーはアヌビスの機嫌が悪いことにビクビクと怯えている。

 

「ヤハラめ。貴様が負けるようなことがあれば余は…」

 

 

 

 

 

 ヤハラはアヌビスの言葉をを感じ取ったかのようにハッとする。

 

「…申し訳ございませんアヌビス様。このヤハラ、己の全てを懸けて闘います!」

 

ヤハラはそう宣言すると霊力を高めて両手を両手を祈るように合わせる。

彼の足元の砂が下から突風でも吹いたかのように舞い上がる。

 

「モードチェンジ!」

 

ヤハラの周囲に火の玉が現れ、彼の体に吸い寄せられて包み込まれていく。

それはまるで小さな太陽。

その小さな太陽が浮遊してパキッと音を立てて弾けた。

現れたのは額に太陽の髪飾り、胸に太陽のタトゥー、背中に日輪とオレンジ色の翼を生やしたヤハラ・イドだった。

 

「太陽神アポロ!」

 

彼の目は太陽のような色に変わっている。

さらに、彼の周囲には30個の火の玉が浮遊している。

彼が軽く手をかざすとそれらは先程の倍の速度で映姫に放たれた。

 

「っ!」

 

映姫は『四季流剣術 壱の段 一騎当千』で全て斬り落とそうとする。

だが、量と速度が段違いになっている為、いくつか斬り落とせず砂地に着弾してしまう。

直撃はしなかったがその衝撃は体に伝わってくる。

さらに、直撃コースの火の玉が向かって来ている。

轟音と共に映姫の立っている場所が業火に包まれる。

 

 

 

 

 

 ニューヨーク時間午前11時20分 日本代表控室。

映姫のピンチに黒刀は慌てていなかった。

誰にも気づかれない程度に笑っていた。

 

 

 

 

 

 

「モードチェンジ!ロイヤルナイト!」

 

映姫がそう詠唱すると、渦巻く業火の中から純白の剣、純白の鎧、純白の籠手、純白のブーツを装備して現れた。

 

 

 

 

 

 

「まるで僕達と同じ英国騎士のようだね」

 

映姫の姿を見たレオが感心したように呟いた。

 

「そうですね。お兄様」

 

マリーも相槌を打った。

 

 

 

 

 

 映姫はRPGの勇者のような純白の剣を両手で握って構える。

 

「ふん!」

 

ヤハラが周囲の火の玉を映姫に向けて放つ。

 

「ふっ!」

 

映姫が右足を踏み込む。

 

「(気力…右足に70%…両腕に10%!)」

 

映姫は気力を部位別に割り振った。

踏み込んだ右足で砂地を蹴って跳び上がる。

 

映姫が黒刀に天才と評価されるのはオーラの細かいコントロールが絶妙に上手いことが主な理由である。

 

映姫は飛んでくる火の玉を斬り落としながら空中で浮遊しているヤハラに迫る。

 

「(空中では逃げ場はない。…いや…彼女も『ハイジャンプ』を使えるとしたら…)」

 

ヤハラは映姫の次の動きを予測して、直線的だけでなくカーブをつけたり時間差で空中で一時停止するするように火の玉を放って映姫を包囲した。

映姫は『ハイジャンプ』をせず、背中から影の翼を展開して上昇飛行し包囲射撃を躱す。

さらに、旋回して上から滑空する。

 

「墜ちろ」

 

ヤハラは上から迫る映姫に向かって右手をかざす。

 

「プロミネンスバスター!」

 

右手から熱線を撃ち放つ。

映姫は冷静に横に躱す。

だが、そこでもう1本の熱線が放たれてきた。

 

「右手1本で撃てるなら左手で撃てない道理はない」

 

「(これは躱せない!)」

 

映姫は回避出来ないと瞬時に判断して純白の剣を水平に構えて防御態勢を取った。

熱線が剣の腹に直撃して強い衝撃が全身に伝わってくる。

 

「くっ!」

 

「油断はしない。確実に落とす」

 

ヤハラは周囲の火の玉を操作して映姫の背後を狙い撃つ。

熱線の防御に集中している映姫は迎撃どころか回避することも出来ない。

 

「(ならば影で…いえ無理…地上から離れすぎている。剣と翼を出すだけならともかくこの高度では影の精度が落ちる。だったら…両足に65%…上半身に15%!)」

 

映姫は気力のコントロールと同時に重心を下にずらして体をのけ反らせて熱線を受け流し背後の火の玉にぶつけた。

爆風で映姫は真下に落とされる。

それでも空中で体勢を立て直してゆっくりと着地する。

 

「『ロイヤルナイトモード』がタフで助かりました」

 

映姫はホッと息をつく。

 

「確かにタフだ。そして、危険だ。お前のようなタイプは長引かせると厄介極まりない。何より…」

 

まだ倒れていない映姫をヤハラが上から見下ろし、映姫の目をジッと見つめる。

 

「そういう目をしている人間は強い」

 

彼が見た映姫の目はまだ諦めていない闘志が滾った目だった。

 

 

 

 

 

 一方。

妖夢vsアアルの闘いは…

 

「そんじゃ…最終ラウンドといこうか!…ディープクアトロソード!」

 

アアルは水神を両手に纏わせる。

さらに背中…正確には肩甲骨から2本の触手のような水刃を生やした。

妖夢は姿を変えたアアルに対して警戒を強める。

アアルは『サンドボード』を乗り捨てた。

『サンドボード』は機動性という面では有利だが、4枚刃になって連撃性を高めた今の彼にとっては邪魔でしかなかった。

 

「そういやまだ名乗ってなかったな。アアル・ムル!四刀流の魚人だ!」

 

そう宣言して砂地を蹴り突撃する。

 

「魂魄妖夢!二刀流の剣士です!」

 

妖夢も名乗り返して砂地を蹴る。

両者の刃がぶつかり合う。

だが、アアルの両手の水刃を抑えても背中の触手のような水刃が振り下ろされる。

妖夢は頭を逸らして避ける。

水刃が妖夢の髪を掠める。

 

「はあっ!」

 

妖夢はアアルの両手の水刃を弾き返す。

 

「やるじゃねぇか!だが俺の連続攻撃のスピードはこんなものじゃねぇぞ!…霊力解放!」

 

アアルの霊力が爆発的に上昇する。

 

「いくぜ!」

 

アアルが砂地を蹴って突撃する。

 

「負けない!」

 

妖夢も負けじと迎え撃つ。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

アアルの4枚の水刃の高速連撃に対して、妖夢も2本の剣で弾き続ける。

しかし、物量差が出てしまい何回かに1回は妖夢のデュエルジャケットの一部を切り裂く。

 

「くっ!」

 

「どうした?もう限界かぁ?」

 

妖夢のデュエルジャケットを切り裂きながらアアルが挑発する。

 

「まだだ…まだ諦めない…」

 

妖夢がそう口にしたその時。

 

「その通り!最後まで諦めず闘いなさい!」

 

そう励ます声が聞こえた。

鍔迫り合い状態の中で視線を少しだけ声のした方に向けると自分を励ましたのはヤハラと戦闘中の映姫だった。

 

「黒刀を超えるのがあなたの目標でしょ!だったらこんなところで負けてはダメよ!」

 

映姫はそう声を張り上げてから自身の闘いに集中した。

妖夢はアアルに視線を戻す。

 

「はあっ!」

 

アアルを弾き飛ばす。

 

「…そうだ。先輩が見ている…先輩の前で恥ずかしい闘いは見せられない!私は勝つ!

…気力解放!」

 

妖夢の詠唱と同時に光の柱が立って彼女の体を包み込む。

 

「何だ…このオーラの上がり方は!これがさっきと同一人物のオーラなのか!」

 

アアルは妖夢の気力の上昇量に驚愕する。

 

光の柱から妖夢が姿を現す。

先程と違って『楼観剣』を右手に握っているだけだった。

 

「一刀流…だと…。おいおい。そいつはいくらなんでも自殺行為ってもんだぜ!」

 

アアルがそう口にするのは当然である。

四刀流のアアルに対して二刀流で苦戦していたというのにそれをさらに一刀流で闘うと言っているようなものなのだから。

 

「…ふぅ…はぁ…」

 

アアルの言葉など耳に入っていない妖夢は静かに息を吐いた。

かなりの集中状態だ。

 

「あっそ。じゃあ切り刻まれろ!」

 

アアルが砂地を蹴って突撃する。

妖夢も砂地を蹴る。

だが、今までのような荒々しい踏み込みではなく静かに流れるような踏み込みだった。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!」

 

アアルが吠えながら4枚の水刃を振り下ろす。

 

「転生斬 円心流転斬!」

 

妖夢は弧を描く剣裁きで4枚の水刃とアアルの肩を斬り上げ、最後に突進しながら斬り抜いた。

 

「がはっ!…世界にはとんでもない奴がいたもんだぜ…」

 

アアルはそう言い残して仰向けに倒れた。

 

「はぁ…はぁ…ふぅ…」

 

妖夢は息を整えてから納刀する。

 

「(師匠…)」

 

妖夢は心配そうな顔で映姫とヤハラの闘いに視線を移すが、加勢しようにも今の自分では足手まといになるだろうと思って待つことにしたのだった。




ED9 鋼の錬金術師 扉の向こうへ

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