東方剣舞   作:kuroto xanadu

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第8話。

OP2 ハイキュー2期「アイム・ア・ビリーバー」




二刀流

 5月3日。午後2時。

4月最初の『乱戦』から約1か月後。

黒刀は既に半分ほど散ってしまった桜の木の下で寝転がりながら端末で校内ランキングを見ていた。

霊夢は2位をキープ。他の4人も少しずつ上がってはいるが2ケタ台がいいところだ。

黒刀はまずチルノを3位に上げようと考えて、そのまま寝てしまった。

時間が過ぎていき、放課後になった。

黒刀はまだ寝ていた。

 

「黒刀先輩…起きて下さい。」

 

そんな彼を誰かが起こそうと声をかけた。

 

「ん…誰だ?」

 

黒刀が目を開けると、大妖精が前髪を右手でおさえてのぞき込んでいた。

 

「大妖精か…おやすみ。」

 

「って寝ないで下さい!お話があるんです!」

 

「ふわあ…分かったよ。」

 

黒刀は仕方なく体を起こす。

 

「黒刀先輩…正直に言いますと私に代表は厳しいと思います。」

 

「そうか?回復は使いようによっちゃ戦闘にいかせるぞ。」

 

「それでもチルノちゃんと同じステージには上がれません。」

 

「それで?」

 

「何か選手以外で皆のサポートになれることがないかと…黒刀先輩は去年も代表だったので詳しいのではないかと思いまして…。」

 

「ならマネージャーをやってみるか?」

 

「マネージャーですか?」

 

「ああ、これならお前に1人限定という以外とくに規定はない。ついでに補欠メンバーに加えておこうか。」

 

「そんなことができるんですか?」

 

「神光学園では補欠メンバーを1位が決められる。つまり俺だ。これでお前も一緒に全国に行ける。」

 

「まだ奈良予選も終わっていないんですけど…。」

 

「行くさ…絶対に。」

 

「全国…。」

 

「そうだ。燃えてきたか?」

 

「はい!」

 

大妖精は力強く返事した。

 

 

 

 5月7日。午後3時30分。

『乱戦』の準備が始まる中、大妖精の端末がかかってきた。

 

「はい…はい…分かりました。チルノちゃん!」

 

「何、大ちゃん?」

 

「黒刀先輩が代わってって。」

 

「分かった…あたいだ。」

 

《悪いな。お前のプライベートナンバー知らなかったから大妖精にかけた。》

 

「それで何の用?」

 

《今日の『乱戦』、俺と組まないか?》

 

予想外の提案にチルノは驚いた。

 

「どういうつもり?」

 

《俺と闘い気持ちはあるだろうが俺はそれよりお前を代表にしたい。それに…。》

 

黒刀は先日の大妖精の決意をチルノに伝えた。

 

「大ちゃんがそんなことを…。」

 

《あいつは前に進んだ。お前はこのままでいいのか?》

 

「その言い方はずるいな~。そんなことを言われたら乗るしかないじゃないか!」

 

《決まりだな。開始直後にそっちに行く。》

 

「OK!」

 

そう言って通話を切って、大妖精に端末を返す。

 

「何の話?」

 

魔理沙がたずねる。

 

「秘密だ!」

 

「おう…そうか…。」

 

魔理沙はそれ以上追及せず、自分の準備に戻る。

 

 

 

 午後4時。

『乱戦』開始のチャイムが鳴る。

直後、廊下から複数の悲鳴が響いた。

悲鳴が止んだ後、1年A組教室のドアが開く。

 

「おまたせ。」

 

「はやっ!」

 

入ってきたのは黒刀だ。

 

「なるほど。手を組んだのね。」

 

霊夢が納得する。

ちなみに廊下にいた参加者は黒刀が道中、全滅させてきた。

 

「いこう!」

 

「ああ、まずは…」

 

「「シュッといってドカーンだ!」」

 

黒刀とチルノはハモって教室を飛び出して行った。

 

「なんだあれ?」

 

「あの2人仲いいわね…。」

 

霊夢と魔理沙はポカーンとしていた。

 

 

 

 1階廊下。

黒刀とチルノは高速で走りながら、参加者を斬り進んで行った。

 

「狙うのは3位の火属性槍使いだ。俺もサポートするが最終的に決めるのはお前だ。」

 

「了解!」

 

 

 

 10分後。

1年A組教室のドアが開き、黒刀とチルノが戻ってきた。

 

「はやっ!」

 

「いや~意外と手こずった~!」

 

「腐っても3位だからな。よし、まだ時間あるし、このまま魔理沙も4位を狙うか?」

 

「マジか!」

 

「残り20分。普通なら余裕なんだけど4位の奴は水属性魔法で姿を消すからな。」

 

「厄介だな。」

 

「ああ。ステルスされたら俺でも見つけるのは困難だ。行くぞ!」

 

「おう!」

 

「チルノは霊夢達と一緒にいろ。ランキングが上がった奴は狙われやすい。」

 

「あたいに負けはないけど分かった!」

 

「よし行くぞ!」

 

黒刀と魔理沙は窓から飛び出した。

 

「ちょっ!そんなところから⁉」

 

霊夢は驚いていたが、魔理沙は箒に跨って飛行し、黒刀は壁を走っていた。

 

「魔理沙はともかく黒刀先輩は無茶苦茶すぎる…。」

 

霊夢はいちいち驚いていては精神がもたないと思ったのだった。

 

 

 

 

「さて。俺が補足できるとしたらステルスを解いた時だろう。いくらなんでも魔力が尽きるとなれば解かざるを得なくなる。」

 

「なるほど。」

 

「といっても1㎞圏内じゃないと意味ないけどな。」

 

「ほぼノープランじゃん!」

 

「う~ん…そうだな…魔理沙は上空で待機してろ。俺があぶり出す。」

 

「どうやって?」

 

「まあ、見てろって。」

 

黒刀は不敵な笑みを浮かべる。

魔理沙は言われた通り、箒に跨って上空で待機する。

黒刀は『千里眼』を発動した状態で校内敷地の森を歩く。

 

「(『千里眼』で不自然に動いているものを見切って一発ぶん殴ってステルスを解かせる。)」

 

その時、風もないのに不自然に揺れる草むらを見つけた。

 

「そこか!」

 

黒刀はそこへ高速で移動してぶん殴った。

 

「キャッ!」

 

ステルスが解かれて現れたのは女性だったが、黒刀はそんなことは一切気にしていない。

 

「くっ…やってくれるわね!でも私だって時間まで耐えることくらい…」

 

「無理だな。なぜならお前を倒すのは俺じゃない。」

 

「その通りだぜ!」

 

声が響いた上空から魔理沙が『マスタースパーク』の発射態勢に入っていた。

 

「マスタースパーク~!」

 

「なめないで!水魔法で防ぐだけよ!」

 

女魔法師は魔法で水の壁を頭上に展開する。

 

「なら消すだけだ。」

 

黒刀は斬撃を放って水の壁を破壊した。

 

「しまった!きゃああああああああああああああああああああああ!」

 

『マスタースパーク』の直撃をもろに浴びた彼女は悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、やがて気を失った。

 

「よっしゃ!やったぜ!」

 

魔理沙はガッツポーズをして喜ぶと、地上に降りて黒刀とハイタッチを交わす。

 

「おっと、そろそろ妖夢達の方に奇襲が来る頃だ。戻るぞ。」

 

黒刀と魔理沙は1年A組教室へ戻って行った。

 

 

 

 午後4時25分。

 

「さすがに結界もそろそろ限界なんだけど。」

 

霊夢がぼやく。

 

「やっぱりあたいも突撃して…」

 

「ダメですよ。万が一やられたら2日間決闘禁止になっちゃうんですから。」

 

妖夢がチルノを何とか止めている。

その時。

 

「フハハハハ!」

 

黒刀が高笑いしながら参戦してきた。

 

「くたばれ雑魚ども!」

 

黒刀は斬撃を連続で放ち、参加者をなぎ倒していった。

 

「なんて地獄絵図…。」

 

霊夢が思わず声に出してしまう程、黒刀は暴れまわっていた。

 

 

 

 5分後。

『乱戦』終了のチャイムが鳴ったころには黒刀の周りには彼に負けた者達が死体のように転がっていた。

黒刀は妖夢に歩み寄った。

 

「悪いな妖夢。今日は手伝ってやれなくて。」

 

「いえ大丈夫です!5位の人には『乱戦』ではなく『決闘』で勝とうと思っていますので!」

 

「妖夢がそれでいいなら。」

 

黒刀は温かい眼差しで微笑んだ。

 

 

 

 5月10日。放課後。

妖夢はこの日、3年B組の教室に行って、5位の生徒に『決闘』を申し出た。

1位~5位は『決闘』を断れないので5位の生徒…短髪二刀流の男は『決闘』を受け入れた。

2人は中庭に行き、向かい合った。

ギャラリーも集まってきている。

5位の男は2本の剣を鞘から引き抜く。

妖夢も『楼観剣』を構える。

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

先に動いたのは5位の男だった。

 

「二刀流の闘い、しかと見よ!」

 

そう吠え、突撃して右の剣を水平に振ってきた。

 

「(これなら止められる!)」

 

妖夢が攻撃を『楼観剣』で受け止めようとしたその時、左の剣が逆方向から迫ってきた。

 

「(まずい!)」

 

妖夢は咄嗟に身を翻して後ろに避ける。

さらに、後ろに退避しようとする妖夢に対し

 

「まだ終わらんぞ!はあっ!」

 

5位の男は吠えながら連続で剣を振って来る。

 

「くっ…私だって…。」

 

妖夢の脳裏に黒刀の顔が浮かび上がる。

 

「負けられないんだ~!」

 

妖夢も応戦に入った。

 

「(相手が2本なら2本分の速度で振ればいい!)」

 

妖夢は右の剣をいなした後、すぐに左の剣を弾いた。

5位の男の表情がこわばる。

 

「くっ…こいつまるで黒刀の『超反射』のような動きを…だが!それをいったいいつまで続けられる?ガス欠になるのがオチだ!」

 

5位の男は攻撃のテンポを上げる。

それにより妖夢の状況が悪化していく。

そして、ついに妖夢がパワーで押されて体勢が崩された。

 

仁交斬(にこうざん)!」

 

5位の男は2本の剣をクロスさせて斬る。

 

「ぐはっ!」

 

妖夢はそれをもろに受けてしまう。

前のめりに倒れそうなところを『楼観剣』を地面に突き刺して耐える。

 

「はあ…はあ…強い…。」

 

妖夢の今の状態は胴体を斬られたため本来なら心臓へのダメージが精神ダメージに置換され気絶している。

だが妖夢は根性で立っていた。

5位の男は目を見開いて驚いていた。

 

「なぜ立てる?通常なら心臓へのショックで気絶しているはずだ!」

 

妖夢は『楼観剣』を地面から引き抜く。

 

「はあ…はあ…絶対に負けられないから…皆が前に進んでいるのに…私だけが!こんなところで立ち止まっているわけにはいかないんだ!

 

妖夢はそう言い放って腰に納まっているもう1本の剣『白楼剣』を抜いた。

 

「お前も二刀流だったのか!」

 

「いきます!」

 

妖夢は右足を踏み込んで地を蹴る。

5位の男は迎え撃とうと構える。

だが次の瞬間、5位の男の眼前から妖夢の姿が消えた。

 

「どこだ!後ろ…右…左…上か!」

 

5位の男は頭上を見る。

そこに妖夢はいた。

だが、妖夢のさらに上には太陽があった。

 

「くっ…見えん!」

 

5位の男の視界が塞がれる。

妖夢は先ほど、ダッシュの後『ハイジャンプ』で跳び上がったのである。

その時、太陽を遮るように雲が通った。

5位の男がすぐに頭上を見て迎撃しようとする。

だがそこに妖夢はいなかった。

 

「どこに…っ!」

 

5位の男は下の気配に気づいた。

妖夢はさっきとは逆に下に空中でジャンプしたのである。

これが『ロージャンプ』である。

5位の男は咄嗟に防御の構えを取ろうとする。

しかし、遅かった。

 

妄執剣 修羅の血弐式!

 

妖夢は2本の剣で5位の男を斬り抜いた。

5位の男はそのまま前のめりに倒れた。

 

《勝者 魂魄妖夢》

 

勝敗を告げる機械音声が鳴り響く。

直後、ギャラリーから歓声が鳴り響く。

 

 

 

 その一部始終を黒刀は『千里眼』で教室から観察していた。

 

「(あれが二刀流の妖夢か…。)」

 

そう思ったその時、横からいきなりアリスに頬を引っ張られた。

 

「怖い顔しない!」

 

「いてて…分かったよ。」

 

アリスの罰から解放された黒刀は頬を緩ませた。

 

「分かっているの?代表が決まるのは6月6日。これから1ヶ月近くはあの子たちのランキングを落とさないようにしないといけないのよ!」

 

「問題ないさ…すぐにそれどころじゃなくなる。」

 

黒刀は不敵な笑みを浮かべるのだった。




ED2 家庭教師ヒットマンリボーン「桜ロック」

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