OP2 ハイキュー2期「アイム・ア・ビリーバー」
代表メンバーの発表が終わった妖夢、霊夢、魔理沙、チルノ、大妖精は映姫から生徒会室に呼び出されていた。
生徒会室には社長のようなデスクの生徒会長のデスクと応接室のように長いテーブルが1つ、ソファが2つ向かい合うように置かれている。
妖夢は緊張していた。
「それでお話ってなんでしょうか?まさか!今からお説教ですか!」
「いえいえ、違いますから。」
映姫が笑顔で否定する。
「よかった~!」
「でもどうして黒刀先輩だけ呼ばれていないのですか?代表絡みですよね?」
霊夢が疑問を口にする。
「…代表になった今のあなたたちになら話してもいいと思ったからです。」
「何をですか?」
妖夢が首を傾げる。
「……黒刀が今のようなになった理由です。」
「それは自ら悪役を演じる理由ですか?」
霊夢が眉をひそめる。
「その通りです。」
「私達を代表にするためだろ。阿求先輩に聞いたぜ。」
魔理沙の言葉に大妖精が挙手をする。
「あの~よく考えればおかしいと思います。それなら私達ではなく上級生を優先するべきではないでしょうか?」
「確かに。」
大妖精の正論に霊夢は顎に手を添える。
「それをこれから話します。なぜ黒刀がそうしなかったのか?…あれは去年の夏…『毛剣舞祭』奈良予選の団体戦で紅葉高校に敗退した後のことでした。」
1年前。夏。
神光学園が紅葉高校に敗退した後、控室に怒号が飛んだ。
「どういうことだ!もう諦めて個人戦も出ないなんて…まだチャンスはあるんだ!諦めんなよ!」
その言葉を発したのは黒刀だった。
彼の『剣舞祭』にかける想いは熱かった。
しかし…
「うざい。」
「え?」
「そんなにやりたきゃてめえだけで勝手にやってろ。」
「俺もだ。お前、暑苦しいんだよ!」
チームメイトだと仲間だと心の底から思っていた黒刀にとってその言葉は心に激しく、痛々しく響いた。
言いたいことを言った彼らは控室から去った。
「(なんだよ…それ…全国行くんじゃなかったのかよ…その程度なのかよ…お前らの覚悟は!)」
黒刀は右手を横に振り、
「くっそ~~~~~~!」
そう叫んでロッカーを殴った。
その音は控室に響いた。
その後、黒刀は個人戦で予選を制し、さらに本選で優勝を果たした。
しかし、黒刀は全ての試合で勝っても笑うことはなかった。
そして、事件は9月…新学期始めてすぐの『乱戦』で起きた。
その日、空は曇っていた。
『乱戦』開始1分前、黒刀は屋上に立っていた。
「(この『乱戦』で俺が認める強い奴がいなければ俺が…俺が起こしてやる!変革を!)」
『乱戦』開始のチャイムが鳴る。
だが、その一瞬で予想外の事態が起きた。
開始のチャイムと共に雷が落ちた。
直後、大勢の悲鳴が響き、なんと1人を除く『乱戦』参加者が全員倒されていた。
当時から生徒会だった映姫は事態を知り、ある人物を探して校内を駆け回った。
そして見つけた。
中庭にいた。
この事件を起こした張本人…四季黒刀を。
「…黒刀。」
背中を向けている黒刀に映姫は呼びかける。
だが黒刀は何も言わない。
映姫は困惑していた。
「どうしてこんなことを…。」
黒刀は背を向けたまま
「確かめるつもりだった。」
「…何を?」
「………。」
黒刀はまた黙ってしまう。
その時、ポツポツと雨が降り出した。
やがて勢いを増し、どしゃ降りをなった。
映姫は優しい声で、
「黒刀…風邪をひいてしまうから早く中に入りましょう?」
だが黒刀は動かなかった。
そして、ようやく口を開いた。
「この学園にいると思っていた…姫姉みたいに強い奴がいると…でもいなかったそんな奴。」
「…黒刀。」
「だから俺が代表を決める。」
「黒刀!」
姫姉はつい声が大きくなってしまった。
「姫姉。」
黒刀に呼ばれ、映姫は動きが止まってしまう。
そして、黒刀はゆっくりと振り向いた。
「…最強ってなんだろうな…。」
黒刀の眼から雫がツーッと流れていた。
普通に見れば雨の水滴かもしれないだろう。
だが、映姫にはしっかりと分かった。
それが…黒刀の涙だと。
現在。
「これがこの事件の全てです。」
映姫は目を閉じて語り終えた。
「「「「「………。」」」」」
妖夢達は衝撃の過去を聞いて、言葉を発せずうつむいてしまう。
映姫の傍らにいた小町が口を開いた。
「その翌日、あいつは私と阿求に普通に接してきたよ。だけど私たちには分かった。あいつは無理していた。弱い自分を見せないために。」
続いて映姫が口を開く。
「あの子は闘いに関しては強い。だけどあるものがとても弱い。」
「…それは何ですか?」
妖夢が顔を上げて問う。
「心です。」
「「「「「え?」」」」」
映姫の答えに一同は驚いた。
「あの子は何かを失うことを最も恐れている…誰よりも。」
「先輩が…。」
妖夢はこれまでの黒刀を思い出す。
決して弱い部分など見せなかった黒刀を。
「失礼します!」
妖夢は急いで生徒会室を飛び出す。
「おい妖夢!」
魔理沙が止めようとする。
「待ってください。彼女に任せましょう。」
映姫はそう促した。
(挿入歌 鋼の錬金術師「レイン」)
妖夢は廊下を走っていた。
「(先輩…先輩…先輩…先輩…先輩!)」
強く想いながら走っていた。
靴を履き替え、昇降口を出るが、あいにく外は雨が降っていた。
傘を持っていない妖夢はそのまま雨の中を走っていった。
そして正門を出る少し前のところでその名を呼ぶ、
「黒刀先輩!」
傘を差す黒刀がゆっくりと振り返る。
「はあ…はあ…絶対に全国に行きましょう!絶対…絶対…絶対に全国へ!」
妖夢は全力で叫び、膝に手をついた。
「…ありがとう…行こう!全国!」
黒刀は妖夢に近づき、優しく微笑んで妖夢の頭の上に傘を差す。
「はい!」
妖夢は立ち上がり笑顔で返す。
「とりあえずこのままじゃ濡れるぞ。俺が家まで送るよ。」
「え、送ってくれるんですか?」
「ああ。」
黒刀は妖夢を傘の下に入れて、一緒に妖夢の家に歩いていった。
ED2 家庭教師ヒットマンリボーン「桜ロック」
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