東方剣舞   作:kuroto xanadu

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第11話。
ついに椛出ます

OP2 ハイキュー2期「アイム・ア・ビリーバー」


奈良編
狼剣士


 妖夢の自宅玄関前。

黒刀に送ってもらった妖夢が、

 

「先輩、ありがとうございました。では今日はこの辺で…」

 

そこで玄関のドアが開いた。

 

「妖夢~ごはんまだ~。」

 

幽々子が出てきた。

 

「幽々子様⁉」

 

幽々子はそこで妖夢の隣に立っている黒刀に気づく。

 

「あら~妖夢ったらボーイフレンド?」

 

幽々子は口元に手を当てながら聞いてきた。

 

「ち、違います!学校の先輩です!」

 

「まあまあ、あがって♪」

 

「ではお邪魔します。」

 

「先輩も遠慮してください!」

 

妖夢は止めようとするが結局、黒刀を自宅にあがらせることになってしまった。

 

 

 

「(はあ…なんでこんなことに…せめて部屋だけは見られないようにしないと…。)」

 

「いっそ泊まってく?」

 

「いいんですか?」

 

幽々子の提案に黒刀が訊き返した。

 

「ちょっ!幽々子様!なんてことを言うんですか!そんなのダメに決まってるじゃないですか!」

 

「でもまだ黒刀君とお話ししたいし♪」

 

「もう君付け⁉」

 

「あ、黒ちゃんっていうのはどうかしら?」

 

「いや、それはちょっと…。」

 

黒刀は苦笑い。

 

「だめ?」

 

「知り合いに同じ呼び方をされるもので…。」

 

「と・に・か・く!ダメなものはダメです!」

 

「でも妖夢、外は凄い雨よ。まさかこんな雨の中、黒刀君を帰らすつもり?」

 

「それは…。」

 

「決まりね♪」

 

妖夢は幽々子に言い負かされてしまった。

黒刀が端末を操作して映姫の承諾を取った。

 

「大丈夫だって。」

 

「よかったわ。あ、でも着替えがないわ。どうしましょう?」

 

「あります。浴衣が。」

 

「(なんで持っているですか~!)」

 

妖夢は心の中で叫んだ。

 

 

 

 夕方になり、夕食を作り始めた。

妖夢がキッチンに立つと、黒刀も立ち上がった。

 

「俺も手伝うよ。」

 

「え、そんな申し訳ないですよ!」

 

「大丈夫。手伝うだけ。勝手に味付けとかしないから。」

 

「でも幽々子様、結構量食べるので重労働ですよ?」

 

「問題ない。」

 

「そこまで言うなら…。」

 

妖夢は渋々、了承した。

2人ともかなりスムーズに料理を進めていた。

リビングからその様子を眺めていた幽々子。

 

「なんか…こうしてい見るとまるで…新婚夫婦みたいね!」

 

幽々子のからかいに妖夢の肩がビクッと震えた。

 

「幽々子様!なんてことを言うんですか!そ…そんな…夫婦だなんて…。」

 

妖夢の頬が赤くなる。

 

「黒刀君は彼女いるの?」

 

「それ聞いちゃう⁉」

 

妖夢が声を上げる。

 

「…今はいないです。」

 

黒刀は冷静に返してガスの火を止める。

妖夢と黒刀が作っていたのはカレーだった。

 

「「「いただきます!」」」

 

3人は同時に口にカレーを入れた。

 

「おいしい♪」

 

「ああ、美味い。妖夢は料理が上手いな。」

 

幽々子が頬を緩ませ、黒刀が褒める。

 

「えへへ~。そんなことないですよ~!」

 

妖夢は頬を両手でおさえながら照れ隠しする。

 

「どう?ぜひお嫁に?」

 

幽々子は黒刀に親指を立てる。

 

「まあ、もったいないですけどすみません。」

 

黒刀はやんわり断ったが妖夢はまるで聞いていなかった。

 

 

 

 夕食が食べ終わり、入浴を済ませた後、黒刀は妖夢がいないことに気づいた。

『千里眼』を発動すると、黒刀はその場所に移動した。

 

 妖夢はベランダで星を眺めていた。

そこに黒刀がベランダに出てきた。

 

「先輩、どうしたんですか?」

 

「妖夢がいなかったから探したんだ。そしたらここにいたんでな。」

 

しばらく黙って星を眺めていたが、黒刀が口を開く。

 

「幽々子さんってお前の本当の親じゃないんだな?」

 

「…やっぱり気づきますよね?」

 

「なんとなく…あ、誤解するなよ。別に同情とか馬鹿にしてるわけじゃない。そういうのが嫌なのは痛いほど知ってるから。」

 

黒刀は遠い目をする。

 

「先輩の言う通りです。幽々子様は私が6歳の時に両親が火事で亡くなった後に引き取ってくれた人なんです。」

 

「恩人か…。」

 

「はい…先輩のご両親はどんな人なんですか?」

 

「父さんは軍の総帥で俺の中では世界で一番強い人だと思う。母さんは世界で一番優しい人かな…笑顔がとっても眩しくて温かくて…俺と姫姉が子供の時、喧嘩したら笑顔1つで止められたんだぜ。もしかしたらこの世の全ての争いだって止められるかもって思うぐらいだ。」

 

両親の話をする黒刀の目はとても優しい目をしていた。

 

「へえ、いつか会ってみたいです!」

 

「ああ、その内会いに行こう。」

 

「はい是非!」

 

それからも黒刀と妖夢は思い出話に浸っていた。

 

 

 

 6月7日。午前6時。

黒刀は少し寝ぼけながら起きた。

 

「トイレどこだっけ?…ここかな?」

 

黒刀が引き戸を開ける。

そこには脱衣所で白の下着姿の妖夢がいた。

 

「ふぇ?」

 

「え?」

 

妖夢と黒刀が素っ頓狂な声を上げる。

5秒ほど2人は固まっていた。

そして、時は動き出す。

 

「きゃああああああああああああああああああああああ!」

 

妖夢は悲鳴を上げて傍に立てかけてあった竹刀を握って黒刀のみぞおちに突きを放った。

 

「ぐはっ!」

 

黒刀はまともに受けて廊下の壁に背中から激突した。

 

「(なんで…そんなところ…竹刀が…)」

 

疑問を最後に黒刀はうつ伏せに倒れて気を失ってしまった。

 

 

 

 数分後。

 

「先輩…先輩…先輩、起きて下さい。」

 

妖夢の呼びかけに黒刀は目を覚ます。

 

「ん…ああ…妖夢か。」

 

黒刀はソファに横たわっていた。

妖夢が運んでくれたようだ。

 

「ごめん…妖夢…俺…」

 

「言わないてください!それとできれば忘れて下さい!」

 

「ああ…分かった。」

 

「絶対ですよ?」

 

妖夢が上目遣いで訊く。

 

「ああ…今何時だ?」

 

「6時半です。そんなに気を失っていなかったので。」

 

「ん~…ランニングはやめておくか…妖夢、軽く打ち合おう。」

 

「はい!では先に庭で待っていますね!」

 

妖夢は駆け足で去って行った。

 

「(白か………ありだな。)」

 

黒刀はそんなことを考えていた。

 その後、黒刀と妖夢は竹刀で軽く打ち合う。

目を覚ました幽々子はその光景を眺めていた。

 

「初めて見る気がするわ。あんな楽しそうな妖夢。」

 

 

 

 制服に着替えて黒刀と妖夢は登校する。

 

「いってらっしゃいお2人さん♪」

 

「そんなにやけた笑顔で言わないでください幽々子様。いってきます!」

 

「一応言うんだな…いってきます幽々子さん。」

 

2人は幽々子に挨拶してから学園に向かう。

 

 

 

 登校する2人を見かけた魔理沙は2人に近づいた。

 

「おっす!2人とも一緒に登校なんて珍しいな!」

 

霊夢、チルノ、大妖精も途中で合流する。

 

「まさか!これが噂の朝帰り⁉」

 

「チルノちゃん、そんな言葉どこで覚えたの?」

 

「大ちゃん…笑顔が怖い…。」

 

「何言ってんだお前ら?」

 

黒刀は呆れた顔をする。

 

「そうですよ!私たちは別に」

 

「帰ってねえぞ。」

 

黒刀は余計な一言を付け足す。

 

「「「「………。」」」」

 

4人とも口をポカーンと開けたまま固まってしまった。

そこへ…

 

「あやや、これは大スクープですね!」

 

文がメモを取って現れる。

 

「おい。」

 

黒刀が指の関節を鳴らす。

 

「これは…今日の献立を…。」

 

「嘘つけ!」

 

「さらば!」

 

文は物凄いスピードで走り去ってしまった。

 

 

「いや~妖夢もついに女になったわけか~!」

 

「霊夢!からかわないでください!」

 

妖夢は霊夢の肩を掴み前後に揺らす。

 

「そうだぞ。妖夢は」

 

「先輩はもう何も言わないでください!状況が悪化するだけなんですから!」

 

「お、おう…。」

 

黒刀は妖夢の剣幕に気圧された。

 

 

 

 1年A組教室。1時限目。

 

「ええ、では…まず日本の国名を総称で答えてください。」

 

「日本は日本でしょ!」

慧音の質問にチルノが答える。

 

「違います。」

 

「日本国でしょうか?」

 

続いて大妖精が答える。

 

「それはかつての日本の総称です。現在の総省は新大日本帝国となっています。」

 

「つまり昔のように天皇陛下中心の国家ということですか?」

 

「正確には天皇陛下とナンバーズを中心とした国家となっています。もちろん最大の権限を持っているのは天皇陛下です。」

 

「ナンバーズってなんだ?」

 

チルノが首を傾げる。

 

「はあ…チルノ、それに皆さんも大事なことなのでよ~く聞いておいてくださいね。」

 

慧音は念押しする。

 

「ナンバーズとは一ノ瀬、二宮、三門、四季、五位堂、六道、七瀬、八雲、九条の9つの貴族を指す名称です。ナンバーズは今や新大日本帝国において非常に欠かせない存在となっています。一ノ瀬と三門以外のナンバーズは特に戦闘力に長けていて、その中でも二宮と四季は1,2を争う実力を持った家系です。それにナンバーズがいなければ帝国は終わっていたと言っても過言ではありません。」

 

「なっ、黒刀の奴そんな金持ちだったのか!羨ましい!」

 

チルノが驚く。

 

「天皇陛下って見たことないけど。」

 

魔理沙が口を開く。

 

「天皇陛下には限られた人以外会うことは出来ません。」

 

「どんな人が会えるんですか?」

 

質問が飛んでくる。

 

「例えば『王』ですね。」

 

「ってことは黒刀先輩は会ったことはあるんだ…どんな人なんだろう…神様みたいな人かな?」

 

大妖精がとろけた表情になる。

 

「それだけ尊く偉大なお方ということですよ。」

 

慧音はそう言って締めくくった。

 

 

 

 午後4時。2年A組教室。

黒刀は今日、『剣舞祭』奈良予選のトーナメント組み合わせの抽選会のため抽選会場に向かった。

 

 

 

 午後4時30分。紅葉高校。

妖夢達は紅葉高校の敷地内に忍び込んでいた。

なぜそうなってしまったかと言うと、魔理沙が闘う相手を知っておくべきだと皆を連れ出したのが原因であった。紅葉高校の体育館の中を外から覗きこむ。

中には4人ほど男子生徒がいた。

 

「あいつらが代表か?」

 

魔理沙の言葉に

 

「さあ?」

 

霊夢は興味なさげに返した。

その時。

 

「誰だ!出てこい!」

 

中にいる男子生徒に気づかれてしまった。

仕方なく、妖夢達は体育館の中に姿を現す。

 

「その制服、神光学園の生徒だな?」

 

「はい。」

 

相手の質問に妖夢が答える。

そこへ…

 

「どうしましたか?」

 

体育館の入り口から声がした。

 

「椛、戻ったか。」

 

「…この人たちは神光学園の生徒のようですが?」

 

「おそらく偵察だろう?」

 

「なるほど。」

 

男子生徒の1人が

 

「だけどよ…神光学園ってたしか去年、俺らにボロ負けしたところだろ?なら楽勝じゃん!」

 

「なんだと!」

 

男子生徒の言葉を聞いた魔理沙が怒りを露わにして前に出る。

 

「勝つのはあたい達だ!」

 

チルノも魔理沙に続いて前に出る。

大妖精はそんな2人を止めようとしていて、霊夢は腕を組んだまま動かず、妖夢は必死にこらえていた。

 

「なんだ?やんのか?」

 

「そういう態度を取るってことはお前らも代表か!」

 

「今年の神光学園も弱そうだな!」

 

「「「「ハハハ!」」」」

 

男子生徒4人が挑発する。

 

「先輩たち、言い過ぎです。」

 

椛が口を挟む。

 

「おい椛、もしかしてびびっているのか?」

 

「こんな奴らと一緒に代表やってるなんてあの四季黒刀のレベルもたかが知れるぜ!」

 

「優勝もまぐれだったりしてな!」

 

「「「「ハハハ!」」」」

 

「取り消してください。」

 

その嘲笑に妖夢はつぶやいた。

 

「あ?なんて?」

 

男子生徒の1人がバカにしたように訊き返す。

 

「取り消せと言ったんだ!」

 

妖夢は激怒した。

 

「こいつ!生意気言いやがる!」

 

言われた男子生徒はこめかみをピクピクさせる。

 

「妖夢、やめて。こんなところで。」

 

大妖精は間に入る。

 

「どいて大妖精。こいつら先輩を侮辱した!今ここで斬らなきゃ気がすまない!」

 

妖夢は『楼観剣』を抜いて斬りかかる。

しかし、その刃は意外な人物によって止められた。

その人物とは抜剣した椛だった。

 

「なぜあなたが出しゃばるのですか?」

 

「先程のあなた方への非礼は私が詫びます。しかし、これ以上状況を悪化させるわけにはいかないのでここで負けて帰ってもらいます。」

 

妖夢と椛は鍔迫り合い状態となる。

 

「いえ、どいてもらいます!用があるのは後ろにいる無礼者だけです!」

 

「なら力ずくでやってみなさい!」

 

「言われなくても!」

 

2人が弾かれ離れた後、妖夢は右足を踏み込んで突っ込んだ。

 

「なかなかの速度…ですが単調です!」

 

椛は妖夢の剣撃を軽く弾いた。

 

「くっ!」

 

妖夢は後ずさる。

 

「どうやら見せる必要があるようですね…格の違いというものを!」

 

その瞬間、椛の雰囲気が変わった。

妖夢は彼女の眼を見た瞬間、寒気が走った。

その眼からはさっきまでと違い、とてつもない眼力を感じた。

 

「これが『千里眼』です。」

 

「先輩と同じ…。」

 

妖夢はつぶやく。

 

「あんな偽物と一緒にするなよ!」

 

男子生徒の1人が大声を上げる。

 

「佐藤さん、そういう言い方はやめてください。…あなた、名前は?」

 

「魂魄妖夢です。」

 

「では妖夢さん、私の『千里眼』と黒刀の『千里眼』は型が違うのです。」

 

「型?」

 

「彼のは全方位範囲型、私のは一点集中型なんです。」

 

「?」

 

「まあ実際に体感してもらった方が早いでしょう。どうぞかかってきなさい。」

 

「後悔しないで下さいよ!妄執剣 修羅の血!」

 

妖夢は高速で斬りかかるがその剣を完全に振り切る前に椛の剣に防がれた。

 

「なっ!」

 

「これで分かったでしょう。私の『千里眼』にはあなたの動きの未来が見える。」

 

「くっ!」

 

妖夢はバックステップをして、さらにクロスステップで回り込もうとするが、

 

「無駄です。」

 

椛は妖夢が動き出す直前で回し蹴り。

 

「がはっ!」

 

妖夢は蹴り飛ばされる。

その後、体勢をなんとか立て直す。

 

「(この人…強い!)」

 

「終わりです。」

 

椛がそう口にして、剣を振り下ろそうとしたその時。

体育館に張り巡らされている結界に亀裂が入った。

 

「な、なんだ!」

 

男子生徒の1人…高橋がうろたえ、仲間の加藤、伊藤もうろたえ始める。

それは魔理沙たちも同じだった。

そして、結界が完全に崩壊した瞬間、体育館の外から凄まじいオーラが感じられた。

それは大気や大地を震動しているのではないかと錯覚するほどのオーラだった。

その人物が体育館の中に入ってきた。

 

「うちの可愛い後輩をいじめられちゃ困るな~。」

 

「「黒刀!」」

 

チルノと魔理沙が叫ぶ。

 

「黒刀…。」

 

椛がその名をつぶやく。

 

「お前、何しに来た!」

 

高橋が怒鳴る。

 

「そんなの後輩を迎えにだよ。ほら、来客用の札もつけてる。」

 

黒刀は首にぶら下げている札を見せる。

 

「おいおい、邪魔すんじゃねえよ!」

 

高橋、加藤、佐藤、伊藤は黒刀に詰め寄った。

 

「これはこれは俺に個人戦でボコボコにされた…どなたでしたっけ?」

 

黒刀は首を傾げた。

 

「「「「てめえぶっ殺す!」」」」

 

4人は同時に殴りかかる。

 

「先輩危ない!」

 

妖夢が叫ぶ。

だが次の瞬間、2人は黒刀に踏まれ、残り2人はアイアンクローで掴まれ足を宙に浮かせていた。

 

「「「「(こいつ…今何しやがった⁉)」」」」

 

「あのさ、俺は後輩を迎えに来ただけなんだけど。なんか色々あったみたいだけどここは俺に免じて今日は帰らしてもらえないかな?」

 

黒刀は呆れた口調で話す。

 

「…分かった。先輩たちを離してくれる?」

 

椛は4人を離すようお願いする。

 

「ああ。」

 

黒刀は手を離し、踏んでいた者からも降りる。

 

「帰るぞ。」

 

そう言う黒刀に魔理沙が口を出した。

 

「ちょっと待てよ!私はこんなじゃ気が」

 

「そんなに焦んなくても大丈夫だ。」

 

「どういうことだ?」

 

「椛は知っているだろうが…」

 

「ええ…一回戦の相手は…」

 

「ああ、一回戦の相手は…」

 

「お前らだ。」「あなたたちです。」

 

黒刀と椛は同時に宣言する。

 

「どういうことですか?」

 

妖夢がたずねる。

 

「うん?ああ、今日は抽選会だから俺が行ってきたんだよ。椛も同じようにな。」

 

「なんでそんな重要なこと黙ってたんだよ!」

 

チルノが文句を言う。

 

「言ったらお前絶対に行きたいって言うだろ。そんなのごめんだ。魔理沙、これですぐに決着をつけられるぞ。文句あるか?」

 

「…ない!大舞台であいつらをぶっ飛ばしてやる!」

 

魔理沙の目は闘志で燃えていた。

 

「それじゃ帰るぞ…妖夢。」

 

「へ…あ、はい…。」

 

妖夢はしょんぼりしながらついていく。

 

「黒刀。」

 

椛が呼び止める。

 

「なんだ?」

 

「13日後。覚悟しておいて。」

 

「上等!」

 

椛の言葉に黒刀は不敵に笑って、去って行った。

 

 

 

 帰り道、黒刀は立ち止まった。

 

「それじゃあ、まず魔理沙、チルノ、妖夢。」

 

「ん?」

 

ゴンッ!ゴンッ!ゴチンッ!

 

3人とも痛みのあまり額を抑える。

 

「ちょっ!なんて2人はゲンコツであたいだけ頭突きなのさ!」

 

「お前らもっと冷静に動け。」

 

「無視⁉」

 

「チルノちゃん、さすがに今回はフォローできない。」

 

「そんな!大ちゃんまで!」

 

黒刀が言葉を続ける。

 

「魔理沙は挑発に乗り過ぎ。」

 

「うっ!だってあいつらが…。」

 

「チルノはそういう悪い波にすぐ乗るな。」

 

「チルノちゃんが悪い。」

 

「大ちゃん~…。」

 

「そして、妖夢。試合前に敵にやたら技を見せるな。やるなら探るだけにしろ。」

 

「ごめんなさい…。」

 

妖夢は素直に謝罪する。

 

「とにかく今日のことは深く反省しろ。それとこれがトーナメントの組み合わせだ。」

 

黒刀は空間ウインドウを展開してトーナメントの組み合わせを見せる。

 

「予選は6月20日~2日間に分けて行われる。3位決定戦も敗者復活戦もない。一発勝負だ。それでこっちが…」

 

黒刀はもう1つ空間ウインドウを展開する。

 

「「「「「神光学園『剣舞祭』代表強化合宿?」」」」」

 

「そうだ。幻想町にある幻霊山の頂上に合宿所があるから10日間かけて強化合宿を行う。」

 

黒刀が説明すると、魔理沙が、

 

「ちょ、ちょっと待てよ!私達そんな話聞いていないぜ!」

 

「今話したからな。」

 

「「「「「………。」」」」」

 

5人は絶句した。

 

「親御さんは寮長の許可は取ってある。ていうかお前ら今の実力で勝てると思ってるのか?」

 

「それは…。」

 

妖夢が下を向く。

 

「あたいは楽勝だけどね!」

 

「チルノ、10日間学校をサボれるぞ。」

 

「よしやろう!」

 

「チルノちゃん⁉」

 

大妖精が驚く。

 

「大妖精はマネージャーだから強制参加な。」

 

大妖精は苦笑いで、

 

「あはは…まあ、薄々分かってましたけどね…。」

 

そんな中、妖夢は…

 

「(私…いいのかな…あんな無様な闘いしておいて…皆と一緒に闘えるのかな…分からないよ…。)」

 

悩んでいた。

 

「妖夢。」

 

「あ、はい!」

 

「一回負けたからって何不安になってる。そんなのは誰だって経験してる。俺だってそうだ。」

 

「先輩が…。」

 

「ああ。俺は姫姉に一度も勝ったことがない。でもだからこそ次はどうやって勝とうか考えられる。それが敗北からの経験だ。ただ負けてそれが経験になるっていうのは間違いだ。流れに任せるんじゃなくて自分で切り開くんだ。妖夢、お前は入学してから『決闘』で一度も負けていない。いいか?自信と自惚れは違う。」

 

「あたいも黒刀に負けたけど、終わったら次の戦略を考えてるよ!」

 

「え、お前そんな頭あんの?」

 

「なんだと~!」

 

黒刀のからかいにチルノはハムスターのように頬を膨らましてちょっぴり怒る。

 

「冗談だよ。お前戦闘IQは高いからな。」

 

「えへへ~♪」

 

チルノはニッコリと笑った。

黒刀は妖夢を見つめる。

 

「安心しろ。絶対にお前を勝たせてやる。それに約束しただろ?」

 

「はっ!」

 

黒刀の言葉に妖夢は気づいた。

自分の誓いを。

 

 『絶対に全国へ行きましょう!』

 

「(そうだ。何弱気になっているんだ…先輩と約束したじゃないか…なのにこんなところで立ち止まっているなんてカッコ悪すぎる!)先輩、犬走椛に勝ちます!」

 

「ああ、ぶっ飛ばしてやろうぜ!」

 

「はい!」

 

2人がグータッチを交わそうとすると

 

「ちょっと!仲間外れは嫌よ。」

 

「私もだぜ!」

 

「あたいも!」

 

「私も忘れないでください!」

 

霊夢、魔理沙、チルノ、大妖精が入ってきて、いつの間にか円陣を組む形となってしまった。

黒刀は微笑んだ。

 

「それじゃ全国まで一直線だ!」

 

「「「「「お~!」」」」」

 

一同は決意のグータッチを交わした。




ED2 家庭教師ヒットマンリボーン「桜ロック」

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