ついに『剣舞祭』開幕です!
OP3 ハイキュー「Ah Yeah‼」
6月20日。午前7時30分。
奈良デュエルアリーナ入り口前。
にとりは端末の時計を見ながら待っていた。
すると、空から霊夢と魔理沙が飛行してやってきた。
「今日は遅刻しなかったな。」
「おうよ!興奮してあまり眠れなかったけどな!」
「遠足前の小学生か。」
霊夢がツッコむ。
「おはようございます!」
そこへチルノと大妖精が到着した。
「ちゃんと起きてきたんだ。」
「耳元で今日は『剣舞祭』だよって囁いたら飛び起きました。」
「効果絶大だな…。」
そうして話していると、バス停にバスが停まり、妖夢が降りてきて、元気に手を振ってきた。
「みんな!おはよきゃっ!」
妖夢は途中でこけた。
「「「「「(典型的なドジっ娘!)」」」」」
「いたた。」
妖夢はこちらに歩いてくる。
「大丈夫?」
大妖精は心配そうに妖夢に声をかける。
「大丈夫!」
妖夢は元気よく返した。
その時、別のバスから降りた者たちに対して歓声が沸き上がる。
紅葉高校の代表メンバーだった。
記者やファンたちに囲まれていた。
「ぐぬぬ…なぜこっちに来ない?」
チルノは悔しそうに拳を握っている。
「まあ、私たちはまだ神光学園でしか闘ってないしね。こんなもんでしょ?」
霊夢がそう言っていると、紅葉高校の代表メンバーたちがこちらに歩いてきた。
「よう!お前ら、あれから少しは進歩したのかな?」
佐藤が挑発してきた。
「「「「「あんた、誰?」」」」」
以前の彼女達なら挑発に乗っていただろうが、そう返した。
「なっ!こいつら~!」
佐藤が腹を立たせていると、椛がその肩に手を置く。
「無駄です。もう彼女たちにその手は通用しない。」
椛は妖夢の前に立つ。
「黒刀と闘うのも楽しみですが、あなたとの再戦も楽しみです。」
「私もです。今すぐ始めたいくらいです。」
「焦らなくても開会式が終わればすぐですよ。」
「そうですね。」
「…ところで黒刀がいないようですが…。」
椛は周囲を見渡す。
「逃げたんじゃねえの?」
高橋がそう言っていると、エンジン音が聞こえてきた。
音がした方向に視線を移すと、道路のカーブをドリフトしている黒刀のバイクが現れた。そして、駐車場にバイクを停めてからこちらに歩いてきた。
「おはよ~。」
「「「「「遅い!」」」」」
「時間ピッタリじゃん。」
にとりがジト目で、
「お前、また映姫に説教食らうぞ。」
「いや~!庭で空に向かって『カオスブレイカー』を連発してたら時間結構経ってた。」
「「「「「(試合前に何してんだこの人…。)」」」」」
その時、
「黒刀。」
「椛…俺たちは勝つぜ。」
「勝てると?」
「ああ、俺たちは全国制覇するからな。」
「「「「ぷはははは!」」」」
その言葉を聞いた椛以外の紅葉高校の代表メンバーは下品に笑い飛ばした。
「本気?」
「超本気。」
そう言い切る黒刀の目は鋭かった。
「なるほど。」
椛は歩き出し、黒刀の横を通り過ぎると同時に、
「でも私にも譲れないものがある。」
そう言って会場の中に入っていった。
記者とファンには我に返って椛を追いかけた。
黒刀は妖夢達に向いて、
「姫姉と永琳先生は後から来る。行くぞ!」
「「「「「お~!」」」」」
開会式は無事終わり、選手たちは控室で待機することになる。
妖夢達が自分たちの控室を見つけた時、なんと向かいが紅葉高校の控室だった。
『あ。』
「なあ、椛あれやらねえか?」
黒刀は椛に声をかけた。
「…いいですよ。」
「あれって?」
魔理沙が質問する。
「勝った方が負けた方に1つだけ命令できる賭け勝負だ。」
「ちょっ!そんなのやんのかよ!」
「安心しろ。お前らには関係ない。」
椛が口を開く。
「ならうちが勝ったら…黒刀。あなたには紅葉高校に転校してもらいます!」
『!』
黒刀以外の全員が驚いた。
「おい椛、それはどういうことだ!」
加藤がキレ気味に聞いてきた、
「俺らじゃ不満ってことか!」
伊藤もやはりキレ気味。
「強い選手を引き抜くのは当然でしょう。」
だが椛は冷静に返した。
「なるほど。」
黒刀がうなずく。
「感心している場合か!」
魔理沙が声を張り上げた。
だが黒刀はニヤリと笑った。
「それじゃこっちが勝ったら…椛!」
黒刀はビシッと椛を指さす。
『(まさかこっちも引き抜き?)』
黒刀の要求は予想外のものだった。
「お前の耳と尻尾を…モフる!」
『は?』
椛を含めた全員が虚を突かれた。
「おい、なんだモフるって?」
魔理沙が黒刀に聞く。
「モフモフする!略してモフる!生のケモミミは中々触れないからな!」
「(そういやこの人猫耳持ってたな…。)」
魔理沙はジト目で黒刀を見上げた。
椛は肩を震わせて、
「い…いいでしょう。受けて立ちますよ!勝てばいいだけですし!」
そう言って控室に入った。
その後、黒刀たちも控室に入ったが、
「「「「「何やっているんですか!」」」」」
妖夢達は声を張り上げた。
「耳に響くな~。」
「あんな賭けしてもし負けたら…。」
「大丈夫だ。この試合、ストレート勝ちか3勝1敗しかないから。」
「なんで言い切れるんだよ!」
「強敵は椛だけだ。あとは雑魚だ。」
「言い切ったよ…。」
その時、控室のドアが開き、映姫と永琳が入ってきた。
「遅くなりました!ってどうしたんですか?」
その後、2人に事情を説明した。
「賭けについてはたまにやっていますが、正直私は止められません。」
と、映姫が意外な発言。
「マジか。」
「それをやる時は必ず勝っていますので、恐らく確信があるからだと…。」
映姫のフォローに黒刀は、
「いや、単純にあの耳と尻尾をモフりたかっただけだ。」
そう言った瞬間、映姫の指先から黒い霊力弾が放たれた。
黒刀はそれを避けた。
映姫はこめかみをピクピクとさせていた。
「そもそもストレート勝ちか3勝1敗って、あなた試合に出る気ないってことじゃない。なに楽して勝とうとしているのかしら?」
映姫はここで目が笑っていない笑顔。
「いやいやオーダーは真面目に考えたよ!」
「でしょうね!でなければ…。」
「何⁉先言って!」
その時、にとりが手を叩いて、黒刀と映姫の姉弟喧嘩を止めた。
「はいはい、そこまで。今は試合に集中する!私たちの試合は9時から。それぞれ準備すること。」
にとりは皆に指示を出していった。
黒刀はベンチに座りながら端末にイヤフォンをさして、音楽を聴いてきた。
大妖精が後ろから端末の画面を覗くと、
「あ~!これ!アリス様のデビュー曲『あなたは私の恋人形』じゃないですか!」
急に騒ぎ出した。予想以上にミーハーなようだ。
黒刀はため息をついた。
「あいつ、俺に自分の曲を聴かせたがるんだよ。なぜかわかんねえけど。」
『(うわあ鈍感だ。)』
その場の全員がそう思った。
《1回戦第1試合神光学園対紅葉高校の試合開始10分前です。選手や関係者は各ベンチへ移動してください》
控室にアナウンスが流れる。
「よし行くぞ!」
「はい!」
黒刀の言葉に妖夢達は応えた。
デュエルアリーナの会場は中心にフィールドがあり、ベンチはまるでプロ野球のベンチのようになっているが、1つだけ違うのは自チームの向かい側に対戦チームのベンチがあるということだ。
《これより『剣舞祭』奈良県予選1回戦第1試合神光学園対紅葉高校の試合を開始します》
両校の先鋒がフィールドに入る。
「おい、いつまでそれつけてんだ。」
黒刀はチルノが着けているパワーリストを指さす。
「あ、忘れてた。」
チルノはパワーリストを外して、黒刀に渡して今度こそフィールドに走って行く。
《神光学園先鋒 チルノ》
「よっしゃ~!」
チルノは右手の拳を高く上げる。
《紅葉高校先鋒 佐藤明》
「ふん!楽勝だぜ!」
《3…2…1…0.デュエルスタート》
「ソードフリーザー!」
氷の剣を作り出したチルノは次の瞬間、佐藤の視界から消えた。
「何⁉どこだ!」
次の瞬間、佐藤はチルノに斬られていた。
「がはっ!(いつの間に!)」
そして、佐藤は倒れる。
《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 チルノ》
「あれ?体が軽い…。」
チルノは自分のスピードに驚いていた。
「あいつにやらせたのは単純な脚力強化だ。元々スピードが持ち味だからこれで戦術の幅も広がる。」
黒刀がそうつぶやく。
予想外の結果に観客が静まる。
そして、その一瞬の後、大きな歓声が鳴り響く。
紅葉高校の応援に来ていたファンは信じられないという表情で固まっている。
ところどころ、まぐれだ、なんて言葉も聞こえてくる。
その光景を黒刀はベンチに寄りかかりながら見ていた。
「黒刀、ちゃんと座りなさい。」
映姫が指摘する。
「いや、こっちの方がいい。リーダーが堂々している方が相手にプレッシャーを与えられるからな。…魔理沙、そろそろはしゃいでるあのバカに戻ってこいって言ってこい。」
黒刀は魔理沙に言うと、
「ああ。」
魔理沙はフィールドに入ってチルノのところへ行くと軽くチョップ。
その後、チルノは頭を軽くおさえながらベンチに戻ってきた。
「まだ浮かれるのは早いぞ。まだ勝っていないんだ。」
黒刀はチルノにそう声をかけた。
「分かったよ。」
チルノは頬を膨らませ、そっぽを向きながらそう返した。
《神光学園次鋒 霧雨魔理沙》
「いくぜ!」
《紅葉高校次鋒 高橋一》
「(こいつら、もしかして意外とレベルが高いのか?いや、だとしても俺らは全国を経験しているんだ…負けるわけにはいかねえ!)」
「そういえば黒刀先輩、なんでこのオーダーなんですか?」
霊夢がそう聞いた。
「チルノが先制。魔理沙が追い打ち。妖夢がきっちり決める。俺と霊夢はまあぶっちゃけ保険だ。」
「なるほど。」
《3…2…1…0.デュエルスタート》
「マスタースパーク!」
「面白れぇ!だったらこっちも俺も砲撃魔法で勝負だ!」
魔理沙のミニ八卦炉から『マスタースパーク』を、高橋も対抗して右手に持つロッドから砲撃魔法を放った。だが『マスタースパーク』と激突した瞬間、高橋の砲撃魔法はいとも簡単に押されてしまった。
「くっ!」
「弾幕はパワーだぜ!」
そして、『マスタースパーク』が高橋の砲撃魔法を撃ち破り、高橋のもとへ。
「チッ!」
高橋は直撃寸前で横に転がり避ける。
だが避けた先で、
「マスタースパーク~!」
「2発目だと!ぐあああああああああああああああああああ!」
『マスタースパーク』は高橋に直撃し、壁まで吹っ飛ばされる。
壁にバウンドした高橋は倒れ、気を失った。
《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 霧雨魔理沙》
「おっしゃ~!」
吠える魔理沙。
同時に大きな歓声が響く。
その後、魔理沙はベンチに戻ってきた。
「よく連発で撃てたわね。」
霊夢は少し驚いている。
「瞑想のおかげで魔力量が上がったみたいだ。」
魔理沙は自慢げにそう答えるのだった。
ED3 遊戯王GX「Wake Up Your Heart」
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