OP3 ハイキュー Ah Yeah
現在。
椛はゆっくりと目を開ける。
「(黒刀、あなたには感謝している。
あなたの言葉がなかったら私はここまで来れなかった。
だからこそ私の全力をもってあなたに勝つ!)」
椛はそう決意してフィールドに足を踏み入れる。
向かい側からは同じように黒刀もフィールドに入ってきた。
10m程、距離が詰まったところで2人は立ち止まる。
「1年ぶりだな。」
黒刀は1人つぶやいた。
会場の観客席は満員状態だった。
「すごい人ですね…。」
妖夢が驚いた声を出す。
「奈良予選最大の注目対戦カードといっても過言じゃないからな。
『千里眼』同士の対決、これは一瞬たりとも目が離せない試合になるだろうな。」
にとりが観客全員が思っていることを代弁する。
「でも去年は黒刀先輩が勝ったんですよね?」
霊夢が疑問を口にする。
「人は成長する。過去の試合の結果はあくまで過去のものでしかない。」
にとりは言葉を返す。
ちなみにチルノと看病している大妖精、そして魔理沙は医務室のモニターウインドウで観戦している。
椛は正面に黒刀を見据えている。
「(今年の黒刀…去年の黒刀とは雰囲気が全く違う。
去年はもっと…冷たいというかまるで感情がないような感じだった。でも今日の彼は違う。
闘争心むき出し。まるで獲物を狙う猛獣のよう。)」
黒刀は試合が楽しみで仕方がないようで、口元の緩みを隠せないでいた。
会場全体は歓声に包まれている。
そして…
《3…2…1…0.デュエルスタート》
試合が始まった。
「うおおおおおおお!」
黒刀が雄叫びと共にオーラを放出する。
「なんてオーラ…。」
椛が剣を鞘から抜き構える。
「いくぞ!」
黒刀が右足を踏み込むと同時にクロスステップで椛の背後に回り込む。
「それはもう散々…見た!」
椛は先読みして振り返り、黒刀の肘を狙って剣を振る。
次の瞬間、お互いの刃はぶつかり合った。
「(なんで…あの状況からではガードくらいしか…そうか『超反射』か。)」
「その程度か?」
黒刀は口を開いた。
「くっ!」
椛はバックステップで距離を取る。
「おせぇよ!」
だが黒刀は一瞬で距離を詰める。
黒刀が刀を振り、椛が躱して肘を狙い、黒刀がそれを弾き反撃。
そんな攻防がしばらく続く。
そんな闘いを会場で観ているオレンジ色の髪のショートカットの女の子がいた。
その女の子に対して、黒髪ロングに着物を着て扇子を持った女の子が声をかける。
「あなたも来ていたのね。」
「花蓮さん。…いや、九条さんって呼んだ方がいいかな?」
オレンジ色の髪のショートカットの女の子が応える。
「今はナンバーズとしてではなく友人として接しているのだから名前でいいわ。
それともこちらも苗字で呼ぼうかしら?五位堂光。」
オレンジ色の髪のショートカットの女の子が五位堂光。
黒髪ロングで着物の女の子が九条花蓮。
彼女達はナンバーズである。
「もう意地悪だな花蓮さんは。そういえばあっちに仁さんがいたよ。」
「あ~六道の…。ということは今、この会場に3人のナンバーズが観に来ているということね。」
「そういえば二宮さんは?同じ学校ですよね?」
「優は来ないわ。」
「え~何でですか?あの人、黒刀に対してかなり注目してたらしいじゃないですか?」
「注目というよりなんか因縁があるみたい。それが何なのかは話してくれないけど…。」
「婚約者の花蓮さんにも?」
「ええ、全く。多分、優は黒刀の試合を観ていたら自分が闘いたくなってしまうんじゃないかしら?」
「なるほど。」
「そんなことより今はこの試合を観ましょう。」
試合が始まって5分が経過していた。
椛は少し焦っていた。
「(このままじゃ埒が明かない。黒刀相手に長期戦はまずい。一気に決める!)」
椛は自身のオーラをさらに高める。
「気力解放!」
それを見た黒刀は、
「ほお、勝負に出たか。」
「気を抜いている暇があるのか?」
椛は黒刀の懐に潜り込む。
「狼牙!」
妖夢に大ダメージを与えた椛の新技である。
黒刀はそれを鳩尾に叩き込まれる。
しかし…
「ふ~、なかなかの攻撃じゃねえか。」
そう言いながら狼牙を放った椛の手首を右手で掴んだ。
「バカな!効いてない⁉」
椛は驚愕した。
黒刀はニヤリと笑い、椛が反応できないスピードで斬り下ろした。
椛はその攻撃を肩口から斜めにかけてもろに受けてしまう。
黒刀が追撃しようとするが、椛は手首を掴んでいる黒刀の右手を狙い剣を振る。
黒刀は手を離し、距離を取る。
大ダメージを受けた椛は少しふらつく。
「はあ…はあ…化け物…。」
椛はなんとか息を整えながら憎まれ口をたたく。
「よく言われるよ。さて…そろそろ終わらせるとするか。…気力解放!」
黒刀も椛と同じ解放状態となる。
椛は黒刀の気力の上昇率に驚愕した。
「なにこれ…いくらなんでもデカすぎる!」
「いくぞ!」
黒刀は刀を水平に振り、斬撃を放つ。
「くっ!」
椛はしゃがんで避ける。
その斬撃は背後の結界に衝突し、なんと亀裂が入っていた。
「なんてでたらめな…。」
椛は圧倒的な攻撃力に舌を巻く。
黒刀のオーラはフィールドの4分の1を占めるほどだった。
観客席にいるほとんどの者が圧倒的な力に対する恐怖を抱いた。
そんな中、映姫は
「(止めたい…だけどそれはできない。
黒刀は私に止めるなと言った。覚悟を決めて…なら私にできることは見届けることだけ…。)」
一方、観客席で観戦しているにとり達は、
「結界班は応援を呼ぶだろうが無駄だろう。間に合わない。」
にとりが腕組みしながら口にする。
「結界が限界だものね。」
霊夢は亀裂が入っている結界を眺めながら言った。
椛は黒刀の肩を斬りつける。
しかし、キンッと音を立てて刃は黒刀の肩で止まる。
「まさかオーラで防いだっていうの⁉」
「お前のオーラじゃ足りねえよ!」
黒刀は刀を振り下ろす。
椛は剣を引いて、両手で持ち、横向きにして防御するが予想以上の圧力がかかってくる。
「(重い…なんて力…。)」
「ハッ!」
黒刀は椛の腹を蹴り上げる。
さらに吹っ飛ばされた椛に斬撃を放つ。
「くっ!」
椛は空中で斬撃を剣で受け流す。
しかし、受け流した斬撃が結界に衝突し、ついにパリンッと音を立てて結界が破壊される。
観客たちは一斉に出口に向けて逃げ出す。
観客席に残っているのはナンバーズ、にとり、霊夢、妖夢、永琳、そしてもう1人謎のメイド。
「結界が破壊されてもフィールド外に出ない限り試合は続く。」
黒刀は刀をぶら下げながら口にする。
「くそ!もう後がない。なら全てのオーラをこの剣に!」
床に着地した椛は自分の気力を全て剣に集束させていく。
「いくぞ!」
椛はハイジャンプで高く跳躍してから、ロージャンプで急降下して黒刀に向けて空中上段斬り。
「はああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
椛は雄叫びを上げる。
黒刀は刀に黒いオーラを集束させていく。
「!」
椛は一瞬驚くが、そのまま斬りかかる。
「カオス…ブレイカー~!」
もはやそれは斬撃というより黒い光の奔流。
その光に椛は飲み込まれていく。
そして、ボロボロになった椛は落下して床を転がった。
《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 四季黒刀》
機械音声が響き渡る。
ロビーに避難してモニターウインドウで観ていた観客たちはただ呆然と立ち尽くしていた。
妖夢、霊夢、魔理沙、チルノ、花蓮、光は同時にこう思った。
「「「「「「(これが…王者の実力…。)」」」」」」
にとりは頭を掻いていた。
「(ったく、上に向けてカオスブレイカーを放ったから大丈夫だったが前後左右どこかに放ってたら大惨事だぞ。)」
黒刀は刀を鞘に納め、
「楽しかったぜ。」
気を失っている椛に言葉を残して行った。
黒刀が立ち去ろうとゲートを向いたその時、『千里眼』で観客席にいるある人物が視界に入り、観客席を見渡すとその人物は既にいなくなっていた。
「今の…紅魔学園の生徒…偵察?いや偵察にしては気配が異様すぎる。奴は一体?」
デュエルアリーナの出入り口から出てきた人物は携帯端末である人物に電話をかけた。
「私です。ええ…はい…勝ち上がったのは四季黒刀です…お嬢様。」
妖夢が立ち上がる。
「次は私たちの番ですね。」
霊夢も立ち上がる。
「手加減しないわよ。」
「こっちだって!」
妖夢と霊夢の闘志がぶつかり合う。
剣舞祭奈良個人予選Aブロック優勝者。
神光学園 四季黒刀。
ED3 遊戯王GX Wake Up Your Heart
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