東方剣舞   作:kuroto xanadu

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20話。

OP3  ハイキュー Ah Yeah



全国編
ライバル


 黒刀対椛の試合が終わり、次は霊夢対妖夢のBブロック決勝戦…のはずなのだが、

 

「どうしてまだ始められないのですか!」

 

妖夢は声を張り上げた。

 

「バカか。黒刀が結界を破壊したせいで今、修復中なんだ。」

 

にとりが冷静に返した。

 

「そんな~!」

 

妖夢は項垂れた。

 

 

 

 医務室。

黒刀は医務室に入って、

 

「よう!」

 

と、挨拶した。

チルノ、魔理沙と目を覚ましていた椛は黒刀にジト目を向けてきた。

 

「「「なぜお前が入ってくる?」」」

 

「なにかおかしいか?」

 

黒刀は首を傾げる。

 

「そりゃ自分を負かした相手が」

 

「笑顔で挨拶しながら入ってきたらね~。」

 

魔理沙と椛はため息をつく。

 

「それじゃ何か飲み物買ってこようか?」

 

黒刀の提案に、

 

「あたい、ソーダ!」

 

「私はコーラだぜ!」

 

「お茶。」

 

チルノ、魔理沙、椛の順に答えた。

 

「一切遠慮なしかよ。まあ、いいけど。大妖精も何か飲むか?」

 

「じゃあ、私もお茶で…。」

 

「分かった。」

 

そう答えて黒刀は医務室を出る。

 

 

 

 自動販売機で4人分の飲み物を買って医務室に戻ろうとすると、

 

「おい。」

 

声をかけられる。

黒刀が振り向くと、そこにいたのはつり目でハリネズミのように尖った髪型をした黒髪の男だった。

 

「おやおや、鷹岡高校3年の六道仁じゃねえか。何か用か?」

 

「俺とタイマン張れ。」

 

「…いやだね。」

 

「何?」

 

「どうせ全国で闘うことになる。」

 

「黙れ!俺は今すぐてめえをぶっ飛ばしてぇんだよ!」

 

「悪いがてめぇと遊んでいる暇はねえんだよ。六道。」

 

黒刀の目つきが変わる。

 

「てめえ!」

 

仁は今にも掴みかかりそうな勢いだった。

その時。

 

「癒しの風。」

 

声が聞こえ、黒刀と仁の間にそよ風が吹いた。

 

「室内で吹いてくるってことは…あんたか…九条花蓮。」

 

黒刀が名を口にする。

 

「お久しぶりです。四季黒刀。」

 

「私もいるよ~!」

 

花蓮の後ろから光がひょっこり出てきた。

 

「九条、何の真似だ?」

 

仁が苛立ちを露わにする。

 

「彼にあれだけの闘いを見せられて闘いたい気持ちは分かるけど、私たちは

『ナンバーズ』。試合以外で安易にぶつかるとどうなるかあなたにも分かっていることでしょう?」

 

花蓮は笑顔で諭す。

 

「チッ、帰る。」

 

仁はそう言って立ち去った。

 

「それじゃ、俺も急いでるんで。」

 

黒刀も口を開く。

 

「ええ、また。」

 

「またね~♪」

 

花蓮が笑顔で見送り、光が手を大きく振りながら見送った。

 

 

 

 黒刀が医務室に戻ってくると、

 

「おっそ~い!」

 

チルノが文句を言ってきた。

 

「わりぃわりぃ、ちょっと知り合いに会ってたんだ。」

 

黒刀は飲み物を渡しながら弁明する。

 

「試合、近くで見た方がいいんじゃない?」

 

椛が黒刀に言葉をかける。

 

「ん~、俺はここで観るよ。」

 

黒刀は椅子に座る。

 

「意外。あなたなら一番近くで見ると思ってた。」

 

「俺が観客席にいると、2人の集中力を逸らしちゃうかもしれないだろ。」

 

「へ~。」

 

椛が感心したような声を出す。

 

「そういえば、会長はどこに行ったんだ?」

 

魔理沙が質問する。

 

「姫姉なら俺の試合が終わった後に家に帰った。

なんか大事な用事があるって言ってた。」

 

 

 

 妖夢はゲート前で壁に寄りかかって待機していた。

 

「(そういえば、霊夢と本気で闘うのってこれが初めてかも。

最初に会った時驚いたな~。魔理沙の箒を腕力で止めちゃうだもん。

だからなのかな…私は心のどこかで霊夢が本当は強いんだって分かって…

いつの間にかライバルと思っていたのは…。)」

 

 

 

 同じように霊夢もゲート前で待機していた。

 

「(初めて妖夢に会った時、正直強そうには見えなかった。

危なっかしくて守ってやらないといけないような子だと思っていた。

でも、妖夢の初めての決闘を見た時、知ってしまった。

妖夢はちゃんと心に芯が通っていて、まっすぐ自分の道を突き進んでいる。

いい加減にやってきた私とは大違い。

あの子の強さは力ではなく心だ。

私は小さい頃から霊力が高くて、それに頼った闘い方をしてきた。

もし私が妖夢に勝てたら変われるのだろうか。

今より違う自分に………とにかく負けられない…少なくとも私は妖夢を…)」

 

「(私は霊夢を…)」

 

「「(ライバルだと思っているから!)」」

 

2人はそう決意してフィールドに足を踏み入れる。

2人がフィールドに入場した瞬間、まるで先程の試合の決着が嘘のように観客が大勢集まっており歓声が沸いていた。

 

「私たちの試合にこんなに人が…。」

 

妖夢が会場を見渡していた時、

 

「妖夢。」

 

霊夢から声がかけられる。

 

「霊夢。」

 

妖夢も名前を呼ぶ。

 

「私はこの試合、全力を出し切ってあなたに勝つ。」

 

霊夢がそう口にした。

 

「それは私もだよ。私もずっと霊夢と闘いたいと思っていたから。」

 

妖夢も応える。

 

「奇遇ね。私もよ。」

 

霊夢はそう言って構える。

妖夢も2本の剣を鞘から引き抜く。

 

 

 

 医務室。

 

「この試合に勝った方が全国……あ~私はどっちを応援すればいいんだ~!」

 

魔理沙は頭を掻きむしった。

 

「いいからちゃんと見てろ。

今、あの2人は自分の想いをぶつけ合おうとしてんだからよ。」

 

黒刀がモニターウインドウを見ながらそう言った。

 

 

 

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

「爆符!」

 

試合開始直後、霊夢は霊符を放ってきた。

妖夢はバックステップして躱す。

 

「かかったわね!」

 

「え?」

 

妖夢が着地した床に爆符が貼られていた。

そして、地雷のように爆発する。

 

「(この程度で終わるはずがない。ということは…。)」

 

霊夢が上を見ると、妖夢がハイジャンプで跳び上がっていた。

 

「(読まれている…そうだよね…今まであんなに一緒に過ごしていれば…。)」

 

妖夢は唇を噛む。

 

「(動きは予測できる。それに妖夢の技は全部見ている。)」

 

「(今までとは違い、手の内を知り尽くされた相手。

でもだからって負けられない!)」

 

「(ロージャンプで急降下…。)」

 

霊夢は妖夢の行動を予測した。

妖夢はロージャンプで急降下した。

 

「(読み通り!)」

 

妖夢が上から斬りかかると、霊夢の頭上に結界が展開され、剣撃が防がれる。

 

「なっ!」

 

「私の結界は一級品よ!爆符!」

 

「ぐあっ!」

 

今度は妖夢に直撃し、爆発で吹っ飛ばされる。

妖夢は床を転がりながらもなんとか体勢を立て直す。

 

「(次はクロスステップ…。)」

 

霊夢は再度、予測。

妖夢がクロスステップをすると、移動している途中で床の爆符を踏み、

爆発を受けてしまう。

 

「クロスステップは確かに速いけど踏み込んだ足とクロス状にに動くから足元をよく見ておけば対処できないことはない。」

 

霊夢は冷静に分析する。

 

「くっ…(分かっていたことだけどやっぱり霊夢は…強い!)」

 

「(どうしたの?そんなものなの?あなたの実力はこんなものじゃないでしょ?)」

 

妖夢はステップを封じられてしまった。

 

「(爆符の位置を確認。よしいける!)」

 

妖夢は床にある爆符を避けながら駆ける。

だが、ドーンと音を立てて爆発した。

 

「ぐはっ!(まずい床には爆符が…。)」

 

爆発で吹っ飛ばされた妖夢は爆符のない床に手をつき、安全な床に着地する。

 

「どうして?」

 

妖夢は疑問を口にする。

床には細心の注意を払っていた。

それ以前に今の爆発は床からではなく空中で発生したものだ。

 

「特別に教えてあげる!今のは幻符って言って私以外には見えない霊符なのよ。

そして今、空中にはおよそ1000枚の幻符が展開されている!」

 

「せん…まい…。」

 

その数に妖夢は驚愕した。

 

「(この状況を打開する方法はただ1つ。さあ、早く解放を使いなさい!

そのあなたを私が倒す!)」

 

霊夢は妖夢の気力解放を待っていた。

 

「(やるしかない!)はああああ!」

 

妖夢は気力を高めるが解放には至らない。

 

「どう…して?」

 

「どうしたの妖夢!あなたの力はその程度なの!なら私の勝利で終わらせる!」

 

妖夢の周囲に結界が展開され、包囲される。

その中で霊力弾が浮遊する。

 

「夢想封印!」

 

霊力弾が妖夢に向けて放たれる。

 

「まだだ…まだ私は…闘える…霊夢には…負けない…いや…勝つ!」

 

妖夢は自らの内にある力を解き放つ。

妖夢から解き放たれたオーラが光の柱となって天へと昇る。

あまりに大きすぎるオーラに夢想封印の結界がパリンッと音を立てて破壊される。

 

「くっ、だけどまだ弾幕が残ってる!」

 

「旋風剣!」

 

妖夢は自分の体を軸に回転して、全ての霊力弾を斬り落とした。

 

「夢想封印を完全に破った…ようやく本気になったのね!」

 

霊夢は楽しそうに笑った。

妖夢はゆっくり霊夢の元へ歩く。

 

「バカな!幻符が怖くないって言うの?」

 

妖夢は幻符が体に触れる寸前、真っ二つに斬った。

 

「見えている?いやそんなはずはない。

まさか…直感だけで斬っているの?なら!」

 

浮遊している幻符と床にある爆符が霊夢の右手に集まっていく。

 

「もう小細工はなし!これで最後よ!」

 

霊符が霊夢の右手のひらで燃え、その炎が大きな霊術の術式を構築する。

 

「白霊砲!」

 

霊夢の右手から巨大な白い霊力の光線が妖夢に向けて放たれる。

妖夢は2本の剣に金色のオーラを集束させて、上段に構える。

 

「閃光斬撃波!」

 

2本の剣を振り下ろし、金色の斬撃を放つ。

『白霊砲』と『閃光斬撃波』がぶつかり合う。

 

「「はああああああああああああああああああああああああああああああああ!」」

 

押しては押し込まれ押し込んでいく。

 

「もっとだ…もっと…もっと強く!」

 

『閃光斬撃波』の勢いが増していき、『白霊砲』が徐々に押されていく。

 

「くっ!」

 

「もっと高みへ!」

 

そして、『白霊砲』は完全に『閃光斬撃波』に押し負けた。

 

「うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

霊夢に『閃光斬撃波』が直撃し、吹っ飛ばされ悲鳴を上げて倒れる。

 

《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 魂魄妖夢》

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

妖夢は普段出さないような声で吠えた。

それに呼応するように会場に歓声が沸く。

 

「ついにお前も来るのか…あのステージに…。」

 

黒刀はただ1人そうつぶやいた。

 

 

 

 試合後、霊夢は医務室に搬送された。

霊夢の体は動かせなかったが、意識は戻っていた。

 

「ようこそ~敗者の墓場へ。」

 

霊夢を待っていたのは魔理沙達敗者と大妖精、黒刀だった。

 

「じゃ、俺はこれで。」

 

黒刀はそう言って医務室を出て行った。

 

 

 

 妖夢は試合が終わって急いで霊夢のいる医務室に行こうとしていた。

そこへ、

 

「妖夢。」

 

黒刀が目の前に現れる。

 

「先輩…私…霊夢に…。」

 

「今は会わない方がいい。」

 

「え?」

 

「お前らの試合を観て感じたよ。

お前らは友達でありライバルであるからこそお互いの想いをぶつけ合い全力で闘った。

だからこそなおさら強いんだよ…負けた時の悔しさが。」

 

「先輩…。」

 

 

 

 霊夢は泣いていた。

カーテンをかけて誰にも見られないように。

他の皆はそんな霊夢を見たり、聞いたりしないように決してカーテンを覗かず、

イヤフォンをつけて、大妖精にすすめられたアリスの曲を聴いていた。

何曲かあるうちの1曲はみんな同じだった。

その曲はバラードで雨をテーマにしたものだった。

 

剣舞祭奈良個人予選Bブロック優勝者。

神光学園 魂魄妖夢。




ED3 遊戯王GX Wake Up Your Heart

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