東方剣舞   作:kuroto xanadu

25 / 107
21話。

OP3 ハイキュー Ah Yeah



八咫烏

 黒刀はロビーで外を眺めていた。

 

「雨か…。」

 

その時、黒刀の携帯端末に着信が入る。

送信者の名前を見た黒刀は嫌そうな顔をする。

空間ウインドウを展開する。

 

「あいつだからな~。映像はOFFにしておこう。」

 

黒刀はウインドウを操作して、映像をOFFにして受信ボタンを押す。

すると、

 

《あ~!やっと出てくれました~!も~彼女の電話なんですから早く出てくださいよ~!》

 

電話に出たのは可愛らしく元気が良さそうな女の子の声だった。

 

「元彼女だろう。」

 

《ひどいです~!あ、もしかして照れているんですか?セン…パイ♡》

 

「切るぞ。」

 

《あ~待ってください!ごめんなさいセンパイ。

久しぶりに声が聞けたのでつい嬉しくて。》

 

「で。何の用だ…早苗。」

 

《その前にさっきからSOUNDONLYになっているんですけど…。》

 

「お前の顔を見たくないから。」

 

《ひどっ!》

 

「用がないなら切るぞ。」

 

《もうせっかちですね~。私達のチームが全国に出ます!

すごいでしょ?予選は全部ストレート勝ちですよ!》

 

「うちもそうだよ。」

 

《はい!聞きました咲夜さんから。》

 

「咲夜?もしかしてあのメイド服を来た人か?」

 

《ええそうですけど…まさかセンパイ…メイド好き!》

 

「切るぞ。」

 

《じょ、冗談ですってば!》

 

「それと諏訪子も来てたようだけど…。」

 

《諏訪子様ですか?さあ、私は何も聞いてませんけど…。》

 

「っていうことは勝手に来たのか。マジであの人教頭かよ。」

 

《センパイ。》

 

「なんだ?」

 

《愛してま》

 

黒刀は電話を途中で切った。

数秒後、もう一度着信が来た。

 

「おい、いい加減に」

 

《随分偉そうな言い方ね。》

 

今度の声の主は早苗ではなかった。

 

「レミリア…。」

 

《気安く名前で呼ばないでくれる?》

 

「なんでかけてきた?」

 

《私だってあなたなんかにかけたくはなかったけど宣戦布告をしておこうと思ってね。》

 

「宣戦布告ね。」

 

《もし万が一、私たち紅魔学園と試合することになった場合は完膚なきまでに叩き潰してあげるわ。》

 

「そうか。じゃあなロリッコウモリ。」

 

黒刀は電話を一方的に切った。

 

 

 

 

「あの~レミリア先輩?私の端末を返してもらうと…。」

 

そうお願いするのは東風谷早苗。

緑色のロングヘアー、緑色の瞳、白地の上着に青いスカートの巫女服、

頭には蛙の髪飾りをした巨乳女性。学年は1年生。

 その彼女に対して、携帯端末を投げ渡すのはレミリア・スカーレット。

青みががった銀髪のセミロング、真紅の瞳、10歳並の小柄な体格、服装は全体的にはピンク色。

太い赤い線が入り、レースがついた襟。

両袖は短くふっくらと膨らんでおり、袖口には赤いリボンで蝶々と結んであり、

左腕には赤線が通ったレースが巻いてあり、小さなボタンで、レースの服を真ん中でつなぎ止めている。

腰のところで赤いひもで結んでいて、そのひもはそのまま後ろに行き、

先端が広がって体の脇から覗かせている。

スカートは膝まで届く長さで、これにも赤いひもが通っている。

背中には蝙蝠の翼が生えている。

彼女こそ『未来王』である。学年は2年生。

 空が曇り出し、雷が鳴り出した。

 

「派手にやったものね。」

 

そう声をかけてきたのは比那名居天子。

青髪のロングヘアーに真紅の瞳、体格はやや小柄。

半袖、ロングスカートで服の一部がエプロンのようになっており、

そこにオーロラを表す虹色の飾りがついている。

頭には桃の実と葉がついた丸い帽子をかぶっており、 胸には赤、腰には青の大きなリボンがついている。

左腰には彼女の愛剣『緋想の剣』がぶら下がっている。

学年は3年生。

 レミリアの足元には、彼女に挑み敗れた紅魔学園の生徒達がまるで山のように積み重なっていて、

その頂上にレミリアは立っていた。

 

「200人ってところか。」

 

天子は倒れた生徒の数を目算して、つぶやいた。

その時、レミリアのすぐ近くで倒れていた男子生徒が一矢報いようとレミリアの服の裾へ手を伸ばそうとしていた。

その瞬間、雷が落ち男子生徒に直撃する。

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

男子生徒は断末魔を上げながら、吹っ飛ばされる。

 

「汚らわしい手で私に触れるな!」

 

レミリアは冷たい声と共に睨んだ。

それから拳を握り、

 

「…あの男…この私に向かって、あんな侮辱をするなんて…今度会ったら絶対に…

串刺しにしてやるわ!」

 

レミリアがオーラを放つと、倒れていた敗者達が吹っ飛ばされていく。

一部は早苗の方にも飛んできた。

 

「うわあああああ!こっちきた~!」

 

早苗は天子の背中に逃げる。

天子はため息をつくと、目の前に炎の壁を展開する。

炎の壁に当たった者たちは悲鳴を上げて燃えていく。

 

「随分ご機嫌が悪いようだけれど何かあったの?」

 

天子は早苗にたずねる。

 

「ちょっとセンパイに電話をかけていたら…。」

 

「四季黒刀のことか…詳しくは聞かない方がよさそうね。」

 

「それにしても相変わらず凄いですね。天候を変える程のオーラだなんて。」

 

早苗が周囲の惨状を見ながら感心する。

 

「さすがは『王』と言ったところだろう。」

 

天子は空を眺める。

空に映る月は紅魔学園敷地内には特殊な結界が展開されているため、敷地内から月を眺めると紅く見えるのだ。

 

「どうしたの?」

 

そこへ声をかけて現れたのはフランドール・スカーレット。

金髪のサイドテールに真紅の瞳。

体格はレミリアと同じくらい。

服装は半袖、ミニスカート。スカートは1枚の布を腰に巻いて2つのクリップで留めている。

靴は赤のストラップシューズ。

背中には1対の枝に7色の結晶がぶらさがった特殊な翼が生えている。

レミリア・スカーレットの妹である。学年は1年生。

 

「今、センパイに電話を…。」

 

「ずる~い!私もお義兄様とお話したかったのに!」

 

フランドール・スカーレット、通称フランは文句を言う。

 

「戻りました。」

 

さらに現れたのは、十六夜咲夜。

銀髪のボブカットに青い瞳、

服装は青と白のメイド服。

髪の先に緑色のリボン、もみあげ辺りから三つ編みを結っている。

スカートの裾の長さは膝丈程度。

頭にはカチューシャ。

腰に銀色の懐中時計がぶら下がっている。

レミリア・スカーレットの従者。学年は3年生。

 

「揃ったわね。」

 

レミリアがフラン達に振り向く。

 

「私たちが勝つのは必然!

覆ることのない運命!

私達がやるべきことはただ1つ!

勝者であり続けること!これだけよ!

そして、あの男に教えてあげましょう!

絶望的!絶対的な実力の差というものを!」

 

レミリアは宣言する。

雲が晴れ、少し隠れていた紅き月がはっきりと現れる。

 

「さあ、参りましょう!楽しいお祭りへ!」

 

 

 

 

 6月28日。

剣舞祭奈良個人予選の表彰式も終わり、その後の学校生活は一変した。

特に1年生達の活躍は学校全体に広がっていた。

 

「はあ~疲れました~!」

 

妖夢は机に突っ伏す。

 

「まあ握手、サイン、運動部からの勧誘、新聞部の取材ときたらさすがにきついぜ。

霊夢なんて寝てるし。」

 

魔理沙も肩を揉みながら愚痴を言う。

妖夢は苦笑いして、

 

「チルノは学校中走り回ってるみたい。皆に自慢したいんだろうね。大妖精もついていってるし。

…先輩はどうしてるのかな?」

 

妖夢は空を眺めてそんなことを口にするのだった。

 

 

 

 黒刀は中庭の木の下の芝生の上で昼寝をしていた。

顔の上に開いた本を乗せながら。

起こすと悪いと思って誰も近づいてこないようだ。

 

「あ、いた。」

 

そこへ小町がやってきた。

 

「ん?」

 

小町は黒刀の顔に乗っている本の表紙を見る。

本の題名は『リーダーとしてのあり方』。

 

「うわあ、単純。」

 

小町が呆れた口調で言う。

 

「単純で悪かったな。」

 

「起きてたのか…。」

 

「今、起きた。」

 

黒刀は本を閉じて、眠たい目をこする。

 

「弟君、会長が呼んでるぜ。」

 

「姫姉が?」

 

「何か大事な用事があるって。」

 

黒刀は立ち上がって、移動を始める。

 

「何も悪いことした記憶ないけどな。」

 

「(こいつ、マジで言ってんのか…。)」

 

 

 

 生徒会室。

 

「連れてきましたよ、会長。」

 

そう言いながら生徒会室に入る小町。

 

「ありがとう。」

 

「あ、外した方がいいですか?」

 

「構いません。小町なら聞かれても問題ないですから。」

 

「それで何の用事?」

 

小町の後に生徒会室に入ってきた黒刀がきく。

 

「渡したいものがあります。本当は予選が終わってすぐにしようと思っていたんですけど、少し時間がかかってしまったので…。」

 

「その机の上に置いてある物か?」

 

黒刀は生徒会長の机の上に置いてある黒い鞘に納まった1本の刀を指さした。

 

「ええ。」

 

映姫は短く答える。

黒刀はその刀を手に取り、鞘から抜く。

刀身の長さは80㎝。

余計な飾りはなく、鍔もない黒い刀身の直刀。

刃の側面には『八咫烏』と文字が刻まれていた。

 

「『八咫烏』…。」

 

黒刀はつぶやく。

 

「知っていますか?」

 

映姫が口を開く。

 

「刀にも意思があります。そして、『八咫烏』の場合、使い手に対しての要求値が高いのです。

だから四季家代々において、その刀を扱えたものは1人しかいません。

強い刀なのは確かなのですが…。」

 

「確か四季家って戦国時代から代々続く名家なんですよね?」

 

小町が質問する。

 

「ええ。『八咫烏』はその時代に生きていた黒髪の侍が使っていたと聞いています。」

 

「黒髪…まるで弟君みたいですね!」

 

小町のテンションが上がる。

対して、黒刀は『八咫烏』を見つめたまま。

 

「そうか…高いオーラの持ち主を求めていたんだな…お前は。」

 

黒刀は『八咫烏』に語り掛ける。

 

「黒刀が今、使っている刀は特殊な金属と術式で折れにくいですが、

それはあくまで黒刀のオーラに耐えきれるまでです。椛さんと試合を観ました。

黒刀の刀にほんの僅かですがひびが入っています。おそらく次は…。」

 

映姫はそこで口を閉ざす。

 

「折れるだろうな。」

 

黒刀が言葉をつなぐ。

 

「『八咫烏』なら大丈夫でしょう。」

 

「確かにこいつなら俺のオーラを全て受け止めてくれるだろうな。」

 

黒刀はそう言って『八咫烏』を鞘に納めて右腰にぶら下げる。

 

「元の刀はどうする?」

 

「…一応、俺の部屋に残しておくよ。…なあ、7月の上旬に夏合宿あるよな?」

 

「ええ。」

 

「1人ゲストを呼んでもいいかな?」

 

黒刀は笑みを浮かべる。

 

「『八咫烏』を試すつもりですね?」

 

「ああ。といってもその前に妖夢達には試練が待ち構えているわけだが…。」

 

その一言に小町が察する。

 

「ああ、あれか!」

 

「「期末試験!」」

 

黒刀と小町は口を揃えて言うのだった。




奈良編完。

ED3 遊戯王GX Wake Up Your Heart

ご感想お待ちしております。

OPとEDは必要だと思うか?

  • はい
  • いいえ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。