東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP4 学戦都市アスタリスク2期 The Asterisk War



モードチェンジ

 首里高校代表ベンチ。

ボロボロになった輝夜が戻ってくる。

 

「輝夜先輩、あの…海道先輩が起きません。」

 

鈴仙がうろたえる。

輝夜は寝ている男に視線を向ける。

 

「海道、起きなさい。」

 

「ん…ふわぁ…。」

 

輝夜の一言で起きたのは海道修。

緑色の髪でスポーツ刈り、身長185㎝でやる気のなさそうな男。

腰には曲刀がぶら下がっている。

学年は2年生。

 

「そんじゃ…行ってくる…ふわぁ…。」

 

海道は欠伸をかきながらデュエルフィールドに入っていく。

 

「大丈夫でしょうか…今回の相手はあの四季黒刀ですよ?」

 

鈴仙が心配そうな声を出す。

 

「心配ないわ。彼は強い。」

 

「はぁ…。」

 

輝夜の答えに鈴仙は納得しきれなかった。

 

 

 

 

《ついに…ついにきました!

あのチャンピオン…四季黒刀選手が今!このフィールドに立ちました!》

 

《見ものですね》

 

文の実況に神奈子が応える。

黒刀が鞘から『八咫烏』を勢いよく引き抜く。

それだけで強い風圧が起きた。

 

 

 

 

 神光学園代表ベンチ。

妖夢があることに気づく。

 

「あれ…そういえば合宿中は気づきませんでしたけど先輩の刀、前と違いますね。」

 

その疑問に映姫が答える。

 

「あの刀の名は『八咫烏』。

以前の刀では黒刀のオーラに耐えきれませんでしたが『八咫烏』なら大丈夫です。」

 

「つまり先輩は初めて名を持つ刀を手に入れたってことですか?」

 

「そういうことになりますね。」

 

 

 

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

試合開始直後、黒刀が斬撃を放つ。

それを海道は上半身をひねって躱す。

躱された斬撃は結界に直撃すると衝撃吸収システムが作動し破壊されなかった。

 

「うん。これなら安心してやれるな。」

 

黒刀は不安の種を1つ解消した。

海道もようやく眠気から覚めたようで、

 

「あ~さてと…やるか。」

 

少し沈黙した後、

 

「おら!」

 

まるで人が変わったように曲刀を振ると、その刃が伸びて黒刀に襲いかかる。

黒刀は横に飛んでそれを避けると通り過ぎたはずの刃が向きを変えて黒刀の背後から襲いかかる。

黒刀は振り向きもせず、その刃を『八咫烏』で弾いた。

だが弾いた刃はまた黒刀に襲いかかる。

黒刀はそれをまた弾く。

海道は口笛を吹く。

 

「やるな…ならこれでどうだ!」

 

海道は一旦、刃を戻し突きを放つ。

黒刀はそれを真正面から弾く。

弾いた刃の刀身からもう1つの刃が増え、黒刀に襲いかかる。

黒刀は『超反射』を発動して反応し、それを『八咫烏』で弾く。

 

「2本じゃダメか…なら次は5本だ!」

 

海道が曲刀を振ると1つの刃が5つに増える。

黒刀はそれを全て弾く。

 

「次は10本だ!」

 

5つの刃が倍になり、あらゆる方向から黒刀に襲いかかる。

黒刀はそれも全て弾く。

 

「ハハハ!すげぇなおい!ここまでやられたらこっちも出し惜しみなんかしてらんねぇな…いくぜ!20本!」

 

「っ!」

 

それは黒刀の最大剣速数を超える数だった。

20本の刃はコントロールが難しいのか、ほとんどが真正面からだったがそれでも黒刀の対応できる数ではなかった。

 

「くっ!」

 

黒刀は刃を19本まで弾いたが、最後の1本が間に合わず頬を掠める。

黒刀はバックステップする。

それを追いかけるように20本の刃が襲いかかる。

バックステップしながらそれを弾くが、やはり最後の1本が間に合わず腹、肩に命中してしまう。

 

「カオスブレイカー!」

 

黒刀は気力を集束した黒い斬撃を放つ。

だが20本の刃は海道の元へ戻り、刃の壁を作り防いだ。

 

「どうした?これで終わりか?なんだ…大したことねえな!」

 

海道は吠える。

黒刀は息を吐いた。

 

「………ったく、しょうがねえな。」

 

「あ?なにがだ?」

 

「もうちょっと隠しておこうと思ったが、そうもいかねえみたいだからな。

…感謝するんだな!これから見せるのはまだ誰にも見せていないとっておきだ!」

 

「ハッタリで俺を騙せると思っているのか?」

 

「ハッタリかどうかはこれを見てから言え。」

 

黒刀が棒立ちになると、彼を纏うオーラが黒い木の葉となって彼を渦巻く。

 

「なんだ…いったいなにを…。」

 

海道は声を漏らす。

 

「モードチェンジ!」

 

そして、木の葉の竜巻から声が聞こえた。

木の葉の竜巻がバッと消えるとそこにいたのは黒いコート、黒いグリーブを着けた黒刀ではなく、半袖の黒い着物を着ていて、素足のまるで浪人侍のようだった。

 

「サムライ!」

 

黒刀はそう言い放つ。

これが『サムライモード』となった黒刀の姿である。

海道は目を見開く。

 

「なんだそれ…変身魔法やデュエルジャケットと何が違う?」

 

「すぐに分かるさ。」

 

 

 

 

 神光学園代表ベンチ。

黒刀の『サムライモード』を見た映姫は固まっていた。

 

「どうした映姫?」

 

にとりが横から声をかける。

 

「あんなの私は知りません。」

 

「え?」

 

「今まで一緒にいましたが、あんな力を私は一度も見たことがありません。」

 

「(姉である映姫が?)」

 

にとりは疑問が深まった。

 

 

 

 

「何のつもりだか知らねえがここはコスプレショーじゃねえんだよ!」

 

海道は20本の刃を黒刀に向かって放つ。

黒刀は腰をグッと落とした。

 

「四季流剣術 壱の段 一騎当千!」

 

『八咫烏』を振ったその瞬間、20本の刃が一瞬で弾かれた。

 

「なっ!」

 

海道は驚く。

黒刀の剣速は20に達していた。

黒刀は踏み込んでダッシュする。

海道は舌打ちして20本の刃を伸ばして放つ。

黒刀は襲いかかってきた刃を走りながら弾いていく。

 

「くそ!(しかたねえ…精度は落ちるがやるしかねえ!)」

 

海道が刃を伸ばすと、刃が曲がり黒刀を囲み襲い掛かる。

黒刀は立ち止まる。

 

「四季流剣術 壱の段 一騎当千!」

 

だが刃は全て弾かれてしまう。

黒刀は『八咫烏』を鞘に納め、腰をグッと落とし構える。

 

「(居合⁉まずい離れねえと!)」

 

海道はバックステップしようとする。

 

「遅い!四季流剣術 弐の段 一閃!」

 

黒刀がそう言い放った一瞬の後、黒刀は既に海道の背後から10m離れた場所でいつの間にか抜いた『八咫烏』を鞘に納めようとするところだった。

そして、『八咫烏』を鞘にカチャっと納めると、海道の肩から斜め一線に斬撃が走る。

 

「がはっ!」

 

海道は声を上げて前のめりに倒れる。

 

《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 四季黒刀》

 

黒刀の『サムライモード』が解けて、元のデュエルジャケットに戻る。

 

《勝利したのは…神光学園だ~!》

 

文が高らかに叫ぶ。

観客がそれに応えるように歓声と拍手を響かせる。

 

 

 

 黒刀がベンチに戻ると妖夢、霊夢、チルノ、にとり、映姫が寄ってきて祝福やモードチェンジについての質問攻めにあった。

黒刀は質問に答える。

 

「あれはなんていうか俺の可能性だよ。」

 

「「「「「可能性?」」」」」

 

妖夢達が一斉に首を傾げる。

 

「こうなりたいって想いから生まれた能力みたいなもんだ。」

 

「「「「「へえ~。」」」」」

 

「ほら、もうこのくらいでいいだろう。さっさと魔理沙達のところへ行くぞ。」

 

「(逃げた。)」

 

「(逃げたね。)」

 

「(逃げましたね。)」

 

「(ああ、逃げた。)」

 

「(そうだ…大ちゃんのところに行かなきゃ。)」

 

 

 

 神光学園代表控室。

東京デュエルアリーナの控室にはベッドも備え付けてあった。

 

「見てたぜ…2回戦進出おめでとう。」

 

ベッドに横たわる魔理沙が口を開く。

 

「怪我はどうだ?」

 

黒刀が声をかける。

 

「ああ、だいぶ良くなってきた。明日の試合には間に合いそうだ。」

 

「そうか…良かった…じゃあ俺がおぶってくか?」

 

「え…いや…それは…ほら!黒刀だって疲れてるだろうし…。」

 

魔理沙が急にうろたえだす。

 

「あれ~!魔理沙、もしかして恥ずかしいの~?」

 

霊夢が意地悪な笑みでからかう。

 

「ば…ばか!そんなんじゃねえ!…ただ…迷惑かけたのに…悪いなって…。」

 

「何言ってんだ?仲間なんだから助け合うのは当たり前だろ。」

 

魔理沙の遠慮に黒刀はそう返す。

 

「黒刀…そうか…そうだな…じゃあ頼む。」

 

「ああ。」

 

黒刀は魔理沙をおぶって行くのだった。




ED4 咲 全国編 TRUE GATE

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