神光学園代表ベンチ。
「今の魔理沙の負けはほとんど魔理沙の油断が原因だ。気にするな。
それより次はどう勝つかを考えることの方が優先すべきだ。」
「「「「はい!」」」」
黒刀の言葉に妖夢、霊夢、チルノ、大妖精が返事する。
「妖夢、いけるな?」
「はい!」
「よし、いけ!」
「はい!」
妖夢は元気よく返事してデュエルフィールドに入った。
妖夢の対戦相手はロシアからの留学生、レティ・ホワイトロック。
薄紫色のショートボブに白いターバンのようなものを巻き、ゆったりとした服装をしている。
下はロングスカートにエプロンを着用。
首には白いマフラーを巻いている。
左胸に首から腰までの白いラインが走っており、そこに銀を表す四方向に矢印のついた槍のブローチをつけている。
瞳は薄紫色。
身長は妖夢と同じくらい。
学年は3年生。
「ヨロシク。」
片言で挨拶をされる。
「あ、はい!よろしくお願いします!」
妖夢も慌てて頭を上げて挨拶を返す。
それから二本の剣を抜いて構える。
レティは素手だ。
《3…2…1…0.デュエルスタート》
「妄執剣 修羅の血 弐式!」
妖夢は開始早々、突っ込む
…がレティに届く寸前で白い物体に阻まれた。
「…雪?」
妖夢は言葉を漏らす。
レティは雪で壁を作り、妖夢の攻撃を止めたのだ。
妖夢はバックステップで後退した後、クロスステップでレティの背後に回り込む。
妖夢が『白楼剣』を水平に振ると、レティの服の裾から雪が飛び出してくる。
妖夢は攻撃をやめてバックステップする。
「服の中に雪を…。」
妖夢は驚いた。
レティは手を振って雪を操作して妖夢に攻撃する。
妖夢は後方に高くジャンプして躱す。
しかし、フィールド床全体が雪に埋まってしまい完全に雪原フィールドと化してしまった。
「(これじゃ着地出来ない…ハイジャンプとロージャンプを使っていくしかない。)」
妖夢はハイジャンプして上昇する。
そこからロージャンプで急降下して妖夢に上段斬りで斬りかかる。
その時、妖夢とレティの間に雪の壁が現れる。
妖夢は空中で体を縦に一回転させて雪の壁を飛び越えてレティの背後に回り込み『楼観剣』を振る。
だが、雪の壁の展開の方が速く、攻撃を防がれた。
妖夢の背後から雪が襲い掛かり、それをまともに食らって吹っ飛ばされてしまう。
体勢を立て直そうと立ち上がると、足が雪に捕らえられる。
「くっ!」
妖夢は必死に雪から足を引き抜こうとするが、まるで雪の中から引っ張られているかのように引き抜けなかった。
レティは雪を操作して巨大な獅子の顔を造形すると、妖夢に攻撃を仕掛ける。
妖夢はハイジャンプして無理やり脱出して躱す。
「(雪原は厄介すぎる…こんな時、先輩ならどうする?)」
妖夢はベンチにいる黒刀に視線を向ける。
黒刀は笑みを浮かべていた。
それを見た妖夢はハッと気づいた。
「そうか…そうですよね…先輩なら…」
俺なら…
「「斬る!」」
妖夢は『白楼剣』を鞘に納めた。
「気力解放!」
妖夢の体を光の柱が包み込む。
その光の柱が形を崩すと妖夢の『楼観剣』に集束していく。
『楼観剣』は気力を注ぎ込まれ、巨大な光の剣となった。
妖夢は『楼観剣』を上段に構えて、振り下ろした。
「断名剣 冥想斬!」
巨大な光の剣をレティはなんとか避ける。
だが、斬られた床が真っ二つに割れ、その隙間に雪が入っていく。
妖夢はレティのいる反対側の床に着地してすぐに床を蹴り上げて『楼観剣』を中段に構えて水平に振る。
「もう一度!断名剣 冥想斬!」
「スノーマン!」
レティが詠唱して巨大な雪の巨人を造形する。
雪の巨人は拳を握って、妖夢に拳を振り下ろす。
剣と拳がぶつかり合う。
「はあっ!」
妖夢はさらに力を込めた。
雪の巨人は真っ二つに斬られ、その奥にいたレティも斬られた。
レティは数m後方に吹っ飛ばされ気を失う。
《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 魂魄妖夢》
妖夢は『楼観剣』を鞘に納めて、ホッと息をついて、それからベンチに戻って行った。
神光学園代表ベンチ。
「おつかれ。」
妖夢がベンチに戻ってくると黒刀が労いの言葉をかける。
「はい。」
妖夢はそう応えて、ベンチに寄りかかる。
「次は私ね。」
霊夢はベンチから立ち上がってデュエルフィールドに入る。
霊夢は心配そうな目をしていた。
「気をつけろよ。次の相手は…」
白雪高校代表ベンチ。
「さて、そんじゃ…いきますか!」
そう言って立ち上がるのは五位堂光。
肩に担ぐのは大きな斧。
「気をつけてください。次の相手は札を使っ」
「あ~、別にいいよ。そんなの…どうせ全部ぶった切るだけだし!」
雪村の忠告を無視した光は早く試合がしたくて溜らないと言いたげな表情をしていた。
光はデュエルフィールドに入る。
「やれやれ…ナンバーズっていうのはみんなあんなに好戦的なのかね~。」
雪村が首を横に振って呆れる。
「そうですね~…黒刀君もそんな感じになりますよ。」
真冬が顎に人差し指をあてて口にする。
「やれやれ…ほんとに厄介だ。」
雪村はため息しか出なかった。
デュエルフィールドに入った後でも、光は笑ったままだった。
「なんなの…こいつ…。」
霊夢は不気味さを感じた。
「さあ!さっさと始めようぜ!」
光が興奮した口調で言い放った。
《3…2…1…0.デュエルスタート》
試合開始直後、霊夢が爆符を放とうとしたその時、光は既に霊夢の懐に潜り込んでいた。
「(いつの間に!)」
霊夢は咄嗟に後方にバックステップした。
さっきまで霊夢のいた空間に斧が振り抜かれる。
「(あんなに重そうな斧を持っているのに…なんであんなに速く動けるのよ!)」
霊夢は光のスピードに舌を巻く。
光は斧を振り回し、霊夢はそれを避ける。
光の連続攻撃が続いていると、霊夢がしびれを切らした。
「こんの!調子に…乗るな!」
霊夢が後方に宙返りする。
「夢想封印!」
霊夢の展開した結界が光を取り囲む。
だが…
「こんなもん…効かねえよ!」
光が斧を水平に振ると、結界があっけなく破壊された。
「なっ!」
「これが私のスキル『デーモン』!魔法だろうが霊術だろうがぶった切ることが出来るのさ!
つまり!てめえのまどろっこしい霊術なんて全部私に斬られるんだよ!」
光はそう言い放った。
「(こいつ…魔理沙と黒刀を合わせたような性格のやつね。)
悪いけど私も諦めるわけにはいかないのよ!」
「そうかよ!」
光が何もない空間を斬ると、斬られた札が現れる。
「(幻符がバレてる!どうする…夢想天生でいくか…いやリスクが高すぎる…なら数で押し切る!)」
霊夢は大量の爆符を放つ。
「はっ!効かねえって言ってんだろうが!」
光は爆符を一振りで薙ぎ払った。
攻撃の風圧で霊夢の体勢が崩される。
光はそれを見逃さなかった。
「ぶち壊せ!デストラクションスラッシュ!」
光の斧が赤く輝く。
光が斧を振ると、大きな赤い斬撃が放たれる。
霊夢は迎撃や回避する隙も無く直撃する。
地上に落下して気を失った。
《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 五位堂光》
光は斧を担いだままベンチに戻る。
その時にはいつもの明るい表情に戻っていた。
霊夢がうっすら目を開けると、目の前に黒刀がいた。
霊夢の体はデュエルフィールドの床ではなくベンチに横たわっていた。
「ごめん…負けちゃった…。」
霊夢は自身の敗北を謝る。
黒刀が霊夢の肩に手を置く。
「安心しろ。俺が決めてくる。ここでゆっくり休んでろ。明日の試合のために。」
黒刀はそう言ってデュエルフィールドに入った。
その背中を見た霊夢は、
「…明日の試合のために…か。」
ED4 咲 全国編 TRUE GATE
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