東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP1 学戦都市アスタリスク「Brand new World」
ED1 遊戯王5Ds「START」



入学編
二人の剣士


 2209年夏

会場中に歓声が広がる中、その黒い刀を持ち闘っている男がいた。

魂魄妖夢はその男は憧れた。

 

 2210年4月5日。

ここは幻想町。奈良県にある町である。

この国にはある大規模な高校生の大会がある。

その名も『剣舞祭』。

全国の高校から代表となる選手が出場して行われる武器ありの大会である。

大会は個人戦と団体戦の2つある。

 昨年の剣舞祭である男子高校生が1年生であるにも関わらず個人戦で優勝した。

 その人に憧れた魂魄妖夢という女子高生がこの春、

その人と同じ『神光学園』に入学することとなった。

 

 「行ってきます!」

元気の良い声で家を飛び出したのは、

銀髪ボブカットの女の子、魂魄妖夢。

 

その時…

 

「待ちなさい、妖夢。」

そう呼び止めたのは水色の服を着た

桃色の髪の女性、

西行寺幽々子だった。妖夢の保護者である。

 

「なんですか?幽々子様。」

妖夢が訊ねる。

 

「忘れ物はない?学校の場所は分かる?

お弁当も持っていかなきゃ!」

「落ち着いて下さい。学校は地元ですし、それに

今日は入学式だけですので午前中で帰ってきますから。」

 

幽々子の慌てた声に妖夢が冷静に答えると、幽々子は安心

したように息をつく。

 

「それにお弁当が必要なのは幽々子様の方ではないですか?」

妖夢がからかうように言うと

「あ~ひどい~!それじゃ私が食いしん坊みたいじゃない!」

幽々子が頬を膨らませて怒る。

「あはは、それじゃ行ってきます。」

妖夢は逃げるように登校した。

 

 妖夢がこれから通う神光学園には英雄がいる。

一昨年までは優勝者がいなかったこの学園に昨年初めて

優勝者が出た。

だが、一つ疑問がある。

そんなに強い人がいるのに、どうして団体戦は優勝できなったのだろう。

妖夢が歩きながらそんなことを考えていると、

 

~危ない!

 

誰かの叫び声が聞こえたのでその方向に

顔を向けると

なんと箒に乗った少女が飛んできて、

その箒の柄の先が迫ってきていた。

避けようとしたが、時すでに遅し、

もう逃げられない距離まで迫っていた。

 

「(まずい。轢かれる。)」

 

思わず目を瞑る。

だがいつまで経っても自分には届かない。

恐る恐る目を開けると箒は妖夢の眼前で止まっていた。

 直後、箒の後ろから頭に赤いリボンの黒髪少女が

 

「はぁ~ギリギリセーフ。」

 

その少女はこちらを向き、

 

「あなた、大丈夫?」と心配してくる。

 

「あっはい、大丈夫です。」

 

すると今度は箒に乗っていた黒い帽子の金髪少女が宙に浮く箒から降りて

 

「あ~その、ごめんな。ちょっと飛ばしたら止まんなくてさ。」

 

「魔理沙!あなたねぇ、なに?その謝る気0の謝罪!」

 

「ちゃんと謝っているじゃないか。ならどうすればいいんだぜ?」

 

「そうね。とりあえず土下座ね」

「なんで!」

「当たり前じゃない。ついでに私にもね。」

「だからなんで!」

「日頃の分よ。」

「私、何もしてないだろ!」

「本、盗まれたんだけど。」

「盗んでないぜ!一生借りてくだけだぜ。」

「泥棒の言い分じゃない!」

 

息をつかせぬ2人の言い合いを見ていた妖夢。

 

「あの~。」

 

気弱な態度で声をかける。

 

「「んっ?」」

 

「私はこの通り無傷ですので、お気になさらないで下さい。それより、お二人は1年生なのですか?」

 

妖夢は神光学園の制服の胸のリボンを見て聞く。

神光学園の女子の制服は胸のリボンの色によって学年が分けられている。

1年は青、2年は赤、3年は青。

ちなみに男子は黒いブレザーでネクタイの色で分けられている。

 

「そうよ。ということはあなたも?」

 

赤いリボンの少女が妖夢に聞き返す。

 

「はい。魂魄妖夢です。よろしくお願いします。」

 

「博麗霊夢よ。こちらこそよろしく。」

 

「霧雨魔理沙だぜ!よろしくな!」

 

「霊夢さんに魔理沙さんですね。」

 

「呼び捨てでいいわよ。同じ学年なんだし。」

 

「そうだぜ。気楽にいこうぜ。」

 

「すみません。今まで同い年の友達がいなかったので接し方が分からなくて。」

 

「寂しい青春送ってるわね、あなた。」

 

霊夢がなんとも言えない表情をする。

それに対し、魔理沙が

 

「なら、今から私達と友達になろうぜ!」

 

そう眩しい笑顔で口にした瞬間、桜の花びらが舞った。

 

妖夢も笑顔でこう返した。

 

「はい!是非!」

 

 それから、3人は登校を再開する。

なお、魔理沙は箒を肩に担いで徒歩である。

 

 妖夢は先程から気になっていたことを霊夢に聞く。

 

「そういえば霊夢はどうやって魔理沙の箒の加速を止めたのですか?」

 

「ああ、あれ。単に箒の柄の根の部分を掴んだだけだけど。それがどうかした?」

 

「…ええと、かなりのスピードが出ていたとおもうんですけど。」

 

霊夢の真顔の返答に妖夢が苦笑い。

 

「こいつ、こう見えて結構力あるんだぜ。」

 

魔理沙が霊夢を親指で指さす。

 

「そうなんですか?」

 

「ちょっと魔理沙!それじゃ私が馬鹿力の女みたいじゃない!」

 

「(なんかデジャブ感。)」

 

霊夢の怒りに妖夢は今朝の幽々子とのやりとりを思い出して苦笑い。

 

「だいだいあの神光学園に通っている人で常人の方が少ないんじゃない?」

 

「ああ、それは言えてるぜ。」

 

「でしょ?噂では百人斬りをするやつだっているんだから。それに比べたら私なんて可愛いものよ!」

 

「いや、それ。ただの噂だろ?」

 

「あっ!見えましたよ!神光学園!」

 

霊夢と魔理沙の論争を遮って、妖夢が指さした先には広大な敷地の中心にそびえ立つ巨大な校舎。

 

それこそが神光学園の校舎である。

 

「ん、なんだあれ?」

 

「何が?」

 

「ほら、あれ。」

 

妖夢と霊夢が魔理沙の指差した先を見る。

すると、そこには百人くらいが倒れた人の山が出来ていた。

それを見た3人は顔を見合わせてこう叫んだ。

 

「噂、本当だったーーーーーーーーーーーーー!」

 

その後、すぐに口を開いたのは霊夢だった。

 

「えっと、私も実は半信半疑だったんだけど、まさか本当に百人斬りするやつがいるとは思わなかったわ。」

 

「いや、まだそうと決まったわけじゃないだろ。

ほら、組体操のピラミッドをやって失敗しただけかもしれないだろ?」

 

魔理沙は驚きのあまり思わず疑問形になってしまう。

 

「こんな正門の近くでですか?」

 

妖夢が苦笑い。

 

「改めてとんでもない学校に入学してしまったわね。」

 

霊夢はため息をついた。

 

「とりあえず行きましょ。初日から遅刻なんて洒落にならないからね。」

 

「そうだな。」

 

「ですね。」

 

3人は案内板に従って入学式の会場である第一体育館に向かった。

 

 

中庭。

 

「また喧嘩?」

 

「別に。あいつらがかかってきたから相手をしてやっただけだ。」

 

「ふ~ん。まぁなんでも良いけど会長には迷惑かけないようにしてよね。…黒刀(くろと)。」

 

 

 第一体育館。

 

「わぁ、広いですねこの体育館。

2000人くらいは入りそうです。」

 

妖夢が感心した声を出す。

 

「でもここにいる1年生は100人くらいだぜ。」

 

「たしか1学年100人だから全校生徒は300人でしょうね。」

 

「300人!?案外少ないんだな…。」

 

「それだけ狭き門ってことでしょ。」

 

 そんなことを話しているうちに、入学式の始まりの挨拶が始まった。

司会役の生徒が「学園長の挨拶。」と進行する。

 

ステージの上に現れたのは金髪ロングで紫色の瞳をし、紫色のフリルドレスと白い手袋を着けた妙齢の女性だった。

 

「あの人が…学園長。」

 

「何か不思議な雰囲気を持っている人ね。」

 

「ああ、只者じゃないって感じだ。」

 

妖夢・霊夢・魔理沙がそれぞれ感想を漏らす。

 

周囲から

「結構美人じゃね?」

「ああ、やべぇ。」と話し声が聞こえてくる。

 

妙齢の女性は礼をした後、

 

「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

学園長の八雲紫です。

ご存知の通り、我が校は強さを第一とした高校です。ここにいる皆さんはその場所に入ることが出来た優秀な生徒であり、大変喜ばしく思っております。」

 

紫はそこで柔らかな笑みを浮かべた後、続ける。

 

「この学園には校内ランキングというシステムが存在します。これは皆さんがこの学園で何番目に強いのかということを証明します。ランキングは基本1対1の決闘により決められます。自身より上位の生徒に勝利することが出来ればお互いの順位が入れ替わります。ちなみに敗者は2日間の決闘禁止となります。」

 

そこで紫は一度息を整えてから

 

「そして、6月上旬の時点で上位5名が剣舞祭への出場権を得ます。ですので皆さん、頑張って下さい。

以上です。」

 

紫が挨拶を終えてステージから下りる。

 

「剣舞祭…。」

 

妖夢が静かに呟く。

 

「では続いて四季生徒会長から一言お願いします。」

司会が式を進める。

 

呼ばれてステージに現れたのは緑色の髪のショートヘアーで、青い瞳をした身長145㎝の女生徒だった。

制服のリボンの色は緑、3年生である。

 

生徒会長は一礼してから

 

「新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

生徒会長の四季映姫です。

私から皆さんに言いたいことは1つ。

この学園の生徒である以上、自らの力に驕ることなく、日々の努力の積み重ねを信じて高みを目指して下さい。以上です。」

 

映姫はそれだけ言ってステージから下りてしまう。

 

「なんかあっさりだな。」

 

「そうですね。」

 

魔理沙が囁き、妖夢が返す。

 

 司会が

「では最後に校内ランキング1位の四季黒刀さん。

一言お願いします。」と呼ぶ。

 

しかし、少し待っても現れない。

 

「四季黒刀…会えるんだ。あの人に。」

 

妖夢が呟く。

 

「妖夢?どうしたんだ?」

 

魔理沙が妖夢の顔を覗きこむ。

 

「えっ?ううん、何でもないよ!」

 

妖夢は慌てて手をふってごまかす。

 

「そうか。」

 

魔理沙は追及せず、引き下がる。

 

「おいおい、まだかよ!」

「早くしてくれよ!」

周囲が騒がしくなってくる。

 

「どうします会長?」

 

映姫にそう聞くのは赤髪ツインテールの生徒会副会長、小野塚小町。

 

映姫はというと怒りを抑えきれないのか右手の拳を握りしめてプルプルと震わせていた。

 

「仕方ありません。私が引きずってでも連れてきます。」

 

映姫がそう口にした瞬間、凄まじい音ともに体育館の入り口の扉が吹き飛び、1人の男子生徒が悲鳴を上げて、ステージの後ろの壁に激突した。

壁に激突した生徒は西洋のプレートアーマーを着ていて、呻き声を上げるとステージの床に落ちて気絶した。

気絶した生徒の一瞬、光に包まれると次の瞬間には制服に戻っていた。

 

一同が入り口に視線を集中させるとそこに立っていたのは黒髪に黒い瞳で整った顔立ちをしていて、身長185㎝で筋肉質の体をした制服姿の男。制服のネクタイの色は赤。

右腰には刀が納められた黒い鞘が据えられている。

 

「ったく、入学式の日にまで決闘仕掛けてくんなって言ってんのに。」

 

その男は面倒臭そうにそう口にした。

 

そんな中。

「えっと、四季黒刀さん。すみません。新入生に一言お願いします。」

司会役の生徒がおどおどしながら促す。

 

「ここでいいか?」

 

「あ、はい。」

 

黒刀と呼ばれた男は新入生を見渡した後、

 

「あ~、俺が四季黒刀だ。…そうだな。

お前らに言うことといったら…」

 

とここでためる。

新入生は息をのみ、次の言葉を緊張しながら待つ。

 

「俺はここにいる誰にも負けるつもりはない。

それと剣舞祭に出ようとしている奴がいるならこれだけは言っておく。勝つ気もねえ半端な覚悟を持っていない奴だけ俺と同じ場所に上がってこい。」

 

黒刀は新入生に対してそう宣言した。

それは新入生への挑発でもあり宣戦布告だった。

 

皆が呆気にとられる中、妖夢だけは違った。

妖夢は黒刀に対して闘志を宿した目を向けていた。

 

黒刀もそれに気づいたのか視線を返す。

 

二人の剣士の視線が交じり合う。

 

こうして、神光学園入学式は終了した。

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