東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP4 学戦都市アスタリスク2期 The Asterisk War



炎の剣士

《ついにやって来ました!第10回剣舞祭団体戦決勝戦!》

 

《片や優勝候補、片や初出場校の試合となりますね》

 

《それではここで選手の紹介をしたいと思います!まずは紅魔学園から!》

 

文の実況と共にフィールドに展開されたモニターウインドウに紅魔学園の先鋒、比那名居天子の顔が映される。

 

《先鋒!3年生の比那名居天子選手!一昨年の個人戦チャンピオンです!ここまで圧倒的な実力で敵を薙ぎ倒してきました!》

 

《どれだけ強くなっているのか注目の選手ですね》

 

「絶対倒す!」

 

チルノが拳を握りしめる。

 

《続いて次鋒!東風谷早苗選手!1年生ながらも名門校の代表に選ばれています!》

 

《侮れない選手です》

 

《次に中堅!十六夜咲夜選手!ここまでの全試合を1秒で勝利しています!》

 

《今大会最速タイムを出しているのは彼女で間違いないでしょう》

 

《さらに学生でありながらメイドのお仕事もされています!》

 

《…それ言う必要あります?》

 

《いや、でも結構人気あるんですよ!主に男性からですが……さて、続いて副将!

フランドール・スカーレット選手!紅魔学園は今大会全試合ストレート勝ちしていますので実力はいまだに謎のまま!ですが東風谷早苗選手と同じ1年生にして代表に選ばれているので期待が高まります!》

 

《あの『未来王』レミリア・スカーレットの妹でもありますからね》

 

《その通り!そしてそのレミリア・スカーレット選手!今大会は先鋒ではなく大将です!昨年の先鋒戦では相手を完膚なきまでに潰すその姿は『王』の格を見せるものでした!》

 

《彼女に対抗するには未来予知をどうにかしなければなりませんからね》

 

《紅魔学園はここまで9連覇を果たしています!10連覇達成なるか?》

 

 

 

 紅魔学園の選手紹介をしている頃。

首里高校、白雪高校、鷹岡高校、仙台高校の代表選手はVIPルームにいた。

各校にナンバーズがいるためである。

光はソファに寄りかかってポテチを食べている。

 

「光ってばそんなに食べてると太るよ?」

 

真冬の言葉に対し光はこう返した。

 

「私、太らない体質だから。」

 

光はポテチを食べながら言った。

 

『羨ましい!』

 

光以外の女性陣が一斉に文句を言った。

 

「今日はデータがたくさん取れそうですね。」

 

雪村がフィールドを見下ろしながら言った。

 

「あの十六夜咲夜を倒せる人間なんていないわよ。私のスキルとは質が桁違いなんだから。」

 

輝夜が髪をかき上げながら言った。

 

「どうかな?黒刀が何も策を考えていないとは思えない。」

 

優がソファに腰かけながら偉そうに言った。

 

「あるわよ…きっと。」

 

花蓮は神光学園の勝利を信じていた。

 

 

 

 観客席の最前列には椛が座っていた。

 

「(黒刀…妖夢…私が越えられなかった壁をあなた達がどうするのか最後まで見てあげる。)」

 

 

 

 最後列の手すりの傍に空間魔法の魔法陣が展開される。

 

「間に合った~!」

 

そこから小町が現れる。

続いて紫、永琳、幽々子、阿求が現れる。

 

「じゃあ、あたいは一番前で応援してきます!」

 

小町が最前列の方へ走り出す。

 

「私はここで十分です。ただでさえ人が多いですから。」

 

阿求はその場にとどまる。

 

「私は前に行くわ。妖夢を応援したいし。」

 

幽々子も最前列へ移動する。

 

「私と永琳はここにいるわ。」

 

「ええ。ところで紫、黒刀達の勝率はどのくらい?」

 

「う~ん…正攻法でやったら0%。」

 

「「え?」」

 

阿求と永琳が声を上げる。

 

「慌てないで。正攻法だったらの話よ。考えてみなさい。あの黒刀よ?」

 

それを聞いた阿求が呆れ顔になる。

 

「あ~彼、勝つ為に手段を選びませんからね。」

 

「そういうこと♪」

 

紫はそう言ってウインクした。

 

 

 

 そして…

 

《さあ、続いては神光学園の選手紹介です!先鋒!チルノ選手!氷の妖精であり近距離から遠距離までの攻撃を持ち多様性に溢れた選手です!さらにここまで全試合全勝しています1まさに神光学園のとっては期待のホープ!》

 

《伸びしろもまだまだありそうな選手です》

 

《次に次鋒は…博麗霊夢選手!なんと神光学園、ここでオーダーを変えてきました!》

 

《全国でもたまにやる高校はいますがまさか決勝戦でするとは…》

 

「ふふ…驚いたか!」

 

黒刀が得意気な顔をする。

 

「これで良かったのか?」

 

「ああ。」

 

にとりの言葉に対し、黒刀はそう返した。

 

 

 

 時を遡って昼頃。

 

「黒刀はオーダーを変えようと考えている。」

 

「「「「「え~!」」」」」

 

黒刀の伝言を伝えたにとりに対して妖夢達は驚く。

 

「だって黒刀はオーダーを変えないって言ってたぜ!」

 

「原則的にはとも言っていただろう。」

 

「あ~確かにそんなことも言っていたわね。」

 

霊夢は黒刀の言葉を思い出してため息を吐く。

 

「で、皆はどうする?」

 

「「「「…もちろんOKです!」」」」

 

 

 

 現在。

 

《博麗霊夢選手は札と結界を用いた霊術で相手を翻弄するタイプの選手です!》

 

《神社の巫女とも聞いています!対戦相手の東風谷早苗選手も神社の巫女ですのでまさに巫女としてのプライドをかけた闘いとなるでしょう》

 

「バッチ来いです!」

 

早苗は手をクイクイとさせて挑発なポーズを取る。

 

「どうでもいいけど…そのポーズ、巫女っぽいか?」

 

天子は呆れ顔で言った。

 

「あの生意気巫女に天誅を下す時が来たようね!」

 

霊夢は腕まくりして気合いを入れる。

 

《続いて中堅は…なななんと!あの四季黒刀選手です!これはあまりにも予想外!》

 

文の実況に会場がどよめき始めた。

 

「「やっぱり仕掛けてきた。」」

 

紫と優が同時に口にする。

 

「黒刀が十六夜咲夜と…」

 

輝夜が黒刀の奇策に考え込む。

 

「面白くなってきたな。」

 

妹紅が輝夜の顔を覗き込みながら言った。

 

「さすが黒刀君ですね!」

 

「それよりモニターに映っているあいつの顔写真、何で高笑いしている魔王にみたいになっているんだ?」

 

仁が呆れた口調でモニターを見ていた。

 

 

 

「なんだあの顔!大会スタッフの悪意を感じるぞ!」

 

「「「いや、あんな感じだ。」」」

 

霊夢、魔理沙、にとりが声を揃える。

 

 

 

 観客席。

椛は黒刀の意図を読み取ろうとしていた。

 

「(おそらく会場のほとんどの人間は黒刀とレミリアの勝負から逃げたように見えるでしょうね。…でも黒刀、あなたは勝つ為に選んだ。そうよね?)」

 

それに対してレミリアは余裕の表情だった。

 

「未来は覆らない。これも既に見えていることよ。」

 

《え~と、あまりの衝撃に紹介が遅れましたが四季黒刀選手はナンバーズであり昨年の個人戦チャンピオンでありナンバーズであり『破壊王』でもあります!さらに彼には『千里眼』、『超反射』、『集中』、『破壊王の鎧』の4つのスキルを持っておりどれも強力なスキルです!》

 

《そして、最も恐ろしいのが彼の得意とする剣技『カオスブレイカー』。あの技は防御術式を破壊するというとんでもない特殊効果がついています。この技に何人やられてきたことかもう数えきれません》

 

《その四季黒刀選手が今大会全試合1秒で勝利している十六夜咲夜選手にどう闘うのか見ものです!さて、続いては副将!霧雨魔理沙選手!これは博麗霊夢選手と入れ替わった形となっている模様です!霧雨魔理沙選手の注目すべき点といえばやはりあの『マスタースパーク』!昨日の王龍寺高校の岩徹剛選手との試合ではこれぞパワーというような試合を魅せてくれました!》

 

《今回も見られるといいですね。あの魔法は実に綺麗ですから》

 

「あのお姉ちゃんが相手か…楽しみ♪」

 

フランがクスッと笑った。

 

《最後に大将!魂魄妖夢選手!神光学園、1年生に大将を任せるという大博打を打ってきました!》

 

《1回戦では敗北してしまいましたが2回戦からの活躍には目を見張るものがありますね。あの九条花蓮選手を倒した実力は果たしてレミリア・スカーレット選手に届くのか目を離せません》

 

《神奈子さん、それ私のセリフです~》

 

《あ~すみません》

 

《神光学園の代表メンバーは四季黒刀選手以外全員1年生です!》

 

《紅魔学園の10連覇か神光学園の初優勝か?》

 

《その答えは今日、明らかに!それでは先鋒戦を開始します!》

 

「それじゃ、あたい行ってくるよ!」

 

チルノがベンチから立ち上がる。

 

「チルノ。」

 

黒刀が呼び止める。

 

「何だ?」

 

チルノが振り向く。

 

「…暴れてこい!」

 

「おうよ!」

 

チルノは元気よくフィールドに入る。

 

「それじゃ、行ってくるよ。」

 

天子がベンチから立ち上がる。

 

「天子先輩、頑張って下さい~!」

 

早苗が手を振る。

天子はフィールドに入り、チルノの前に立つ。

 

「ようやく君と闘えるようだね。よく頑張った…が君はここで敗北する。」

 

そう言って自身の愛剣『緋想の剣』を抜いた。

 

「チャンピオンって皆そんな嫌味しか言えないの?あたいは勝つよ!何故ならあたいは最強だから!」

 

チルノはそう宣言して天子に対してビシッと指さす。

 

「ならば決着をつけるとしよう…今こそ!」

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

先に動いたのはチルノだった。

 

「ソードフリーザー!」

 

チルノは氷の剣を造形し、飛翔してから天子に向かって斬りかかる。

 

「はあああ!」

 

吠えるチルノ。

 

「見せてあげよう。1年間で私がどれだけ強くなったか…君の攻撃は私には届かない!」

 

氷の剣が天子を斬ると思ったその瞬間、天子の前に炎の壁が出現させる。

 

「くっ!」

 

チルノは押し込もうとするが予想外の熱量に弾かれてしまう。

 

「なんか似ているな…はっ!黒刀の『破壊王の鎧』!」

 

「正解だ。頭は回るようだね。去年、彼に負けてから作った技だ。」

 

「…ちょうどいいや!いつか黒刀の『破壊王の鎧』を攻略しようと思ってた。じゃあその練習台になってよ!」

 

チルノは笑みを浮かべて突っ込む。

 

「私を練習台とはいい度胸だ1年!」

 

天子を踏み込んでチルノとの距離を詰める。

チルノは氷の柱を造形した。

 

「防御のつもりか!」

 

『緋想の剣』に炎が宿る。

天子は『緋想の剣』を振って氷の柱を斬り壊す。

だが、その先にチルノの姿はなかった。

 

「どこにいった?」

 

天子は周囲を見て探す。

その時、頭上で風を切る音が聞こえた。

 

「上か!」

 

天子は顔を上空へ向ける。

チルノは上から急降下していた。

 

「何度やってもこの炎の壁は破れない!」

 

天子は炎の壁を展開する。

 

「はあ!」

 

チルノは氷の剣を振り下ろす。

チルノと炎の壁が激突するか思ったその瞬間、チルノの体が蒸発して消えた。

 

「水蒸気の残像⁉本物は?」

 

天子が振り返るとそこには氷のハンマーを持ったチルノが突っ込んできていた。

 

「これが『ドライジェット』…そして、これがあたいの想いを込めたグレートクラッシャーァァァ!」

 

チルノは氷のハンマーを天子に叩きつけた。

 

「ぐっ!」

 

天子が吹っ飛ばされる。

床に『緋想の剣』を突き刺して、なんとか踏ん張る。

 

「あいつ…既に霊力解放を…。」

 

天子はそうつぶやいて床に突き刺した『緋想の剣』を引き抜く。

 

「どうやら君を舐めすぎていたようだ。だが勝つのは私だ。その想いは誰にも負けない!魔力開放!」

 

天子の体を炎の柱が包み込む。

 

「もう3年生とか元チャンピオンとかそんなものはどうだっていい!今は…チルノ!君に勝つ!それだけだ!」

 

天子の気迫にチルノは少し気圧された。

 

「あたいも全てを出し切って勝つ!」

 

「こい!」

 

「いくぞ1アイスニードル!」

 

チルノは氷の棘を造形して放つ。

 

「もう君に炎の壁を使っても無駄なことは分かった。ならば剣士として斬り伏せる!」

 

天子は氷の棘を『緋想の剣』で斬り壊す。

さらに炎のリーチを伸ばしてチルノに向かって振り下ろす。

 

「アイスシールド!」

 

「薄い!」

 

天子はチルノが展開した氷の盾を一刀両断してそのままチルノを斬った。

 

「くっ!」

 

チルノはダメージの反動を利用して後ろに飛ぶと回転する。

 

「トルネードグレートクラッシャー!」

 

「私の火力はこんなものじゃないぞ!」

 

天子は『緋想の剣』を振って氷のハンマーと激突する。

 

「『緋想の剣』!私の想いに応えろ!」

 

天子が叫ぶとそれに呼応するかのように火力が強くなっていく。

 

「烈火!」

 

氷のハンマーにひびが入る。

氷のハンマーを粉砕してチルノを斬り上げた。

 

「まだ…いける!」

 

チルノは氷の翼を広げた。

 

「氷精一閃!」

 

チルノは一瞬で天子を斬り抜いた。

 

「くっ!」

 

天子が痛みに耐えながら振り返る。

 

「極大霊術…絶対零度!」

 

チルノが詠唱すると凄まじい冷気がフィールドを凍りつかせていく。

天子に向かってそれは迫っていた。

 

《出ました!チルノ選手の極大霊術!フィールド全体が凍りつく~!》

 

急な温度変化で霧が発生していた。

 

「やった!チルノちゃんの勝ちだ!」

 

大妖精が大喜びする中で黒刀は黙ってフィールドを見ていた。

 

「どうかしましたか黒刀先輩?」

 

「このまま勝たせてくれればいいがな…。」

 

黒刀はつぶやく。

 

「え?」

 

大妖精は疑問を抱いた後、すぐにハッとしてフィールドに視線を移した。

霧が晴れていくとまずチルノがいた。

だがその表情に気の緩みはなかった。

そのチルノの視線の先で霧が晴れていくとユラユラ光るものがあった。

霧が完全に晴れるとそこにいたのは全身に炎を纏った天子だった。

チルノは驚愕の表情を浮かべる。

天子の全身を覆う炎が消える。

 

「危なかったよ。全ての炎を一点に集束していなければ結果は違っていた。チルノ、君を強者と認め私の切り札を見せてやろう。」

 

天子が天に向かって右手を掲げると右手が赤く光った。

フィールドの床全体に巨大な魔法陣が浮かび上がる。

それは光り出し徐々に輝きを増していく。

 

「っ!」

 

チルノは極大霊術を発動した反動に耐えながらチルノに向かって走り出した。

もう飛ぶ余力はない。

それでも前へ…

 

「極大魔法 天壌業火!」

 

天子が右手を魔法陣に叩きつけると魔法陣が最後の輝きを放って、フィールド全体から天に向かって巨大な火柱が立った。

この光景を見ているほとんどの人間が目を見開いた。

 

《こ、これは凄まじい火柱!これでは避けることはできません!チルノ選手は無事なのか~!》

 

「チルノちゃん!」

 

大妖精が悲痛の叫びを上げる。

 

 

 

 炎が徐々に消えていく。空から床へと。

天子は『緋想の剣』を床に突き刺して膝をつく。

 

「はあ…はあ…さすがに魔力は底をついたか…だがこれで………はっ!」

 

天子が目を見開いた。

その視線の先に立っていたのは紛れもなくチルノだった。

 

《チルノ選手!耐えた~!》

 

「バカな!氷属性のあいつがこの炎に耐えられるはずが…くっ!」

 

天子が立ち上がり床に突き刺した『緋想の剣』を引き抜くと棒立ちになっているチルノに向かって走り出した。

 

「はあああああああああ!………っ!」

 

天子は急ブレーキをかけた。

 

《おっとどうした~!天子選手!急に止まってしまったぞ~!》

 

「天子先輩!何しているんですか!早くとどめを!」

 

早苗が叫ぶ。

 

「チルノ…お前…。」

 

黒刀はチルノの後ろ姿を見つめていた。

 

「………この子…もう…気を失っている…。」

 

天子はそう口にした。

 

『え?』

 

その言葉にその場にいる全員が驚く。

 

《なんとチルノ選手!気を失いながらも膝をつくことなく立っている~!》

 

「チルノの勝利への執念だ。」

 

黒刀はそう口にした。

 

《勝者 比那名居天子》

 

チルノの試合続行不可能と判断された為、勝敗が決まった機械音声が会場に響いた。

天子は『緋想の剣』を納刀するとベンチに戻って行った。

大妖精はベンチから飛び出してチルノの元へ駆け出した。

 

「チルノちゃん!」

 

チルノの体が後ろに倒れそうなところを大妖精が支える。

 

「チルノちゃん、しっかりして!」

 

大妖精が声を上げると黒刀がそばに寄ってきた。

 

「大妖精、落ち着け。俺がベンチに運ぶからお前は治療に専念するんだ。自分の役目を忘れるな。」

 

黒刀の言葉に大妖精は涙目になりながらもうなずく。

黒刀はチルノを抱きかかえてベンチまで運ぶ。

ベンチに横たわらせて大妖精をチルノの治療に専念させた。




ED4 咲 全国編 TRUE GATE

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