東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP5 対魔導学園35試験小隊 Embrace Brade



破壊王vs鬼神

 南会場。

第3試合 四季黒刀vs五位堂光。

『破壊王』vs『鬼神』。

 黒刀がゲートを抜けてフィールドに入場すると光も斧を肩に担ぎながら入場してきた。

両者が10m間を空けて向かい合う。

 

「光が相手となるとパワー勝負になりそうだな。」

 

黒刀はそう呟いて鞘から『八咫烏』を抜く。

 

「確かにお前は魔法とか霊術とか全然使わないから私の『デーモン』は意味ないな。でも…」

 

「ああ、そうだな…」

 

2人は笑う。

 

「「力でぶつけ合うなんて一番燃える!」」

 

 

 

 VIPルーム。

 

「さあ、お膳立てはしてあげたんだからいい勝負見せてよね。」

 

真冬が楽しそうに言った。

 

「気をつけて黒刀先輩。そいつのパワーは計り知れないわ。」

 

対戦経験のある霊夢がそう呟く。

 

 

 

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

「「うおおおおお!」」

 

2人は同時に床を蹴って刃をぶつけ合った。

それにより発生した衝撃波が床を砕いていく。

 

「センパイは『サムライモード』に変身しないんですね。」

 

早苗が疑問を口にする。

それに対して咲夜が推測を口にする。

 

「恐らく『サムライモード』はスピードと技を重点に置いたものなのでしょう。しかし五位堂光相手にそれは愚策と彼は考えたものだと思います。」

 

「なるほど!」

 

早苗は納得した。

 

「勉強不足だよ早苗。帰ったら補習だからね。」

 

「そんな~!」

 

諏訪子の言葉に早苗は嘆いた。

 

 

 

 楽しい。

黒刀は心の底からそう思えた。

自分の余りある力をここまで引き出してくれる相手はそういない。

自然と頬が緩む。

 2人の鍔迫り合いは衝撃によって弾き合う。

 

「何笑ってんだ?」

 

光が訊いてきた。

 

「わりぃな…嬉しくてな。お前こそ笑ってんじゃんか。」

 

黒刀にそう言われている光も頬が緩んでいた。

 

「当たり前じゃん。こんな楽しい闘いは生まれて初めてだよ!

だからもっと楽しもう!気力解放!」

 

光の体を包んだのはオーラの柱ではなく具現化したものだった。

そう…それはまるで『鬼神』。

 

「いいね…盛り上がってきたじゃねえか!気力解放!」

 

黒刀も解放状態になった。

なんと光と同様にオーラが具現化し始めた。

まるで鬼武者のように。

 

「ちょっと待ってください!さっきの鍔迫り合いだけであんなに激しかったのにあんな巨大なオーラをぶつけ合ったら…」

 

大妖精の顔が青ざめ始める。

 

「最悪フィールドが崩壊する可能性はあるだろうな。」

 

にとりはそう口にした。

 

『っ!』

 

VIPルームにいる者達が動揺する。

黒刀と光は床を蹴って跳び上がると空中で刃をぶつけ合った。

弾き合って距離を取る。

 

「食らいやがれ!『鬼神』の一撃を!」

 

光は突進すると気力を集束して振りかぶった。

 

「オーガトマホーク!」

 

斧の薙ぎ払いを黒刀は『八咫烏』を縦に構えて受けた。

光の一撃は凄まじく黒刀を壁まで吹っ飛ばした。

黒刀の体は土煙で隠れて見えない。

 

「何あれ…私と闘った時より強力じゃない…。」

 

霊夢は目を見開いてその威力に驚愕していた。

光が土煙を凝視していると壁に亀裂が入った。

土煙が晴れると黒刀の背中は壁に激突しておらず右手を壁についていた。

黒刀は腕力だけで耐えたのだ。

指の握力だけで壁に亀裂を入れた。

オーラの具現化は継続している。

黒刀は光の一撃を避けることも出来たはずだがあえて受けた。

黒刀は右手を壁から離す。

 

「こんなもんか?」

 

黒刀は余裕の口振りだ。

 

「余裕かましやがって。なんで避けなかった?」

 

「愚問だな。その方が面白そうだからに決まってんだろ。」

 

黒刀は僅かに頬を緩ませる。

 

「「フフフ…ハハハ!」」

 

2人は笑いながら同時に床を蹴った。

光は斧に気力を集束させる。

黒刀も『八咫烏』に気力を集束させる。

そして2人の距離がゼロになった。

 

「デストラクションスラッシュ!」「カオスブレイカー!」

 

同時に斬撃を放った。

2人の激突で発生した衝撃波で床はえぐれ結界は震動しお互いにぶつかり合った刃からは閃光を散らしていく。

 

「俺が!」

 

「私が!」

 

「「ぶった斬る!」」

 

数秒間2人の力は拮抗していたがそれはやがて崩れていった。

黒刀が光を押し始めた。

 

「ぐっ!」

 

光は押されまいと踏ん張る。

具現化した『鬼神』も徐々に押され始めている。

 

「負けるか!」

 

光は吠える。

 

「勝つのは…この俺だ!」

 

黒刀は力いっぱい押して光の体勢が崩れたところに大振りでそのまま『カオスブレイカー』を光に叩き込んだ。

 

「ぐああああ!」

 

光が漆黒の斬撃に飲み込まれていく。壁に叩きつけられると前のめりに倒れた。

 

《1・・・1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 四季黒刀》

 

「楽しかったぜ!」

 

黒刀は光に礼を言ってからフィールドを去った。

 

 

 

 東会場。

魂魄妖夢vs二宮優。

妖夢はゲートに立って緊張していた。

 

「(先輩と闘った二宮さん。どうやって勝てばいいんだろう…。)」

 

冷や汗が止まらない。

 

「いや…先輩ならきっとどんな相手でもただ全力で闘えって言うはず…私は私の全力を尽くして…そして勝つ!」

 

覚悟を決めた妖夢はゲートを歩いてフィールドに入場していく。

 

 

 

 フィールドには既に優が腕組みして待ち構えていた。

 

「お待たせしました。」

 

「…お前は黒刀の弟子か?」

 

「残念ながら弟子ではありません。そうなれたらとは思っています。」

 

妖夢は少し驚いた後、そう返す。

 

「そうか…お前からは黒刀と似たものを感じるからそうなのだと思っていたが…まあいい。

魂魄妖夢!全力でかかって来い!叩き潰してやる!」

 

「叩き潰されるつもりはありませんが全力で闘うつもりです!」

 

妖夢は二本の剣を抜いた。

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

妖夢がダッシュしようとしたその瞬間、妖夢の周囲に10個の魔法陣が展開される。

『ディメンションレーザー』だ。

妖夢は周囲から放たれる『ディメンションレーザー』を体で受ける。

妖夢の体を土煙が覆う。

優はただ見ていた。

すると…

 

「気力解放!」

 

土煙の中から声が聞こえる。

光の柱がその中心を包み込む。

 

「ほう…耐えたか。」

 

優は感心していた。

土煙の中から妖夢が現れる。

 

「(二宮さんには『イージスの盾』がある。つまり接近戦は禁物。ここは…)」

 

妖夢は『楼観剣』に気力を集束させる。

 

「閃光…斬撃波!」

 

妖夢は金色の斬撃を放つ。

優は澄まし顔で魔法陣を5個重ね合わせて正面から『ディメンションレーザー』を放つ。

いとも簡単に『閃光斬撃波』を相殺してしまった。

 

「くっ…。」

 

妖夢は唇を噛みしめる。

 

「…こんなもんか?お前は黒刀の傍にいながらこの程度なのか?」

 

優は妖夢に問う。

 

「な、何を…。」

 

妖夢は思わず言葉を漏らす。

優はため息を吐く。

 

「お前は黒刀から何も学んでいない!黒刀の()はもっと重く強い!覚悟のこもったものだった!」

 

「私にだって覚悟はあります!」

 

妖夢は思わず声を荒げる。

 

「それが軽いと言っているんだ!戦いをただの試合と思っているような奴に俺は倒せない!」

 

「戦いをただの試合?どういう意味ですか?」

 

妖夢は訳が分からず聞き返した。

 

「はあ…もういい。終わらせてやる!魔力解放!」

 

優の体が光の柱に包まれる。

さらに…

 

「モードチェンジ!エンペラー!」

 

優の体を金色の竜巻が渦巻いていく。

それが晴れると黄金の鎧を装着した『エンペラーモード』の優が立っていた。

その威圧感に妖夢は鳥肌が立った。

 

「これが…『エンペラーモード』…。」

 

妖夢は戦慄する。

優は妖夢の周囲に100個の魔法陣を展開した。

『ディメンションレーザー』を一斉に放つ。

 

「旋風剣!」

 

妖夢は回避が間に合わないと察して回転して光線を弾こうとしたが黒刀の『龍刃竜巻剣』のようにはいかず弾くことが出来ず全て妖夢に直撃する。

 

「ぐあっ!」

 

妖夢の体が上空に跳ねる。

優は右手に魔力の玉を浮かせる。

 

「ソニックレーザー!」

 

音速の光線を放った。

光線は妖夢の胸を貫いた。

 

「安心しろ。俺もただでフランドール・スカーレットに負けたわけじゃない。

この魔法のコントロールは既にマスターしている。故にセーフティーを超えることはない。

…分かったか?これが戦い…俺や黒刀が立っているステージだ。」

 

妖夢は胸を貫かれ意識は消えかけていた。

意識が途絶える直前まで優の言葉は妖夢の耳に聞こえていた。

 

《1…2…3…4…5…6…7…8…9…10.勝者 二宮優》

 

無慈悲な攻撃を目の当たりにして観客は歓声どころか声も出せなかった。

優はフィールドを出てゲートを歩いていると壁に寄りかかる黒刀に気づいた。

すれ違いざまに優は声をかける。

 

「俺はフランドール・スカーレットに負けた。魂魄妖夢もあれでは次のフランドール戦に出られないだろう。それでフランドールは決勝進出決定だ。あとはお前次第だ。今の戦績は?」

 

「全勝だ。」

 

「なら次も勝って決勝に行け。」

 

「当然だ。」

 

黒刀の言葉を聞いた優はそれ以上何も言わず無言で去って行った。

黒刀は次の試合会場である西会場に向かった。

 

 

 

 西会場。

大門金次vs四季黒刀。

東会場の試合は妖夢の意識が目覚めていないためフランの不戦勝となった。

その為、西会場には東会場の試合を見るはずだった観客も座っていた。

 金次は強い選手だがそれでもナンバーズとの実力の差があった為か光や愛美との試合で惜敗している。しかし、なおも前向きにフィールドで準備運動している。

 

「またヨキとやれるなんて最高や!」

 

準備運動を終えた金次は双剣型SDを起動して入場してくる黒刀を今か今かと待ち構える。

その時、向かい側のゲートの奥から突風が吹いた。

そこから出てきたのは既に抜刀していた黒刀だった。

『八咫烏』の剣先を引きずって歩くその姿がまるで人斬り侍だった。

 

「楽しみにしとったでヨキ!」

 

金次は嬉しそうに言った。

 

「大門。」

 

黒刀は俯きながら名を呼んだ。

 

「なんや?」

 

金次は訊き返した。

 

「悪いが今回はお前の期待に応えられない。」

 

その顔を上げるとその目は以前闘った時のような楽しむ目ではなかった。

闘いが戦いに変わった時の目だった。

 

 

 

 試合は一方的だった。

金次は黒刀に完敗した。

仰向けに大の字で倒れる金次。

 

「やっぱ強いわ…ヨキ。次は…わいが勝つ。」

 

「悪いな。今回はどうしても決勝に行かないといけないんだ。」

 

黒刀は納刀してフィールドを出た。

 

《決勝戦 四季黒刀vsフランドール・スカーレットの試合は20分後中央会場にて行います》

 

 

 

 剣舞祭最終戦を知らせるアナウンスが東京デュエルアリーナの中に響き渡った。




ED5 ソードアートオンラインⅡ ファントムバレット編 Startear

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