東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP6 遊戯王 OVERLAP



反撃

 8月15日 午後1時。

ぬえはザナドゥ王国の外から接近してくるレミリア達の気配に気づいた。

 

「王の復活を妨げようとする者が近づいてきている…。」

 

「まさかあれを喰らって生きているとは…。」

 

お空は半ば驚いていた。

 

霊烏路空。

黒髪ロングで赤い瞳。

身長は高め。

白のブラウスに緑のスカート。

右腕には機械的な砲身が装着してある。

頭には緑の大きなリボン。

背中には烏のような真っ黒な翼。

 

「お前達、奴らを迎え撃て。ただし今度は全力でだ。」

 

ぬえは後ろの4人に振り返って命令した。

 

「「「「はい!」」」」

 

4人は応えると玉座の間を出て飛行するとレミリア達を迎撃しに向かった。

 

 

 

 飛行してザナドゥ王国に侵入する直前にレミリアは忠告する。

 

「1つだけ言っておく。この戦いはデュエルと違ってセーフティーが効かない。

つまり命がけとなるわ。だから絶対に何があっても死なないこと。

これだけは覚えておくこと。」

 

 ついにザナドゥ王国の領土内に入った。

その時…

頭上から強い衝撃が押しかけてきて硬度を保てず低空飛行になっていく。

 

「なんだ!これ…重力魔法か?」

 

魔理沙が疑問を口にする。

 

「違うわ。これは高度制限術式。恐らくあのぬえが遠くから発動させているのよ。」

 

霊夢がその疑問に答える。

だんだん高度が落ちてきたところで地面から大きな植物のツルが生えてきてレミリア達に襲いかかってきた。

 

「ソードフリーザー!」

 

そこにチルノが氷の剣で植物のツルが切り裂いた。

切り裂かれた植物のツルが地上に落ちるとその近くには幽香が立っていた。

 

「私が一番乗りか…。それにしてもやっぱりあの氷のガキが邪魔してきやがったか。」

 

幽香はチルノを捉えた。

 

「あいつはあたいがやる。さっきの借りがあるし!」

 

チルノは急降下する。

 

「あ、ちょっとチルノちゃん!…ごめんなさい。私はチルノちゃんについていくので皆さんは先に行ってください。後から追いつきますから。」

 

大妖精はレミリア達に声をかける。

 

「分かったわ。必ず追いついてきなさい。」

 

「はい!」

 

大妖精は応えて急降下する。

 

「そう簡単に行かせる訳ないでしょ!火花!」

 

幽香は先を行こうとするレミリア達を見て花びらを飛ばした。

その時…

 

「アイスニードル!」

 

チルノが放った氷の棘が花びらを1つ残らず粉砕した。

 

「やっぱりお前を先に倒し解かなきゃいけないみたいだね。」

 

幽香はチルノを睨んだ。

 

 

 

 妖夢がようやく目を覚ますとそこは空中だった。

 

「あれ…私…。」

 

妖夢は状況を確認しようとする。

 

「お、やっと起きたか妖夢。」

 

魔理沙が声をかけてきた。

 

「全くお寝坊さんね。」

 

霊夢が微笑む。

 

「それ…お前が言うか?」

 

魔理沙がジト目を霊夢に向ける。

 

「ちょっと!それ、どういう意味よ!」

 

霊夢はそれに対して怒る。

 

「暴れんなよ!妖夢を落としちゃうだろ!」

 

「あの…なんで私は運ばれているの?」

 

「黒刀先輩があの王宮みたいなところに連れていかれちゃったから取り戻しに行くのよ。」

 

霊夢が大雑把に説明した。

 

「今、チルノと大妖精が敵の1人を足止めしてくれているぜ。」

 

「そうなんです…っ!霊夢!魔理沙!今すぐ私を離して!早く!」

 

「おい、何を言って…っ!」

 

魔理沙が反論しようとしたその時、目の前から熱線が放たれた。

 

霊夢と魔理沙は咄嗟に妖夢の言う通り手を離して左右に避ける。

妖夢は地面に激突する直前にハイジャンプを使ってから着地する。

熱線を放ってきたのはお空だった。

 

「幽香の奴、先に全員倒してくるとか言って逃げられてんじゃん。やっぱ最弱だな。」

 

お空は滞空飛行しながら幽香のことに対して文句を口にした。

 

「ま、ここは私1人で十分…」

 

お空が言葉を続けようとしたその時、霊夢と魔理沙がいつの間にかお空の頭上に移動していた。

 

「マスタースパーク!」「白霊砲!」

 

同時に砲撃を放つ。

お空は右腕の砲身を盾代わりにして受け止める。

 

「こいつら、いつから…そうか!さっき左右に避けた時か!」

 

お空は霊夢と魔理沙の砲撃の威力に耐えきれず地面に叩きつけられる。

 

「行って!ここは私達が引き受ける!」

 

「ああ、妖夢達は先に行け!」

 

「そんな…皆を置いていけないよ!」

 

妖夢は霊夢達が犠牲になることに納得できなかった。

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!私達は黒刀先輩を助けに来たのよ!」

 

「そうだぜ!私達はこいつをなんとかするからお前は黒刀を助けてこい!」

 

霊夢、魔理沙と妖夢が言い合っている間にお空が瓦礫の中から出てきた。

 

「ここで逃がして幽香と同じ扱いになるのは…嫌だな!」

 

お空は砲口を妖夢に向けて熱線を撃ち放った。

 

「白霊砲!」「マスタースパーク!」

 

霊夢と魔理沙は熱線の射線上にいる妖夢をかばうように地上に降りて放った。

 

「「行け!妖夢!」」

 

2人の想いを受け止めた妖夢は意を決して王宮に向かって走り出した。

 

「たった2人で私を倒せると?」

 

お空が熱線の威力を高める。

霊夢と魔理沙は押し負けて熱線の爆発を受けて倒れるがすぐに立ち上がった。

 

「倒せるかどうかだって?そんなことどうだっていいぜ!」

 

「何?」

 

お空が目を細める。

 

「私達は妖夢に懸けたのよ…あの子はきっと黒刀先輩を取り戻す!」

 

霊夢が言い放つ。

 

「友情と言うわけか…そんなもので私達の悲願の邪魔はさせない!」

 

お空は右腕の砲身を構えた。

 

 

 

 

「レミリアさん…もう大丈夫です。手を離してもらって構いません。」

 

レミリアは映姫を運んで飛行していると映姫が目を覚ました。

映姫の目を見たレミリアは躊躇せず手を離した。

すると映姫の背中から影の翼が展開される。

 

「妖夢は走って先に行ったよ。」

 

フランが映姫に伝える。

 

「そうですか…となると私達はあちらの相手をしなければならないようですね。」

 

映姫の視線の先にはさとりとこいしが横に並んで滞空飛行して待ち構えていた。

 

「映姫さん、状況は?」

 

「把握しています。」

 

「なら先に行ってください。私とフランもやられっぱなしは癪なので。」

 

レミリアは前方にいるさとりを睨んだ。

 

「私もあいつに何発かお返ししないと気が済まない!」

 

フランもこいしを睨んだ。

 

「分かりました。お気を付けて。」

 

映姫は高度を下げてさとりとこいしの下を抜けて行った。

レミリアはさとりの前で止まる。

 

「分かっていたけど本当に追いかけないなんてね。」

 

「どうせ邪魔されるのがオチですからそれならあなた達を始末した方がいいと判断したまでです。」

 

「懲りないね~♪またボコられに来たの?」

 

こいしが上から目線でフランを見る。

 

「今度はこっちの番だよ!」

 

フランは『レーヴァテイン』を具現化して構えた。

 

「スカーレット家を侮辱した罪は重いわよ。」

 

レミリアも『グングニル』を具現化して構えた。

 

 

 

 妖夢は走り進みながら王国の民家を見渡す。

 

「まるで廃墟みたい…一体ここで何が…。」

 

そこまで考えて頭を振り払った。

 

「今は先輩を助けることだけを考えよう。」

 

ハイジャンプして玉座の間まで跳んで行った。

 

 

 

 映姫が玉座の間へたどり着いた。少し遅れて妖夢もたどり着いた。

2人は玉座の真上に浮かぶ黒い球体を見上げる。

 

「黒刀!」「先輩!」

 

黒い球体を見上げていたぬえが妖夢と映姫に振り返る。

 

「無駄だ。お前達の声は届かない。」

 

ぬえは冷たく言った。

 

「ぬえ…。」

 

妖夢はその名を口にする。

 

「何故なの?何故あなた達は黒刀をこんな目に!」

 

映姫が怒りを抑えられない声で訊く。

 

「…およそ1000年前、ここザナドゥ王国には最も強く偉大な王がいた。その王は民から信頼されて素晴らしい王だった。しかし、臣下の1人であったある男が何人かの騎士をそそのかしクーデターを起こした。そのせいで民は死に…王が自らこの国と共に命を落とした…はずだった。17年前…この玉座の間に強い生命力を感じた。僕が玉座の間に行くとそこには1人の小さな赤ん坊がいた。ザナドゥの民であった僕には分かった。この子は王の生まれ変わりだと。」

 

「1000年前って…この人いくつなんですか…。」

 

話を聞いていた妖夢は驚愕を隠せなかった。

ぬえは話を続ける。

 

「その王は『覇王』と他国から恐れられていた。その王の名は………クロト・ザナドゥ。」

 

名を口にした瞬間、妖夢と映姫は一瞬、言葉を失った。

数秒後にやっと妖夢が口を開く。

 

「クロト……先輩と同じ名前。」

 

「名前が同じなのではない…同一人物だ。僕達ザナドゥの民は王を親しみと尊敬を込めてこう呼ぶ。ザナドゥ卿と。」

 

「まさか…お父様が黒刀のDNA情報を隠していたのは黒刀の正体を知っていたから!」

 

映姫は衝撃の真実に気づいた。

 

「10年前、ある事件でザナドゥ卿と僕達は離れ離れになってしまった。しかし長い年月を経て僕達はザナドゥ卿を見つけることが出来た。だから今!ここで!ザナドゥ卿を復活させる!」

 

ぬえは最後の3句を一言ずつ高らかに宣言した。

 

「そんなこと…させない!先輩は必ず取り戻す!」

 

妖夢は二本の剣を鞘から抜いた。

 

「邪魔をするというなら容赦はしない!」

 

ぬえは黒いオーラを全身から放った。

 

「なぜあなた達は先輩のオーラと同じ色をしているんですか!それは先輩のオーラだ!」

 

「この力はかつてザナドゥ卿が全ての民に与えて下さった力だ。お前に分かるものか!僕らザナドゥの民の1000年の想いが!」

 

ぬえは背中から生えている翼を広げて槍を握りしめた。

 

 

 

 幽香は地面から植物のツルを伸ばしてチルノを追い詰めていく。

 

「おら!もう1回叩き落としてやるよ!」

 

幽香はそう言い放って植物のツルを増やしていく。

 

「霊力解放!」

 

チルノは解放状態になった。

 

「アイスシールド!アイスニードル!」

 

植物のツルを盾で防御して氷の棘を放った幽香を攻撃した。

 

「無駄だ!」

 

幽香は地中から大木を生やして氷の棘を防いだ。

 

「所詮、お前らがやっていることはお遊びに過ぎないんだよ!」

 

「くそ!」

 

チルノは苦戦に歯ぎしりする。

 

 

 

 霊夢が爆符や幻符をお空に放って直撃させているがお空はものともせず攻撃を続けてくる。

 

「なんてタフな奴なのよ…早苗の大蛇以上じゃない!」

 

霊夢は悪態をつく。

魔理沙が旋回をしながら魔法弾の弾幕を放つ。

お空はそれを左手で軽く弾く。

 

「反則だろ!あの硬さは!」

 

魔理沙は文句を叫ぶ。

 

「あなた達のようにルールの中でお行儀よく闘っている奴らには私達のように常に命懸けで生きてきたものに勝つことは出来ない。覚悟の重さが違う!消し飛ばせ!カオス…ブラスター~!」

 

お空は赤黒いビームを方向から撃ち放った。

それは真っ直ぐ霊夢へ向かっていた。

 

「霊夢、避けろ!」

 

魔理沙が叫ぶ。

だが霊夢はその場にとどまっていた。

 

「(命を懸ける…そうだ…私は博麗の巫女…こんな戦い…()()()に比べたら…。)」

 

『カオスブラスター』が霊夢に直撃し爆発した…かと思えたが爆発の煙が消えると霊夢は目の前に結界を展開していた。

霊夢は顔は俯いていてその表情はお空や魔理沙からは見えない。

霊夢がゆっくりと顔を上げるとお空を見てこう口にした。

 

「あんたが望むなら付き合ってあげるわ…命を懸けた殺し合いに。」

 

霊夢の目には僅かに陰りが現れていた。

 

 

 

 レミリアもフランも既に解放状態になっていた。

 

「フラン、常に耳を澄ましていなさい。」

 

「はい。お姉様。」

 

フランは素直に指示に従った。

 

「今度は手加減しないよ。」

 

こいしが姿を消した。

フランは耳を澄まして周囲の音を感じ取る。

すると不自然に空気を切る音をが聞こえた。

フランはその音がした方向に『レーヴァテイン』を振った。

『レーヴァテイン』に斬られたこいしが姿を現した。

 

「ぐっ!何で…何で私の場所が…。」

 

フランは自分が攻撃されたことに納得がいかなかった。

その答えをさとりが導き出す。

 

「あなた自身の姿を消せてもその周囲の音は消せない。それを感づかれたのでしょう。こいし、あなたのそれが封じられたとなればもうあなたは戦えません。なので私が2人を相手にします。いいですね?」

 

「仕方ないね。やられちゃったのは私が悪い訳だし。」

 

こいしは少し納得いっていないようだが渋々後退した。

 

「待って!まだ決着は…。」

 

フランが飛び出したその時、さとりの放った霊力弾がフランの頬を掠める。

 

「あなた達の相手は私です。」

 

さとりは淡々と口にした。

 

「いいえ…1人よ!」

 

レミリアが加速してさとりに迫る。

 

「フラン!あなたは妖夢達のところへ行きなさい!」

 

レミリアは後ろにいるフランに声をかけた。

 

「う、うん!」

 

フランは回り込んで王宮に向かった。

 

「追いかけた方がいいかな?」

 

こいしがさとりに指示を促す。

 

「いいえ。その必要はありません。時間です。」

 

さとりがそう口にして口元を緩めた。

レミリアが『グングニル』を振り下ろすとさとりはオーラの剣を振って鍔迫り合いに持ち込んだ。

 

「時間ってどういう意味?」

 

レミリアがさとりに問う。

 

「まもなくザナドゥ卿が復活します。」

 

さとりがそう口にするとレミリアの体に戦慄が走る。

 

 

 

 午後1時30分 玉座の間。

ぬえは右手を前に出すと笑みを浮かべる。

 

「マスタースパーク!」

 

詠唱して手のひらから砲撃魔法を放った。

 

「それは魔理沙の!」

 

妖夢が驚いた後、回避する。

 

「そしてこれが…白霊砲!」

 

ぬえは槍を前に突き出しその先端から白い砲撃を放った。

 

「霊夢のまで!」

 

映姫も驚きながらなんとか回避する。

 

「もう分かっただろ?僕は受けた剣技・魔法・霊術をコピーできる。つまりお前達は僕に勝つことは出来ない。」

 

「そんなことない!諦めなければ不可能なんてない!」

 

ぬえの言葉を妖夢は否定した。

 

「それは平和ボケした者の考え方だ!僕らは違う!毎日死を間近に感じて生きている!」

 

ぬえはそう言い放った。

それを聞いた映姫が前に出る。

 

「ならば私が相手になりましょう。少なくともナンバーズである私は常に死と隣り合わせで生きています。」

 

「だがそれはザナドゥの民には及ばない!」

 

「それは私の戦いを見てから言ってください。」

 

映姫は影で剣を造形して構える。

 

「四季流剣術 弐の段 一閃!」

 

黒刀の剣技より速い居合い斬りがぬえを襲う。

映姫の剣がぬえの肩口から斜めに斬っていく。

 

「なるほど…お前に対しては前言撤回する必要があるようだな。」

 

だがぬえが斬られた場所は黒いオーラで守られていた。

 

その時。

玉座の真上に浮遊している黒い球体に亀裂が入り始めた。

まるで孵化する卵のように。

 

「おお!ついに来る!ザナドゥ卿の復活だ!」

 

ぬえが歓喜に満ち溢れて両手を大きく広げた。

 

「「させない!」」

 

妖夢と映姫が黒い球体に向かって駆け出す。

 

「邪魔をするな。」

 

ぬえが一瞬で妖夢と映姫の前に移動し2人の胸にそれぞれ片手ずつ掌底を叩き込んだ。

衝撃で二人の身体は後方へ吹っ飛ばされる。

亀裂は徐々に広がっていく。

 

「ついに復活する…かつてモンゴル帝国すら恐れさせた『王』が今!」

 

 

 

 黒刀の精神世界。

 

 …ここは…どこだ?

 

黒刀がそう思っていると声が聞こえた。

 

 …ここはあなたの世界だよ…

 

 …俺の?…

 

 …そう…あなたの世界…

 

仰向けになっている黒刀の真上に覆いかぶさるようにして声をかけているのはルーミアだった。

今、黒刀の精神世界では黒刀もルーミアも一糸まとわぬ体だった。

 

 …ねえ…聞こえてくるでしょ…皆の声が…

 

 …皆の声…うっ!…あああああああああああああああああああああああああああああああああ!

 

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                オカエリ…ザナドゥ卿

 

ルーミアの体から何千という霊魂が溢れ出して黒刀に吸い込まれていく。

 

 さあ…今こそ1つに!

 

ルーミアの体が黒刀に重なるとそのまま黒刀の中へ吸い込まれてしまった。




ED6 魔法科高校の劣等生 ミレナリオ

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