東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP7 超次元ゲイムネプテューヌ Dimension tripper!!!!

新章スタートです!


いざ夏島へ!

 8月17日 午前9時。

ザナドゥ王国での一件から2日後。

黒刀は妖夢達をスウェーデンに連れて行くという約束を台無しにしてしまった責任として別のリゾートに2泊3日のバカンスに連れて行くという話になった…のだが。

 

「何で…お前らまでいるんだよ!」

 

黒刀が叫んだ場所は愛知県名古屋市のとある停船所だった。

停船所には黒刀、妖夢、霊夢、映姫、魔理沙、チルノ、大妖精だけではなく

神光学園の小野塚小町、アリス・マーガトロイド、河城にとり、

紅葉高校の犬走椛、

紅魔学園のレミリア・スカート、フランドール・スカーレット、十六夜咲夜、東風谷早苗、

比那名居天子、洩矢諏訪子、

首里高校の藤原妹紅、七瀬愛美、鈴仙・優曇華院・イナバ、蓬莱山輝夜、海道修、

白雪高校の雪村氷牙、丸山千歳、レティ・ホワイトロック、五位堂光、白金真冬、

鷹岡高校の越山流星、六道仁、

仙台高校の青葉泉、北山圭、九条花蓮、二宮優、

王龍寺高校の風間翼、岩徹剛、黒岩俊介、知念、大門金次の合計38名が集まっていた。

黒刀が、お前ら、と指しているのは当然優や真冬など『剣舞祭』メンバーのことだ。

 

「だから連絡したじゃん。友達を連れて来てもいいかって。」

 

黒刀の苛つきに魔理沙が口を出す。

 

「はあ…。」

 

黒刀はため息を吐いたが気を取り直して両手をパンッパンッと鳴らして皆の意識を向ける。

 

「え~それじゃ予定よりす・こ・し多いがするがそろそろ現地に移動するとしよう!」

 

愛美が挙手する。

 

「どうやって行くのよ?まさか泳いで行けって言うんじゃないでしょうね!」

 

現時刻は漁船などが漁に出ている時間であたりに船や他の乗り物は見えない。

 

「んなわけあるか。あれで行くんだよ。」

 

愛美の指摘に黒刀は海に向かって指差す。

霧がかった場所から徐々に姿を現したのは幅30m・高さ50m・全長270mの巨大な豪華客船だった。

 

『で、でけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』

 

庶民の全員が驚いた。

 

「これに乗って…夏島に行く!」

 

黒刀が言うもほとんどの者は口を開けて固まっていた。

全員が船に乗り終えて出航したのはそれから30分後のことだった。

 

 

 

 9時30分。

 

「わあ!綺麗!」

 

妖夢は手すりに身を乗り出して喜ぶ。

 

「あんまりはしゃいでいると落ちるぞ。」

 

黒刀が念のため注意する。

 

「そこまで子供じゃありません!」

 

妖夢は頬を膨らまして抗議する。

 

「はいはい。」

 

黒刀は妖夢の隣に並んで手すりに肘を置く。

今この場には黒刀と妖夢しかいない。

 

「そういえばちゃんとお礼を言ってなかったな。ありがとうな…助けに来てくれて。」

 

黒刀は妖夢に微笑んでお礼を口にする。

 

「いえ。皆さんが力を貸してくれたからです。」

 

黒刀の感謝の言葉を受け取った妖夢は機嫌を直したようで謙遜する。

海風が妖夢の髪をなびかせる。

 

「…先輩、ルーミアちゃん達はどうなったんですか?」

 

「…今は保護施設にいるよ。流れで日本に連れてきちゃったけど精密検査と戸籍登録はしておかないといけないからね。」

 

黒刀は青空を見ながら答えた。

 

「元気だといいですね…。」

 

「…皆、強いよ。あんなことがあったのに…施設に入ることに何の抵抗もなかった。」

 

黒刀が少し悲しげに呟いた。

黒刀が口にした、あんなこと、とはドクターワースに拉致された時のことである。

その話もあの場にいた人間には全員に全て話してある。

 

「さとりとこいしはオーラはあってもほとんどの能力を失った。幽香は力を失ったけど植物と会話する能力が残っていたよ。お空は意外にも異常が無かった。ルーミアは…」

 

黒刀が続けようとしたところで、

 

「うわああああ!」

 

誰かの大声が響いた。

 

「チルノだな。何騒いでんだ。」

 

黒刀が呆れる。

 

「とりあえず行ってみましょう。」

 

「まあ、いいけど。」

 

黒刀は頭を掻く。

2人は声のした場所へ向かう。

 

 

 

 コントロールルーム。

いち早く駆けつけたのは魔理沙だった。

 

「どうしたチルノ!」

 

「魔理沙!見て…この船…誰も操縦してないのに動いてるよ!きっと幽霊船だよ!」

 

チルノが慌てた声を出す。

 

「チルノちゃん…それただの自動操縦だよ。」

 

魔理沙の後ろから聞いていた大妖精がジト目でツッコミを入れた。

 

「自動操縦?何それ?」

 

チルノがアホ面で返した。

 

「人間じゃなくAIが操縦しているんだよ。」

 

ちょうど到着した黒刀が大妖精の後ろから答える。

 

「AI?」

 

「つまり人工知能にこういった乗り物の操縦を任せているんだ。」

 

「うん。全く分からん!」

 

黒刀の説明を聞いていたチルノはキッパリ言い切った。

 

「先輩、速すぎです…。」

 

そこで妖夢もやっと到着したようだ。

 

「修行が足らないんじゃないか?」

 

黒刀は意地悪な笑みで返す。

 

「もっと頑張ります!」

 

妖夢の胸の前で両手をギュッと握りしめて前向きな言葉を口にする。

チルノはまだ首を傾げている。

 

「まあ、機械工学は2年になったら授業で受けられるからその時になって考えればいいよ。」

 

黒刀はそう言葉をかけた。

そこで魔理沙は気になったことを黒刀に問う。

 

「なあ、この船って四季家の船だよな?だとしたら黒刀がそこまで設計に詳しいのは設計に立ち会ったからか?」

 

「いや、これは俺の個人資産だ。」

 

黒刀はしれっと口にした。

 

「「「「え?」」」」

 

4人が黒刀に振り向いた。

 

「ちなみにこれから行く夏島も俺の個人資産だ。」

 

「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」」」」

 

妖夢達の声は船全体に響いた。

 

 

 

 午前10時 屋外プール。

妖夢はテーブルに突っ伏していた。

 

「はあ…先輩って本当に凄いお金持ちだったんですね。しかも家のお金じゃなく自分のお金で島まで買うなんて。」

 

「ああ、それと夏島の他にも春島、秋島、冬島っていうものある。」

 

黒刀がグラスに入れた牛乳を飲む。

 

「ますます凄いですね。」

 

「この4つの島の特徴はそれぞれの島が名前の通り季節が1年変わらない。島の周辺が特殊な気候なんだよ。」

 

「どうして4つも買ったんですか?」

 

「だって姫姉が、どうせなら四季全部揃えましょう、とか言い出すんだもん。おかげでこの4つの島は合わせて四季諸島なんて呼ばれているよ。」

 

「なんか…もうスケールが大きすぎて…。」

 

妖夢は姿勢を直してオレンジジュースを飲んだ。

 

 

 

 黒刀は牛乳を飲み干したのでもう1杯飲む為に食堂へ向かった。

食堂には咲夜がいた。

キッチンを覗き込んでいるようだが中には誰もいない。

 

「咲夜さん?何でキッチンをそんなに見ているんですか?」

 

黒刀が咲夜の背後から声をかける。

それに気づいた咲夜は黒刀に振り返る。

 

「いえ。ただキッチンの道具を見ていたのですがどれもかなりの高級品でレアなものだと思いまして。」

 

料理に関しての虚王は隠しきれないようだ。

 

「入ります?」

 

「いいんですか!」

 

黒刀が誘うと咲夜は目をキラキラさせて喜んだ。

 

「ええ。」

 

黒刀は微笑んで咲夜の背中を押してキッチンに入れてあげる。

 

「素晴らしいですね。どれもミシュラン3つ星ホテルで扱われるようなものばかりです。」

 

咲夜は眺めてから黒刀に振り向く。

 

「黒刀様は洋食も作れるのですか?」

 

「まあ…洋食もそうですが和食と中華も作れますよ。といってもメニューは一般家庭で作れるものを少しだけアレンジしたものばっかりだけど。咲夜さんみたいに本場料理を作るっていうのも出来なくはないけど。」

 

黒刀は少しだけ照れもあるのか謙遜気味に答えた。

 

「いえ。普通の料理であっても料理人の腕次第でいくらでも美味しくなると思いますよ。」

 

咲夜はフォローした。

 

「はは、咲夜さんには敵わないな~。」

 

黒刀は後頭部を掻く。

すると咲夜は両手を合わせた。

 

「そうです。よろしければ黒刀様、一品だけ料理を作って頂けませんか?」

 

黒刀は3秒程沈黙した。

 

「はあ⁉」

 

そして驚いた。

 

「いやいやいくらなんでも咲夜さんに披露できるほど料理の実力はないですよ俺!」

 

左手をブンブンと振って必死に断ろうとする。

しかし咲夜は黒刀の料理にかなりの興味を抱いているようだ。

 

「いえいえ。それは私が判断することですから。それに先程ご自分でおっしゃっていたではないですか。作ってほしければ作ると。」

 

満面の笑みで返してきた。

黒刀はこれ以上、断ることは出来なかった。

 

「…分かりました。本当に一品だけですよ?」

 

「ええ。」

 

咲夜は笑顔で答えた。

 

「(そのメイドスマイルは卑怯ですよ。)」

 

黒刀はため息を吐くがすぐにキッチンの引き出しからエプロンを取り出して身に着けた。

 

「(できれば洋食でなるべくカロリーを抑えた料理の方がいいよな…でも一品だけなのにサラダってのもおかしいし…。)」

 

エプロンを身に着けた効果なのか既に料理人スイッチが入っている黒刀だった。

そんな黒刀を咲夜は後ろから眺めていた。

黒刀は数秒考えてからすぐさま調理にかかった。

 

「(凄い…黒刀様は謙遜していたけどこうして見ているだけでもプロかそれ以上に手際が良い。)」

 

一連の作業を後ろから観察していた咲夜は感嘆していた。

 

 

 

 数十分後。

黒刀の料理が完成した。

 

「出来ました。サイコロステーキです。」

 

黒刀はサイコロステーキを乗せた皿を咲夜に渡す。

咲夜はそれを受け取ってフォークでサイコロステーキを刺して口の中へ運ぶ。

 

「ん…。」

 

口の中をサイコロステーキを胃の中へ送ってから、

 

「とても美味しいです。味はもちろん火の通りもちょうどいいですし何より味付けが絶妙です。」

 

黒刀の料理を褒めまくる。

黒刀は恥ずかしくなったのかエプロンを外して引き出しにしまう。

 

「お世辞にも程がありますよ。咲夜さん。」

 

黒刀はキッチンを出る。

咲夜もまだサイコロステーキが乗った皿を持ちながらキッチンを出る。

 

「いえ。本当に美味しかったですよ♪」

 

満面の笑みでさらに褒めた。

 

「うっ。」

 

黒刀はそれ以上、反論できなかった。

メイドスマイル恐るべし。

 

「(早苗と付き合う前の俺だったらうっかり惚れているところだったぞ。)」

 

黒刀は食堂の椅子に腰かける。

咲夜も向かいの椅子に腰変えてサイコロステーキを食べ続ける。

 

「まあ確かに俺も卒業したら店を出したいと思ってましたけど…。」

 

「そういえば以前私に勝ったらレシピを1つ教えて欲しいと言っていましたね。」

 

咲夜が思い出したように口にした。

 

「ああ、イギリスのチョコ系のレシピが知りたかったんです。ネットの情報より本場で作ってた人から聞いた方が参考になるから。…まあ、その話はまた今度詳しく聞きます。」

 

黒刀は立ち上がりドリンクバーからグラスに牛乳を注ぐと食堂を出た。

 

 

 

 黒刀が屋外プールに戻ってくるとチルノと大妖精がプールに入ろうとしていた。

 

「チルノちゃん~私、泳げないよ~。」

 

大妖精がプールに入ることを拒むがチルノが大妖精の背中を抑えているせいで下がれずにいる。

 

「そんなことないって!大丈夫♪大丈夫♪」

 

チルノはそんな大妖精を陽気に言い聞かせようとする。

 

「でも…。」

 

大妖精が振り返ろうとした瞬間、

 

「えい!」

 

チルノが大妖精の背中をドーンと押した。

 

「きゃっ!」

 

大妖精が悲鳴を上げてザバーンと音を立ててプールに突き落とされた。

 

「アハハ!習うより慣れろ!」

 

チルノが腰に手を当てて高笑いする。

 

「チ~ル~ノ~ちゃ~ん!」

 

大妖精がプールから顔を出して目をギラリと光らせた。

 

「うえ?」

 

チルノが変な声を出した時、大妖精がチルノの足首を掴みプールに引きずり込んだ。

 

「ぎゃあああ!」

 

チルノが悲鳴を上げてプールにザバーンと音を立てて入れられる。

 

「ぷはっ!」

 

チルノがプールから顔を出す。

幸い、大妖精の足が届く深さだったようだ。

 

「やったな!」

 

チルノは大妖精に水をかける。

 

「きゃっ!こっちもお返し!」

 

大妖精も水をかけ返す。

 

そんな光景を見ていた黒刀はグラスをテーブルの上に置く。

 

「(新手のホラーか?)」

 

その時、妖夢が手すりの方へ走り出す。

 

「皆さん、見えてきましたよ!」

 

妖夢が指差した先にはハワイと相違ない広さを持つ島があった。

夏島だ。

それを見たほとんどの者がこう思った。

 

『(あれを1人で買ったのか…。)』




ED7 DOG DAYS′ 夏の約束

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