東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP7 超次元ゲイムネプテューヌ Dimension tripper!!!!



裸の付き合い

 8月17日 午後6時。

黒刀と咲夜は厨房で調理を始めていた。

 

「咲夜さんって和食も作れたんですね。イギリス暮らしが長いからてっきり洋食メインなのかと思ってました。」

 

黒刀が食材を包丁で切りながら話しかける。

 

「私がお嬢様に仕え始めたのはお嬢様が11歳の頃からでその前は日本のとある貴族に仕えていました。」

 

咲夜は味見をしながら淡々と口にする。

その咲夜の言葉を聞いて黒刀の手が止まる。

黒刀とレミリアが決別したのは10歳の頃。

つまり咲夜はその約1年後からレミリアに仕えていることになる。

思わず考えてしまう。

もし、もっと早くレミリアと咲夜が出会っていたら結果は違ったのではないかと。

黒刀は何故レミリアがあの時突然拒絶したのかその真相を知らない。

もちろん知りたいという思いはあるがそんなことは本人に聞けない。

聞く資格もない。

心の中で自身の情けなさを悔やみながらそれを悟られないように作業を再開して咲夜に質問を続ける。

 

「レミリアに仕えているってことは当主に仕えているという訳ではないってことですか?」

 

「はい。スカーレット家現当主レミル・スカーレット様は誰1人使用人を雇っておりません。私はレミリアお嬢様のメイドとして雇われました。」

 

黒刀の問いに対してそう答えたところで担当分の料理が完成する。

咲夜はこう続けた。

 

「ちなみにその前に私が誰に仕えていたか分かりますか?」

 

「さあ?咲夜さんは優秀ですからどこにいってもおかしくなさそうですけど。」

 

黒刀も料理が完成してテーブルに運ぶ。

同じように料理を運んでいた咲夜。

 

「一ノ瀬家です。」

 

「へ?」

 

黒刀から呆けた声が出てしまう。

もう少しでせっかくの料理をこぼしてしまうところだった。

 

「ナンバーズの?」

 

「はい。」

 

「マジで?」

 

「マジです♪」

 

メイドスマイルで返す咲夜。

 

「そう…ですか。」

 

黒刀はそれしか言葉が出てこなかった。

宴会場のテーブルに置いた料理に保存霊術をかけてから黒刀と咲夜は温泉に向かった。

 

 

 

 

「こんなんありえへんやろぉぉぉぉぉぉ!」

 

男湯の露天風呂で叫んでいるのは王龍寺高校2年の風間翼。

ここの温泉は露天風呂の他に内風呂・水風呂・電気風呂・ジャグジーバス・打たせ湯・薬湯・サウナが備えられている。

 

「やかましいで。翼、ちょいと静かにできへんのか。」

 

露天風呂に肩まで浸かっている岩徹が注意する。

 

「そんな言うてもおかしいやろ!温泉やのに…温泉やのに…混浴やないなんて!」

 

「バカ!声が大きい!あっちに聞こえたらどうすんだ!」

 

仙台高校2年の北山圭が抑え気味の声で怒る。

 

「そうだぞ…それにまだお楽しみは残っているだろ?」

 

「「「お楽しみ?」」」

 

風間、圭、岩徹が声を抑えて疑問符を浮かべる。

流星は右手の親指を突き立てる。

 

「つまり…覗きだ。」

 

「「「はっ!その手があったか!」」」

 

こうして4人の邪な企みが始まる。

 

 

 

 黒刀が男湯の脱衣所に入るといまだに服を着たままの優がいた。

 

「まだ入ってなかったのか?」

 

「どうせならお前と一緒に入って語り合おうと思ってな。」

 

黒刀と優は服を抜いて全裸になる。

2人とも腰にタオルを巻いて大浴場の戸をガララと音を立てて開ける。

 

「ようやく来たか。」

 

内風呂に浸かっていた仁が音に気付いて声を出す。

 

男湯の人数は合計12人。

奥の露天風呂には風間、岩徹、圭、流星。

室内には黒刀、優、仁、雪村、黒岩、知念、金次。

露天風呂のすぐ近くにある打たせ湯には海道がまるで滝行のように湯に打たれている。

 

金次は知念に髪を洗ってもらっている。

こうして見るとまるで兄弟のようだ。

優は風呂イスに座る。

 

「黒刀、背中洗え。」

 

自身の背中を指差す。

 

「おう。いいぜ。」

 

黒刀は優の後ろに風呂イスを置いてスポンジにボディソープをつけて優の背中をゴシゴシと洗う。

 

「力加減はこのくらいでいいか?」

 

「ああ。ちょうどいい。」

 

「そいつはよかった。」

 

「(何やねんこの2人…。)」

 

それを見ていた黒岩が心の中で思った。

 

 

 

 女湯。

咲夜も加わって女湯は総勢26人と大所帯になっていた。

しかし、その数でもスペースが狭いということはなかった。

 

「何で混浴はないんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

風間と同じように早苗も叫んでいた。

 

「早苗、うるさい。」

 

諏訪子が呆れ顔で注意する。

 

「そんなこと言われたってせっかくセンパイと混浴できると期待してたのに!」

 

早苗が駄々をこね始めた。

だがそこでレミリア、真冬、アリスが周囲に気づかれない程度に反応していた。

 

 

 

 同じ頃。

風間、圭、岩徹、流星が露天風呂の女湯と男湯を分ける仕切りの隙間から女湯を覗こうとしていた。

その時、水を操ることに関しては世界一とも言われる諏訪子が気づいて微笑を浮かべると水面をチョンッと人差し指でつつく。

露天風呂のお湯が数ℓ程、玉のように浮き上がる。

それが4つに分裂して仕切りの隙間に飛んでいく。

ちょうど覗き込もうとしていた4人は仕切りの隙間から飛んできたお湯が目に入り悲鳴を上げて悶絶する。

その悲鳴に気づいた女性陣が何事かと騒ぎ始める。

諏訪子は知らん顔して露天風呂に浸かっている。

 

「まさか覗き⁉」

 

悲鳴にいち早く気づいた愛美が声を上げる。

 

「ちょっと!そこにいるんでしょ圭!」

 

それに続いて泉が大声で呼ぶ。

男湯にいる圭の肩がビクッと震える。

 

「それに男子校である王龍寺高校の方々がこんなチャンスを逃すはずがありませんわよね?」

 

花蓮の言葉に岩徹と風間も冷や汗が出始める。

4人の中で流星だけが言い当てられることはなかった。

しかし覗きの失敗の恐怖からその場から動けずにいた。

沈黙を破ったのは意外にも男湯の方からだった。

 

「や、やかましいわ!男ならしゃあないやろうが!」

 

風間が声を上げてしまった。

 

「うわ、開き直りやがった…。」

 

魔理沙がドン引きする。

 

「「最低!」」

 

愛美と花蓮が同時に罵声を浴びせた。

それが合図になったのか女性陣のほとんどがオーラの玉を壁越しに男湯の露天風呂へ放った。

 

「ちょ!まっ…ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

男湯から断末魔が上がったがお仕置きを終えた女性陣は湯船に浸かり直した。

 

 

 

 一方、黒刀達の方はというと髪と全身を洗ってから内風呂に浸かっていた。

黒刀も露天風呂の方が何やら騒がしいのは聞こえていたがここで『覇王の眼』を発動するのは覗き行為になるのでどうせ少しはしゃいでいるだけだろうと決めてそれからは大して気にしなかった。

現在、男湯の内風呂に浸かっているのは黒刀、優、仁、雪村、金次、知念、黒岩であったが金次がのぼせてきて知念が一緒に上がることにしたので残ったのは黒刀、優、仁、雪村、黒岩の5人だった。

端から見ればイケメン5人が揃って入浴している華やかな光景だが本人達はルックスがいいという自覚がない。

話を切り出したのはこの中で唯一の2年生である黒刀だった。

 

「そういえば雪村さんと黒岩さんとはまだ闘ってませんよね?」

 

「いやいや僕は君のデータに興味はあるけど実際に試合をするのは正直勘弁してほしいですね。」

 

「うちは別にええけど。それと雪村どこ見て喋ってんねん。」

 

黒岩がツッコむ。

雪村は今眼鏡をかけていない為よく見えていないのか内風呂のマーライオンに向かって喋っていた。

 

「あ、いやすまない。眼鏡をかけていないとどうにも見えないもので。さて、僕はそろそろ失礼するよ。」

 

そう言って湯船から立ち上がる。

さすがに最低限方向感覚はあったようで何事もなく脱衣所へ入った。

今度は仁が話を切り出す。

 

「そういやお前何で二宮には呼び捨てで俺達には敬語なんだよ?」

 

仁は黒刀に質問する。

 

「俺にだって最低限の礼儀は心得てます。優は特別です。」

 

「まあ、確かに帝国軍ツートップの息子ならそれなりの信頼関係が出来るのも分かるけどよ。」

 

仁は半分納得したような声を出す。

 

「ついこの前まで死ぬ気でやり合ってた仲でしたけどね。」

 

黒刀が付け足す。

 

「俺の父と四季大和も昔は張り合ってたらしいぞ。」

 

優がさらに付け足す。

 

「それは知っているが…まあ、終わったことをいつまでも蒸し返すのもよくないか…。」

 

黒刀が話を止める。

 

「ほんならせめて下の名前で呼んではくれんか?さん付けでもええから。」

 

「それくらいなら…まあ…。」

 

黒岩の提案に黒刀は渋々了承する。

 

「それじゃ俺も出ます。」

 

大浴場の時計ウインドウを確認した黒刀が湯船から上がる。

 

「そうか。ほな後でな。夕飯楽しみにしてるで~。」

 

「ええ。期待しておいてください。」

 

黒刀は軽く振り返ってから前へ向き直って脱衣所へ入った。

 

 

 

 女湯。

人数も減って現在は映姫、レミリア、アリス、早苗、真冬の5人しかいない。

ちなみに咲夜はのぼせてしまったフランの介抱に務めている。

5人は露天風呂に浸かっている。

 

「さて、皆さんに残ってもらったのは他でもない。この中で誰が!一番!センパイと!関係が進展しているか話し合いましょう!」

 

早苗が後半をやたら強調して話を切り出した。

 

「ちょっと早苗!何なのよその議題!」

 

いち早くレミリアが食いついた。

 

「何ってガールズトークの定番恋バナに決まっているじゃないですか。そしてこの5人に共通していることと言えばセンパイと関係を持っていることです。」

 

「何その意味深な言い方!」

 

アリスが間髪入れず話に割って入る。

 

「私が憧れてましたよ。ガールズトーク。」

 

真冬から賛同の言葉が出る。

 

「光さんとはしないんですか?」

 

早苗が訊く。

 

「光って話すことが大体食べ物のことかバトル関連のことばっかなのよね。」

 

真冬はため息を吐く。

 

「ほら真冬さんもしたいって言ってますし…」

 

早苗が目を輝かせて残りの3人に促す。

 

「なら別に黒刀を議題にする必要はないでしょ!」

 

反論するレミリア。

 

「無駄ですよレミリアさん。」

 

そこで意外にも制止したのは映姫だった。

 

「早苗がこうなったら私にも止められません。」

 

映姫が諦めの声を出す。

 

「まさに恋の暴走列車です!」

 

早苗が自慢げに言い張る。

 

「しかし私と黒刀は姉弟です。よってこの議題に参加する道理はありません。」

 

正論を口にする映姫。

 

「禁断の愛ですね!」

 

「違います。」

 

「ん~そんなに深く考える必要はないと思うんですけどね~。」

 

「まあ誰しも早苗のように考えられる訳じゃありませんからね。」

 

真冬が口を挟む。

すると早苗が真面目な表情に変わる。

 

「私はセンパイと付き合って分かったんです。誰かを好きでいることに大きな理由なんていらない。ただその人の傍にいたい。好きになる理由なんてたったそれだけでいいんです。少なくとも私はそう思っています。」

 

早苗はどこか懐かしげな目をする。

 

「なら…どうして別れたの?」

 

真冬は早苗の核心を突くような質問をする。

早苗は夜空を見上げた。

 

「…その時は…その方がいいと思っていたから。私も…センパイも…。」

 

早苗は少し哀しげに呟く。

真冬はこれ以上踏み込んではいけないと察してそこについてはもう聞かなかった。




ED7 DOG DAYS′ 夏の約束

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