東方剣舞   作:kuroto xanadu

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第4話です。

OP1 学戦都市アスタリスク「Brand new world」

今回は短めです。


天使

 午前10時。学園長室。

電動ドアが開くと、黒刀が、

 

「なんだよ…BB…」

 

バンッ。

 

「あぶなっ!いきなり魔法弾を撃つなよ!」

 

「ちっ。」

 

魔法弾を避けた黒刀に、紫は舌打ちした。

 

「学園長、部屋がめちゃくちゃになったら掃除をするのは私なんですが。」

 

と、紫を注意するのは金髪ボブで黒いスーツを着た、

神光学園の教頭、八雲藍である。

藍は紫の娘でもある。

「黒刀、にとり。仕事よ…軍から。至急、神戸基地に出頭するようにとのことよ。」

 

「神戸か…バイクで行くか?」

 

「バカか。お前は外部の人間に正体をバレちゃいけねぇんだからな。」

 

「私の空間魔法で送ってあげるわ。」

 

「まじか、サンキューBB…学園長。」

 

黒刀は途中で言い直した。

 

「よろしい。」

 

紫が右手をかざすと、黒刀とにとりの足元に幾何学模様の魔方陣が展開された。

2人は神戸基地へ転送された。

 

 

 

 神戸基地。

黒刀とにとりはとある戦艦の前に落とされた。

 

「送り方、荒っ!」

 

「いって~!」

 

「ほら。」

 

尻餅をついているにとりに黒刀が手を差し出す。

にとりはその手を取って立ち上がる。

 

「とりあえずブリッジに行こう。」

 

2人は目の前の巨大な戦艦へ歩き出す。

戦艦の名は『イーグル』。

反重力飛行システムを運用した全長400mの高速空中機動戦艦である。

 

 

 

 イーグルブリッジ。

「だいぶ久しぶりだな。」

 

「浸っている暇はないぞ黒刀。」

 

にとりが通信ボタンを押すとモニターウインドウが展開される。

 

《久しぶりだな。》

 

「「お久しぶりです二宮大将。」」

 

そう呼ばれたのは男前な40代の男性、二宮総一郎陸軍大将。

 

《私を大将と呼ぶ必要はないのではないかね。

四季黒刀空軍大将。それと河城にとり空軍技術中将》

 

そう、彼らの正体は空軍の大将と技術中将なのである。

 

「それより今回の任務の説明を。」

 

《ああ、今回の作戦空域はインド洋上空だ。マップデータを送る。》

 

イーグルのブリッジにデータウインドウが表示される。

 

「敵は?」

 

《ソマリア軍だ。》

 

「あの紛争中の国ですか。」

 

《東南アジアのスリランカ軍との合流を図っている。

今回の任務は合流阻止のためソマリア軍艦隊の殲滅だ。》

 

「空域の戦闘許可は?」

 

《問題ない。モルディブという国家が中間地点にあり、そこから許可が出ている。では健闘を祈る。》

 

通信が切られる。

 

「それじゃ、出動といきますか。」

 

「2人しかいないけどな。」

 

「お前のマニュアル操作だけで十分だ。」

 

「いや、単純に寂しいだろ。」

 

「そうか?」

 

黒刀が首を傾げる。

 

「はぁ、もういい。…システムオールグリーン!

『イーグル』発進!」

 

反重力システムが起動し機体が浮き上がる。

そして、スラスターを噴射して飛び立つ。

 

 

 

 30分後。

「そろそろ、作戦空域だ。」

 

「じゃ、準備してくる。」

 

黒刀は首をコキコキと鳴らしながらブリッジを退室した。

 

 

 

 格納庫。

黒刀が格納庫に入ると、そこには

刀身、鍔、柄まで全て真っ白な美しい刀が立て掛けてあり、

その横には全長2mのロボットのような機体。

機体の色は白、腰には2本のレール砲、ホルスターには2丁の銃のデバイス、背中にはスラスターと翼の形をしたバックバーニア、胸には丸い宝石のような赤のコアパーツがある。

『ブレイドアーマー』。

現在、日本のみが所有する最新鋭の兵器である。

 黒刀は白い刀を左手で握る。

 

「セットアップ!」

 

黒刀が発したボイスコマンドに『ブレイドアーマー』が転移して黒刀の全身に装着される。

黒刀がカタパルトに乗るとハッチが開く。

 

《出撃準備完了!いつでもいいぞ!》

 

「四季黒刀、出る!」

 

カタパルトに乗った黒刀が勢いよく発進する。

翼から黒いオーラが出て空を舞う。

 

《敵影捕捉。空母2隻と戦艦10隻、どちらも空中戦艦。》

 

「なら、まずは空から墜とす。」

 

 

 

 ソマリア空母ブリッジ。

「艦長、敵影捕捉!空中戦艦1隻と1機です!」

 

「モニターに映せ。」

 

モニターウインドウに映ったのは『イーグル』と

『ブレイドアーマー』を見た艦長以外のクルーは、

 

「ハハハ、たった1隻と1機で俺たちとやり合うつもりかよ!」

 

と、笑い飛ばしていた。

だが、艦長の反応は違った。

 

「まさか!あれは『鷲』と『天使』!まずい!

コンディションレッド発令!」

 

『え?』

 

全員が驚いた。クルーの1人が、

 

「艦長、敵はたかが1隻と…」

 

あれは『鷲』と『天使』だ!

 

「そ、それってあの南部連合艦隊を全滅させたっていう…。」

 

そうだ!いいか、まともに闘おうとするな!我々の最優先目標は合流だ!この空域を離脱する!

 

「コンディションレッド発令!パイロットは搭乗機にて待機してください!」

 

 

 

 黒刀は白い刀を機体の鞘に納めて、右手で右腰のホルスターから銃のデバイスを抜くと、トリガーを引いた。

銃口から赤黒いビームが放たれる。

そのビームは艦長が乗る空母の機体のスラスターに直撃する。

 

「くっ、被害は?」

 

「反重力システムダウン!」

 

「海上運転に切り替えろ!…仕方ない…航空部隊全機発進!」

 

空母からどんどん戦闘機が発進する。

 

「出てきたな。」

 

黒刀がつぶやく。

 

《油断は禁物だよ。》

 

「分かってる。」

 

 

 

 戦闘機の隊員の通信。

《あの野郎、俺達を舐めやがって!隊長、俺が先行します!》

 

若い隊員が飛び出す。

 

《待て!フォーメーションを崩すな!》

 

《あいつさえ潰せばいいんでしょ!うぉぉぉ沈め~!》

 

しかし、黒刀はそれを、

 

「遅い。」

 

一言ともに白い刀で戦闘機の機体を真っ二つに斬った。

それを見た仲間が、

 

《貴様、よくも~!》

 

と、機関銃を連射するも全てスレスレで回避されてしまい高速で反撃を受け機体を斬られる。

 

《うああ、少佐~!》

 

《くっ!》

 

部下の断末魔に隊長である少佐は歯噛みする。

さらに、黒刀は速度を上げる。

 

《へ?ぐああああ!》

 

気づかぬ内にまた1人撃墜される。

黒刀は目にも止まらぬ速さで敵を斬っていく。

敵の少佐は次々と聞こえる部下の悲鳴に恐怖で頭を抱えた。

 

「なんで…こんな…こんな目に…。」

 

その時、機体のフロントガラスに黒刀が乗ってきた。

 

「ひっ!」

 

黒刀は白い刀を縦に振り、パイロットごと機体を斬った。

 

 

 

 空母ブリッジ。

「第1部隊、第2部隊シグナルロストしました!」

 

「そんな…まだ1分しか経っていないんだぞ…そんなバカなことが…。くそ!撤退だ!態勢を立て直す!」

 

「そんな!ここまで来たのに!」

 

全滅よりマシだ!

 

「…全艦に通達!撤退せよ!」

 

「おい!」

 

別のクルーが通信したクルーに声を張り上げる。

 

俺はいやだ!故郷には妻と子供がいるんだ!こんなところで死にたくない!

 

通信したクルーが叫ぶ。

そんな時、別のクルーが

 

「艦長!撤退できません!」

 

「なぜだ!」

 

「後方に巨大なうずしおが発生しています!」

 

「まさか…これを見越して?」

 

「…終わりだ…。」

 

黒刀が艦隊に向かって飛んでくる。

 

「くっ、対空砲撃て~!」

 

12隻からの対空砲を黒刀は突撃しながら回避していく。

 

「なにっ!」

 

艦長が驚愕する。

さらに、黒刀は戦艦を1隻を水平斬りで真っ二つに斬る。

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

戦艦のクルーが断末魔を上げた直後、戦艦は爆散する。

 

「(面倒だな。)」

 

黒刀はそこで上昇する。

そして、銃のデバイスを構えると、銃口の先端に黒いオーラが集束していく。

それを見た艦長が「あれを撃たせるな!」と叫ぶ。

対空砲が放たれるが黒刀まで距離が足りない。

 

「散れ。」

 

短い一言ともにトリガーを引くと銃口から巨大な赤黒いビームが放たれる。

敵の表情が恐怖に染まり、次の瞬間全てが散った。

後に残ったのは海面に空いた大きな穴だけだった。

 

「任務完了。」

 

 

 

 神戸基地に帰ってくると、黒刀は『ブレイドアーマー』を解除し、ブリッジに戻ってくる。

 

「よし、帰るか。」

 

「報告書。」

 

「任せる。」

 

黒刀は目を逸らした。

 

「おい。…お前、この前も私に丸投げだっただろうが!」

 

「じゃあ、俺が送っておこうか?にとり中将は戦闘中サボってましたって。」

 

「サボってねえよ!」

 

「だってほとんど何もなってなくね?」

 

「やってるよ!」

 

「何を?」

 

「…データを。」

 

「仕方ないだろ。あの『ブレイドアーマー』はまだプロトタイプなんだから戦闘データはとっておきたいんだよ!」

 

「あ~はいはい参った。俺が悪かった。報告書も手伝うよ。」

 

「投げやりだなお前!」

 

この喧騒は『イーグル』の外で警備している神戸基地の隊員達にも聞こえていた。

 

「いつもああ何ですかあの2人?」

 

「そうかお前はこの基地に入ったばかりだったな。あの2人が来た時はだいたいあんな感じだよ。」

 

ベテラン隊員が新入隊員の疑問に答える。

 

「よくあれで一緒の部隊でいられますね?」

 

「ああ見えていいコンビなんだよ。まあ、『ブレイドアーマー』関係については揉めまくるがな。」

 

2人はそんな会話する中、黒刀とにとりの喧騒は響いているのだった。




ED1 遊戯王5Ds「START」

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