東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP8 遊戯王GX 99%


正義

 9月12日 午前11時 日本vs韓国。

黒刀と映姫は既にフィールドの入場ゲートでデュエルジャケットを装着して待機していた。

 

「黒刀、油断は禁物ですよ。」

 

「ああ。分かってるよ。」

 

 

 

 

 

 一方。

 

「四季黒刀…あいつだけは私が…」

 

イ・サンは意気込んでいる。

 

「焦るなよ。お前1人で闘っている訳じゃない。」

 

それをチャン・スウが落ち着かせる。

チャン・スウはイ・サンが熱くなった時のブレーキ役でもある。

 

「ありがとう。いつもお前には助けられてるよ。」

 

「気にするな。相棒。」

 

チャン・スウはイ・サンの肩を軽く叩いてからフィールドに入場する。

イ・サンも続いて入場する。

そして、黒刀と映姫もフィールドに入場した。

 

 

 

 

 

 大きな歓声に包まれて4人の選手がフィールドに揃った。

黒刀は鞘から『八咫烏』を抜刀する。

映姫も影で剣を造形する。

イ・サンは棒状のSDを取り出す。

チャン・スウも汎用型SDを取り出して起動する。

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

試合開始と同時に黒刀がチャン・スウの頭上に『抜き足』で移動して彼の後頭部を掴んで床に叩きつけた。

 

「(速い!)」

 

イ・サンは黒刀のスピードに驚いたがすぐに我に返って黒刀に向けて突きを放った。

黒刀はもう一度『抜き足』を使って映姫の隣に戻った。

 

「くそ!まるで忍者だな!」

 

イ・サンは舌打ちする。

 

「落ち着け。」

 

チャン・スウが立ち上がる。

 

「大丈夫か?」

 

「ああ。問題ない。それより…改めて闘ってみると予想以上だな…四季黒刀の強さは。」

 

「…チャン。四季黒刀は私がやる。お前は四季映姫を頼む。ダブルスの先鋒から外れていることは十分分かっている。だがあいつだけは私の正義を以て倒す!」

 

「…分かった。お前の好きなようにやれ。その代わり…勝てよ。」

 

「当たり前だ!」

 

イ・サンとチャン・スウはお互いに頷き合って駆け出し左右に分かれた。

チャン・スウは映姫へ、そしてイ・サンは黒刀へ接近していく。

黒刀はそれを見て口を開く。

 

「各個撃破か…まあシンクロ対策にもなるしそれほど的外れな策でもないな。」

 

「どうするの?」

 

映姫の問いに黒刀は『八咫烏』を肩に担ぐ。

 

「せっかくだから乗ってやろうか。」

 

「それじゃ私はチャン・スウを相手します。」

 

映姫は接近してくるチャン・スウに自ら接近していく。

黒刀は肩に担いでいる『八咫烏』を腰の高さまで下ろす。

 

「さあて…いい加減肩慣らしくらいはしておかないとな。」

 

向かってくるイ・サンに対して構えた。

 

「(攻めてこない?いや今は余計なことを考えてる場合じゃない!)」

 

イ・サンは黒刀に向けて棒術の連続突きを放った。

黒刀は刃を傾けるだけで防いだ。

イ・サンも負けずと突きだけでなく薙ぎ払いなど攻撃方法を変えて仕掛ける。

黒刀は回避と防御だけで全ていなしている。

 

「(こいつ…私を見ていない!)」

 

イ・サンは感じたのだ。

黒刀が別の事を考えながら闘っていることを。

 

「いいだろう。だったらこれでどうだ!」

 

イ・サンが黒刀から距離を取った。

彼が何をするか悟ったチャン・スウが叫ぶ。

 

「やめろ!まだ早すぎる!」

 

だがイ・サンは聞かなかった。

 

「モードチェンジ!」

 

イ・サンの詠唱に黒刀は動じなかった。

白い雲のようなものがイ・サンの全身を覆う。

チャン・スウと鍔迫り合い状態となっている映姫も横目でその様子を見ていた。

イ・サンは棒状のSDを投げ捨てた。

イ・サンの頭に金の冠、全身に武道着、雲の形が徐々に棒状に変わっていく。

髪も黒から金色に変色していく。

そして、現れたのは伝説の存在…

 

「斉天大聖孫悟空!」

 

イ・サンが右手に持っている武器は紛れもなく『如意棒』だ。

 

「はあっ!」

 

イ・サンは離れたところから黒刀に『如意棒』の突きを放った。

如意棒の先が伸びて黒刀に襲い掛かる。

黒刀は紙一重でそれを躱すと伸び切った『如意棒』を横から右手で掴んだ。

 

「何っ⁉」

 

イ・サンは驚いた。

黒刀はそのまま彼ごと振り回した。

 

「ふん!」

 

「うわっ!ぐっ!」

 

イ・サンはフィールドの壁に叩きつけられる。

 

「くそ…何て馬鹿力だよ…」

 

イ・サンは頬のすすを拭う。

黒刀は余裕そうに悠然と立っている。

イ・サンは構え直す。

 

「何故だ…あいつはモードチェンジを使っていない。なのに…何故…私は…勝てない。………いやまだ初撃を防がれただけだ。そうだ…正義は負けない!」

 

気合いを入れ直して黒刀に突撃した。

 

 

 

 

 

 一方。

映姫とチャン・スウの闘いは映姫の優勢だった。

チャン・スウは映姫の高速剣撃に翻弄されている。

 

「(くっ…やはりデータで見るのと実際に闘うのでは訳が違う。)」

 

チャン・スウは状況が不利である判断して後退してイ・サンとの合流を図った。

 

 

 

 

 

 イ・サンと黒刀の攻防はさらに激化していた。

イ・サンが『如意棒』を縦、横、斜めに振ったり、突きを放ったり、黒刀のカウンターに対しては防御ではなく回避に徹した。

 

「(こいつは『ガードブレイク』で相手の防御を崩してくる。だったらカウンター狙いで決める!)」

 

その時、チャン・スウがこちらに合流しようしているのが見えた。

 

「チャン!」

 

イ・サンが形成逆転とばかりに喜んだその時だった。

チャン・スウの背後からまるで鬼武者のように斬りかかっている映姫がいた。

 

「チャン、後ろだ!」

 

イ・サンが叫んだ。

チャン・スウは背後を振り返ってSDを水平に構えて防御態勢を入った。

だがそれよりも速く映姫は『影牢』を発動した。

床から影が伸びてチャン・スウの全身を拘束する。

 

「何だ…オーラが…出ない?」

 

チャン・スウは何が起きているのか理解できなかった。

 

「四季流剣術 弐の段 一閃!」

 

映姫の剣がチャン・スウを斬り抜く。

鞘が無いので影の剣が消えると同時にチャン・スウがバタリと倒れた。

 

「さて…こっちは終わりましたね…黒刀、手伝いましょうか?」

 

「いらない。ようやく肩慣らしにちょうどいい奴が出てきたんだ。邪魔すんなよ。」

 

「そうですか。ならば私は少し離れています。」

 

映姫は一歩下がって静観する。

 

「何で…そんなふざけた闘い方をする?何故本気で闘わない!」

 

イ・サンは黒刀と映姫のやり取りを聞いて声を荒げる。

それを聞いて黒刀はため息を吐く。

 

「本気で闘わない…か。その答えは簡単だ。本気で闘わないんじゃない…本気で闘えないんだ。」

 

「どういう意味だ?」

 

「今の俺の力は強すぎてな。本気で闘ったりなんかしたらこの会場ごとぶっ壊しちまうのさ。」

 

「バカな!会場には結界が張られている。そんなことがある訳がない!」

 

「この程度の結界で俺を抑えられると思うなよ。そうだな…今出してる力が全力の1%くらいだ。」

 

それを聞いてイ・サンは驚愕した。

 

「1%…だと!」

 

ちなみに黒刀の力が急激に上昇していることには特訓の成果もあるが最大の理由はザナドゥ卿が復活したことである。

その為、黒刀は普段からオーラの出力制御を行っている。

 

「それにお前ら程度に本気を出すまでもない。いいからとっととかかって来いよ。」

 

黒刀は右手をクイクイと曲げて挑発する。

 

「(今の俺を本気にさせてくれるのは………レミリア…お前だけだ。)」

 

黒刀は一瞬だけ頭の中でレミリアの姿を思い浮かべた。

 

「四季黒刀~!」

 

イ・サンが吠えて『如意棒』の先を伸ばして連続突きを放つ。

 

「遅ぇ。」

 

黒刀は『抜き足』を使ってイ・サンの背後に回り込んでそのまま『八咫烏』を水平に振る。

イ・サンは振り返り際に『如意棒』を縦に構えて防御した。

だが『ガードブレイク』による黒刀の剣撃は予想以上に重かった。

イ・サンの体が後方に飛ばされる。

 

「四季流剣術 伍の段 火廻!」

 

黒刀はイ・サンの真上にジャンプして『八咫烏』を振り下ろした。

その瞬間に刃が炎を纏った。

 

「(空中摩擦で火を起こすだと…バカな!)」

 

イ・サンは驚いた。

回避しようにも空中ではそれが出来ない。

仕方なく『如意棒』を水平に構えて防御態勢を取るがそれが愚策であることは彼にも分かりきっていた。

その上でそうするしかなかった。

『八咫烏』と『如意棒』が激突する。

 

「(この重さ…いくら何でも常軌を逸している!筋肉が持たないぞこんなもの!)」

 

イ・サンは攻撃を受けながら黒刀の異常な強さに改めて驚いた。

そのまま押し切られて床に叩きつけられる。

さらに黒刀の踵落としが来たので跳ね起きてバックステップして踵落としを避ける。

『如意棒』を左右に伸ばして真ん中の部分を持って横向きに回転させる。

 

「竜巻旋風!」

 

高速回転する『如意棒』を中心に大きな竜巻が作り上げられる。

黒刀はそれを見上げた後、ゆっくりと歩いて竜巻に近づいていく。

 

「先輩、危ない!」

 

控室の妖夢が思わず叫ぶ。

黒刀は竜巻の中に入る瞬間に右腕を縦に構えて、回転している『如意棒』を『覇王の盾』で止めた。

 

「何っ⁉」

 

黒刀の顔は下を向いているのでその表情は見えない。

右腕を振り払って『如意棒』を弾く。

イ・サンの体勢が崩れたところで黒刀は彼の懐に入った。

 

「四季流体術 大和魂 改!」

 

黒刀が右手の拳をイ・サンの腹に叩き込む瞬間をモニターウインドウで見ていた諏訪子はその姿が彼の父の四季大和の姿と重なって見えた。

 

「がはっ!」

 

イ・サンはフィールドの壁へ吹っ飛ばされる。

背中を壁に激突させたが常人以上に鍛えていた為、失神はしなかった。

踏ん張ると『如意棒』を手のひらサイズに縮小してポケットにしまう。

腰を低くして両手を腰に添えて気力を溜める動作をした。

 

「あれhが王龍寺の岩徹剛の『波動砲』!しかも両手⁉」

 

控室にいる魔理沙が驚く。

 

「集束砲撃か…ならこっちも。」

 

黒刀は右手を開いて前に突き出すと周囲のオーラが彼の右手に集束していく。

さらに集束したオーラの色は黒く変色した。

 

「あれは…お空の…」

 

霊夢が呟く。

真冬はそれが耳入ったのか記憶を辿る。

 

「(違う…あれは元々の黒刀の…『覇王』の…)」

 

イ・サンが両手を前に突き出す。

 

「真 波動砲!」

 

気力を込めた光線を放つ。

 

「カオスブラスター!」

 

黒刀も右手を前に突き出したまま黒い光線を放った。

2本の光線が真正面からぶつかり合う。

イ・サンは必死にこらえる。

 

「くっ…私は…私の正義を貫く!それだけだ!

 

イ・サンの気持ちが通じたのか『真 波動砲』の威力が上昇した。

黒刀はイ・サンの言葉を聞いて考える。

 

「(正義か…そんなものを目指した時が俺にもあったんだろうか…どちらにせよ…もう戻れないし俺は正義になれない…俺の手はもう血で汚れている!)」

 

黒刀の脳裏にある記憶が一瞬だけ映し出される。

それはブレイドアーマーを装着している自分が罪もない10歳の少女を斬り殺した記憶。

 

「(そうだ…正義でなくたって俺にも守りたいものがある…その為にも俺は負けられない…自分の為じゃない…俺は誰かの為に強くなる!)」

 

黒刀は『カオスブラスター』の威力を上昇させる。

その上昇量はイ・サンを上回り、黒い光線は無色の光線を飲み込みイ・サンに浴びせられる。

 

「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

イ・サンの悲鳴が響く。

『カオスブラスター』の直撃を全身に浴びたイ・サンはそのまま前のめりに倒れる。

 

《勝者 四季黒刀&四季映姫》

 

機械音声が鳴り響く。

黒刀は『八咫烏』を納刀する。

ルーミアが嬉しそうに拍手する。

他の観客も立ち上がって拍手したり口笛を吹いている。

黒刀は気にも止めずゲートへゆっくり戻る。

 

「あ、黒刀。」

 

映姫がその背中を追いかける。

 

 

 

 

 

 ゲートに戻って黒刀と映姫の他に誰もいなくなると歩きながら黒刀が口を開く。

 

「韓国の次はカタール。それに勝てば本選。本選で勝ち続ければ…レミリアと闘える。」

 

その言葉に映姫はため息を吐く。

 

「気が早いですね。それにイギリス代表がヨーロッパ予選を突破するとは限りませんよ。」

 

「勝つさ。あいつは必ず上がってくる。」

 

黒刀は断言した。

 

「そこまで言う根拠は?」

 

「レミリアだから。」

 

黒刀は少し楽しそうな顔で答えた。

 

 

 

 

 

 ヨーロッパ予選 イギリスvsスペイン。

レミリアは試合中にも関わらず青空を見上げていた。

もちろん対戦相手も双剣型SDで連続攻撃を仕掛けている。

だがレミリアは翼で全て防ぎ切っていた。

『グングニル』も具現化していない。

 

「(退屈ね…)」

 

レミリアは心の中で呟いた。

 

「おい!いい加減真面目に闘えよ!」

 

するとスペイン代表の選手が怒りを露わに声をかけてきた。

 

「あら…あなたいたの?」

 

レミリアは呼びかける声でようやく相手の存在に気づいた。

相手選手は羞恥で紅潮する。

 

「何を言っているんだ!さっきまで闘っていたことも忘れたのか!」

 

「あ~あれで闘っているつもりだったんだ?」

 

レミリアの関心は薄い。

髪をなびかせてこう口にした。

 

「教えてあげるわ。本当の闘いをね。」

 

突然、膨れ上がったレミリアのオーラの巨大さに相手選手は恐怖で震え上がる。

 

「う…うわああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 

スペイン代表選手の悲鳴が会場に響き渡った。

 

 

 

 

 

 試合終了後。

真紅の瞳をさらに輝かせたレミリアが顔を上げる。

それは『未来王の眼』が発動している状態だった。

 

 

 

 

 

 黒刀…あなただけは…私が倒す!

 

 

 

 

 

『破壊王』と『未来王』の決戦へのカウントダウンが始まっていた。




ED8 ヴァンガードG ギアーズクライシス編 Don't Look Back

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