東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP8 遊戯王GX 99%


炎神

「天子…」

 

チルノが小さい声で名を呼ぶ。

 

「遅くなってすまない。それと…よくやった。後は私に任せろ。」

 

天子は優しく微笑んで言葉をかけた。

 

「うん…任せた…」

 

チルノは安心したように眠った。

天子はゆっくりと着地してチルノをそっと寝かせた。

 

「何だ…その姿は?」

 

ペ・ギョンが目を見開いて訊く。

天子は振り返る。顔を俯かせたまま。

 

「『炎神イフリートモード』だ。」

 

天子は答えた。

 

「…どうやって『水牢』から脱出した?」

 

「あんたが術を使いまくったおかげで効力が落ちたんだよ。」

 

これも答えた。

 

「もういいか?私はもう我慢の限界だ。」

 

フィールドの気温が徐々に上昇していく。

 

「よくも…よくもチルノを!いたぶってくれたな!

 

天子が吠えた。

天子のオーラが一気に高まった。

まるで火山の噴火のように。

天子の帽子が飛んでいく。

 

「私の怒りを全て…この炎に捧げる!」

 

天子は『緋想の剣』にさらに炎を纏わせた。

 

「チッ、やらせるか!」

 

ペ・ギョンは左手で印を結んで『水牢』を発動する。

だが『水牢』の水は天子から発せられる炎によって一瞬で蒸発した。

 

「バカな!お互いモードチェンジした状態でここまでの差が出る筈がない!」

 

ペ・ギョンは驚愕して目の前の事実を否定しようとする。

天子は目を細める。

 

「なるほど…チルノが言っていたことの意味が分かったわ。あんた達の強さは偽物…つまりあんた達の力には魂がこもっていないのよ!」

 

そう言い放ってビシッとペ・ギョンを指差す。

 

「魂だと?力にそんなものは必要ない!あるのは強いかという結果だけだ!」

 

ペ・ギョンが吠えて水の斬撃を放つ。

天子はゆっくりと歩きながら水の斬撃を1つずつ斬り払った。

ペ・ギョンの顔に焦りと敗北に対しての恐怖が表れる。

ペ・ギョンは左手で『水風船』を作り出すと天子に向けて放った。

さらに連続で3個作り、合計4個天子に向けて放った。

4個の『水風船』が天子を包囲するように四方で空中停止する。

 

「爆ぜろ!」

 

ペ・ギョンが言い放って『水風船』が破裂する寸前で天子が深く息を吸ってから回転斬り。

『緋想の剣』の炎で4個の『水風船』は蒸発して消滅した。

さらに炎の余波で周囲の床が焼け焦げる。

炎が荒々しく揺れるその光景はまさに地獄。

 

「化け物め!」

 

ペ・ギョンが言葉を吐く。

天子は『緋想の剣』を両手で握って床に突き刺した。

ペ・ギョンの周囲に5本の火柱が上がった。

ペ・ギョンが危険を察知してその場から離れようとしたその時。

両手首と両足首に炎の輪が出現して拘束する。

 

「バインド⁉」

 

さらに火柱はペ・ギョンを中心に一点に集束した。

 

「ぐああああああああああああああああああああ!」

 

「天の火柱!」

 

一点に集束した火柱はさらに大きな火柱となった。

火柱の直径は30mに及ぶ。

火柱が消滅した後、ペ・ギョンが前のめりに倒れる。

 

《勝者 比那名居天子&チルノ》

 

会場中に歓声が鳴り響く。

天子が『緋想の剣』を納刀すると髪の色も赤色から元の青色に戻る。

それから床に横たわっているチルノに駆け寄っていく。

 

「チルノ。」

 

天子は屈んでチルノの肩を軽く叩いて呼びかける。

チルノはというと…

 

「ん~あたいが最強だ~zzz」

 

爆睡していた。

 

「ったく…とんだ大物ね。」

 

チルノは半分呆れた顔をして肩をすくめた後、チルノをおぶってフィールドを後にした。

 

 

 

 

 

 大妖精は試合が終わって居ても立ってもいられずダッシュで控室を出た。

廊下で天子におんぶされているチルノを見つけると、

 

「チルノちゃん!」

 

大声で名を呼んだ。

チルノはゆっくりと目を開けて目を覚ました。

 

「あれ…大ちゃん?」

 

チルノが呟く。

大妖精が2人の元へ辿り着く。

 

「大丈夫?チルノちゃん。それに天子さんも酷い怪我!早く医務室へ行きましょう!」

 

「大丈夫、大丈夫…」

 

チルノが力なく手を振る。

 

「ダメ!私は皆の治療を任せられているんだから!」

 

大妖精は少し怒っていた。

 

「チルノ。ここは大妖精の言うことに従った方がいい。いつでも試合に出られるようにコンディションを整えておくのは基本よ。」

 

天子が背中のチルノに言い聞かせる。

 

「う~ん…分かったよ。」

 

チルノは2人の言葉に渋々従った。

3人は控室ではなく医務室に向かって歩いた。

 

 

 

 

 

 午後1時。

ペ・ギョンとグ・ヨンが目を覚ますとそこは医務室のベッドだった、

 

「あれ…ここは…」

 

2人を心配する表情で取り囲むようにイ・サン、チャン・スウや他のメンバーが集まっていた。

 

「ようやく目を覚ましたな。」

 

チャン・スウが声をかける。

 

「チャン…俺達は…」

 

「ここは医務室。お前達は試合に負けてここに運ばれた。」

 

チャン・スウが2人の知りたい情報を先回りして答えた。

 

「起きて早々悪いけど聞きたいことがある。」

 

ある程度回復して1人で歩けるようになったイ・サンが口を開く。

 

「2人が持っていたあのカード…あれはどこで手に入れたのです?」

 

その質問にペ・ギョンとグ・ヨンは顔を見合わせる。

 

「詳しくは分かりません。」

 

グ・ヨンがまず答える。

 

「ゲートで自分の無力さを実感した時に声が聞こえてきたんです。」

 

ペ・ギョンが補足した。

 

「声?」

 

イ・サンが目を細める。

 

「はい。『力をくれてやる』と聞こえた後、あのカードが突然現れて恥ずかしながら自分達はそれに縋ってしまいました。それからの記憶は正直言っておぼろげにしかありません。」

 

ペ・ギョンが拳を握り締める。

自身の心の甘さを悔いている証拠である。

 

「ただ…あのカードを使った瞬間、力が溢れてきて…他のことがどうでも思えてきて…こう…頭が真っ白…いえ…黒く染められていく感じでした。」

 

グ・ヨンが補足した。

イ・サンは2人の説明を聞いて目を伏せた後、ゆっくり開ける。

 

「先程2人のメディカルチェックをしました。ですが例のカードは見つかりませんでした。モードチェンジした時に体内に侵入したのではないかという可能性も試しましたがそれも…」

 

そこで言葉を切って首を横に振る。

 

「2人の精神状態が安定していることから消滅したと考えるのが最も妥当でしょう。しかし問題はもう1つあります。」

 

チャン・スウが口を開く。

 

「問題?」

 

イ・サンが訝しむ目をする。

他の皆も理解していない。

 

「2人にカードを渡したのが何者かということです。」

 

『!』

 

皆が動揺する中、チャン・スウは顎に手を当てる。

 

「2人はカードを渡した人物を見ていないのだな?」

 

「「はい。」」

 

あの時、2人は声が聞こえて周囲を見渡したが誰もいなかったことは確認している。

 

「可能性があるのは…私達の誰かか大会委員ですね。」

 

「おいチャン!」

 

チャン・スウの推理にイ・サンが口を挟もうとする。

 

「落ち着け。客観的可能性からの推理だ。普通に考えて2人に強大な力を与えるならそれは勝ちたいと思っている韓国代表が含まれる。」

 

そう言ってチャン・スウはイ・サンを制止した。

続けて、

 

「だが私は大会委員の方が可能性としてあり得ると思う。ああいうのをデモンストレーションとして楽しむ富裕層の奴らは多いからな。それにゲートは関係者以外立ち入り禁止だ。」

 

その推理を聞いてイ・サンが目を見開いた。

 

「おい…それってこの大会そのものが仕組まれたものだっていうことじゃないか!」

 

「あくまで可能性の話さ。」

 

医務室に重苦しい空気が漂う。

 

「あの…ところでユンスクさんはどちらへ?」

 

ペ・ギョンが小さく挙手して訊く。

 

「ユンスクはもうゲートに行った。」

 

 

 

 

 

 ユンスクは廊下を歩いている。

 

「(もう後がない…だが慌てる必要もない。出来れば神器を使わずに決着をつけたいものですね。三国志最強と言われた戦士の神器…『方天画戟』を…)」

 

 

 

 

 

 午後1時10分。

黒刀は『抜き足』を使って皆にバレないように控室を出ていた。

その理由は例のカードを渡した犯人を『覇王の眼』で見つけたからだ。

犯人は黒いローブを纏って人気のない廊下を走っていた。

黒刀はそれを追いかける。

 

「(速いな。)」

 

黒刀のスピードでも犯人との距離が全く縮まらない。

すると、いきなり犯人が振り返って発砲してきた。

黒刀が『八咫烏』で銃弾を真っ二つに斬ると中から白い煙が出てきた。

 

「(白煙弾?だが『覇王の眼』にそんなものは…っ!)」

 

透視能力も備えてある『覇王の眼』で白い煙の先に目を凝らすとなんと犯人の姿が消えていくのだ。

やがて犯人はその場から完全に消えた。

ステルスではない。

ステルスなら『覇王の眼』がそれを逃す筈が無い。

 

「(黒刀。)」

 

ザナドゥ卿が声をかけてきた。

 

「ああ。分かっている。奴は人間じゃない…悪魔だ。それも上級悪魔クラスの。」

 

黒刀の脳裏に思い出したくない顔が思い浮かぶ。

黒刀は頭を振り払って控室に戻る為…その場を去った。




ED8 ヴァンガードG ギアーズクライシス編 Don't Look Back

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