東方剣舞   作:kuroto xanadu

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OP8 遊戯王GX 99%


共闘!『皇帝』と『破壊王』!

 午後1時35分 日本代表控室。

 

「あの2人がダブルスを組むなんてすげぇぜ!」

 

魔理沙が興奮した声を出す。

 

「『皇帝』と『破壊王』が肩を並べて闘うなんて確かに想像出来なかったね。」

 

光がそう口ん敷いた。

 

 

 

 

 

 黒刀は愛美の元へ近づく。

 

「ねぇ。」

 

愛美から声をかけられる。

 

「あ?」

 

「やっぱりちょっと重いんだけど。」

 

「昨日、調整したんだからしょうがねぇだろ。後で再調整してやるからお前は九条を医務室に連れて行け。」

 

「分かってるわよ。あんたに言われなくても。」

 

愛美は少し不機嫌になって花蓮に肩を貸すとゲートを歩いていく。

 

 

 

 

 

 優が右手に装着している汎用型MADを起動する。

黒刀も『八咫烏』を鞘から抜く。

 

「優。」

 

黒刀は優に声をかける。

 

「何だ?今、俺は超機嫌悪いんだ。手短にしろ。」

 

優は視線をフランクとイヴォに固定したまま返事する。

 

「この試合、俺に一切合わせようとしなくていい。例え俺が射線上にいても構わず撃て。」

 

黒刀の提案は優にとっても気兼ねなく全力を出せるので願ったり叶ったりだが本当にその作戦でいいのか一瞬だけ迷ったがその後に脳裏をよぎったのは愛する婚約者、九条花蓮の笑顔だった。

優は決心した。

 

「分かった。」

 

優の言葉に黒刀の口の端がほんの僅かに上がった。

黒刀は優の前に出て、抜刀状態の『八咫烏』を構える。

改めて黒刀の姿を確認したフランクとイヴォは挑発的な笑みを浮かべる。

 

「おやおや…てめぇは昨日俺達にガン無視してくれちゃった四季黒刀じゃねぇか~」

 

「まあ、その余裕そうな面も今日までだがな!」

 

2人は表情、言葉や口調で黒刀を挑発する。

しかし、黒刀は全く意に介さず『はあ~』とため息を1つついた。

 

「お前らが何を思い、何を考えているのか…そんなことは俺にはどうだっていい。俺には全力を懸けて倒せなきゃいけない奴がいるんだ。その道を邪魔する奴は誰だろうと…叩き潰す!」

 

黒刀は固い意志を声に込めて言い放った。

 

「だったら!」

 

フランクが高らかに声を上げる。

 

「やってみろよ!」

 

イヴォが言葉を紡ぐ。

それが合図であるかのように…

 

《3…2…1…0.デュエルスタート》

 

試合開始の機械音声が鳴り響いた。

まず黒刀が床を蹴って前に飛び出した。

その直後、黒刀の15m後方の空中に20個の魔法陣が展開された。

優の『ディメンションレーザー』だ。

それらの魔法陣から砲撃魔法が一斉に放たれる。

その射線上には黒刀もいた。

黒刀が振り返る気配はない。

 

「ハッ!お仲間諸共ってか!」

 

「勝手に自滅してろ!」

 

フランクとイヴォは魔力障壁を展開させながら後退する。

優の放った『ディメンションレーザー』の中の1つが黒刀の後頭部に向かっていく。

 

「まず1人脱落~!」

 

フランクがにやつく。

会場にいるほとんどの者が黒刀が『ディメンションレーザー』を受けて倒れると思った。

だが、結果は違った。

黒刀は背後を振り向きもせず走りながら首を左に傾けた。

たったそれだけの動作で『ディメンションレーザー』は黒刀の顔の横を通過して床に直撃する。

『マスタースパーク』の3倍の威力を誇る『ディメンションレーザー』は直撃した床を爆発させる。

その程度の爆発であれば常に高密度のオーラを纏っている黒刀は迷わず前進できる。

 

 

 

 

 

 午後1時40分 日本代表控室。

黒刀の動きを観察していた雪村がその意味に気づいた。

 

「そうか!黒刀君には全方位を視れる『千里眼』と視認した瞬間に反応できる『超反射』がある。だからあの砲撃の嵐を進めるという訳だ。」

 

ちなみに黒刀の『眼』は『千里眼』から『覇王の眼』に覚醒しているのだが彼が知る筈はない。

 

「だとしたら正気の沙汰じゃねぇだろ…避ける方も撃つ方も。」

 

雪村の分析に仁が言葉を漏らす。

しかし、この状況で妖夢達は驚かなかった。

 

「まあ、黒刀だし。」

 

魔理沙が一言。

 

「黒刀なら当然!」

 

チルノが一言。

 

「黒刀先輩ならこれくらいは。」

 

霊夢が一言。

 

「やりますよね~」

 

大妖精が言葉を紡ぐ。

 

「先輩ですから。」

 

妖夢が最後に一言。

5人の言葉には全幅の信頼が込められていた。

 

 

 

 

 

 黒刀は砲撃魔法の嵐をジグザグに走りながら前進している。

 

「(さっきの言葉はこういうことか…)」

 

優は若干、黒刀を心配する気持ちを抱くが砲撃を緩める気は無い。

今の優にとって最も優先度の高い目的は愛する婚約者、花蓮を侮辱したフランクとイヴォを倒すことなのだから。

照準をフランクとイヴォに向けるように細かく修正を加える。

黒刀は優の砲撃魔法を躱し尽くしているがいつまで続くか分からないし無駄な攻撃を続ける必要は無い。

『ディメンションレーザー』の魔法陣がフランクとイヴォの周囲に展開される。

直後、4個の魔法陣から『ディメンションレーザー』が放たれる。

 

「ハッ!トロいんだよ!」

 

フランクとイヴォは加速魔法『アクセル』を発動して回避。

だが、2人が回避した先へ黒い斬撃がそれぞれ2人へ放たれた。

今の2人はまだ加速中であり、この状況から回避することは原則的に不可能。

 

「「ダブルアクセル!!」」

 

だが、2人はその状態からさらに再加速して回避。

その際、加速によって残像が1体作られる。

言うまでもなく黒い斬撃を放ったのは黒刀である。

 

「四季…黒刀!」

 

フランクは忌々しげにその名を口にする。

 

「何必死になってんだよ。そんなに女1人くたばったのが悔しいのか?」

 

イヴォが水属性の射撃魔法で黒刀を牽制しながら挑発する。

黒刀は構わず2人に接近すると横振りに『八咫烏』で薙ぎ払う。

フランクとイヴォは『アクセル』で上にジャンプして回避。

 

「てめぇは後回しだ!」

 

フランクが吠える。

黒刀の頭上を跳び越えて床に両手を付く。

 

「「ロックウォール!!」」

 

2人は土属性魔法を発動して優、フランク、イヴォと黒刀を分断する巨大な岩の壁を展開する。

フィールドは2つに分けられた。

 

「はあ…こんなもので俺を止めたつもりかよ…」

 

黒刀は呆れた口調で岩の壁を斬り崩そうとしたその時。

 

「黒刀、余計なことはするな!こいつらは俺1人でやる!」

 

壁の向こう側から優が大声で言ってきた。

 

「…プッ、アハハハハ!何を言うかと思えば雑魚が俺ら2人を同時に相手するなんてどこまでバカなんだ?てめぇら日本人って奴らはよぉ!」

 

「身の程知らずって言葉を今からその体に叩き込んでやるよ!」

 

優の言葉を聞いたフランクとイヴォが笑い飛ばす。

『アクセル』を発動して優に迫る。

黒刀は『八咫烏』を持つ左手をダラりとぶら下げて天井を見上げて目を閉じた。

そのまま彼はジッと動かない。

 

 

 

 

 

 午後1時45分 試合開始から10分経過 日本代表控室。

 

「何やってんだよ黒刀!お前ならそんな壁ぶっ壊せるだろ!」

 

魔理沙がモニターウインドウに向かって怒鳴る。

 

「二宮さんの言う通り本当に何もしないわけね。」

 

霊夢が冷静に言った。

 

「私なら即ぶっ壊してるけど。」

 

光がそう口にした。

 

「そうだ!ぶっ壊せぇ!」

 

チルノが大声で盛り上がって右手の拳を突き上げる。

 

「…お前ら、今の黒刀がどんな状態かちゃんと見ろ。」

 

にとりが指摘する。

その一言に全員、モニターウインドウに映る静止状態の黒刀をジッと見る。

すると、モニターウインドウでは分かりづらいが黒刀を中心に何かが集まっている。

風…いやオーラだ。

 

「『集中』…」

 

阿求が呟く。

 

「ということは先輩は今、オーラを高めているということですか。」

 

妖夢が口を挟む。

 

「ですが今の彼の力なら今更オーラを高める必要も無いと思いますが…」

 

雪村が意見を口にする。

 

「フフ…あの2人どっちもプライド高そうだから本音じゃ1人で十分って思ってるんじゃない?」

 

諏訪子が微笑する。

 

「ん~っていうより単純にセンパイ、めんどくさいから任せてるだけじゃないですか?」

 

早苗が陽気にそう言った。

 

『(あ~それはありそう。)』

 

早苗の一言に一同はこれまでで最も妥当な答えが出た。

 

 

 

 

 

 午後1時47分 試合開始から12分。

優が遠距離戦得意だという情報を既に把握しているフランクとイヴォは汎用型SDを起動した。

ビームブレードが先端から伸びる。

 

「接近戦か…させるか!」

 

優はフランクとイヴォの周囲にそれぞれ10個の魔法陣を展開して『ディメンションレーザー』を放った。

 

「バカの1つ覚えが!ダブルアクセル!」

 

フランクとイヴォは二重加速で砲撃魔法を回避して、優の左右からそれぞれ斬りかかる。

優は『イージスの盾』を展開して防御しようとする。

だが次の瞬間、優の背中に強烈な痛みが走る。

優は首だけ背後に振り返る。

そこには左右にいたはずのフランクとイヴォがいた。

 

「その魔法も攻略済みだ。」

 

「その防御魔法は手をかざす一方向にしか展開できない。片手で1つ…つまりてめぇに展開できるのは2つまでだ。」

 

「さらに、その魔法は展開させてから次の再展開までタイムラグがある。」

 

「大体2秒ってところか。」

 

「それだけありゃ俺らの『ダブルアクセル』で八つ裂きに出来る。」

 

フランクとイヴォは交互に優の弱点を口にする。

 

「これで分かったか!てめぇもさっきの雑魚女も俺らの実力には及ばねぇってことを!」

 

フランクが高らかに言い放つ。

 

「…てめぇ、ぶち殺す!

 

優は完全にブチ切れた。

 

「モードチェンジ!エンペラー!」

 

優の全身に黄金の鎧が装着される。

 

「調子に乗ってんじゃねぇっぞ!クソ野郎が!」

 

優は右手にオーラを集束させる。

『ソニックレーザー』を撃つつもりだ。

 

「だ~か~ら~!攻略済みだっつんでだよ!このマヌケが!」

 

フランクが吠える。

 

「「トリプルアクセル!!」」

 

フランクとイヴォは二重加速のさらに上…三重加速の魔法を発動した。

2人の身体がそれぞれ3体に分身する。

優は目を見開く。

これでは単発の『ソニックレーザー』はまず当たらない。

 

「くっ!」

 

優は『ソニックレーザー』を3体のフランクの内の1体に向けて放つ。

撃ち抜かれたフランクは残像となって消失する。

優はさらに50個の魔法陣を展開して『ディメンションレーザー』をフランクとイヴォに向けて一斉に放つ。

しかし、砲撃魔法よりスピードで勝る2人はことごとく避けて優へ四方八方から斬りかかる。

『イージスの盾』で防御し切れない優は切り刻まれ『エンペラーモード』の鎧も徐々にボロボロに砕かれていく。

 

「ぐあああああ!」

 

悲鳴を上げる優。

 

「墜ちろ!エリート気取りの雑魚!」

 

フランクはそう吐き捨てた。

 

 

 

 

 

 優の意識が薄れていく。

体が右に倒れていく。

 

「(クソが…あいつらをぶっ飛ばしようにも体が動かねぇ…終わるのか?花蓮を侮辱したあいつらに一矢報いることさえ…出来ないのか?)」

 

優がもうダメかと諦めかけたその時。

 

「それがお前の限界か?」

 

その言葉は岩の壁越しに優の鼓膜に届いた。

 

「っ!」

 

気づけば右に倒れる筈だった優は右足を床に踏み止まらせていた。

 

「この…くたばり損ないがぁ!」

 

フランクが床を蹴って『トリプルアクセル』を発動する。

 

「今度こそ叩き潰してやるよ!」

 

イヴォもフランクに続く。

優の顔は俯いていて表情は見えない。

優は腰のポケットからSDを取り出すと起動する。

その刀身はフェンシングのように細かった。

 

「悪あがきをしたところで!」

 

「遅いんだよ!」

 

二宮優が剣を扱えるという情報は無い。

この行動も苦し紛れのもだと2人は思っていた。

…だが違った。

フランクとイヴォ合計6体が優を包囲するように斬りかかる。

 

「「終わりだぁ!!」」

 

 

「…ソニックムーブ!」

 

次の瞬間、優の姿が消えた。

フランクとイヴォの攻撃が空を切る。

 

「野郎…どこに…がっ!」

 

イヴォが周囲を見渡して優の姿を捉えようとしたその時。

右脇腹に痛みが走った。

攻撃を喰らいながらも視線を向けるとそこには細剣型SDで突きを放った優がいた。

 

「(何故奴が剣を使える…いやそれよりも…いつ攻撃した?)」

 

フランクは状況が飲み込めなかった。

 

「(英才教育でやっていたフェンシングがこんなところで役に立つとはな。)」

 

「この!」

 

イヴォはバックステップして体勢を立て直してから『トリプルアクセル』を発動して攻撃を仕掛ける。

だが、それよりも速く優の剣がイヴォの左肩を刺す。

 

「何故だ…何故てめぇが俺らより速い?」

 

苦々しく呟くイヴォ。

2人はお互いに距離を取る。

 

「…これが『ソニックムーブ』。つまり音速移動だ!」

 

「音速…だと?」

 

フランクが信じられないと言いたげな顔をする。

生身で音速移動など原理以前に肉体が耐えられない。

 

「てめぇらに説明する義理はねぇ!とっとと片を付ける!」

 

優はそう吐き捨てた。

 

 

 

 

 

 午後1時55分 試合開始から20分 日本代表控室。

優が発動させた『ソニックムーブ』。

その仕組みをにとりは一瞬で理解した。

 

「なるほど。振動、加速、硬化の三系統の魔法を同時に発動させているのか。」

 

「さ、三系統を同時にって…そんなバカな!」

 

魔法理論を勉強中の魔理沙が驚く。

 

「まず振動系魔法で音波を発生させて次に加速魔法で速度を上昇させて硬化魔法で音速でミンチにならないように肉体を硬化する。…全く大した情報処理能力だよ。」

 

にとりは素直に感嘆した。

 

 

 

 

 

 午後1時56分 試合開始から21分。

 

「(今の俺じゃ持って2分。だが、こいつらをぶっ飛ばすには十分だ!)」

 

『トリプルアクセル』などの瞬間的な加速魔法とは違って『ソニックムーブ』は常時加速状態を保つことが出来る。

つまり互いに睨み合った状態からなら優の方が速い。

イヴォが動き出す直前に優は懐に入り連続突きを放った。

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 

イヴォが呻き声を上げる。

 

「何なんだよ…てめぇは!」

 

今度はフランクが『トリプルアクセル』を発動して飛び出してきた。

優は一瞬でフランクの背後に移動して3体のフランクをほぼ同時に斬ったり突きを放った。

その中で背中を斬られたフランクが本体だったようで前によろめく。

優は次に体勢を立て直そうとしているイヴォの正面に移動する。

 

「くたばれ!」

 

残り少ない魔力で1発の『ディメンションレーザー』を放った。

 

「う、うああああああああああああああああああああああああ!」

 

イヴォの断末魔が響き、吹っ飛ばされた彼は自ら作り出した岩の壁に激突してさらに貫通した。

岩の壁に穴が出来たことで亀裂が生じ崩壊していく。

イヴォの体はフィールドの壁に激突してようやく止まる。

優は魔力を使い果たして片膝をつく。

フランクがチャンスとばかりに斬りかかろうとしたその時。

フィールドの壁に激突したイヴォが『アクセル』を発動して優へ突撃する。

 

「まだだぁぁ!」

 

イヴォが目を血走らせて吠える。

フランクは勝利を確信する。

これで2対1。

しかも相手は満身創痍。

だが、ここで誤算があった。

彼らは『怪物』を忘れていた。

『アクセル』を発動させているイヴォの真横から何者かがその横顔を右手で掴みそのままイヴォの左側の壁に叩きつけてイヴォの横顔が壁と右手のサンドイッチ状態となる。

二宮優はいまだ片膝をついて動けない。

なら誰か?

決まっている………黒刀だ。

 

「貴様ァァァ!」

 

イヴォが吠え、

 

「失せろ。」

 

黒刀がただ一言。

イヴォの横顔と黒刀の右手の僅かな隙間にオーラが集束する。

そして、抵抗1つ許さず放たれたのは覇王流砲撃魔法『カオスブラスター』。

漆黒の光線がイヴォに浴びせられる。

 

「うぐああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」

 

黒刀が手を離すとイヴォはゆっくりと床に倒れる。

 

「四季黒刀とイヴォの距離は30m離れていた…それが一瞬で…さっきこいつが使った『ソニックムーブ』か…それとも『抜き足』…」

 

フランクはそこまで考えてハッと気づく。

黒刀の全身を電光がバチバチと弾けていることに。

 

「電気?まさか電気で移動したって言うのか!」

 

 

 

 

 

 午後1時59分 試合開始から24分 日本代表控室。

 

「あれは『電光石火』。雷属性が使える歩法です。」

 

映姫がそう口にした。

 

「は、はえぇ…」

 

チルノはただただ感心して見入っていた。

 

 

 

 

 

 午後2時 試合開始から25分。

 

「30%ってところか…」

 

「あ?」

 

「お前らを倒すのに使うオーラの割合だよ。」

 

「調子に乗るのもいい加減に…グフッ!」

 

フランクはいつの間にか正面に移動していた黒刀に右アッパーを腹に叩き込まれ体がくの字に折れ曲がり肋骨がバキバキと折れる音が鳴り響く。

 

「あ~30%は過大評価みたい…だったな!」

 

黒刀はそう言い放ってフランクを上空へ殴り飛ばした。

 

「さて…カタール人は飛行魔法を覚えているのか?」

 

黒刀は不敵に笑った。

 

「っ!四季黒刀ォォォ!!!!

 

怒りと憎悪で顔を歪ませながらフランクは2mの長さの炎の槍『フレイムランス』を火属性魔法で4つ具現化させた。

 

「槍か…ちょうどいい。」

 

槍。

黒刀が誰を思い浮かべたのか言葉にするまでもない。

『八咫烏』を両手に持ち替えて下段斬りの構えを取る。

『八咫烏』へ黒いオーラを集束させていく。

 

 

 

 

 

 日本代表控室。

妖夢は瞬きもせずモニターウインドウを凝視している。

そして、待っている。

黒刀の伝家の宝刀…それが放たれる瞬間を。

 

 

 

 

 

 

「うおらっ!」

 

フランクが4つの『フレイムランス』を一斉に放った。

黒刀のオーラはさらに高まる。

フランクは全身に寒気を感じた。

 

カオスブレイカーァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!

 

黒刀が自身が最も得意とする剣技を放った。

その漆黒の斬撃は通常状態の黒刀が放ったにも関わらず以前の倍の規模と威力を誇っていた。

4つの『フレイムランス』は一瞬で消し飛ばされ『カオスブレイカー』は上空で自然落下中のフランクを真下から飲み込んでいく。

 

畜生がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

フランクの断末魔が響き、やがて彼はフィールドの床に落下していく。

大会スタッフが浮遊魔法で不要な怪我を防ぐ。

フランクは『カオスブレイカー』を喰らった時点で白目剥いて気絶していた。

 

《勝者 四季黒刀&二宮優》

 

黒刀達の勝利を告げる機械音声が鳴り響いた。

会場の観客の歓声が沸き上がり、空気を震動させる。

黒刀は『八咫烏』を納刀すると優の元へ歩み寄る。

 

「立てるか?」

 

右手を差し出す黒刀。

 

「ったく相変わらず憎たらしい奴だなお前は。」

 

優は苦笑して憎まれ口を叩きながら黒刀の右手を取り立ち上がる。

 

「任せろと言いながら…この様…」

 

「早く九条のところに行ってやれ。」

 

優の言葉を黒刀は一言で遮った。

 

「ああ。ありがとう。」

 

優は珍しくお礼を言って先にフィールドを去った。

黒刀はゲートへ歩き出す前に担架で運ばれるフランクに視線を向けると一言。

 

「槍ならもう少しマシなものを持ってこい。」




ED8 ヴァンガードG ギアーズクライシス編 Don't Look Back

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