アメコミ×SAO   作:鈴見悠晴

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闇の中で

どうやら捜査方法などの細かいチュートリアルは全員が集まってから始まったらしく、そこから計三件の犯人を逮捕した。その過程で拳銃や、警棒の使用方法を学び、バットマンやゴードンの協力を得て何とか逮捕までこぎ着けた。

その過程でよくわかったのがこのゴッサムシティの警察はかなり腐敗しているようで、犯罪者をまともに捕まえることもできない様子で、それを変えるために立ち上がったのがバットマンらしく、誰も彼の正体を知らないらしい。

これまで逮捕してきた連中はファルコーニの手下で、ほかにも多くのギャングがいるが現在最もゴッサムで幅をきかせている連中だが、ここまで積極的に取り締まってきたことにより少しおとなしくなってきたが、ここに来て何か大規模な反攻作戦を企てているらしく大きな動きがあったとバットマンが知らせてきた。つい最近捕まえた連中の内の一人が計画の詳細を知っている可能性があるということでそれを調べてほしいということだった。

 

「ようやく大きな動きがありそうだな」

地味に長かったチュートリアルに終わりを告げ、始まったメインストーリーの楽しみをよそに全員で留置所に向かっていく、ここまでリアル時間でおおよそ三時間。今日はそろそろここらでお開きかと思いとりあえずこれだけ終わらせようと到着したとき、話を聞こうとしていた人間が牢屋の中で死んだ状態で発見された。

 

なお、明日続きをやろうと言うことでこのタイミングで一時解散した。

 

 

翌日、残念ながらクラインとシノンは参加できなかったがそれ以外のメンバーは時間通りに集まった。

「しかし、昨日の段階で確認したけどあの人完璧に死んでたよね」

アスナの言葉通り昨日やったところまでで重要キャラだったはずのNPCは死んでしまっていた。

「うーん、さっきゴードンのところに行ってきたけど、あの男からたどっていくんだと思う。会話をしたら右上にあるメインクエストのタブが変化してるんだ。あと残り五日って言うタイムリミットも」

この台詞にキリトがSAO時代の大半をソロプレイヤーで過ごしたことの原因が出ていた。一緒に足並みをそろえて進むといった協調性がないのだ。

「「それを早く言いなさいよ」」

ほかのメンバーから出る突っ込みを受け少しだけ申し訳なさそうな顔をする割にはこの点は絶対に直らなかったのだから……

 

全員が確認した新しいメインクエスト、その内容は残り五日で情報をつかめというあまりにもアバウトな代物で、こちら側の自由度の高さを示している。この期間で何をするかがこのゲームの全てを決めるのだろう。

「何というか名和さんらしいこだわりを感じるね……」

リーファのこのつぶやきが全てだろう、こちら側に自由度を与えれば与えるほど作るのは難しくなるはずなのだ。しかし、そうじゃないとリアルじゃないとこだわったのだろう、それこそ学校をサボるほどには……

 

「とりあえず基本方針を決めよう、あいつは……確か密輸をしてたやつだよな」

「うん、あたしとアスナがゴードンの運転について行けなかったから現場に居なかったんだよね」

リズベットの言葉通りあの男はキリトとリーファの二人で捕まえた。

「じゃああいつが何を密輸してたのかを調べるか……後は、あいつをどうやって殺したのかだな」

「じゃああたしとリーファが殺害方法と犯人を調べてみるから、キリトはアスナと密輸したモノを探してよ」

基本方針を決定したメンバーはそれぞれに動き出した。

 

 

「あーそうやって動く感じね……まぁ悪くないんじゃない。ここから一回のプレイでどこまで行けるかな」

彼らの動きをこっそりと確認しているのはこのゲームを作り出した名和修介その人だった。

「でも一回目の動きでこれはほとんど最適解に近いんじゃないですか?」

真っ黒な服装をした男、バットマンとその横をふわふわと浮いている妖精ユイ。

バットマンのアバターを操作していた名和とデバック作業を行ったユイは完全にゲームの内容を把握しているため今回は完全に第三者として他人がやっているゲームを眺めるだけの人になっていた。

「でもこうやって人がやってるのを見てるだけってあんまり面白くないですね」

「それは言っちゃ駄目よ、こういうのは楽しかったって言われるのを見るときと作ってるときが楽しいんだから」

退屈そうにしゃがみ込んだバットマンはなんとも情けなく移った。

 

 

アスナとキリトが死んだ男の拠点に使われていた倉庫の中に入ると突然開いていた扉が閉まった。

「こっちだ」

「「!!!」」

突然後ろに発生した気配と声に二人が反応する。後ろに一歩下がった彼らの前には一人の男が立っていた。目につくのはその全身黒づくめの姿だろう、次がそのマスクとマントそれらに身を包んだ男はこちらの反応を見つめていた。

「お前たちは殺された男を調べに来たんだろう、ここは俺がもうすでに調べた。ついてこい」

簡潔に自分の言いたいことだけを言って歩き出したバットマンにキリトとアスナは互いの顔を見合わせて後を追った。

 

 

 

「リズさん、殺害方法を調べるって言ってもどうやって調べるんですか。私そんなの見てもわかりませんからね」

机の上に突っ伏したリーファを引きずるように死体があった殺害場所まで連れて行く。

「当たり前よ、そんなの私だって知らないし。でもこのゲームあの名和が作ったのよ、アンだけこだわるんだから鑑識ぐらい居るでしょ」

殺害現場に行けばそこには死体の代わりに白線で死体のあった場所がわかるようになっていて、さらにそばに警官が一人立っていた。

「ちょっと、ここで死んでたやつのことが知りたいんだけど」

そのリズベットの言葉に反応した警官は敬礼を行いながら返答をした。

「本官に何のご用でしょうか」

そしてリズベットの目の前に現れた選択肢を見て、ああここはこだわりきれなかったんだなと感じながらその選択肢を確認する。

用はない・被害者について聞く

その簡潔な選択しにここで力尽きたんだろうなぁと思いながら被害者について菊をタップする。

「まだ解剖が終わっていないようですが、どうやら未知の毒物による毒殺だと思われているようです」

 

「毒殺……」

リズベットはリーファのつぶやきを聞きながらすぐわかったことの安心感とこの後どうしようかと頭を悩ませた。

 

 

キリトたちがバットマンの後をついて行った先は巨大な地下水道だった。

「この街こんなモノもあるんだな、しかしこんな巨大な下水道って……普通もっと小さいだろ」

なんとなくつぶやいたキリトの一言にアスナが反応する。

「多分、これ元々は全く別のモノというか、少なくとも最初は下水道じゃ無いと思うよ」

「……どういうことだ」

アスナは一点を指さして理由を説明しだした。

「ほら、あそこ、レールみたいなのがあるでしょ。多分元は鉄道か何かなんじゃない、それに所々にある照明も下水道に使われるようなモノじゃ無いと思うな」

確かにアスナの言う通り、ほとんどの照明は壊れており役目を果たしているモノは少ないが、数少ない生きているモノはしっかりと周囲を照らしており、ところどこらにあるレールなどはここが元は地下鉄で会ったことを示そうとしているのかもしれない。

「……あいつのことだから上にあったリニアが普及した結果捨てられた地下鉄とかって言う設定なのかもな」

「ついたぞ」

この場所の設定に考えを膨らませているとバットマンはいつの間にか止まっており、目の前には今までよりもさらに広い空間が広がっていた。

 

「……これは」

「まんま、駅のホームだな」

 

二人の言葉通りそこには至るところに駅のホームの名残が残っていた。しかし、ここまでに通ってきた通路と同じように使われていた形跡があった。

「おそらくここまで使った場所は通路として、ここは何かの倉庫として使われていたのだろう。問題は、このスペースだ。」

バットマンが示したスペースは確かに異質の一言だった。ほかの場所はがれきなどがどかされているだけの最低限の手入れがされているだけだったが、そこはしっかりと清掃がなされていることで非常に浮いていた。

「ただの麻薬ならばほかの場所のようにがれきをどかすだけでよかったはずだ。考えられるのは二つ、何らかの化学的な変化を恐れるほど繊細なモノをおいていたのか……もしくは全く別のものを置いていたのか」

それっきりバットマンは一言もしゃべることなく黙り込んでしまった。

 

二人は顔を見合わせた。

「ここに何か秘密、それか痕跡が残ってるから探せってことかな?」

アスナの言葉通りおそらくここに何かがあるのだろう。

「……多分だけど、ここまでの会話の中に何かヒントがあるはずなんだ。バットマンの台詞から考えれば麻薬、もしくは何かもっと違うモノが見つかるはずなんだよな」

簡単に周囲を見渡すが、別段何かが見つかったわけでもない。試しに地面をそっとなでてみるが埃か土かが手につくだけだった。

「わかんねぇな」

 

「じゃあ、私たちが密輸犯だとしたら一体何をここに置くかな?バットマンが言ってたとおり繊細なモノをここに置くかな……」

「置かないだろ、……プロなら」

「じゃあ、ある程度放置してても大丈夫で、でもここに隠さないと駄目なモノ。…武器とか」

その発言にNPCのバットマンが反応した。

「いや、武器ではないだろう。武器ならばそれを専門に扱う連中がいる、わざわざここを使う必要が無い」

まさか、そっちから返事が来ると思っていなかったアスナは面食らうが、キリトは冷静に分析していた。

「このバットマンは多分AIが組み込まれてるんだ、ユイみたいなだからこっちの発言に反応できるんだ」

言いたいことを言って満足したのかバットマンはまただまり始めた。

 

「……武器じゃないならなに……スペースを使って、ある程度放置しておくこともできる。機械…とか?ほら企業泥棒みたいな」

アスナの言葉にまたもバットマンが反応する。

「機械か、可能性としては高いな……ウェインコーポレーションのような高い技術力を持っている会社が多い以上、そういった企みも多いだろうからな。もしそうなら彼は口封じにあったと言うことか……確定するのは早いかもしれんがその方向性で進めよう」

ここがゲームの分岐点、彼らは一つ目の分岐を終えた。

 




次の投降は22時になります。

続きの内容

  • キャプテンアメリカ
  • sao第一層
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