空の境界 『TheLost・of・Newworld』 作:レイノート
空の境界は書き始めたばかりなので、知識が乏しい場合があるのでご了承ください。
それでも大丈夫な方はゆっくりと読んでいってください。
プロローグ「浮世の始まり(前)」
この世は退屈だ。
何をするにしても、面白味があると思う事ができない。
かけっこで一番をとる事は?、当たり前。
テストで100点をとる事は?、当たり前。
誰かと喧嘩した時は?、勝つことも当たり前。
特に努力をしている訳でもない。少しだけ話を聞いて、考えれは理解出来ることばかりだと俺は思う。
俺にとって、それら全てが当たり前だった。
逆に皆が、何故出来ないのか不思議で仕方がなかった。
1+1の答えを表すぐらいに簡単な事じゃないか。
少し頭の造りが違うだけで周りは天才だの優秀だの好き勝手に言いやがる。別に自分は天才なんかじゃないし、お前らのレベルが圧倒的にまで低いだけだ。
あぁ…だからつまんねぇ。この世界はよ…。
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1994年6月25日。
ちょうど梅雨が過ぎたくらいだった。雨が降り、ジメジメした空気が張り付く時期であるが、珍しく今日は清々しい程の快晴だった。窓から入り込んでくる陽の光が眩しいぐらいに。
学生達が学業に謹む中、俺…
一昨年4月の始業式以来、学力テストの日を除けば、中学校に全くと言っていいほど行っていない。学校に行くのが面倒臭いという事もあるが、それ以前に中学校レベルの教育で学ぶ事など何ひとつも無かった。
小学校高学年の時に、既に高校レベルまでの学力は備わっていたし、今なら東大の模試すら片手間で解けるレベル。
教師達も最初こそ、学校に来るよう散々催促してきたが、今じゃこの通り音信不通。いや半ば放置されているだけか。
それもそのはず、学力テスト以外の時は完全不登校かつ毎回百点を取っていれば、教師たちも黙らざるおえない。
全く優秀過ぎるのも、またつまらないなァ。
「家でダラダラするのも飽きたなァ。」
俺は手に持っている缶コーヒーを一気に飲み干し、目の前の四本足で立つ机の上に空き缶を放置する。
テレビのリモコンを手に取り、テレビの電源を入れる。
暇なので、適当にチャンネルを回していると先日起きた連続殺人のニュースがやっていた。
『結局犯人は何の目的で殺人を続けているのでしょうか?』
『今まで被害にあったのは全員男性なんですよ。その男性達になんらかの恨みを持つ者の犯行だと私は思います。』
「(はぁ…馬鹿かこの司会者共は。こんなにヒントが出てンのに、答えがわかんねぇのかよ…。)」
俺はあまりにも簡単にすぎる答えが分からない司会者達に対し、呆れてため息をつく。それに加え、
頭の中じゃ、既に犯人の目的はだいだい分かっていた。
まず、殺されたのが全員二十歳前半の若い男性。先程恨みを持つ者の犯行だと言うのは、ここまでなら誰でも思いつくだろう。俺が言いたいのは、その二歩先。
俺が独自(警察のデータベースにハッキング)に調べた物もあるが、殺された全員が同じ暴力団の下部組織のメンバーだ。しかも、全員が婦女暴行の前科がある。
これらのヒントから、婦女暴行の被害にあった家族か恋人、または友達だと考えられる。
先の司会者やニュースを見て気になるヤツはこれぐらいやってから語ってくれとつくづく呆れる
まあ、既に誰が犯人かなんて調べはついているが、生憎と俺はめんどくせぇことはしねェ主義なんでなァ。
喉が渇いたなぁ。
手を伸ばし、缶コーヒーを取ろうと段ボール箱をあさるが───無い。アレだけ買い溜めしておいた缶コーヒーが無い。
「チッ、買いに行くしかねぇか。」
そう一人呟き、テレビの電源を消し俺はソファから起き上がる。
そのまま、玄関の方へと歩いていった。
「\ピンポーン/」
インターホンの音が部屋に響く。
「チッ…」
タイミングの悪さに思わず舌打ちをする。少しイライラしながらドアノブに手をかけ、玄関口を勢い良く開ける。
「ぐわぁ!?」(ガン!!)
「あン?」
扉を開けたが、目の前には誰もいない。誰かのイタズラだろうか。
「いてて…」
扉の後ろから呻き声が聞こえる。声の発生源を覗き込む。
「そんな所で何やってンだよォ、コクトーくゥンよ。」
そこに居たのは黒い学ランに身を包み、鼻を手で抑えている眼鏡の少年。名を
「勢い良く開いた扉に鼻をぶつけて、尻餅ついたんだよ…あいてて…。」
(あぁ…やっぱりそうか。さっきなんかに当たった感触あったんもンなァ…。)
「それで…一体なンの用かなァ、こちとらイライラしてンだよ。」
まあ、黒桐のヤツがなんの目的で来たかなんて、いちいち聞かずとも分かるんだけどな。学生ならこの時期にあるイベントだ。
「あはは…テスト範囲でちょっとわからない問題があってね。少し教えて貰えないかな?」
そう、テストだ。
そう言えばもうすぐ期末だったな。勉強なんてほとんどやらなくても覚えているもんだから忘れていた。
「チッ、コーヒー買いに行ったらでいいか?」
「別に大丈夫だよ。こっちが勝手に押しかけて来たようなもんだし。なんなら僕も付き合うよ。」
「そうかよ、勝手にしろ。」
玄関口の鍵を閉めて、黒桐共に階段を降りる。
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歩くこと十分。芸夢と黒桐の二人は業務用スーパーへと足を運び、近くにあった買い物カゴを手に取る。
いらっしゃいませー!と元気の良さが前面的に現れてる定員の声を聞きながら、ドリンクコーナーへと向かっていく。
相も変わらず品揃えが豊富であり、数多のコーヒーが並べられていた。
買い物籠にガツガツと大量の缶コーヒーを入れていく。せっかくなので、いつも飲んでいる種類とは別の缶コーヒーも大量にだ。
みるみるうちに買い物カゴは缶コーヒーで溢れかえった。
「相変わらず凄い量買うなぁ…本当に大丈夫なの?」
「うっせぇ。別にいいだろうが。」
芸夢自身も何時からコーヒーを飲み始めたかはよく覚えていない。気づかぬうちに缶コーヒーを毎日何十本と飲むのが癖になっていた。はたから見たらカフェイン中毒で死なないか心配されるぐらいの量は飲むイカれたヤツ。
「前も思ったけど神野って案外力持ちなの?」
「俺がそんな力持ちに見えンのかよ。前にも説明した通りだよ。」
見る者が見れば、異常な光景であろう。缶コーヒー溢れかえったカゴを中学生の少年が軽々と持ち上げているのだ。
少し鍛えているからと言って、細身の肉体である芸夢にとって、力などとは無縁である。
では、何故、こんなに軽々しく重い物を持てるのか。
理由は簡単。彼の異能の力によるものだ。
力の掌握。
この世界で起きうる現象には必ず何らかの力が働く。電力、風力、重力など、頭で理解した力を掌握し自在に操ることができる。
芸夢は重力を操作しているため、軽々しく荷物が持てるのだ。
「いや、信じ難いって言うか、なんて言うか。あんな超人的なことをされると脳が追いつかないっていうか。まあ、未だに受け入れられてないんだ。」
「あァ…そうかい。寧ろ…信じろって言うのが無理だ。」
そのままレジへ缶コーヒーを持っていくと、店員が少し引き気味な顔をしつつ、品物をレジへ通していく。
「8400円になります。」
「……。」
芸夢は無言のまま財布から一万円札を取りだし、レジに置く。
買った本数はちょうど60本。加えてハーゲンダッツのチョコレート味を15個。
特大サイズの買い物袋を3つに分け、それぞれの袋に店員二人がかりで詰め込んでいく。
「ありがとうございました!」
店員の声と同時に袋を持ち、外へ足を進める。他の客も芸夢達の荷物を見て驚く者はおらず、最早見慣れた光景として気にも止める人はいなかった。
「(つゥーかなんで俺、ハーゲンダッツまで一緒に買ってンだ?)」
いつの間に買い物カゴに放り込まれていたハーゲンダッツ。恐らく黒桐が入れたであろうもの。特に嫌いという訳でもないし、だからといって好きでもない。
あれば食べる程度のものなので、特に気にしてなどいなかった。
これから黒桐にテストの内容をどう教えるか、思案しながら芸夢は帰路へと着いた。
ハーゲンダッツは一日一つ。
皆さんもアイスは一日一つにしないとお腹を壊すのでやめましょう。ちなみに私が好きなのはクッキーバニラです。(※いやチョコじゃねぇのかよ。)
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